ジープラングラーのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.619(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ジープ ラングラー
system
メインユニット:KENWOOD MDV-M906HD
デッドニング:フロント、リア
フロントスピーカー:JBL STADIUM GTO600C
リアスピーカー:JBL STADIUM GTO620
サブウーファー:CerwinVega VPAS10
ケーブル:kaiser swingcomment
フロント2wayとリヤスピーカーをJBLにグレードアップし、パワードサブウーファーで低音域を増強しました。
スピーカーが収まっている小型エンクロージャーもしっかり手をかけて、好条件を整えました。
ジープ・ラングラーの事例ご紹介です。
「ジープ」と改まって言われると、「ジープタイプのクルマ」といった表現があるように、あたかも一般名称のようなニュアンスがありますが、れっきとしたブランド名です。
起源については、多くの方が認識されているように、第二次大戦時にアメリカ軍の要請に応じて開発されたのが起こりです。
1940年に135社に対して開発がオファーされましたが、要求スペックがタフすぎで、当時のGMもフォードも含めてお手上げ。結局オファーに応じたのは中小型を得意とするアメリカンバンタム社とウイリスオーバーランド社の2社だけ。さらにウ社は時間不足等を理由に断念し、結局ア社の単独入札だったそうです。
オファー先135社に対してのたった1社ですから、ほんとにガチンコの世界ですね!
設計仕様が確定し、1942年に複数社で量産が開始され、その後の米軍の戦力UPに大いに貢献しました。
(この機能性の高さに着目して開発されたのがイギリスのランドローバーです)
ブランド名としてのジープは、前出のウイリスオーバーランド社によって戦後、商標登録され、自動車業界お約束の合併・買収で転々とした後、現在はFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)が保有し、SUV車専門のブランドとして存続しています。
現在のジープ社では、5車種を展開しておりますが、代表車種はチェロキーとラングラーです。チェロキーの方はトヨタのハリアーのような現代風スタイルで、戦時中のジープのテイストを色濃く残すのが、今回登場のクルマでもあるラングラーです。
今回のラングラーは2007年から2017年に渡って生産された3代目(JK)で、4ドアのアンリミテッドスポーツというタイプです。
ナビゲーションをヘッドユニットとして、フロント2way、リヤコアキシャルを交換し、パワードサブウーファーで低音を増強するプランです。
スピーカーはオーナー様たってのご希望でJBL!明るくてパワフルなアメリカンサウンドを注入しました!
システム説明です。
ナビはケンウッドのMDV-M906HD(オープン価格)です。
こちらはご入庫段階ですでに交換済みでしたが、現行モデルですね。7V型のHDパネル搭載の180ミリ幅のタイプです。
地デジ/ブルートゥース/DVD/USB/SDと多彩なソースをこなし、192KHz /24bitまでのハイレゾ入力にも対応したAVナビゲーションです。
そう言えば、一昔前まで、2DINのオーディオとナビが融合したヘッドユニットを、あたかも一般名詞のように「AVN」とか「AVNタイプ」とか呼んでましたけども、これは業界に先駆けて開発に成功した富士通テン(現・デンソーテン)が保有する製品名です。
今回のジープと同様、新カテゴリは開拓者の名とともに生き続けるわけですねー。
スピーカーはオーナー様の夢だったJBLです。
フロントは2wayセパレートのSTADIUM GTO600C(税別30,000円)、リヤはコアキシャルタイプのSTADIUM GTO620(税別18,000円)です。
フロントはドアじゃなくて、ダッシュボード両脇の下側にウーファー、ツイーターはダッシュ上というレイアウトです。ウーファーはちょうどよいサイズのエンクロージャーに収まってますので、しっかりデッドニングして取り付けました。
リヤスピーカーはルーフ側というアメリカン!?レイアウトです。こちらもフロント同様、エンクロをデッドニングして取り付けました。
サブウーファーはいい加減、耳タコで恐縮ですが、サーウィンベガのVPAS10(税別46,500円)です。
選ばれる&売れるものはどうしても登場頻度が高くなってしまいますね。
クラス最大の25センチユニットと定格200Wのアンプを、ハコのビビリや鳴きに強いダイキャストボディに収めた、クラストップのパワフルな製品です。
コレを助手席のシート下におさめて、室内をヘビーベースで満たしてもらいます。
ジープ・ラングラー vs JBL!
