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サウンドプロ

ポルシェGT3991のオーディオインストール事例

サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>

  • 事例No.703(お問い合わせの際にお伝えください)

    model

    ポルシェ GT3 991

    system

    メインユニット:純正
    デッドニング:フロント
    フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO SX165MX080
    センター:なし
    リアスピーカー:純正
    サブウーファー:KICKER HS10
    プロセッサーアンプ:audison AP F8.9bit DRC
    コンバーター:audiotechnica AT-HRD1
    ケーブル:SAEC

    comment

    純正2DINナビの出力をDSPアンプに入れて、フロント3way+パワードサブウーファーを鳴らすシステムです。
    iPhoneのデジタルソースもDSPに直接入力できるようにインターフェースも追加しました♪

  • ダッシュボード


ポルシェ911 GT3の事例ご紹介です。
こんな小規模ショップのサイトですが、ときどき登場するクルマですので、いつも閲覧していただいている皆様にはおなじみ化してるのではないでしょうか。

GT3はポルシェを代表する911の走行性能をさらに高めたレーシングタイプのクルマです。
「GT」という称号は5代目の996(1997年)から登場しています。それまでのカレラに変わる最強モデルを指し、NAモデルがGT3、ツインターボモデルがGT2と呼び分けられ、さらにスポーツ性能を高めたモデルがGT3 RS/GT2 RS(997型から)となっています。

値段もマンション並みで、お預かりするたびに緊張感でヒリヒリするのですが、今回ご登場いただくクラブスポーツパッケージ仕様車も10数台を数え、お陰様でだいぶ慣れてきました(^o^)

今回の車の一部をご紹介しますと、、トランスミッションはオートマチックと同様のコンソールですが、セミオートマとも呼ばれるクラッチのないマニュアルトランスミッションで、クラッチ操作と変速操作を油圧を利用したコンピューター制御でおこなっているので、プロレーサー並みのシフトチェンジが可能になっています。
ポルシェ初のスポーツオートマはティプトロニックだったと思いますが、コレの登場によって、スポーツ=MTというだけの時代に比べてぐっと顧客層が広がったんでしょうね。(売り上げも♪)


今回のGT3のオーナー様は他の多くのオーナー様同様、高鳴るエンジン、吠えるマフラー、タイヤの喧騒と、渦巻く騒音の中にあっても、心地よくビートを楽しめる環境を手に入れたいということでご相談いただきました。

システムの概要としては、純正のヘッドユニットをメインソースとして、DSPアンプで増幅・調整して、フロント3wayスピーカーをマルチで鳴らし、パワードサブウーファーで低音域を固める仕様です。
ソースはヘッドユニット(純正ナビ)に加えて、デジタルインターフェース経由でiPhoneのデジタルソースも選択的に再生できるようにしています。

以下、コンポーネント紹介です。
○ヘッドユニットとDSPアンプ
ヘッドユニットはクラリオンからOEM供給されている純正2DINナビです。
911系のオーディオは993まで1DINデッキでしたが、996から2DINナビが導入されることとなりました。これは991型の途中まで続き、以降は統合型のインフォテイメントシステムであるPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム)に移行しています。
991が境目ですので、今回のモデルが最後の2DIN搭載車ということになります。

この2DINナビは、セパレート式の純正アンプを経てフロント3way+センタースピーカー、リヤの9スピーカーを鳴らす仕組みになっていますが、2DINナビから直接スピーカー出力を取り出すこともできる作りになっています。
今回はナビのフロント出力をDSPアンプに取り込んで、フロント3wayとパワードサブウーファーを鳴らすことにしました。

今回使ったDSPアンプはaudisonのprima AP F8.9bit DRC(税込165,000円)です。
AP F8.9bitは、リーズナブルなDSP市場拡大の立役者となった名機AP 8.9bit(税別11万円)をベースに、内蔵アンプ出力を35 W x 8ch→85 W x 8(4Ω時)とパワーアップし、デジタル入力のサンプリングレートを94kHz→192kHz/24bitとスペックアップしたモデルです。
そして今回のAP F8.9bit DRCは、別売り設定されているDSPコントローラー(DRC AB・税込13,200円)をバンドルした製品です。

今回は8ch分の内蔵アンプのうち、ツイーター(2ch)、スコーカー(2ch)、ウーファー(ブリッジ=4ch)と割当て、パワードサブウーファーはプリアウトで制御しています。

○デジタルインターフェース
今回の目玉の一つがiPhoneのデジタルソースのダイレクト再生です。
ソースの入り口としてオーディオテクニカのAT-HRD1(税込16,500円)を取り付けました。

接続としては、iPhoneからアップル純正のUSB変換コネクタ(Lightning - USB 3カメラアダプタ)を介して、当AT-HRD1に入力し、光ケーブルでDSPに入力する格好になります。
なお、カメラアダプタに向けて、給電用USBコネクタも挿してありますので、再生と充電が同時に行われるようになっています。

