トヨタアルファードのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.848(お問い合わせの際にお伝えください)
model
トヨタ アルファード
system
メインユニット:T-Connect SDナビゲーションシステム
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:KICKER KSS269(ウーファー)、KSC3504(ハイレンジコアキシャル)
センター:KICKER KSS269(7センチハイレンジ)
リアスピーカー:JBLプレミアムサウンドシステム
サブウーファー:JBLプレミアムサウンドシステム、carrozzeria TS-WX120A
パワーアンプ:JBLプレミアムサウンドシステム
ケーブル:純正comment
JBLシステムを搭載した30アルファードのサウンドアップ事例です。
ハイレンジスピーカー、センタースピーカー、ドアウーファーの5ユニットをKICKER製品に置き換え、デッドニングで環境を整えました。
トヨタ・アルファードの事例紹介です。
今や高級ミニバンの代名詞となった感のある車ですね。
当然ながらそれなりの歴史があり、初期型の発売が実に約20年前の2002年で、20型は2008年発売、30型は2015年発売、そして2023年発売の40型が現行と、4世代を数えるロングセラーモデルに成長しています。
兄弟車のヴェルファイアと並んで、トヨタのフラッグシップミニバンに位置づけられるクルマですので、ミニバン本来の目的であるファミリーユースの枠を超えて、黒塗りの法人車や公的部門の要人車、東京オリンピックに代表される各種オフィシャルカーといった、セダンの独壇場だったおカタい方面にもドンドン採用されていますし、先日、目にした記事では、最近の組関係の上層部の方は、迫力のあるアメ車やベンツの大きいのではなく、節度のあるアルファードのエグゼクティブラウンジを選ぶんだそうです。。反政府組織に重用されるランドクルーザー然り、商品性を極めると、裏も表もなく指示される存在になるんですね。ほんとにトヨタはすごいです。
当サイトで30系に関係したエントリでは、、
(1)「T-Connect SDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステム」をオプション装備した車両のケースで、「せっかくリヤモニタをオプション装備しても、HDMI入力した画像がリヤだけでしか視聴出来ない問題」を解決するために、ビートソニックのインターフェース商品を組み合わせてインストールし、iPhoneなどの外部ソースをフロントとリヤ同時にミラーリングできるようにした事例。
(2)同じく「T-Connect+JBL」車両をコスト抑えめでサウンドアップするために、ダッシュ上のハイレンジスピーカーと、センタースピーカーのみ交換し、ドアのウーファーは純正のままでデッドニングをしっかりやるプラン(総額125,400円)
・・・などがあります。
特に(1)はニーズがたくさんあったようで、多くのご依頼をいただきました。
今回は、同じ30型でフロント系のスピーカーの総取り替え+デッドニングでサウンドアップを図るプランです。
具体的には、ヘッドユニットからセパレートアンプまでは純正のシステムを維持したうえで、ダッシュ上のハイレンジスピーカー+両ドアのウーファー+センタースピーカーを交換し、両ドアをしっかりデッドニングで仕上げるプランを基軸とし、特別なご事情によって、型落ち持ち込み品のパワードサブウーファーを追加したプランです。
税込総額165,000円(パワードサブウーファー取付費除く)と、比較的リーズナブルな価格で音の出口を整備し、外部アンプの駆動力を持つJBLシステムのポテンシャルを引き出すことで、メリハリのある出と音、しっかり伸びる低音を獲得したシステムです。
以下、使用コンポーネント紹介です。
◯スピーカー
すべてKICKERで揃えました。
まず、必要なスピーカーの整理ですが、以下の3種となります。
(1)ダッシュスピーカー:直径8センチ程度のコアキシャルタイプ
(2)センタースピーカー:直径7センチほどのフルレンジタイプ
(3)ドアウーファー:6インチX9インチの楕円タイプ(あるいはバッフルで塞いで直径17センチ程度のフルレンジ)
これらに相当する製品をKICKERで揃える場合、(1)と(2)はピッタリの製品があるのですが、(3)のフルレンジウーファーというのがありません。
そこで、(2)7センチフルレンジと(3)楕円フルレンジウーファーがセットになった2way商品のKSS269(税込66,000円)というのを活用します。
このKSS269の4ユニットのうち、7センチフルレンジを一つ、下取りさせていただくことで、センタースピーカーとウーファーが揃うことになります。
残る(1)については、直径8.9センチのコアキシャルであるKSC3504(税込17,600円)を調達して、これで全部揃いました!
