フェラーリ458イタリアのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.739(お問い合わせの際にお伝えください)
model
フェラーリ 458 イタリア
system
メインユニット:スマートフォン
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:carrzzeria TS-V173S
リアスピーカー:なし
サブウーファー:なし
プロセッサーアンプ:PLUG&PLAY 1080、PLUG&PLAY COMMAND
DAコンバーター:audiotechnica AT-HRD500
ケーブル:SAEC、audiotechnicacomment
DSPでフロント2wayをマルチ駆動するシステムです。
iPhoneのデジタルソースを直接入力するためのデジタルトランスポートも追加し、ハイレゾ再生環境を実現しています。
フェラーリ・458イタリアの事例紹介です。
多くの方のフェラーリのイメージは、赤くて低いイタリアのスポーツカー。というところで一致していて、そこから先はよくわかんないというのが実情だと思います。
フェラーリはエンジン排気量と駆動型式でグレード分けされており、現行のガソリンエンジンの量産車は・・
(1)V12のFR:812スーパーファスト、GTC4ルッソT
(2)V8のFR:ポルトフィーノ、ローマ
(3)V8のミッドシップ:F8トリブート
(4)V12の4WD:GTC4ルッソ
と、4グレードに大別され、最近になって
(5)V8のPHEV:SF90ストラダーレ
(6)V6のPHEV:296GTB
とプラグインハイブリッド車も加わっています。
この他には、時折話題に上がる、スペチアーレと呼ばれる10周年毎に企画される超限定モデル(F40、F50、エンツォ、ラ・フェラーリ)というのもあります。
今回ご紹介する458イタリアは、上述の(3)のカテゴリーに属するモデルです。
同グレードの歴代モデルを時系列で見てみると、360モデナ(2000年)、F430(2004年)、458イタリア(2009年)、488GTB(2014年)、F8トリブート(2019年)という変遷を辿っています。
サイトは少し派手に見えるかもしれませんが、当店は意外と地味な荒川区のオーディオショップです。しかしながら、なぜかヨーロッパの派手なスポーツカーには縁があり、フェラーリのF430、458、488といったモデルについては、そこそこ施工経験を積ませていただいています。(フェラーリの事例)
今回の458は、他のお車でお付き合いいただいているお客様のお車です。
内装のコンディションはあまり良くないようですが、その分、割安に入手された並行輸入の個体で、レストアの手始めとしてオーディオのグレードアップをご依頼頂きました。
このクルマのオーディオは、フロント/リヤの4スピーカーをヘッドユニット+外部アンプで駆動するシンプルなシステムが採用されています。
フェラーリ車全般に言えることですが、企業としてのブランディングが十分過ぎるほどに成功しており、かつ、スポーツ寄りのアイデンティティが極めて強いモデルであるため、車の商品価値を構成する要素として脇役のオーディオについては、多スピーカー化等による差別化にあまり熱心ではないようで、とりたてて特徴もなく、音もそれなりです。
今回の車に関しては、並行輸入車ということでラジオが使えず、また、動作も怪しいという背景もあったので、いっそのことヘッドユニットは切り離してしまって、スマートフォンをソースとしたシステムを組もうという方向で話がまとまりました。
システム概要としては、iPhoneのソースをDSPアンプに入力して、フロント2wayを鳴らす内容です。DSPの設定によって好みの音場を作り込むのは当然のこと、iPhoneのソースをデジタル信号で入力するためのデジタルトランスポートにも予算を配分した、ハイレゾ志向のシステムです。
◯DSPアンプとデジタルトランスポート
DSPアンプはPLUG&PLAY 1080(税込126,500円)をご指定いただきました。
PLUG&PLAYはBEWITHプロデュースによるDSPまわりの商品ラインです。
・筐体がコンパクトで、ケーブル接続面が片面に集約され、インストールエリアを節約できる点。
・性能に対してリーズナブルなプライス。
・アンプ内蔵タイプとアンプレスタイプの両方と、外部アンプも揃えるラインアップの充実度。
・そしてなによりアップル製品のようなスタイリッシュなデザインがアピールポイントとなり、マニア層にとどまらず、エントリー層まで含めた幅広いユーザー層の支持を集めています。
今回は、6ch入力/10ch出力/8chアンプ内蔵のPLUG&PLAY 1080(税込126,500円)と、外部コントローラーであるPLUG&PLAY COMMAND(税込15,400円)を組み合わせて使いました。
入力ソースは、後出のデジタルインターフェースを介したiPhoneのハイレゾソースで、出力の方は、8chの内蔵アンプに対して、ツイーター(2ch)、ウーファー(2ch)の計4chをそれぞれブリッジ接続することで、全てのアンプを使い切りました。
○デジタル入力のためのインターフェース