○スピーカー群
当店人気のブルームーンオーディオで統一しました。
フロント3wayのうち、高域のツイーターと低域のウーファーは、2wayモデルのSX165(税込48,400円)、中音域のスコーカーは8cm口径のMX080(税込33,000円)でコーディネートしました。
ドアは、外部アンプによるパワフル駆動にも耐えられるデッドニンググレードで防振し、ウーファーとスコーカーはカスタム制作によるバッフルを介して、頑丈に取り付けました。
ツイーターについては、音質重視でAピラーに埋め込む選択肢もありますが、今回は純正の外観重視で純正スピーカーグリルの下でトレードインしました。

○パワードサブウーファー
パワードサブウーファーはKICKERのHS10(税込70,400円)です。
最近主流のシート下に収まるタイプです。911系の車両では定番のリヤトレイの上に設置しました。
直径10インチ(25センチ)のウーファーをもち、定格出力180W。ボディは重量感たっぷりのダイキャスト製で、6.35kgとずっしり安定しています。


以上をもって、デジタル直接再生も可能な、フロント3way+サブウーファーのパワフルシステムを構築しました。
外来ノイズが盛りだくさんのポルシェでは定番のパワードサブウーファーに支えられて、土台のしっかりしたサウンドが出来上がりました♪

施工の様子をどうぞ御覧ください。

  • フロントドア

    最初はドアチェックからです。

    GT3はスポーツモデル(レーシングモデル)の位置づけではあるものの、パワステ・フルオートエアコン装備で、ラグジュアリースポーツといった風情です。
    内装もご覧のようにスパルタン風味のゴージャス系で、オーディオも通常の991と共通です。

    繰り返しご案内しているようにフロントは3way(+センタースピーカー)で、ウーファーは右下、スコーカーはドアハンドルの奥。ツイーターはダッシュボード上という具合になっています。

  • ドアトリム取り外し

    ドアトリムを外したところです。

    俗に言うインナーパネルは8割方が樹脂製のパネルで、ウインドウ関係の機構以外は全てパネル側に組み付けられています。

    ウーファーは堂々の20センチ径!スコーカーは約10センチ径です。
    一つ前の997型では、スコーカーが(相対的に足場の悪い)ドアトリム側についていましたが、当991型ではインナーパネル側に設置されるようになっています。

    今回の施工では、アウターパネル・インナーパネルともにハードに防振を行い、写真の両ユニットをMDF製バッフルを介して社外のブルームーンオーディオ製スピーカーに置き換えます。

  • アウターパネル側作業

    アウターパネル側の作業が終わったところです。

    ドアのフレームの上端に付いていた、サイドエアバッグモジュールを外してから、面積の8割を占めていた樹脂パネルを外すと、アウターパネルが現れます。

    アウターパネルの全面をキレイに掃除して脱脂し、Dr.Artexの防振材を配置して全体的に重みを付け、共振が起きにくい状態に持ち込みます。

    このステップで、スピーカーケーブルも引きこんでおきます。

  • インナーパネル作業

    インナーパネル側が終わったところです。

    最初に取り付けるのがインナーパネル(樹脂パネル)で、次にエアバック関係です。
    その後、大口径バッフルをつけて、ブルームーンオーディオSX165のウーファーを固定、次いでアルミバッフルに取り付けたMX080をスコーカーとして取り付けます。

    最後に全面を防振材で覆っておしまいです。

  • ドアトリムデッドニング

    今回はドアトリム側のデッドニングも行いました。

    ドアを程度の良いスピーカーボックス(エンクロージャー)として仕立てるために、インナー/アウターバッフルに重み付けを行うドア防振(デッドニング/ドアチューニング)は必須ですが、インナーパネルを覆っている化粧板であるドアトリムも、スピーカーに同調して共振してしまいますので、ドア筐体と同様に防振するのに越したことはありません。

    さらに言うと、スピーカーをアウターバッフル化せず、純正の位置で交換する場合、純正スピーカーに比べて強化された波動の一部がドアトリムの内側の空気を揺らし、ドアトリムが共振しやすくなるため、ドアトリム防振の重要性がさらに増します。

    今回は、ドアトリム全体に均等に重みがつくように、四角くカットした防振材を均等に貼り付けています。
    グリグリとリブや溶着などで堅牢度が増している部位より、プレーンな平面の方が揺れやすいので、平面部分を集中的に攻めています。

  • 純正ツイーター

    次にツイーター交換の前後を御覧ください。
    まずは交換前の純正ツイーターの様子です。

    ダッシュボード両端にはめ込まれている「エアコン吹き出しグリル兼ツイーターグリル」を裏から見たところです。
    下側についているのが純正ツイーターユニットで、金属バネで留まっています。

  • ツイーター差し替え

    SX165のツイーターに差し替えた後の状態です。

    おしり側から眺めているので、正面側が見えませんが、SX165のツイーターについている金属製のパンチンググリルは抵抗を減らすために取り除いています。
    新ツイーターは純正ツイーターよりも一回り小さいので、テープを巻いて直径を調整してから、純正と同じ様に金属バネを使って固定します。

