BMW7シリーズ740iのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.857(お問い合わせの際にお伝えください)
model
BMW 7シリーズ 740i
system
メインユニット:純正(harman/kardon)
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:PLUG&PLAY elite for BMW BMF30KV3
センター:PLUG&PLAY elite for BMW BMF30KV3
リアスピーカー:純正(harman/kardon)
サブウーファー:μDIMENSION BLACKBOX X8
パワーアンプ:純正(harman/kardon)
ケーブル:純正comment
PLUG&PLAYから販売されているキットを使って、フロント2wayと、センタースピーカーを交換した事例です。
ドアのインナーパネル/アウターパネルには防振加工を行い、センタースピーカー部には吸音材を充填して、理想的な稼働条件を整えました。
お客様から感想のメールをいただきました。
(個人/団体名、必要に応じて商品名は伏せさせていただいております。)
竹原様
お早う御座います。
先日は作業をいただき有難うございました。
作業後、バタバタしていてなかなかゆっくり車に乗る機会がなかったのですが、昨日、漸くゆっくり車に乗る事ができ、新しい音を聞く事ができました。
先日、車を引き取る際に据付いただいた方から前後のフェーダーを前方に少し傾けた方が交換したスピーカーの良い音をより実感できる事、また、サブウーファーの低音が出過ぎているので、少し絞ってみた方が良いといったアドバイスをいただきましたので、早速、調整してみたところ、交換前とは音の拡がり、また、しっかりした低音を感じる事ができ、作業前と大きく違いを実感する事ができました。
今までは、サブウーファーの配線が違っていたこともあり、低音があまり感じられず、音も全体的に籠った音でしたが、今回、配線も正しく直していただき、更にドア、センターをFOCALのスピーカーに交換した事で非常に臨場感のあるメリハリのある音になりました。
その為、思わず音量を大きく上げて聞きたくなってしまいます。
前回、別のお店に相談してしまい、音の違いを全く実感できていませんでしたが、今回、偶々ホームページを見つけ、ご相談させていただき本当に良かったです。
今後とも引き続き宜しくお願い致します。
BMW・740iの事例紹介です。
740iはBMWの最大クラスである7シリーズに属するセダンです。
BMW初の戦後型モデルである 501/505(1952-1964)の系譜を継ぐ車です。
7シリーズというカテゴリ名は、1970年代に実施されたモデル改称により生じており、約5年間かけて、3・5・7・6シリーズの4ランク体制が整いました。(6シリーズのクーペ以外は全部セダン)
その後、時代のニーズに合わせて、カブリオレやステーションワゴン、ミニバンといった新しいボディタイプが加わったり、新しいシリーズ名として、SUVタイプが属するXシリーズ、ロードスターのZ、ボディサイズに応じた1、2、4と細分化が進んで今に至ります。
7シリーズに話を戻すと、初代となるE23は、(シリーズ改称と同時期の)1977年に生産開始され、以後コンスタントにモデルチェンジを重ねて、2022年より生産されている7代目G70型が現行モデルとなります。
今回ご紹介しますのは、現行より一つ前の6代目G11の前期型のお車です。
最新のG70はキドニーグリルの肥大化が著しくて威圧感がすごいですが、こちらはまだ安心して見ていられるおだやかさを帯びています。
オーナー様は、音響改善のためにスピーカー交換を希望され、ご縁のあったショップさんにご相談されたようですが、G11型への適合が確認できている社外スピーカーはない。という回答で断念され、代わりに提案されたパワードサブウーファー取り付けに賭けてみたものの、改善効果がほとんど感じられず、ウツウツと1年間ほど我慢されていたそうです。
しかしながら、本当に本当に交換できないのか!?と、マジで検索されたところ、 BMWブライトオーディオパッケージをはじめとする、当店のBMW関係の多くの事例を目にされ、ご相談いただいたという次第です。
結果から申しあげますと、確かにG11では、取り付け可能と明記されてるスピーカーは少ないです。主な理由としては、車格的にステータスの誇示が選定の理由に上がりやすく、個人的な嗜好の色彩が強いスピーカー交換の市場が小さいことが推定されます。
しかし、BMWのスピーカーは、同世代の幅広いシリーズにおいて、横断的に共通ユニットでやりくりしているため、スピーカーメーカーの適合情報に含まれていないからといって、必ずしも取り付けができないということではありません。適合確認がとれている車と世代を合わせれば、今回のように無加工でついてしまうことがほとんどです。
ということで、念願のスピーカー交換(フロント2way+センタースピーカー)と、妙にパフォーマンスの悪かったパワードサブウーファーの接続の配線の引き直しをご用命いただきました。
以下がコンポーネントです。
〇スピーカー
フランスのFOCAL製ユニットで構成されたフロント2way+センタースピーカーの商品をご指定いただきました。