◯ドア防振
振動を抑え込む「制振力」が強めの、デッドニンググレードにて施工しました。
デッドニングによって、ドアを密閉して「ハコ」化し、防振材の重みで共振しにくい状態にすることで、スピーカーボックスとしての機能を向上させます。
これにより、ドアウーファーの性能を十分に引き出すことで、◯損失が減ることによる情報量の増加、◯低音域の伸び、◯踏ん張りが聴くことによるパンチ力やメリハリ感の向上。といった点において、施工前とはまったく次元の違うパフォーマンスを実現します。
今回はご事情によって、パワードサブウーファーを追加することになりましたが、このデッドニング施工によってフロント2wayの低音域がしっかり伸びるようになり、純正のサプウーファーとの連携もよりスムースになるので、一般的なユーザー様であれば、パワードサブ追加までは必要ないかもしれません。
◯パワードサブウーファー
TS-WX120A(販売時税別価格18,000円)を使いました。
これは7年ほど前に発売された商品でして、手元に温存なさっていたものをお持ち込みいただきました。
20cm×13cmの楕円振動板+150Wアンプのスペックで、280 mm (W) × 70 mm (H) × 200 mm (D)とシートした設置が可能なポピュラーな製品です。
※なお、現在の後継商品はTS-WX140DA(オープン価格)となります。振動板とボディサイズの仕様は同じですが、アンプの消費電力がが150W→170Wに上がっています。
今回、パワードサブウーファーの追加をご希望された背景は、ドライバーであるオーナー様が低音域を楽しめるほどにボリュームを上げると、後部座席を常用されるお子様からクレームがくるからだそうです(^o^);;
今回のフロントスピーカー群のスペックアップによって、低音域の出方はだいぶ向上することになりますが、ここ一番でブンブン言わせたい時のために、ほとんど使用されない助手席足元にパワードサブウーファーを追加し、手元のコントローラーで自在にボリュームを調整できるようにしました。
以上をもって、税込総額165,000円(パワードサブウーファー除く)のハイコスパ・サウンドアップが実現しました♪
DSPアンプも入れて、音像の精密な調整までできるようにすると、30万・40万・50万といった予算が必要になってきます。確かにお金をかけただけ音像はキリッとシャープになり、総合的な改善効果は得られますが、金額が大きくなると体感の変化率は小さくなってきます。
もっとも変化率がデカいのは、ドア防振を含む、スピーカー交換の段階ですので、今回の16万円強のプランは非常に価値があると思います。
それでは施工の様子をご覧下さい♪♪
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フロントドア
それではフロントドアの外観からです。
クルマの機能的な品質はもちろんのこと、デザイン品質も安定のトヨタクオリティですね。大きくても間延びせず、穏やかな調和を見せています。
スピーカーの構成は、標準で8スピーカー(フロント・リヤ共に2way)か、JBL17スピーカーの二択ですが、ドアについてはスピーカー一つということで共通しています。(標準は丸、JBLは楕円)
スピーカグリルにはJBLエンブレムが輝いております☆
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
標準オーディオ車では、楕円ベースのフレームに18cm相当の真円のスピーカーが装着されていますが、JBLのオレンジ色が内装と接触する部分にあしらわれています。
標準オーディオ車の場合、楕円のフレームは同じですが、中の振動板が直径16センチの円形にスペックダウンします。
振動板の面積としては、短軸側の直径を16センチで固定して、長軸側を22センチの楕円にすることで約50%アップすることになりますので、なかなかですね。
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アウターパネル作業
アウターパネルの作業が終わったところです。
ビニールシートを剥がしたら、清掃、脱脂を済ませます。
今回の防振は制振力の強いデッドニンググレードですので、たんざく状にカットした防振材を全体的に等間隔で貼り込んでいます。
スピーカーは、KICKER KSS269に交換されています。
同製品には、楕円スピーカーを採用している主要車種にフィットするような樹脂製のバッフルが同梱されていますので、今回はこれを使って取り付けました。
ケーブルの接続については、アンプから来ているスピーカーケーブルにスプライスなどを使って、別途用意したスピーカーケーブルをカシメて、スピーカーに接続する手が第一選択肢ですが、トヨタの主力車種にのケーブルに採用されているアルミ導体は、一般的な銅線に比べて腐食しやすいとされているので、ケーブル被膜へのインパクトはできるだけ避けたいとところです。