DSPアンプにiPhoneのデジタル信号を直接入力するためのインターフェースとして、オーディオテクニカのAT-HRD500(税込77,000円)を付けました。
接続経路としては、iPhoneからアップル純正のUSB変換コネクタ(USB3 カメラアダプタ)を介して、当AT-HRD500に入力し、光ケーブルでDSPアンプに入力する格好になります。
接続に使うケーブルも少し気を遣って、USBケーブルにELECOM DH-AB20、光ケーブルにaudiotechnica AT-RS90/3.0をそれぞれ使いました。
◯スピーカー
フロント2wayスピーカーとして、カロッツェリアのTS-V173S(税込66,000円)を使いました。
TS-V173Sは説明不要の定番ハイエンド&ハイコスパ・スピーカーです。カロッツェリアらしい明るくパンチのある音を堪能させてくれます。
ハイエンド志向だけあって、バイアンプ/バイワイヤ接続対応のネットワークが付属していて、かつ、セパレーションを強化すべく、ツイーター用とウーファー用が別々(合計4つ)になっています。
なお、今回はDSPアンプによるマルチシステムですので、ネットワークは使わず、直接接続しています。
インストールについては、ウーファーはドア前方の純正スピーカーの位置で入れ替えとし、ツイーターはダッシュボード両脇に置く格好をとりました。
ツイーターに関しては、車両の状況によって採れる方法が異なってきます。
458は車両によって、ダッシュボード両脇に配置されている三角のパネルが外れるものと、外れないものがあります。これが外れる場合、(こちらの例1/例2のように)このパネルにツイーターを埋め込む加工が可能ですが、今回は外れない車両でしたので、オンダッシュ取り付けで対応しました。
(三角パネルの脱着可否の判断は2、3分でつきますので、ご検討のお客様はご連絡ください)
以上をもって、デジタル信号を直接入力できる、ハイレゾ再生システムが出来上がりました。
迫力のV8サウンドで室内が満たされるので、パワードサブウーファーがあってもいいかなーとは思いますが、ドアウーファーをしっかりと取り付けることで、ローエンドはそこそこ引き出せていますので、ひとまずこれでよいでしょう♪
施工の様子をどうぞご覧ください。
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アウターパネル作業
アウターパネルの施工を終えたところです。
インナーパネル側の純正スピーカーを外して、スポンジシートを取り払い、ノリ残りをキレイに清掃・脱脂します。
アウターパネル側も同様に下準備して、防振材を配置します。
今回は制振力が強めのデッドニンググレードでの防振でしたので、短冊状にカットした材料を等間隔に貼っています。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
スピーカーはカロッツェリアのTS-V173Sに代わっています。
バッフルは純正スピーカーの形をトレースして、MDFで制作しました。
規定どおりに防水塗装を施した上で、円筒部分の内面には、雨水侵入防止のためのアルミテープを貼ってあります。こういう車だと外駐車ってこともないだろうし、雨天の走行は控えたりするんだろうから、あまり役に立たなそうですが、吸湿抑制の役には立ってくれるでしょう。
内装を固定しているネジが多く、長さが違うものもあり、もとに戻すのはなかなか大変です。
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ツイーター設置(運転席側)
ツイーターの設置状況です。
個体によっては、写真奥に見える三角のパネルが外れるので、ツイーターを埋め込む加工ができるのですが、この個体は外れませんでしので、オンダッシュ取り付けとなりました。
こういった場合、日系メーカーの製品は鑑賞に耐えるスタンドがついているので有利ですね。
中でもカロッツェリアはそのあたりの配慮が行き届いているので、造りが大変よろしいです。
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ツイーター設置(助手席側)
助手席側の様子です。
運転席側と左右対称となる角度に設定して、設置しました。
純正の状態を基準とすると、意匠的には、三角パネルへの埋め込みのほうが優れているように思いますが、音響の面ではこちらに歩があります。
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DSPコントローラー
PLUG&PLAYの別売りコントローラーの設置状況です。
ステアリングコラムの右側にぴったりフィットな場所を見つけましたので、即決しました。
今回はソースがiPhoneのみですので、入力ソース切り替えは行いませんが、原則としてデジタル入力オンリーになり、ボリューム調整はDSP側で行う必要があるため、コントローラーが必須です。
音響設定のプロファイルは5つまで保存できるので、ドライバーにフォーカスしたパターン、両席で等しく聞こえるタイムアライメントなしのパターン等と、状況に応じて切り替える場合にも使います。
