デッドニング&スピーカー交換の次の一手。
アンプで表現力アップ。
-なぜアンプを入れるとイイのか。お話します。-
カーオーディオ、始めの一歩
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全くのノーマルの状態をスタート地点として、カーオーディオのグレードアップを図ってみようといった場合、まず最初に手をつけるべきはドアの防振処理(デッドニング・ドアチューニング)というのは、半ば常識になりました。
次いで、あるいは同時にスピーカーも高性能な社外品に交換して、スピーカーボックスの役割を担うドア周りのレベルアップを図るのが最初のフェーズと言えるでしょう。
これに加えて、ヘッドユニットからスピーカーまでの間の伝送ロスを減らすために、高品位なスピーカーケーブルへの交換も初期段階でお勧めしているメニューです。
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オーディオシステム全体を川上/川下で表現すると、ここまででは、川上にあたるデッキ類には一切手をつけていないのですが、信号の伝送経路と音の出口である川下部分に手を入れて、川上から受け取る情報をうまく出せるようにしてあげるだけでもかなりフィーリングがよくなります。実際に同メニューを施工させていただいた多くのお客様から一定の評価を頂戴していることもその証左と言えるでしょう。
当面の間、ドライブがとても楽しくなること請け合いです♪
しかし・・・・
いつしかふと沸き起こる感覚。。
「もっといい音で聴いてみたい・・・」
一応、自由資本主義体制下で暮らしていれば、どんなに大きな変化にもいつかは慣れ、次の楽しみを探してしまうものです。
大好きなことを夢中で追いかけている人なら、そのペースはなお一層早いものになることでしょう。
このページでは、そんなヒューマニズムあふれる方のために、次の「もうしばらく」を楽しむための一つの選択肢として、外部アンプの導入に関する情報をお伝えいたします。
アンプの役割とは?
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一言で言うと信号の増幅器です。
CDデッキなどのヘッドユニット内の再生部から出力される数百ミリボルト程度の音声信号を数ボルトのレベルにまで増幅(拡大)させ、スピーカーを駆動(コーン紙を動かす)するのに十分なレベルの電圧の信号を供給する役割を担っています。
純正デッキにはアンプがないの?
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純正デッキにももちろんアンプの機能は搭載されています。前述のように再生部から出力される数百ミリボルトの電圧では直接スピーカーを動かすことができませんから、なんらかの増幅機能がなくては音が出ません。
デッキ本体の中に、小さなアンプのモジュールが組み込まれており、再生部から受け取った信号を増幅し、出力端子を介してスピーカーへ受け渡しています。
アンプ内蔵式の社外のデッキも同様です。それに対して、専用の電源部と増幅部だけを別の箱に収め、信号はデッキからケーブルで供給してもらう方式のものは「外部アンプ」と呼ばれます。
ではなぜ外部アンプが必要になるのか?
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当然のことですが、現状の音に満足していらっしゃる方には必要ありません(^^;
もっとクリアないい音を楽しみたい。もっと大きな音にも身をゆだねてみたい。。 そんな思いが沸いてきたときに、高い性能を持つ外部アンプ導入の検討の価値が出てきます
アンプの性能とは?
増幅器であるアンプの性能を評価する尺度には何があるのでしょう。特に性能差に影響する3つのポイントについて、純正内蔵式と社外外部式との違いに触れながら見ていきましょう。
出力
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より大きな電流を扱える高出力なアンプほど、スピーカーのコーン紙を意図したとおりに前後に動かしたり、ぴたっと止めたりする能力を持っているので、より音声信号に忠実な音(≒コーン紙の動き)を得ることができます。
そんなに出力が大きくないアンプでも、一応、コーン紙をポーンと押し出すことはできるのですが、その後、音を止めるべきところでコーン紙をピタッと止める能力(=制動力)がないと、ボワンとした緩慢な音になってしまいます。この制動力は一般的に出力に比例して大きくなります。特に大口径サブウーファーをドライブするアンプなどは、コーン紙をドン!と突き出してビシッ!と止めることができないとなんとも歯切れが悪く、特にスピーディなロックなどの場合は使い物になりませんので、特に出力の大きなものが好まれます。
一般的な純正デッキ内蔵のアンプだと5Wから10w程度、外部アンプだと40-100w、それ以上だと200w、400w、サブウーファー用だと1000wクラスなんていうのもあります。
歪み
一般に率(%)で示される値で、アンプに入力された信号の波形に対して、出力されてきた波形に生じるゆがみのことをいいます。
歪みには、信号がアンプで増幅される際に生じるものと、スピーカーユニットにおいてコーン紙が動く際に生じるものとがあり、発生源が違うものを同一に語ることは適当ではないのですが、体感的には大した区別はなく、現象はボリュームを大きくしたときに顕在化してきます。
もう少し大きな音で気持ちよく聴きたいな~とボリュームを大きくしていくと、ガナった感じを覚えたことはありませんか?あるいは少し割れ気味な感じというか。。
一般的にこういった現象は、「ボリュームを大きくしたからうるさくなったんでしょ?」ということで片づけられてしまいがちですが、これは単に音の大きさだけの問題ではなく、「歪み」が大きく関係しています。
山があって谷があってという音の波形はお分かりになると思います。山と山、谷と谷の頂点の間隔が広いと低い音、狭いと高い音がでて、山と谷の深さが浅いと小さい音、深いと大きい音になりますね。
この山谷の深さが深くなるにつれて、いいかえるとボリュームを上げるにつれて、山の頂点近く、あるいは谷底近くのところで波形に歪みが生じてきます。
