フェラーリ458Spiderのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
-
事例No.640(お問い合わせの際にお伝えください)
model
フェラーリ 458 Spider
system
メインユニット:CYBER STORK JOYN SMART STATION
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:JBL 670GTi
リアスピーカー:純正
パワーアンプ:carrozzeria GM-D1400?
ケーブル:kaiser swingcomment
純正ヘッドユニット周りは手を付けずに、小型アンプ兼ブルートゥースレシーバーのJOYNを使って、スマートフォンのソースを再生するシステムを組みました。
更にパワーを出すためにカロッツェリアの小型アンプも加えています。
今回はフェラーリ・458スパイダーの事例ご紹介です。
ご存知フェラーリのスポーツカーで、2009年に発売されたモデルです。
これ以前の「F430」の後継として発表され、ベースモデルとなるクローズドボディのクーペは「458イタリア」と名付けられています。
今回登場のコンバーチブルモデルは「458スパイダー」で、その他にも458スペチアーレ、458スペチアーレ・アペルタといったバリエーションがあります。
ちなみに、458というのは排気量の4.5リッターと、気筒数の8気筒に由来しているそうです。
今回の車は(本来なら地味に見えるはずの)黒ですが、このカタチですからねー。やっぱりかなりハデです(笑)。こんなに目立つ車ですし、日に何台も見かける車ではありませんが、以前、全く同じスパイダーモデルの色違い(白)を施工させていただいたことがあり、今回で2台めとなります。
ご縁に感謝いたしますm(_ _)m
今回のスパイダーは、古くからお付き合いいただいているお客様がセカンドカーとしてお求めになったお車で、なんでもドバイから並行輸入でいれた訳あり物件だそうです。
どういうワケか詳細はわかりませんが、外観上ではダッシュボード周りの革がちょっと波打っていて、その他でもところどころ革がめくれそうになっているところがあります。アツアツのところに長期保管でもされていたのでしょうか。
いずれにしても、フェラーリのオーラは十分すぎるほどに放射されており、しっかり手を入れてあげれば長く付き合っていけそうな感じです。
今回のオーダーは、スマートフォンのソースをブルートゥース経由で受ける前提のヘッドユニットとアンプ、そしてフロント2wayスピーカーのインストールです。
脱着による負担ができるだけ生じないように、最低限の分解で済むような機器およびインストール方法でプランしました。
○ヘッドユニットはサイバーストーク社のJOYNスマートステーションを起用しました。
JOYNは純正ヘッドユニットとスピーカー間にカプラーオンで割り込ませるだけのイージーインストールで?純正オーディオと、?ブルートゥース接続によるiPhoneなどの楽曲の2系統をソースとして取り込み、内蔵の4chコンパクトアンプで増幅することで、音質の向上を図るアプローチの製品です。
多くの車種向けの専用キットを使ってカプラーオン取り付けが可能なのでインストールによる車両への負担が極めて少なく、車種専用のインストールキットもたくさん発売されているので、当店のようなプロショップのみならず、量販店さんでも取り扱っており、リーズナブルに済ませたい方から好評を博している商品です。
この製品の使い方は、上記のように純正ヘッドユニットのスピーカー出力を取り込む使い方が前提になってはいますが、ヘッドユニットからのルートは設けずに「ブルートゥース・プレイヤー」あるいは、ステレオミニジャックのAUX入力による、より高音質な「外部有線入力プレイヤー」として使うこともアリなわけです。
特に今回は、リヤも含めたフルスピーカーを鳴らすのではなく、フロント2wayのシンプル構成を希望されていたこともあり、最低限の工程で済ませられるこのパターンでいくことにしました。
○スピーカーはJBLの670GTiを起用しました。
ザンネンながら、JBLのカーオーディオ製品は、本年の9月より日本国内販売が終了してしまいましたが、最後の在庫品で対応させていただきました。
16センチウーファーとツイーター、大型ネットワークの2wayセットで税別定価10万円のフラッグシップ製品です。
今回はネットワークの設置場所がないため、ツイーター側のスピーカーケーブル上にハイパスフィルターを設けて低域をカットし、ウーファー側はフルレンジ再生としました。