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USB3 カメラアダプター
iPhoneへの接続インターフェースの設置状況、、というか放置状況です。
冒頭の図でもお示ししておりますように、iPhoneのデジタルソースをDSP側に受け渡すために、アップル純正のUSB3カメラアダプターを使います。
アダプター左側に刺さっている白ケーブルは、充電用のUSBケーブルで、アクセサリー電源ONで給電します。
紺色のケーブルはデジタル信号送出用のUSBケーブルです。後出のデジタルトランスポートに入力され、光デジタルに変換された後、DSPに受け渡されます。
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機器設置
オーディオ機器の設置状況です。
冒頭の図にもありますとおり、設置する機器はデジタルトランスポートと、DSPアンプの2つです。
ダッシュボードの下側のパネルを外すと、ちょうどエアコン操作盤の裏側にあたる場所に、謎の1DIN強のスペースがあります。
車によっては、プレミアムオーディオ用のアンプが居座ってたりするのですが、今回は空き家でしたので、これ幸いと活用させていただきました。
機器の下側がPLUG&PLAYのDSPアンプで、上側がオーディオテクニカのデジタルトランスポートです。
ご覧の通りパッツンパッツンではありますが、PLUG&PLAYだからこそ実現できた狭小地インストールですね。PLUG&PLAYは片面にケーブルの入出力が集約されていて、ケーブルの取り回しに食われるスペースが最小限で済むので、ボディのコンパクトさを最大限に活かした配置ができます。 -
作業後記
今回はフェラーリ458のサウンドアップ事例をご覧いただきました。
本文中でも触れましたように、車の派手さほどはオーディオに気を遣ってない車で、フロントは1wayフルレンジスピーカーですので、ヤレばやっただけ改善が見込める車です。
◯スピーカー交換については、外観を全く変えないという前提なら、ドアスピーカーをコアキシャル2wayにするという手が第一にあがります。
スピーカーの位置はだいぶ下ではありますが、ドア防振をしっかりやって、スピーカーをきちんと固定すれば、音像はそれなりに上がってきますので、外観キープの前提は崩せないという場合はおすすめです。
次に、というか、メインでおすすめなのは2way化ですね。
問題はツイーターの設置場所ですが、本文の「ツイーター設置」のところで触れておりますように、ダッシュボード両脇・奥の三角形のパネルが外せる車であれば、このパネルに埋め込んで、スッキリと仕上げることが出来ます。もし外せない場合は、今回の事例のようにオンダッシュ取り付けですね。
なお、埋込加工をやる場合でも、こちらの事例で紹介しておりますように、純正の三角パネルは無傷のままキープしておいて、そっくりに複製した三角パネルの方にツイーターを取り付けるという方法もとれますので、ご意向に応じてご判断ください。
◯ソースマネジメントについては、ざっくり2段階でご案内しておきます。
一つは小型アンプJOYNの活用です。
JOYNは、純正デッキのスピーカー出力を取り込んでやるだけのイージーインストールがウリのシンプルなシステムで、純正オーディオと、ブルートゥース接続によるiPhoneなどの楽曲の2系統をソースとして取り込み、内蔵の4chコンパクトアンプで増幅することで、音質の向上を図るアプローチの製品です。
サイズが(W)178mm (H)25mm (D)120mmと大変小さいので、今回の事例でご紹介したダッシュボード下段のスペースにも入りますし、こちらの事例のようにグローブボックスの奥に納めることも可能です。
458についてはハンズフリー通話のニーズも高いので、その点でも注目ですね。
次の選択肢は、今回のような小型DSPアンプの活用です。
iPhone等のスマートフォンのデジタルデータを直接入力してハイレゾ再生したい場合は、光デジタルに変換するためのデジタルトランスポート(AT-HRD1あるいはAT-HRD500)と、光入力対応のDSPアンプ(PLUG&PLAY 1080)とコントローラーの組み合わせになります。
もしデジタル入力にこだわらないということであれば、デジタルトランスポートを抜きにして、PLUG&PLAY 1080とコントローラーだけで運用していただくことも可能ですね。
◯その他
取り付けのための造作が必要になりますが、パワードサブウーファーの投入もできます。
場所としてはシートの後方のスペースになり、薄手の箱状のボードをこしらえて、シート下設置タイプのパワードサブウーファーユニットを中に入れる感じになります。(事例)
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フェラーリに関しては、スペースの都合で選択肢は広くはありませんが、ご予算とご希望に応じて、柔軟にプランさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください♪
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