ポルシェ944のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
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当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
ポルシェ944の事例紹介です。
当店でご紹介するポルシェというと、(1)主力の911系(GT2/GT3含む)、(2)2シーターのボクスター/ケイマン、(3)SUV系のカイエン/マカンの3系統で占められますが、ポルシェの歴史を遡ると、911と並んでポルシェのアイコンだったクルマがあります。
それが、今回ご紹介する944が属するクーペ系統のモデルです。
そのスタートラインは1975年に発売された924です。
924は、フラッグシップである911の脇を固めるスポーツクーペとして開発され、ながらく空冷RRにこだわった911と違って、スタート段階から水冷エンジンのFR形式を採用していました。
外観上のキャラクターを決定づけたのは開閉式のリトラクタブルヘッドライトで、キュッとヒップアップしたハッチバックのスタイリングと併せて、新時代のポルシェの形として多くの人に目に刻み込まれました。
この924に次いで、よりラグジュアリー性を高めて開発されたのが928でした。
発売は924から3年遅れの1978年で、エンジンは、924の1983-2479cc(ターボ)からV8の4474ccにスケールアップし、ボディサイズも一回り大きくなりました。
特徴的だったライトについても、ライト後方を支点として開くタイプから、前方を支点として、半球状のアッセンブリーがセリ上がる!という、後にも先にもこれ一台というタイプに昇華し、その圧倒的な動力性能とともに記憶に残る一台となりました。
そして、この924と928の中間モデルという位置づけで開発されたのが944でした。
ハッチバックボディ&924方式のリトラクタブルライトを踏襲し、2,478-2,990cc(ターボ)の4気筒を搭載していました。
発売年は1983年〜1991年。開発当初は911の後継に位置づけられていたほどなので、スポーツ性能の評価も高く、セールス的には好調だったようです。
今回お迎えするのは、高コンディションを維持された、グランプリホワイトが眩しい1台です。
販売終了から30年を超えて、スピーカーのメリハリもイマイチな感じになってきたので、リフレッシュ+αの音質改善を求めてご相談いただきました。
純正では、デッキが1DINのオーディオデッキで、スピーカー構成はフロント/リアの4スピーカーというシンプルなシステムです。
ご入庫時は、ご購入段階で交換されていたソニー製のデッキがついた状態で、これを手持ちのDENON製ハイエンドCDプレイヤーに付け替え、スピーカーを全て交換してドア防振で環境を、仕上げにパワードサブウーファーで低域を強化することになりました。
以下、コンポーネント紹介です。
◯オーディオデッキ
DENONのDCT-R1です。
ホームオーディオ分野では未だ健在のDENON(デノン)が作っていたハイエンドCDプレイヤーです。
音楽メディアの変遷と、後付けデッキ市場の縮小の影響を受けて、カーオーディオ市場から撤退して久しいですが、90年代後半から2000年代前半は大変熱い時期で、以下のような製品群を連発していました。
●DENONカーオーディオデッキの足跡(2001年9月までの日本語読みは「デンオン」)
北米
1995年 DCT-950R (※)
1995年 DCT-900
日本
1997年 DCT-1000 税別128,000円
1998年 DCT-2000 税別158,000円
2000年 DCT-A1税別 250,000円
2000年 DCT-A100 税別170,000円
2000年 DCT-A1000 税別100,000円
2001年 DCT-R1 税別100,000円(※)
2001年 DCT-Z1 税別280,000円(世界1000台限定)
2003年 DCT-1 税別280,000円
2003年 DCT-R10 税別79,000円(※)
2003年 DCT-100 税別150,000円
(※)はアンプ内蔵モデル。無印は全てアンプレス。
フラッグシップ機であるA1に搭載された「AL24プロセッサー」、バーブラウン社製高性能D/Aコンバーターなどの高品質な部品をふんだんに盛り込み、アルパインやパイオニアといった競合がひしめく中、抜きん出た存在であったように思います。
今回お持ち込みいただいたR1は、機会を見つけて使おうと、手元で保管されていたもので、やっと日の目を見ることになりました。
本体に内蔵される4chアンプによって、フロント/リヤの4スピーカーを鳴らします。
◯ブルートゥース・インターフェース
デッキの音質は現行機を超える水準ではあるものの、ブルートゥース接続は当然できません。
ということで、audisonのB-CON2(税込33,000円)で補うことにしました。
基本的な機能は、ブルートゥース受信した信号をRCAアナログ信号で出力するもので、今回のケースでも、R1のAUXアナログ入力として取り込んでいます。
これによって、高品質CD再生とラジオはデッキで行って、AUX入力に切り替えてスマホのソースをブルトゥース経由で再生するという使い方になります。
なお、(今回は使ってませんが)B-CONはブルートゥース受信に加えて、光デジタル入力にも対応している点がセールスポイントで、(1)BT受信しているときはアナログとデジタルの両方から出力し、(2)光入力のみのときは光デジタルのみ出力(パススルー入力)に自動切り替えされる機能を持っています。
◯スピーカー
KICKERのKSC4604(税込19,250円)をフロントとリヤの両方に使いました。
