トヨタアルファード30系のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.780(お問い合わせの際にお伝えください)
model
トヨタ アルファード 30系
system
メインユニット:T-Connect SDナビゲーションシステム
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:KICKER KSC3504
センター:KICKER KSC2704
リアスピーカー:JBLプレミアムサウンドシステム
サブウーファー:JBLプレミアムサウンドシステム
パワーアンプ:JBLプレミアムサウンドシステム
ケーブル:純正comment
ダッシュスピーカーとセンタースピーカーを交換し、ドアは純正のままでデッドニングで性能を引き出しました。
手を入れにくいJBLシステム搭載車を12万円強の低予算で音質アップさせることができました。
初期型の発売が約20年前の2002年で、現行の30型で3代目を迎えます。
兄弟車のヴェルファイアと並んで、トヨタのフラッグシップミニバンに位置づけられるクルマですので、ミニバン本来の目的であるファミリーユースの枠を超えて、黒塗りの法人車や要人車、各種オフィシャルカーといった、セダンの独壇場だったおカタい方面にもドンドン採用されていますし、先日、目にした記事では、最近の組関係の上層部の方は、迫力のあるアメ車やベンツの大きいのではなく、節度のあるアルファードのエグゼクティブラウンジを選ぶんだそうです。。笑っちゃうくらいにオールラウンドに愛されてるクルマなんですね。さすがトヨタです♪
当サイトで30系に関係した話題では、「T-Connect SDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステム」をオプション装備した車両のケースで、「せっかくリヤモニタをオプション装備しても、HDMI入力した画像がリヤだけでしか視聴出来ない問題」を解決するために、ビートソニックのインターフェース商品を組み合わせてインストールし、iPhoneなどの外部ソースをフロントとリヤ同時にミラーリングできるようにした事例をご紹介しました。
これをご紹介したのは2021年頃だったと思うので、しばらく時間が経ってますが、同内容の施工のご依頼を随分といただきました。
今回は、同じ「T-Connect SDナビゲーションシステム+JBLプレミアムサウンドシステム」のお車で、コスト抑えめでフロントの音を改善したいというご依頼の事例です。
JBLオプションを入れていると、リヤ周りはだいぶスピーカー数が増えて、「アンビエント感」がマシマシになっていい感じなのですが、フロントは実質的に2way+センター+α水準の構成なので、税別60万円ほどの高額な代金に見合った満足度を得られていないオーナー様は少なくないように感じます。
また、JBLでない標準オーディオ(8スピーカー構成)においても、ハイレンジ側の高音域が甘いこともこともあって、もやもやなさってる方は多いように感じます。
その証拠。というわけじゃないですが、「フロントの音、なんとかなんないでしょうか?(コスト抑えめで)」というご相談はかなり多いです。
今回もその好例で、結論から言って、税込総額125,400円で「お喜びコメントをお寄せいただける」くらいにはご満足いただけたプランです。
内容としては、フロント2way(ドアスピーカーとダッシュスピーカー)と、センタースピーカーのうち、ダッシュ上に配置されている3点(両ダッシュスピーカーとセンター)を社外品に交換し、ドアスピーカーは純正のまま、デッドニングをしっかりやってスピーカーの稼働環境を整えるという内容です。
全部社外品に取り替えていないと、閲覧者の皆様としては物足りないかもしれません(笑)が、
(1)音の輪郭づくりの影響度が大きい中高音域側のユニットを性能の良い社外品に変えて、
(2)音の実体感の演出への寄与が大きい中低域ユニットの性能を十分に引き出すためにデッドニングを施す。
・・・という、2点に絞って手を加えるだけで、かなーり聴き心地がアップするのです。
したがって、コスパ最優先でなんとかしたいオーナー様にとって、最善の方法と言えるわけです。
ということで、使用したコンポーネント・施工紹介です。
◯スピーカー
キッカー製品で揃えました。
ダッシュボード両端のハイレンジスピーカーとしてKSC3504(税込)、センタースピーカーとしてKSC2704(税込・ペア価格)をセレクトしました。
純正のハイレンジスピーカーは直径8センチほどなので、(流通量の多い)10センチスピーカーは入りません。これに対して、今回選んだKSC3504は直径8.9cm(取付穴径7.8cm)と一回り小さいので、なんとか取り付けられます。
センタースピーカーの方は、もっともっとタイトな作りになっていて純正ユニットの径は約7センチほどです。
ここまでの小粒になってくると、コアキシャル製品はないので、スコーカー用として販売されているKSC2704にしました。
なお、これはペアで販売されている製品ですので、当店でバラにして一個売りさせていただきました。
ドアスピーカー(ウーファー)は純正のままとしています。
◯ドア防振
振動を抑え込む「制振力」が強めの、デッドニンググレードにて施工しました。
デッドニングによって、ドアを密閉して「ハコ」化し、防振材の重みで共振しにくい状態にすることで、スピーカーボックスとしての機能を向上させます。
これにより、純正スピーカーとはいえ、その性能を十分に引き出すことで、◯損失が減ることによる情報量の増加、◯低音域の伸び、◯踏ん張りが聴くことによるパンチ力やメリハリ感の向上。といった点において、施工前とはまったく次元の違うパフォーマンスを実現します。
以上をもって、税込総額125,400円のハイコスパ・サウンドアップが実現しました♪
ドアスピーカーまで全部交換して、DSPアンプも入れて、、となると30〜40万〜50万といった予算が必要になってきます。確かにお金をかけただけ改善効果は得られますが、金額が大きくなると体感の変化率は小さくなってきます。
もっとも変化率がデカいのは、ドア防振を含む、スピーカー交換の段階ですので、今回の13万円弱のプランは非常に価値があると思います。
それでは施工の様子をご覧下さい♪♪
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フロントドア
それではフロントドアの外観からです。
クルマの機能的な品質はもちろんのこと、デザイン品質も安定のトヨタクオリティですね。大きくても間延びせず、穏やかな調和を見せています。