由緒正しきアメリカンブランドが織りなすワイルドな世界観をどうぞお楽しみください!
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フロントスピーカー(ウーファー)
最初はドアの外観から始めていますが、今回はドアにスピーカーがないので省略です。
ということで、純正のスピーカーモジュールからです。
ダッシュボードの写真をご覧いただくとお分かりのように、ウーファーはダッシュボード下側・両脇のスピーカーグリルの中についています。助手席だと、グローブボックスの左側ということになりますね。
このグリルを取り外し、そこから抜き取ったのがこの写真のスピーカーモジュールです。
メッシュ生地で防護されたスピーカーが、とってもフツーな質感のタッピングビスでアメリカンに留めてあります。
コレを外してJBLに入れ替え、後ろ側のエンクロージャーは手をかけて、引き続き使う方向で進めていきます。
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エンクロ内デッドニング
ボックス内をデッドニングしています。
箱自体はそんなにペランペランではなく、まずまずの質感ですが、ボリュームをちょっと上げると純正スピーカーでもビビリ、損失が出ているのがわかります。
ここに質量を与えて、エンクロージャーとしての自信とプライドを取り戻させます。
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吸音材充填
吸音材を詰めたところです。
吸音材の効能は、第一に箱内の波動の乱反射の緩和ですが、結果的に実際よりも容積を大きくしたような落ち着きが得られます。
ということで、この小ぶりなハコに吸音材をゆるめに詰めました。ブランドはカスケード・オーディオ・エンジニアリング(CAE)で、アコースティックコットンという商品です。
真ん中に顔を出しているのは純正スピーカーのカプラーです。
純正戻しで手放す時に備えて、カットせずに残しておきました。
なお、今回引き直すスピーカーケーブルは、小さく開けた穴から、別ルートで引き込んでいます。
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ウーファー復元
助手席のドアを開け、しゃがんで撮影した写真です。
手をかけたハコにJBL STADIUM GTO600Cのウーファーを取り付け、元の位置に固定し、スピーカーグリルを戻した状態です。
純正スピーカーはネジ止めのためのツバ(フランジ)部分が一体成型になっていたので、それを再現するためにMDFで小ぶりのバッフルを介在させています(つや消し黒の部分)
シルバー色のネジがもともとついていたもので、その先の黒ネジで、ウーファーユニットをバッフルにとめています。
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純正ツイーター
次に純正ツイーターの様子です。
ダッシュボード両脇のAピラーの根本です。定位置ですね。
こちらもウーファー同様、メッシュ張りです。最近主流になりつつある、口径のおおきなコーンタイプの振動板をもつユニットです。
ジープはフロントガラスが立ち気味なので、ダッシュボードの奥行きは比較的浅めですね。
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JBLツイーター
交換後の様子です。
JBLSTADIUM GTO600Cのツイーターに交換しました。
コーンタイプのおおきめツイーターを社外の小径ツイーターに交換する際にご利用いただける、当店オリジナルのツイータースコーカートレードインブラケット2型を使って固定しています。
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リアスピーカー
フロント周りが終わったところで、リヤスピーカーの交換に移ります。
まずは純正スピーカーです。
このクルマは、リヤスピーカーのレイアウトが変わっていて、ドアではなくて屋根についています。
位置的には、後席の頭上、いわゆるCピラーと屋根が出会うあたりです。
構造はフロントと似ていて、エンクロージャーボックスに同じスピーカーが取り付けてあります。
手前の小さいのはセパレートツイーターですね。
この2つのユニットをオリジナルと同様に、セパレートユニットで交換することも可能ですが、その場合、高域/低域をふりわけるためのネットワークをココ以外のどこかに設置することになり、それに伴ってスピーカーケーブルも派手に引き直す必要が出てきます。
風変わりなスピーカーレイアウトからなんとなく想像できると思いますが、スピーカーケーブルの経路をたどって引き直すのはかなりの手間がかかってしまいますので、引き続き純正ケーブルをつかい、ネットワークなしでも取り付けられるコアキシャル(同軸)タイプのSTADIUM GTO620に交換することで、トータルコストを抑えることにします。