この課題に対応するために、付属ネットワークのケーブルの端っこに純正カプラの相手となるカプラを独自に取り付けて、(赤丸部分)無傷取り付けができるように配慮しました。
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カプラ加工
前カットで触れたカプラー加工部分のクローズアップです。
ケーブル側はウーファーに繋がり、カプラ側は、純正アンプから来ている出力ケーブルの端っこのカプラとカチンと嵌合します。
これにより、純正ケーブルに傷をつけない接続が実現します。
※注記※
KSS269には、ケーブルの途中にハイパスフィルタ/ローパスフィルタが組み込まれた「インラインネットワーク」ケーブルが付属していますが、これはハイレンジスピーカー/ローレンジスピーカーともに、フルレンジ信号が出力されている純正オーディオへの接続を想定したネットワークです。
今回のアルファードに装備されているJBLシステムでは、アンプの出力段階であらかじめ帯域分割されているので、キット付属のインラインネットワークは使っていません。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
ドア防振はデッドニンググレードで施工してますので、インナーパネル側は全面貼りです。
サービスホールを塞いで密閉するととともに、パネル全体の制振を行って、きちんと機能するスピーカーボックスに仕立て上げます。
デッドニングなしで良いスピーカーに交換するより表現力は上です。その差はボリュームを上げるつれて大きく出てきます。(断言)
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ハイレンジスピーカー・純正
純正のハイレンジスピーカーです。
ダッシュボードの左右に設置されている8cmのコアキシャルスピーカーで、カタログ上では「Unity」スピーカーと表現されています。※統一、結束、一体といった意味合い。
JBLシステムでは、セパレート式のアンプが組み込まれるので、このハイレンジユニットにはハイパス(ローカット)された信号が来ています。
その反対に、ドアスピーカーにはローパス(ハイカット)された信号が送られ、両者から出てくる音がうまくつながるようになっています。
正確には測定していませんが、両者の周波数の境目(クロスポイント)は、一般的な2wayセパレートスピーカーセットのそれに比べて低い周波数でクロスされているようです。(たぶん1000Hzあたり?)
そのため、純正システムのまま、ツイーターユニットだけを社外品に交換すると、(低域側を十分に再生できないため)中間が抜けた音になってしまいます。
従って、アンプは純正のままで、スピーカーユニットだけ交換しようという場合は、純正品と同等の周波数を再生できるコーン型のユニットにする必要があるわけです。
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ハイレンジスピーカー・交換後
キッカーのKICKER KSC3504に交換した状態です。
冒頭でふれましたように、純正ハイレンジスピーカーの直径が8センチのところに、8.9センチと一回り大きなスピーカーを入れており、さらにダンパー部の外側をしっかりしたガードが囲むような設計のため、本当にやっと収まるくらいのギリギリな感じで付いています。
ここに収まるような小径コアキシャルスピーカーはほんとに数がないのですが、アメリカ系には少しあります。以下が選択肢です。
KICKER KSC3504 (直径8.9センチ)税込17,600円
KICKER CSC354 (直径8.9センチ)税込12,100円
ROCKFORD FOSGATE P132 (直径8.7センチ)税込22,000円
※ロックフォードは、ドアにつけられる楕円スピーカーT1693(税込59,400円※コアキシャル)がありますので、2wayは組めますが、センターに使えるのがありません。 -
センタースピーカー・純正
純正のセンタースピーカーです。
こちらはダッシュボードの中央に設置されているコアキシャルスピーカーです。
ユニット自体はダッシュボード両端のハイレンジスピーカーと同一のようですが、供給されている信号の周波数帯域の下限は、もっと低いようでした。
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センタースピーカー・交換後
交換後の様子です。
KICKER KSS269に同梱されているフルレンジスピーカー(同社製KSC2704と同等品)をセンタースピーカーに使用しました。
バッフルはキットに付属している金属製のプレートです。
KICKERのポン付け対応追求の姿勢には頭が下がります。
時間&場所&手先の器用さ(人並みで可)&内装外しを含む基本的な工具&気合が揃っている方なら、十分にDIYできるんじゃないでしょうか(^o^)
なお、事例No.780では、センター用ユニットとしてKSC2704を調達していますが、KSC2704のキットには、写真の金属バッフルは同梱されませんのでご注意ください -
