トヨタ・タンドラの事例紹介です。
タンドラは北米トヨタが販売するフルサイズピックアップトラックです。
英文字表示では「TUNDRA」で、ユーラシア大陸・北アメリカの北極周辺に広がる、凍結した荒原を指す名称(社会で習った日本語読みだとツンドラ)から取られています。
デビューイヤーは2000年で、ボディタイプは以下のバリエーションを揃えています。
・レギュラーキャブ:2ドア前席のみ
・アクセスキャブ:2ドア前後席
・ダブルキャブ:4ドア前後席
2代目は2006年から2021年に渡って製造されました。
生産期間が足掛け16年と長いですが、2014年にビッグマイナーチェンジを挟んでおり、グリル、フェンダー、テールのデザイン変更を行って、全体的にシャープな印象にリニューアルされています。
現行車は2022年から製造されており、こちらは直線を基調とした、近未来を感じさせるデザインでスタートを切っています。
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日本国内においては、当然ながら正規販売されていませんが、でっかくてゴツくてカッコよいときてますので、若手の方中心に人気は高いようです。
並行業者さんの手によって多くの個体が輸入されており、
2023年11月段階のカーセンサーでは180台の登録があります。
今回ご紹介するのは、2代目のマイナーチェンジ前のモデルです。
オーナー様は中古の個体をお求めになられたのですが、前オーナーのDIYによるアドオンツイーターを含むスピーカーの音と見栄え、ならびにダッシュ周りの配線の散らばりが気になるということで、解決策を模索しておられたようです。
そんな折り、当サイトで公開させていただいている施工事例を見つけていただいて、ご連絡いただく展開となりました。
ご要望としては、できるだけコストを抑えて、カッコよさ重視でサウンドアップしたいというニュアンスで、以下の2点が当初より明確になっていました。
(1)フロント2wayの入れ替えとドア防振
(2)フロントのセンターシートを撤去してサブウーファーボックス設置
このあと、たくさんのメールのやり取りを重ねるうちに、
(3)Aピラーへのツイーター埋め込み
(4)車外カメラの切り替えスイッチのダッシュボードへの埋め込み
などの作業を盛り込んで、施工内容が確定しました。
特にコンソールに作り込んだサブウーファーボックスがカッコよく出来て、オーナー様には大変お喜びいただけました。
以下、コンポーネント紹介です。
◯ヘッドユニット
カロッツェリアの楽ナビ(AVIC-MRZ009)です。
ざっと10年前の製品で、交換したいのはやまやまといったご様子でしたが、予算の都合で当面は継続使用ということになりました。
古い分、ナビのスペックは見劣りしますが、プレイヤーとしては、回転ディスクもUSBもBTも使えますので、高望みしなければ不足は無いと思われます。
とはいえ、せっかくプロショップに来ていただいたのですから、音質重視で内蔵4chをフロント2wayに割り当てる「バイアンプ接続」とさせていただきました。
片側1chの出力を、ネットワークに入力してツイーターをウーファーに分岐させる一般的な方法に比べて、1ユニット(スピーカー)に1chのアンプを割り当てるバイアンプ接続のほうが、高音域の歪みが排除できる分、クリアーーーな音を獲得できるメリットがあります。
◯スピーカー
スピーカーは当店を代表する人気国産ブランド!BLUE MOON AUDIOをお選びいただきました。
製品としては、フラッグシップの
RX165、ミドルグレードの
AX165、ベースグレードの
SX165とあり、今回は
SX165(税込48,400円)をお選びいただきました。
取り付けに関しては、ウーファーはドアの定位置にMDF製バッフルを組んで固定し、ドア防振は先々のパワーアップも想定して、制振力の強いデッドニンググレードで施工しました。
セパレートツイーターについては、Aピラーにキレイに埋め込み加工を施して、アルカンタラ調の合皮を貼って仕上げました。
◯サブウーファー
埋め込みツイーターと並ぶ、今回のアピールポイントです。
フロント側のセンターシートを外して、大型のサブウーファーボックスを製作・設置しました。
使用したユニットはパイオニアがワールドモデルとして販売している30センチウーファーの
TS-W312S4(税込33,000円)と、駆動用モノラルアンプ
GM-D8100(税込23,100円)です。
シート撤去後の大きなスペースを活用するため、単なるウーファーボックスでは面白くないということで、駆動用のパワーアンプの顔も見えるように作って、ウーファーボックスとアンプボードを兼ねたコンソールボックスという趣に仕上げました。
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以上をもって、タンドラのサウンドパワーアップが完了しました。
ハイファイ用途に耐えるフロント2wayのインストールは、プロショップとして当然のこととして、この手の車のマストアイテムである「見えるサブウーファー」に予算を配分していただけたのは大きいですね♪
昨今は、車に合わせたウーファーボックスを安くカッコよく作る業者さんが減ったように思いますので、今回のようなご要望をリーズナブルに実現するのは、業者選びを含めて難しくなってると思います。
当店は通常、「見た目の変わらないインストールが得意ですぅ。」と猫をかぶっていますが、コッチ系もかなり大好きですので、非常に楽しく取り組ませていただきました。
今回の内容で総予算は410,630円(税込)でした。
インストールの様子をどうぞ御覧ください♪
施工前の状態