  • 運転席シート下

    運転席のシート下に再生・増幅側の機器が集結しています。

    絵的に地味で恐縮ですが、、カーペットの一部を切り取って場所を作り、DSPアンプのaudison AP F8.9bit DRCを置き、その上にオーディオテクニカのデジタルインターフェースAT-HRD1を設置しています。

    冒頭の配線図でもお示ししておりますように、DSPアンプへの入力は2DINナビのフロント出力です。ここからフロント3wayのスピーカー群と、後出のパワードサブウーファーへ信号が出力されています。

    ソースユニットとしては事実上の主役となるiPhoneからは、ライトニングケーブル>ライトニングUSB-3カメラアダプタ>USBケーブル>デジタルインターフェース>光ケーブルとたどって、DSPアンプに入力されます。
    ここでいうUSBケーブルが、写真に写っている青/金のケーブルです。

    白いケーブルはライトニングUSB-3カメラアダプタに向かって給電するためのUSBケーブルです。
    よって、白ケーブルが挿さっているのは、後付の給電USBソケットということになります。

  • パワードサブウーファー設置

    ちょっと新鮮なアングルで撮影できました♪

    ロールケージの向こうに見えるのがパワードサブウーファーのKICKER HS10です。
    911系の場合、このリアトレイがパワードサブウーファーの設置場所として定番となっています。今回は一台設置ですが、2台並べて設置されるケースも少なくありません。

  • DSPコントローラー設置

    最後はDSPアンプのコントローラーです。
    今回使っているaudisonから、単品売りされているDRC ABという製品ですが、今回はDSPアンプのバンドル品として入手しています。

    コレを使うことで、○純正デッキ or iPhoneのソース選択、○タイムアライメントなどの音響セッティングプロファイル選択、○デジタルソース選択時のボリューム、○パワードサブウーファーのボリューム調整といった操作が可能になります。

  • 作業後記

    今回はポルシェ911 GT3(991型)のサウンドアップ事例を御覧いただきました。

    構成的にはフロント3wayの交換+デッドニングにパワードサブウーファーを加え、DSPによるソースマネジメントを行ったシステムで、当コーナーのポルシェのエントリの中では、ハード系に属する内容でした。

    特に、多くのポルシェ車のメリットである、ケタ違いに大きくて分厚い特大バッフルのおかげで、音場の広さに大きく寄与する低音域の伸びは、17センチユニットの限界レベルまで引き出せていると言っても過言ではなく、純正外観キープの枠内でこのグレードアップが図れる素性の良さはホントに評価に値すると思います。

    文中でも触れましたように、外部アンプつきの仕様でありながらも、996から991までのポルシェ車は内蔵アンプを隠し持ったクラリオンOEMヘッドユニットを持っているので、容易にハイレベル出力が取り出せますし、さらにはパワードサブウーファー運用に都合の良いRCA出力も備えているので、あとはご予算次第♪でシステム設計の自由度の高い車です。


    せっかくなので、やれることをざっと整理してみますと・・(予算昇順)

    ○入れ替え系
    フロント3way・センター・リヤの各スピーカーだけ社外品に交換(+防振)(マカン/718ケイマン

    ○パッシブ系
    ・フロント出力→ネットワーク→フロント2wayあるいはフロント3way(ケイマンGTS/911/マカン
    ・フロント/リヤ出力→バイアンプ対応ネットワーク→フロント2way(ボクスターS

    ○マルチ系
    ・フロント出力(ネットワークモード)→4chアンプ→フロント2way+RCAからパワードサブ
    GT3
    ・フロント出力→DSPアンプ→フロント3way+リヤ+RCAからパワードサブ(ボクスターS/GT3/GT3

    ・フロント出力→DSP→4chアンプ→フロント2way/モノアンプ→サブ(パナメーラGTS
    ※BOSEアンプの出力から先で展開する事例もあり(パナメーラGTSグランツーリスモ

    当店のインストール事例を顧みてみますと、ざっとこんなところでしょうか。
    3way格納可能なレイアウトと大径バッフルのメリットを活かし、コスパ重視でいくと、フロント3wayのパッシブ(+パワードサブ)あたりはなかなか良い選択のように思えます。

    あとは電源引き込みを伴うマルチ系でDSP音作りの方向にいくわけですが、ここは予算に応じて音質が上がっていく世界ですね。

    フロントの中高音域スピーカーの音場をぐーっと広げるサブウーファーは、ぜひ導入したいハイファイ不可欠アイテムですが、室内がタイトなポルシェの場合、据え付け型のエンクロージャー(スピーカーボックス)にスペースを専有させたくない方が少なくないので、シート下(背面)設置が可能なパワードサブウーファーが支持される傾向が強いようです。

    今回のようにリアトレイにパワードサブウーファーをおいて楽しむパターンも好評ですが、シート下をフル活用すれば、フロント3way・DSP・パワードサブと一通りやっても、(シート下を覗き込まない限り)外観に変更を加えずにサウンドアップが可能です♪

    どうぞお気軽にお問い合わせください
    直接のお電話もお気軽に♪03-5913-8450です!