これは、ネット検索で見つけていただいた G11の事例で使用していた製品の後継品で、PLUG&PLAY elite for BMW BMF30KV3という製品です。
PLUG&PLAY elite for BMWシリーズは、FOCAL製品の国内販売総代理店であるBEWITHが、多くの需要が見込めるBMW車向けに独自に企画した商品です。
商品タイトルに「PLUG&PLAY」というBEWITHの独自ブランドをくっつけているので、商品の素性が見えにくくなっていますが、使用されているユニットは間違いなくFOCAL製なので、音質はFOCALのそれに間違いありません。
ニーズと予算に応じて選べる商品構成を採っており、、
(1)BMF30KVT3 2wayフロント+2wayセンターセット(税込192,500円)※
(2)BMF30KV3 2wayフロント+センターセット(税込165,000円)
(3)BMF30KV2 2wayフロントセット(税込118,800円)
(4)BMF30KVTC 2ウェイセンター単品(税込77,000円)※
(5)BMF30KVC センター単品(税込52,800円)
以上のような構成になっています。(価格は2024年12月時点)
※今回の740を含む上位グレード車の場合、通常であれば1ユニットのセンタースピーカーが、セパレートツイーターが付属した2way方式になっているため、(1)あるいは(4)のような商品が設定されています。
今回は(2)をお選びいただきました。PLUG&PLAYの枠を抜けて、フォーカルの製品として見渡すと、フロントシート下(左右)のフロアに埋め込まれているサブウーファーユニットもラインアップされていますが、今回はパワードサブウーファーもあることなので、中音域/高音域のユニット交換を優先した格好です。
ISUB BMW 2/4(税込44,000円/1個)
〇デッドニング
上述のBMWブライトオーディオパッケージならびにでは、比較的ライトなドア防振である、ドアチューニング・グレードでの施工をデフォルトとしており、他のG11の事例でもそれに倣っていますが、今回は制振力の強いデッドニング・グレードで施工させていただきました。
G11のドアスピーカーは、ドアのインナーパネル(鉄板)ではなく、ドアトリム(内装)に接するようについているため、エンクロージャーを形成するインナーパネルと、ドアトリムの裏側との両壁に対して防振材を適用しました。
このデッドニングによって、スピーカーの稼働環境の改善のみならず、外来ノイズの遮断による、さらなる静寂性の向上を実現しています。
〇パワードサブウーファー
μDIMENSION BLACKBOX X8(税込46,200円)がついていました。
8インチ=20センチ径のウーファーが搭載されたパワードサブウーファーです。シート下設置タイプとしては最大サイズの10インチ=25センチに劣後しますが、キャビン容積が少なめな場合はコスパの良い製品だと思います。
オーナー様曰く、役に立っているかどうかわからない、なんだかもやもやとして気持ち悪い。との評価でしたので、チェックしたところ、信号の取り込みが間違っており、サブウーファーに相応しい帯域の信号が一切入力されていないことがわかりましたので、配線を引き直してそれなりに鳴るように是正しました。
ただ、シート下にサブウーファーが装備されているBMWのシート下にパワードサブウーファーを置くのは、ベストな選択とは言いにくい気もします。
純正の見た目と使い勝手を前提とした場合、シート下ユニットの入れ替えを前提として、サブウーファー信号の増強のためのアンプ投入、あるいはDSPアンプ投入によって他スピーカーも含めて全体的に制御するのがスマートな気がします。
以上をもって、740iの念願のスピーカー交換♪と、ユウウツの種だったパワードサブウーファーの適正化♪♪が叶いました。
費用的には、2way+センタースピーカーの商品代金とデッドニング費用、サブウーファーの信号引き直し等を合わせて278,410円(税込)であがりました。
ご不満な期間が長かったこともあってか、オーナー様は殊の外お喜びいただき、熱いインプレをお寄せいただきました♪
それでは施工の様子をご覧ください♪
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フロントドア
フロントドアの外観です。
BMWといえば質実剛健でストイックなデザインが伝統ですが、最上級グレードに相応しいゴージャスさを帯びた絶妙のバランスのデザインです。
よく見てみれば、LEDのパイピングが光ってたりしますので、20年、30年前のデザイナーからすれば、椅子から落っこちるくらいハデなのかもしれませんが、現代にあっては違和感はなく、上質な表現の一つと解釈されるわけですから不思議なものです。
この車はharman/kardon サラウンド・サウンド・システムというタイトルのプレミアムオーディオ(623,000円!!!)が選択されていますので、ドアミラー裏のツイーターカバーにharman/Kardonのロゴが輝いています。
ちなみに、スピーカーの数は以下の16個で、そのうち※が今回の交換対象です。
01 フロントL(ツイーター)※
02 フロントR(ツイーター)※
03 フロントL(ドアスコーカー)※