お預かりの時の状態です。
ダッシュボードにある銀色の箱は、アルパインのセンタースピーカーSBS0315です。
配線をたどってみると、左側のツイーターに向かっている配線から分岐していました。。DIYならではの独創的な接続方法ですが、センターは(左右をミックスした)モノラル信号で鳴らすのが基本なので、これではセンターの(中立的な)役割を期待できませんね。(製品に付属しているはずのアンプが省略されていたため、まともにならない問題もあり以下略)
Aピラーに見えるのは、カロッツェリアのアドオンツイーターです。
センタートンネルには、ドラレコ用のシガー電源と、サイドカメラ切換用のスイッチが転がっています。
今回はこちらも奇麗に処理したいというご意向でした。
メインユニット




パイオニアの楽ナビで、AVIC-MRZ009という製品です。
こちらは2013年頃の発売ですので、購入当時にインストールされたものだと思います。ということは(中古ではなく)新車並行輸入車だったということでしょうか。
10年前の液晶ですので、最新モデルに比べて、描画がちょっと素朴な感じがしますね。
あと30年もしたら、今で言う「ドット絵」みたいな扱いになるのでしょうか。
ドラレコの電源ケーブル整理




グローブボックス内にシガー電源を引き込んだところです。
お預かり段階では、後付けのドライブレコーダーの電源をシガライターから確保していらっしゃったのですが、電源ケーブルが常時ぶらぶらしているのはちょっと。ということで、グローブボックス内にシガライターソケットを作り、ここから給電するように引き直しをしました。
お預かり当初から、グローブボックス内には、ETC(左側)と通信モジュール(右奥)があり、これらの機器の電源引き込み用に穴が空いていた穴を活用しました。
(1)まず、グローブボックスの内側から汎用のシガライターソケット(メス)のケーブルを通し、アクセサリー電源に接続して給電可能な状態にします。
(2)次に、ドラレコ用のシガライタージャック(オス)をドラレコから抜いて、上述のシガライターソケット(メス)と同様にグローブボックスの内側から通して、再度ドラレコに接続しなおします。
(3)最後にメスとオスを合体させて終わりです。
こういった作業の当店としての醍醐味は、若干の工賃の売上がいただけることよりも、雑然とした室内をスッキリさせられる達成感のほうが大きいかもしれません。(お店はチョイ散らかっていますがm(_ _)m)
エンブレム貼付け




エンブレム貼り付けも承りました。
助手席側(右ドア)にはついてるものの、運転席側のドアになぜかエンブレムが無かったので、貼ってほしいと依頼されました。
こういう仕事は正確な位置決めがキモです!なんとなくでやっちゃうと、良いこと無いです。
反対側ドアのエンブレムの位置(周りからの距離)を正確に測り、マスキングテープで設けたガイドライン上に寸法を表示して位置を特定してやると、きっちり同じ位置に貼ることが出来ます。
こういう凹凸のある対象物で正確に位置を測定するには、ソリッドな物差しの他、そこそこの距離でもきちっと図れるレーザー式の測定器や、曲面に沿わせられるフレキシブルな巻き尺などを単体、あるいは組み合わせて使うと結果が良いと思います。
あと、このエンブレムの裏には両面テープがなかったので、文字の形にテープを切って貼り付ける準備も必要でした。位置決めより手間がかかったかもです(汗)
バッ直電源




最後はバッ直電源引き込みです。
サブウーファー用のアンプ用の電源を、ボンネット内のバッテリーから直接給電します。
当店では、ハイファイ志向のお客様むけに、プラス線とマイナス線の両方を引き込む方式も提案させていただいておりますが、今回の事例では、一般的なプラス線のみ引込む方式で施工しています。
使用している配線キットは、オーディオテクニカのTPK-800R(税込11,000円)です。
作業後記




今回はトヨタ・タンドラのオーディオグレードアップ事例をご覧いただきました。
こういう車、日本(特に都市圏)の道路事情には合わなそうだなぁとは思うものの、憧れますよねぇーー。
今回は、そんな湧き上がる情熱に素直に従ったオーナー様のオーディオのパワーアップのお仕事でした。
この手の車の場合、ピュアピュアなハイファイ志向というのは少なく、サウンドもルックスもパワー感のある仕様が好まれますね。
今回の事例では、フロント2wayはハイファイ的な鳴らし方に耐える本格的な仕様であるものの、ルックス的にはジェントルなのに対して、コンソールのサブウーファーボックスはタンドラにぴったりあってますね♪
KICKERのようなアメリカンなオーディオメーカーから、箱入りのサブウーファーが発売されていますが、あくまでもラゲッジやリヤシート設置が前提で、コンソールにぴったり置けるような製品はないので、これはカスタム製作する意味のあるアイテムだと思います。
文中でも触れました通り、こういうのは非常に得意ですので、どうぞお気軽にご相談くださいね。
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この機会にワイルド系の車の事例を複数ご紹介して、当エントリーを締めくくりたいと思います。気になる施工例がありましたら、事例No.を引用の上、ご相談ください。
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ジープラングラー・アンリミテッド1フロント2way・リヤ・パワードサブウーファー
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ジープラングラー・アンリミテット2フロント2way・リヤ・パワードサブウーファー
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ハマーH1フロント・センター・リヤ・サブウーファー
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トヨタ・FJクルーザーナビ・フロント2way・リヤ・サブウーファー
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トヨタ・ハイラックスフロント2way・リヤ・サブウーファー
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トヨタ・70ランドクルーザーフロント2way・リヤ・サブウーファー
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トヨタ・ランドクルーザープラドフロント3way・センター・リヤ3way・サブウーファー
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