最近の国内勢の純正スピーカーは円形が主流で、トヨタ・スバルの一部の純正を除いて、楕円形はほぼ見かけなくなってしまいましたが、アメ車ではまだいくらか採用されています。
アメリカを代表するのキッカーではちゃんとラインアップしていて、10cm×16cmと、16cm×23cmの2サイズがあります。
後者はトヨタ・スバルの純正に適合するサイズなので、それなりに売れてるものだと思いますが、今回は一回り小さい前者があったので助かりました。
前後ともに同じサイズが採用されているので、純正の位置でキレイにトレードインできました。
◯パワードサブウーファー
低音は強化しておきたいということで、おそろいのKICKERのHS10(税込85,800円)を起用しました。
アンプの定格出力は180W、直径10インチ(25センチ)のウーファーをもち、ボディはダイキャスト製です。5.2kgとずっしり重いため、振動板のストロークによって発生する振動(ハコのブレ)による損失が起きにくく、安定したヘビーベースを発生させてくれます。
設置にあたっては、リヤラゲッジフロアの後端を場所として定め、カーペットに食いつくようにベルクロを使って固定しました。
以上を持って、944の抜本的オーディオリフレッシュが叶いました。
この手のネオクラシックカーでは特に意識される、純正の外観を損ねないスピーカーインストールが出来ました。1DINデッキ部分については変わりましたが、選択の理由を雄弁に語るDENONのフロントパネルが、ポルシェのエゴイスティックなムードと共鳴して、美しい調和を見せているように思いました。
ご入庫時は不調気味だったのででフェアな比較にはなりませんが、音の面でもだいぶお喜びいただけて、なかなか良い仕事となりました。
施工の様子をどうぞご覧ください♪
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メインユニット(交換前)
それでは交換前のデッキから見ていきましょう。ソニー製のCDデッキです。
一見してソニー製とわかる、常に時代の先をゆく前衛的なデザインです。
各社それぞれに過去の製品のデザインを踏襲するので、そこそこ古くてもメーカー名が判別できるものですが、ソニーは10メートル離れててもすぐわかりますね。
動作は万全でなかったようですが、なんとか頑張ってくれてたようです。
お疲れ様でした! -
メインユニット(交換後)
DENON DCT-R1(税別10万円)です。
冒頭でもふれましたように、オーナー様が手元に保管なさっていたデッキです。
この製品のフロントパネルは、ゴールド・ブラック・チタンカラーの3色があったように記憶していますが、これは部落ですね。
モノトーンなポルシェの内装にぴったりなじんでるように思います。
ほとんどのリソースをCDの再生能力に注いたデッキですので、CD再生のひとときも楽しみですが、ブルートゥースの利便性の良さも欲しい。。ということで、ブルートゥースレシーバーを追加して運用します。
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ブルートゥースレシーバー
こちらがaudisonの新製品。ブルートゥースレシーバーのB-CON2(税込33,000円)です。
本機のアナログ出力をDENONのデッキのAUXに接続しています。
デッキ側でAUXを選択したままにしておけば、ACCオンで自動的に接続され、すぐに再生可能になります。
最近のヘッドユニット/ナビはブルートゥース接続機能を備えていますので、単体のブルートゥースレシーバーとして売り出すからには相応の差別化が必要なわけで、当機には、以下の機能が盛り込まれています。。
(1)ブルートゥース5.0規格に対応し、「Hi-Res audio wireless」 マークの認定を受けている。
(2)LDAC対応のアンドロイドデバイスを使用時には、最大96khz/24bitの非圧縮bluetoothストリーミングが可能。
(3)多彩な入出力経路
・ブルートゥース受信時、光デジタルとアナログの2系統で出力、
・光ケーブルでの入力時、光デジタルのみ出力(パススルー入力)
今回のケースのように、旧型オーディオデッキへの機能付加の目的の他、一般的にブルートゥース入力機能を持たないDSPへの入力デバイスとしても、大変活躍してくれる製品だと思います。
解説ページはこちらです。
https://www.soundpro.jp/products/detail.php?id=140
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フロントドア
以後はスピーカーインストールの工程です。
まずドアの外観から。
旧型のポルシェらしく、飾りっ気のない機能重視のデザインです。
コンディションは良好で、キズやヤレは見当たりませんでした。
スピーカーレイアウトは、フロント/リヤの4スピーカーで、全て楕円形ユニットです。
写真のとおり、フロントドアには縦型で取り付けてあります。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムをはずしたところです。
ドアスピーカーはトリムの上から取り付ける構造になっているので、この段階ではすでに外れています。
30年を超えてますので、ウインドウガラスの開閉時や、雨水を介して上方から侵入した汚れが目立ちますが、特に腐食もないですし、年式を考えるとだいぶきれいな方だと思います。 -
アウターパネル作業
アウターパネルへの作業が終わったところです。
劣化が進んだビニールシートを剥がし、念入りに清掃をしたのちに脱脂を済ませたらアウターパネルに防振材を貼り付けていきます。
内蔵アンプということで、外部アンプに比べて駆動力は弱いため、防振もゆるめで足りるのですが、静音効果も狙って制振力の強いデッドニング・グレードで施工しています。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