こういったとき、前述のように音が濁ったり、割れたりといった不快な感じがするのです。
この歪みはアンプの能力の限界付近で発生します。純正レベルの内蔵アンプに比べて、より高い性能の部品を使い、出力も大きな外部アンプの方が限界が高く、格段に歪みが小さいクリアなサウンドを得ることができます。
スピーカーユニットの性能との兼ね合いもありますが、「気持ちよくデカい音♪」「十分デカいのに割れない音!」という、一見矛盾したような現象は、外部アンプだとアリなんです。(スピーカーの適切な取り付けと防振施工が前提ですが)
ノイズ
電子機器に電気が通る際には必ず一定のノイズが発生します。アンプが増幅をおこなう際にも一定のノイズが生じ、これが音を濁らせる要因となります。
有用な信号(signal)に対する不用なノイズ(Noise)の比率という概念でSN比といい、db(デシベル)という単位であらわされ、この値が大きいほど、ノイズが低いとされます。
ノイズはありとあらゆるところから発生します。電源部のトランスやCDを回転させるモーターなどが大きなところで、その他、基盤に並んでいる抵抗部品やトランジスタを始めとしたパーツがそれぞれ固有のノイズを発生します。これらの総和が塵も積もれば式でおおきなノイズに発展していきます。
外部アンプにすることで、ヘッドユニット内のモーターや電源部のノイズと縁を切ることができ、また、より大きなケース(筺体)内に部品を配置することで、トランスとの距離を確保することができるようになります。また、電子部品群のクオリティーが全体的に上がることで、ノイズの総和も減ってきます。
しかし、上述のようにノイズ源はあらゆるところにあるので、外部アンプの取り付け位置によっては、まれに磁界や振動の影響によって、新たなノイズを拾ってしまうこともあります。硬質なアンプボードを用いたり、その他必要に応じた対策をとるなど、ある程度丁寧な施工が必要になってきます。
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無音状態でボリュームを上げると、「サー」というノイズが聞こえますよね。これがノイズです。ノイズ源はシステム全体に散在していますので、一気に根絶させることは難しいのですが、アンプの交換がこの改善に大きく寄与することは確かです。
ノイズが減ると、聴きたい音のにじみやボケが減って、コントラストの高いあざやかな音が楽しめるようになります。
ということで・・・
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デッキの再生部で紡ぎだされる信号を、より小さな歪みで、より低いノイズで、スピーカーまで届け、かつ、余裕のある力でコーン紙を意図したように駆動したいと思うと、内蔵アンプに比べて繊細で体力のある外部アンプ投入という選択が視野に入ってくるわけです。
外部アンプ導入にあたって考慮することは?
音声信号の入力方法確認
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純正デッキやナビヘッドから外部アンプにライン信号を取り込むことになりますから、デッキの状況によって、信号を確保する方法を判断しなくてはいけません。
デッキ側に赤と白のライン出力端子がある場合は、直接ラインケーブルでアンプにつなぐことができます。
これがない場合も、デッキから出ているスピーカーケーブルを直接入力できる「ハイゲイン入力」タイプのアンプであれば、そのまま接続できます。
機種選定と設置場所の確認
導入したいアンプの設置場所を決めます。
ハイエンドのアンプだと、タテ30センチ以上、ヨコ50センチ以上といった大型のものもありますので、こういう場合はトランクへ直行となり、ケーブルの引きまわしも少し大変になったりします。
最近は「入門用」と限定的に表現する必要もないほど高性能でとてもコンパクトなアンプがありますので、純正デッキやナビヘッドとの組み合わせなら、このクラスがとてもお勧めです。
電源の確保
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外部アンプ導入による最大のメリットは、大きな出力によって、コーン紙の制動力(コントロール力)が得られるようになることです。 その高出力を発生させるにはより大きな電流が必要です。
よって、通常の車載機器のようにデッキ裏から持ってくるアクセサリー電源の代わりに、専用に電源を引きこむことになります。「バッ直」という用語(隠語?)をお聞きになったことはないでしょうか?「バッテリーから直接!」の略でバッ直というようです。
その名の通り、バッテリーのプラス端子から太めの電源ケーブルで車内に直接電源を引き込み、アンプの電源端子に接続します。 このための電源ケーブルキットが必要になります。
あと、場合によっては、電源ケーブルの先を一旦、電源ブロックという金属製のターミナルに接続して、そのターミナルから分岐させたケーブルとアンプを接続するパターンもアリです。こうしておくと、後々、十分な電源を確保したい機器を追加したくなった時にターミナルから直接とれるので便利です。
デッドニング&スピーカー交換で楽しんだあとの
次の一手としてのアンプ交換。
面白そうに映りましたか?
参考までに見積もり例を掲載しておきますので ご興味をお持ちの方はご覧ください。
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見積もり条件:
シート下にアンプ設置スペースがあること
デッキにライン出力端子があること(無くてもダイジョブです)
一応国産車アンプ:JBL GT5-A402 ¥22,000 電源キット:audiotechnica TPK-861 ¥6,500 ラインケーブル:audiotechnica TRC7325/2.0 ¥6,800 スピーカーケーブル:MusicSpirit Swing 3m ¥1,950※1 アンプボード:カスタム制作(硬質加工済み) ¥8,000※2 施工工賃 ¥35,000 セット価格(税別) ¥80,250 ※1デッキ⇔スピーカー間のケーブルをアンプ⇔スピーカー間に延長するために追加で必要となるケーブルです。
※2アンプを振動から守るための硬質加工したMDF製アンプボードです。
★デッキにライン出力がない場合はハイゲイン入力で対応します。