○アンプ
今回ヘッドユニットとして起用したJOYNは「ブルートゥース機能付き・高性能コンパクトアンプ」ですので、基本的に本機だけでスピーカーを鳴らすことができますが、今回は、よりパワフルな低域をお求めということで、カロッツェリアの4chアンプ、GM-D1400?(税別16,000円)を増設しました。
JOYNの4ch出力をGM-D1400?に入力し増幅した後、新規に引いたスピーカーケーブルを介して、フロントの4ユニットを鳴らしています。
JOYN本体はグローブボックス内、アンプはダッシュボード下に吊り下げ設置と、インストールに伴う負荷(とコスト)をグッと抑えながらも、外部アンプ駆動によるパワフルなサウンドが楽しめる一台に仕上がりました。
同じフェラーリに限らず、インパクトを抑えたいデリケートな車向きの事例としても参考にしていただければと思います。
施工の様子をどうぞ御覧ください♪
-
フロントドア
それではフロントドアの外観からです。
この車にしろ、当店デモカーのGT-Rにしろ、2ドア車で「フロント」ドアと特定した呼び方をする必要はないんでしょうけど、「それではドアからです。」と言われると、なにか足りない感じがしてしまいますね。いわゆる慣用表現っていうことでしょうか。
外観はさすがフェラーリらしく、デザインにも製作にも大変コスト(&手間)がかかってそうなトリムですね。
3000万円弱の車両価格を納得させられてしまうオーラが出ています。
458の純正オーディオの構成は、意外と質素?でフロント/リア各2つづつのフルレンジ4スピーカーです。。
しかし、この車はJBLオーディオ搭載車ということで、フロント側が2way構成です。
スピーカーグリルのところに四角いシルバーのエンブレムがありますが、ここに[JBL・PROFESSIONAL]とあります。
-
ドアトリム取り外し
ドアトリムを取り外したところです。
ドアトリム全面に貼られている革も、なんとなく全体的に浮いているので、取り外しに気を遣いました。
熱の影響?湿気?よくわかりませんが。。
JBLスピーカーは、今回取り付ける670GTiと同じ、シルバーを基調としたカラーリングでまとめられています。
見えないところなのに、スピーカーグリルにもコストを掛けてありますね。
このスピーカーは直径16cmサイズで、DVC(ダブルボイスコイル)仕様になっていました。
ダブルボイスコイルというのは、一般的なシングルボイスコイルが、一本のマグネットの周りに巻いてあるコイルが1回路なのに対して、2回路巻いてある仕様になっています。
1回路の抵抗(インピーダンス)が2Ωだとして、2つを直列につなぐと抵抗は4Ω(普通)、並列につないで1Ω(音量重視)。それぞれに別系統で信号を入れて2Ω×2(キレ重視)と、求める特性とアンプの出力に応じて多彩な使い方ができます。(並列接続がもっともアンプ出力を要します)
DVCは一般的に内蔵アンプでハンドリングできる相手ではないので、どこかにパワーアンプが潜んでいるはずです。
-
アウターパネル作業
それでは作業に入っていきます。
サービスホールを塞いでいるスポンジシートを剥がし、清掃と脱脂を済ませたら、アウターパネルに防振材を貼っていきます。
素材はお馴染みのDr.ArtexのEarth Quatroです。
砂塵の国からやってきた車両ということで、ドア内に砂が入っていたらよく掃除しといてほしい。。とのことでしたが、とてもきれいな状態でした。
-
インナーパネル作業
インナー側が終わったところです。
スピーカーホールには、純正の外形に合わせた大きめバッフルを介して、670GTiのウーファーを取り付けます。
今回のシステムは純正ヘッドユニットを起点としたシステムとは全く別に構築しますので、スピーカーケーブルも純正ケーブルとは別に引き込んであります。
インナーパネル全面を覆っているのは、同じくDr.ArtexのEarth GOLD HDです。
コンバーチブル+大パワーエンジンということでしょうか、インナーパネル上段に設けてあるリブがかなり太いです。
-
ツイーターマウント製作
ツイーターの取り付け状況です。
前述の通り、フロントスピーカーは2way構成になっていますが、もともとのツイーターはドアスピーカーの近くに設置されていました。
セパレートユニットを近づけてレイアウトするのは、音のまとまりの点でメリットがあるので決して悪いことじゃないのですが、だいぶ下の位置にまとまっていて音像が上がりにくいので、(オーナ様との協議を経て)ダッシュボード両端に取り付けることになりました。