アウター側の作業終了後、スピーカーケーブルを引き込み、サービスホールを防振します。
スピーカーの裏には、雨水による濡れ防止のためのビニールのカバーが装着されています。こういうシートは音響面にプラスの影響を与えることはほとんどないので、一旦は外すことを考えました。しかしながら、ドアの作りはだいぶ薄く、インナーパネルの凹凸もほとんどなく、雨水に触れる確率は高そうなので、残しておくことにしました。
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純正スピーカー
スピーカーの入れ替えは前後比較形式でご紹介します。
まずは純正スピーカーの方です。
縦型長方形のグリルネットを外すと、純正スピーカーが顔を出します。
構造としては、平らなドアトリムの上に樹脂製のブラケットをあてがい、スピーカーをはめ込んで、ネジで固定してあります。(ネジはインナーパネルまで貫通しています)
スピーカーのエッジはまだ破損してませんでしたので車両の保管状態はかなり良かったのでしょう。
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キッカーのスピーカー装着
デッドニング完了後、スピーカーを入れ換えた様子です。(スピーカーグリル取り付け前)
ご覧いただくとお分かりになると思いますが、ブラケットは表裏を反対にして取り付けてあります。
KICKERのスピーカーの取り付けに要するスピーカーホールの大きさが、純正穴より一回り大きいため、当初は樹脂ブラケットの内径を拡大するつもりでしたが、経年で反りが生じ、部分的に割れも認められましたので、加工は避ける判断をしました。
対処としては、ドアトリムに直接スピーカーをあてがって、ブラケットの凹凸の少ない面がスピーカーのフランジ部分に接するようにひっくり返して当てて、裏面からネジ止めして取り付けることとしました。
なお、この上から取り付けるスピーカーグリルは、このブラケットの外周を抱えるようにはめ込む方式になっていますので、支障なく取り付けられます。
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リアスピーカー(交換前)
次はリアスピーカーです。まず交換前。
トリムに穴を開けて、スピードナットをかませて、スピーカーグリルを取り付けてと、半ばDIYのような工法に見えますが、何らかの理由で第三者の手が加えられているのは間違いなさそうです。
本来なら、かなりの手間をかけてトリムを外さないとスピーカーにアクセスできないはずなので、おそらく純正スピーカーを交換しなきゃいけない事情があったのか、トリムを外さすにスピーカー交換できるように穴を拡大したのかな?と考えました。
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リアスピーカー(交換後)
KICKERへの変更後の様子です。
トリムの穴が拡大されていたおかげで、正面からスピーカーを入れ替えることができ、トリムを外さずに施工できました。
スピーカー配線についても、隙間から差し込むことができたので、全体として最小の手間で済みました。
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パワードサブウーファー
最後はパワードサブウーファーの設置状況です。
リアゲートを開けた右手前の位置。右リヤタイヤの後方に設置しました。
キッカーのパワードサブウーファーは出音こそ元気ですが、製品の見た目は比較的おとなしいので、クロ〜チャコールグレー系内装であれば、割りとすんなり馴染むように思います。
本体のサイズは幅.35センチ・奥行き24センチ・厚み8センチといったところで、シート下設置可能なパワードサブウーファーとしては標準的なサイズですが、10インチ(25センチ)のユニットを持ち、アンプの定格出力は180W、再生周波数帯域は25Hz-120Hzと、トップクラスのスペックを有しています。
ハイファイ的なジェントルな鳴らし方はもちろんのこと、やんちゃなブンブン系の鳴らし方もこなせるバスブースト機能もついているので、幅広いユーザー層におすすめできる製品だと思います。
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サウンドプロステッカー
お仲間に宣伝していただけるということで、貼ってほしいとご依頼頂きました♪
お客様の方では、早々にインスタグラムで告知していただいているそうです。
ありがとうございまーす♪
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作業後記
今回はポルシェ944のオーディオ・リフレッシュ+αの事例をご覧いただきました。
1DINデッキの交換、スピーカー交換&ドア防振に加えて、パワードサブウーファーも追加しました。
新しい車、流行りの車に最新の機器をインストールする仕事も時代の先端な感じがして好きですが、大事にされている歴史のある車をリフレッシュさせ、さらに付加価値を加えるような仕事も楽しいものです。
ボディーをリペアしたり、エンジンを整備したり、ブッシュやショックを取り換えてリフレッシュが図れるように、オーディオにも同じことが言えます。
むしろ、デッキからケーブル、DSPアンプ、スピーカーと、外観には大きな変更を加えずとも、純正を大きく超えるバージョンアップが計画できる分、投資価値が高いかもしれません。
当店では、多くの年代車オーナーさまからお声掛けいただき、以下のリンク先の例のように、外観に変更を加えないスピーカーインストールや、オリジナルの雰囲気に馴染むバリューアップのお手伝いを致しております。
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