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エンクロージャーデッドニング
デッドニングの様子です。
フロントと違って、取り外すのがかんたんではないので、精神と二の腕の鍛錬を兼ねて、上向きで作業しました。
修行の素材として好適で、内部の形状が複雑で、かんたんに済みません。
防振材を小さめにカットして、気長に貼りこんでいきます。
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吸音材充填
吸音材を詰めたところです。
こちらもフロント同様、すこしゆるめに詰めておきました。
この素材はグレーに色付けしたコットン(天然100%ではないが)をつかってるのでグレーですが、部屋の隅の綿ゴミが必ずグレーなのは、複数の色のクズが混ざって彩度が落ちてしまうからだそうです。
小学校の図工で水彩をやるとき、色んな色の絵の具が混ざった筆洗バケツが灰色になるのと同じ理屈だそうです。
成績が良くて可愛い一部の女子は色ごとにわけて上手に洗うので、後もきれいですが、ハナタレ男子は全部グレーでENDになってたはずです。 -
JBLコアキシャルに換装
スピーカー交換後の様子です。
前述の通り、ネットワークを別途設置する必要のない、コアキシャルタイプのスピーカーに変わっています。
固定についても、フロント同様、MDFバッフルを介して取り付けています。
純正ツイーターのほうは、取り外す必要もないので、そのままにしています。
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スピーカーグリル戻し
スピーカーグリルを戻したところです。
まったく隠す気のないネジ穴がワイルド。ガッツリとネジ3点留めというアメリカンスタイルです。 -
パワードサブウーファー1/2
最後はパワードサブウーファー設置の様子です。助手席シート下に移動します。
パワードサブウーファーの設置位置として、助手席/運転席シート下は定番ですね。
多くのクルマでは、進行方向に対して横向きに設置しますが、このクルマはシートレールの間隔が狭かったため、縦向きに設置しました。
縦置きレイアウトで、シートの前後移動によって配線接続部分がボーンと露出してしまう場合は、ゴミやジュースの液体から防護するためにカバーをするのですが、今回は露出しないようでしたので、防護不要でした。
シート下面とのクリアランスも十分あって、条件はよいですね。
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パワードサブウーファー2/2
後席の足元から見た状態です。
シートは目いっぱい前方にスライドさせています。
フロアマットを見てもわかるように、足元のスペースはさほどそんなに犠牲になってないと思います。 -
作業後記
今回はジープ・ラングラー・アンリミテッドのサウンドアップ事例を御覧いただきました。
ナビヘッド+フロント2wayという、もっとも主流の構成に対して、パワードサブウーファーで低域を補強し、リヤスピーカーについても漏れなくやっておきましょう。という内容でした。
2週間前に登録したジムニー・シエラも同様、ジープ系のSUVの場合、ラゲッジルーム(というか荷台)に移動させにくいアイテムを据え付けるのは、ハナから無理だったり敬遠されたりするタイプのクルマだと思いますので、ワンボディで収まるナビヘッドは大変向いていますね。
それに加えて、ロードノイズを含む外来ノイズは比較的大きい点も共通しているので、シート下のパワードサブウーファーも準デフォルトといって良さそうです。
他の事例では、70ランドクルーザーも同じような仕様で施工させていただいてますね。ウーファーがダッシュボード下についている点も同じです。
なお、こちらの場合は小型アンプを追加していますが、これもシート下に収めて使い勝手が変わらないように配慮しています。
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今回はジープ系SUVの定番様式にのっとって施工させていただきましたが、スピーカーボックスについては、前後ともに一般的なクルマとは異なった手のかかり方になりました。
このように、クルマのタイプや生産(設計)国の文化の違いによって、構造は実に様々です。
当店のようなプロショップの場合、型通りの対応ではなく、(なんとか売上にしようと必死に)柔軟なプランニングをいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
ご希望とご予算に応じて、最適なご提案ができるように努めます(^o^)♪
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