04 フロントR(ドアスコーカー)※
05 センター(ツイーター)→鳴らないように配線を抜く
06 センター(スコーカー)※
07 リアL(ツイーター)
08 リアR(ツイーター)
09 リアL(ドアスコーカー)
10 リアR(ドアスコーカー)
11 リヤサテライトL(ツイーター)
12 リヤサテライトR(ツイーター)
13 リヤサテライトL(スコーカー)
14 リヤサテライトR(スコーカー)
15 サブウーファーL
16 サブウーファーR
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
ドアトリムを取り外すと、一面の吸音材が見渡せます。
白くて丸い固定具で取り付けられているバスタブ形状のパネルがモジュールパネルで、スピーカーを含むドア内の機構部品のほとんどがこのパネルに取り付けられています。
この写真だと、スピーカーはパネルに埋め込まれているように見えますが、やぐら形状のステーを介して固定されているので、脇が開いた状態です。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の防振が終わったところです。
純正の吸音材を一旦取り外し、スピーカーを外したら、サービスホールを塞いでいる樹脂パネルを清掃、脱脂して防振材を貼っていきます。
ドア中段の左端に見えるのは、キットに付属の2wayネットワークです。
取付説明書には設置場所の指示がありませんが、具合の良いスペースはここになってしまいますね。
付属しているスピーカー配線(赤)をつないで、準備作業完了です。
なお、スピーカー配線は、車の振動でチラチラと異音が出ないように、防振材の端材を利用してパネルに固定しておきます。
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スピーカー取り付け
スピーカー取り付けまで完了したところです。
前カットで終了した防振材の上に、純正の吸音材を付け戻したら、スピーカーを取り付けます。
スピーカーが宙に浮いている固定方法なので、振動板の前と後の空気が行き来して、振動が相殺されてしまわないように、できるだけ明確に遮断したいところです。
この手段として、バッフル面がドアトリムの裏側のスピーカーグリル部分にしっかりと密着するように、エプトシーラーというスポンジを貼っておきます。
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ドアトリム作業
ドアトリムの裏側の様子です。
冒頭でもふれましたように、ドアのインナーパネル(鉄板)と、このドアトリム(内装)の両壁で囲まれる空間がエンクロージャー(スピーカーボックス)となりますので、前カットのインナーパネル側と同様、ドアトリム側にもデッドニングを施工しておきます。
スピーカーの口径が10cmと小さいので、内装がビビるほどの大きな振動は伝わってきませんが、トリムを防振することでスピーカーの発生した空気の振幅を抑えることができるので、施工済みドアと未施工ドアとでは、耳に届く音の繊細な表現に差が出てきます。
特に、このキットに使われているFOCALのハイエンドスピーカーであればなおさらです。
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ツイーター・交換前
ドアミラー裏のツイーターカバーを裏から見たところです。
オレンジのシールが貼られてるのが純正ツイーターです。
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ツイーター・交換後
交換後の状態です。
さすがトレードインキットですね、簡単に交換ができます。
当店の仕事の多くは、取り付け方法を考えて、条件だしをして、加工して、取り付けて、調整して完了。というフローをたどるので、いわゆるポン付けに近いトレードイン商品の取り付けは、なんというか最高馬力もトルクも発揮しないうちにゴールインしちゃう感覚があります。
こればっかりやってたら、今まで培った加工・フィッティング技術があっというまに退化してしまいそうです。怖い怖い。
今回のキットPLUG&PLAY elite for BMWは、FOCALの正規輸入代理店であるBEWITHが自社のオリジナルセレクトでキット化したという体裁の商品ですので、ユニットにはBEWITHのステッカーが貼られています。このシールがあって初めて、正規輸入品・保証対象品として扱われます。
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センタースピーカー・交換前
BMWのセンタースピーカーは、昔からこの形状です。
呼称はそれぞれだと思いますが、BMWのFシリーズ(2010年頃以降)で搭載され始めて、最も古い形状です。
当店では、Aタイプと呼んでいます。このほかに取り付けネジのPCDが違うBタイプと、バッフルのアウトラインは同じだけどスピーカーの高さが違うので、分厚い材料を使って作るCタイプの合計3パターンがあります。
ちなみに、ドアスピーカーに使用されているのは、Cタイプで、BMW MINIとも共通しています。
ここまでご説明すると、勘の良い方はお分かりだと思いますが、Fシリーズ開始以降の全てのBMW車について、10センチ内外のスピーカーはこの3パターンのいずれか。ということなのです。