ここはもともと三角のパネルが取り付けられており、それと差し替える形でカスタム製作したマウントを取り付けていますので、純正戻しも容易です。
前述の通り、ダッシュボード、ドアと、全体的に革のコンディションが良くなく、先々は当店の協力工場さんにお願いして内装の張替えも視野に入れているので、今回は暫定的にアルカンタラの端切れを使って製作しました。
張替えの際は、ステッチも含めて統一したコーディネイトで仕上げようと思います。
-
JOYN SMART STATION用コントローラー
JOYNのコントローラーの取り付け状況です。
当店458では定番!(N=3)の位置です。
といっても、ダッシュボードに不可逆的な加工をしない前提だと、他店さんでもこの車だとここになっちゃうとは思います。
JOYN SMART STATIONの本体はグローブボックス内に置き、ダッシュボード下に接続ケーブルをはわせて、この位置に持ってきています。
最初にスマートフォンとペアリングしておくと、このコントローラーでスマートフォンの操作ができるようになります。
各ボタンの機能は以下のとおりです。
(左から)
・電源
・ブルートゥース/AUX切り替え(ペアリングボタン兼)
・BT接続時の一曲戻り
・再生/停止(電話応答)
・一曲送り
・ボリューム-+
・grooveボタン(プリセットイコライジング・4パターン)
今回はブルートゥース専用プレイヤーとして運用しますが、一般的な取り付けの場合は、純正デッキの出力をミニジャック経由でAUXとして入力することになります。よって、AUXボタンを押すごとに外部入力である純正デッキ⇔ブルートゥース機器と切り替わることになります。
冒頭でも触れました通り、スマートフォン等のプレイヤーのイヤフォン出力をAUXとして、ミニジャックで有線接続することもできます。
接続に4極のミニプラグを使うと、曲送り/戻し、ボリューム調整と、コントローラーでフルに操作できます。
(一般的な3極の場合はボリューム調整のみになります)
-
パワーアンプ
最後はパワーアンプの設置状況です。
製品はカロッツェリアのGM-D1400?です。幅181 mm×高さ38 mm×奥行き64 mmとコンパクトな筐体を活かして、死角に吊り下げ設置しています。
こういう低ーいところですので、当然ながら、通常の乗車ポジションからは全く見えません。
接続は、グローブボックス内のJOYN SMART STATION本体のスピーカー出力4ch分を本機に入力し、スピーカー出力が左右4つのツイーター・ウーファーにつながっています。(ツイーターへの途中にはハイパスフィルターが介在しています)
-
作業後記
今回はフェラーリのサウンドアップ事例をご覧いただきました。
基本的に、どんな車でもスピーカー出力を取り出して、トランクやシート下に設置したDSPに入力して、引き直したスピーカーケーブル経由でスピーカーを鳴らして、、という一般的な方法がとれるのですが、今回のようなフェラーリやランボルギーニのようにデリケートで脱着の負担を減らしたい、あるいは機器をインストールする場所がない場合、JOYNは大変強力な切り札になります。
4chが上限となりますが、純正オーディオからスピーカー出力を取り出し、コンパクトな本機に入力し、純正スピーカーケーブルor引き直したケーブルに出力してやることで、かなりインストールインパクトを抑えたサウンドアップが可能です。
また、今回のようにBluetooth接続オンリーで純正ケーブルに一切手を付けないという手もありますね。
なおJOYNは筐体のコンパクトさと相まって、お手軽インストールの側面が強調されがちな製品ではありますが、かなり真面目にハイファイを追求した作りになっています。
開発に携わった方からお聞きすると、繊細な表現能力を優先して、コンパクトなワンボディだとトレードオフの関係になりえる内蔵アンプの出力W数を定格22W×4chと若干抑えめにしてあるそうです。
こういった、ある意味繊細な作りの製品ですので、コレ単体でドッカンドッカン鳴らそうというのはちょっと無理があります。その場合は今回のようなパワー増強策で補強してやるとか、より軽く鳴る抵抗値の低いスピーカーを選んだりといったフォローを行うと、よりよい結果が得られると思います。
取り付けスペースに制約がある、できるだけ施工の負担を減らしたい、コストを抑えたいといったケースのサウンドアップ手段として、JOYNをご検討ください♪
ご相談はお気軽にドウゾ♪
メールのご相談はこちらまで
電話もお気軽に♪03-5913-8450です!