パワードサブウーファー
助手席足元の様子です。
carrozzeriaのTS-WX120Aを助手席の足元に縦に設置しました。
ナナメになっているので、なんとなく落ち着かないように感じられるかもしれませんが、フロアマットに引っかかるように、金属ステーをまげてツメを製作し、固定しているので、ずり落ちてくることはありません。
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サブウーファーコントローラー取り付け
運転席側のパネルにコントローラーを取り付けました。
このコントローラーによって、パワードサブウーファーのボリュームを単独で調整できるようになるので、ヘッドユニットのボリュームは触わることなく、低音域だけ強調できるようになります。
2つ並んでいる調整つまみのもう片方は、サブウーファーの再生帯域の上限を調整するつまみです。こちらもちょこちょこいじりだすと、ベストポジションがわからなくなってくるので、事実上固定したままにされる方が多いですね。
最後にコントローラーの固定位置ですが、これはお客様と相談の上、決定しました。
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純正パワーアンプ
パワードサブウーファー用の信号の取り出しに関連して、純正パワーアンプのコネクタ部分にアクセスする必要が出てきます。
アンプにアクセスし、良好な作業性を確保するには、センターコンソールを外すのが一番です。しかしながら、アルファード、ヴェルファイアの上位グレードのコンソールは大型のタイプがついており、取り外しにはかなりの手間がかかってしまいます。。
そのため、作業性は落ちるけれど、コンソールは外さずに、細い隙間から手を突っ込んで、スピーカーへの出力ケーブルがまとまっているコネクタ部分にアクセスして、目的を達成する特別作戦を展開することにします。
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コネクターの位置
別アングルから覗き込んでいます。
上段に見える、手前側に黒色のロックが付いているカプラーが、アンプからスピーカーにつながるコネクターです。
このうち、白黒、白灰のスピーカーケーブルが、左右のドアウーファーに向かうケーブルですので、この両者から分岐させて信号を確保することになります。
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割込みカプラー制作
パワードサブウーファー向けの分岐線確保のために制作した割り込みカプラーです。
写真に写っているのが当店で製作した割り込みカプラーです。
一つ前の写真で御覧頂いた「黒色ロック付きカプラー」を、写真の割り込みカプラーの下側に接続して、上側のロック付きのカプラーをアンプに接続します。
この写真のケーブル部分をよく見ていただくと、白黒、白灰のスピーカーケーブルが分岐してるのがおわかりになると思います。これがパワードサブウーファーに入力されるわけです。
この割り込みカプラーを使うことで、(1)ぎりぎり手が入るくらいの隙間しかないけど、カプラーの脱着ができればサブウーファー用の信号を取り出せるようになる点と、(2)酸化しやすいとされているアルミの導線が使われている純正スピーカーケーブルの被膜を傷つけることなく信号が取り出せるようになる点の2つのメリットが得られることになります。
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作業後記
今回はJBLオーディオつきアルファードのサウンドアッププランの事例紹介でした。
同じアルファードでも、標準オーディオ(フロント2way+リヤ2way)であればフロント片側1chなので、1インチツイーター+17センチクラスのウーファー+ネットワークがセットになった、ごくごく一般的な2wayスピーカーで置き換えがききますが、JBLだとフロント片側2chで、かつ、アンプ側で帯域が分割されているため、ユニット交換だけで済ませようとすると、今回の事例のように、純正で採用されているハイレンジスピーカーと同程度の再生周波数を持つユニットをセレクトする必要があり、選択肢はぐっと絞られることになります。
セパレートアンプつきの上級オーディオ装備車で、スピーカーのみの交換を試みる場合は、かならずついて回る課題なのですが、アルファードの場合はハイレンジ側のユニットが妙に小さいので、特に自由度が低いですね。
しかしながら、今回はKICKER製品をうまく組み合わせることで、フロント2wayとセンタースピーカーをきっちり交換することができました。
ドアウーファーについても、純正と全く同じ楕円スピーカーのままグレードアップを果たしましたので、JBL付きでワンランク上の音を目指したい方は、今回の事例を参考になさって下さい。
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