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センタースピーカー・交換後
センタースピーカー交換後の様子です。
センタースピーカーには、ドアスピーカーよりも小さい8cmユニットがセレクトされています。
手前に見えるのは純正のツイーターです。
ツイーターとスコーカーに分岐されるように接続されている純正ケーブルを、FOCALユニットにだけ繋いでいるので、ツイーターはフリーの状態です。(取り外すほどの理由はないので、そのままにしてあります)
センタースピーカーの裏には、定番のアコースティックコットンを詰めています。
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パワードサブウーファー
最後にパワードサブウーファーの設置状況です。
製品はμDIMENSION BLACKBOX X8です。冒頭で触れましたように、かすかに振動が出ているようだが、効果が全く感じられない状態ということで、トラブルシューティングと不具合の修正を行いました。
状況を確認してみると、以下が認められました。
(1)トランク周りから引き込まれているとみられるRCAケーブルが接続されている。
(2)オーディオシステムの前後フェーダーを操作して、リヤ側を最大にすると、モワモワーと弱弱しい音がして、フロント側に振ると一切ならなくなる。
さらなる分析は、トランク内のアンプ周りの分解が必要になり、手間賃がかかるためここでやめにしました。
評価としては、(2)から、リア方面の出力の2系統(a)リアドア2wayスピーカー、(b)リアサテライト2wayスピーカーからとっていることは確定です。
また、この車の全スピーカーのうち、サブウーファー帯域のローパス信号が供給されているのは、フロントシート下のサブウーファーユニットだけで、それ以外はフロントもリヤも全てハイパスが掛かっているので、クロスポイント以上の信号がかすかに漏れてくることはあっても、サブウーファーとして動作できる帯域は来ていないことが確定です。
(1)については、分解してみないと断定できませんが、トランク内アンプのスピーカー出力から分岐させてハイローコンバーターに入れて、ローレベル信号に変換して引き込んできてるのかな?と類推しました。
対処としては、フロントシート下のサブウーファーユニット(左右)に接続されている信号から分岐させて、ハイレベル信号のままパワードサブウーファーに入力する方法をとりました。
最後に、BMW車のサブウーファー強化策の考え方について再掲しておきます。
シート下にサブウーファーユニットがある以上、このユニットの入れ替えを前提に考えるのが第一だと思います。
その場合、FOCALであれば、ISUB BMW 2/4(税込44,000円/1個)に入れ替える(だけで様子を見る)。のが第一手で、サブウーファーのパンチを強めるために、サブウーファーのチャンネルの途中にアンプを入れるのが第二手です。
でも、これはあくまでも理屈であって、今の相場を考えると、単体のアンプだけ入れるくらいなら、もうちょっと背伸びして、多チャンネルDSPを入れるのがコスパがよさそうです。
最低でもフロント2way+サブウーファーの合計5ch or 6ch、あるいはセンターの1chも加えたくらいのアンプ数があれば事足りますね。
実際、DSPで脚色するだけで結構感じが変わりますから、シート下は純正ユニットのままで着手してみるのもアリです。
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作業後記
今回は7シリーズのトレードインスピーカーインストールの事例をご覧いただきました。
サブウーファーの不具合修正の件があったので、内容が違って見えますが、基本的には、フロント2wayスピーカーとセンタースピーカーの交換ですので、当店オリジナルメニューの BMWブライトオーディオパッケージのF2に相当する内容です。
BMW全車向けの音質改善メニューとして設定させていただいておりますBMWブライトオーディオパッケージの標準プランでは、ブルームーンオーディオから販売されているBMW専用ユニットを使っておりますが、今回はBEWITHプロデュースによるFOCAL製ユニットを使ったトレードインキットを使って施工した格好になります。
現在では、ブルームーンオーディオ以外の選択肢も増やしまして、現在、全12ブランドからお選びいいただけるようになっています。
BMW向けスピーカーリストはこちらです
メニューのバリエーションとしては
●フロントスピーカーの交換と防振を行うF1、センターも交換するF2(←今回のケース)
●上記にリヤの交換も行うF1R/F2R
●上記にaudisonのDSPを加えたF1-8・F1R-8/F2-8・F2R-8
という構成をとっており、ご希望とご予算に応じてお選びいただける幅をもたせています。
また、上記の規定プランをベースにしたカスタマイズのご相談も対応しております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。
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