スピーカーの構成は、標準で8スピーカー(フロント・リヤ共に2way)か、JBL17スピーカーの二択ですが、ドアについてはスピーカー一つということで共通しています。(標準は丸、JBLは楕円)
スピーカグリルにはJBLエンブレムが輝いております。
所有欲を満たしてくれますね♪ -
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
スピーカーホールはビニールで塞がれており、防音のためのゴムシートが重ねられています。
スピーカーはJBLオプション用の専用品で、JBLのブランドカラーであるオレンジが配されています。
スピーカーはリベットで固定されています。
アウターパネルのデッドニング作業のために、一旦リベットを壊して、再度カシメなおすことも可能ですが、サービスホールが比較的大きく、スピーカー裏まで手が届くので、今回は外さずに進めます。
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ダッシュスピーカー(純正)
純正のハイレンジスピーカーです。
ダッシュボードの左右に設置されている8cmのコアキシャルスピーカーで、カタログでは「Unity」スピーカーと表現されています。
JBLシステムでは、セパレート式のアンプが組み込まれるので、このハイレンジユニットにはハイパス(ローカット)された信号が来ています。
その反対に、ドアスピーカーにはローパス(ハイカット)された信号が送られ、両者から出てくる音がうまくつながるようになっているわけです。
正確には測定していませんが、両者の周波数の境目(クロスポイント)は、一般的な2wayセパレートスピーカーセットのそれに比べて低い周波数でクロスされているようです。(たぶん1000Hzあたり?)
そのため、純正システムのまま、ツイーターユニットだけを社外品に交換すると、(低い音を十分に再生できないため)中間が抜けた音になってしまいます。
従って、予算を抑えてユニット交換だけで済ませようという場合は、純正品と同等の周波数を再生できるコーン型のユニットにする必要があるわけです。
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ダッシュスピーカー(交換後)
キッカーのスピーカーに交換した状態です。
冒頭でふれましたように、純正ハイレンジスピーカーの直径が8センチのところに、8.9センチと一回り大きなスピーカーを入れており、さらにダンパー部の外側をしっかりしたガードが囲むような設計のため、本当にやっと収まるくらいのギリギリな感じで付いています。
ここに収まるような小径コアキシャルスピーカーはほんとに数がないのですが、アメリカ系には少しあります。以下が選択肢です。
KICKER KSC3504 (直径8.9センチ)税込17,600円
KICKER CSC354 (直径8.9センチ)税込12,100円
ROCKFORD FOSGATE P132 (直径8.7センチ)税込22,000円
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センタースピーカー(純正)
こちらはダッシュボードの中央に設置されているコアキシャルスピーカーです。
ユニット自体はダッシュボード両端のハイレンジスピーカーと同一のようですが、供給されている信号の周波数帯域は、もっと低いようでした。
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センタースピーカー(交換後)
キッカーのスピーカーに交換した状態です。
こちらには、同軸タイプのスピーカーを付けるだけの余裕がありませんでしたので、スコーカーとして販売されているユニットを設置しています。
取り付けたKSC2704は直径7センチなので、8センチの純正より一回り小さくなります。
取り付けに際しては、MDFでバッフルを制作しました。
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8cmUnityスピーカー
ハイレンジとセンターに使われていた純正ユニットです。
こんなに小さいですが、ツイーターを内包するコアキシャルスピーカーですので、ツイーターに送る信号の低域側をカットするためのフィルター(コンデンサ)がくっつけてあります。
流石にこのサイズのコアキシャルは販売されてないため、交換するとなると、フルレンジでやるしか方法はありません。
今回使ったKSC2704が7センチですが、フレンチブランドのBLAMのLFR 52(税込27,500円)が56ミリなので入ります。
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ハーネス加工
8cmUnityスピーカーを交換するために加工したハーネスの様子です。
一コマ前で御覧頂いたユニットの背中についていたメスカプラをケーブルと一緒に取り外して、ケーブルの先にギボシを取り付けてあります。
接続する際には、カプラ側に車両からきているオスカプラを挿して、ギボシ側をスピーカーの端子に接続します。
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作業後記
今回はJBLオーディオつきアルファードの低予算サウンドアッププランの事例紹介でした。
同じアルファードでも、標準オーディオ(フロント2way+リヤ2way)であればフロント片側1chなので、1インチツイーター+17センチクラスのウーファー+ネットワークがセットになった、ごくごく一般的な2wayスピーカーで置き換えがききますが、JBLだとフロント片側2chで、かつ、アンプ側で帯域が分割されているため、ユニット交換だけで済ませようとすると、今回の事例のように、純正で採用されているハイレンジスピーカーと同程度の再生周波数を持つユニットをセレクトする必要があり、選択肢はぐっと絞られることになります。
セパレートアンプつきの上級オーディオ装備車で、スピーカーのみの交換を試みる場合は、かならずついて回る課題なのですが、アルファードの場合はハイレンジ側のユニットが妙に小さいので、特に自由度が低いですね。
ということで、JBL付きでワンランク上の音を目指したい方は、今回の事例を参考になさって下さい。
また、もう少し出せるよ!と場合は、楕円のドアスピーカーもキッカー製品に交換する手もあります。どうぞご検討下さい。
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標準オーディオのアルファードを前提として、DSPまでは入れなくてもイケる2way・3way+サブウーファーについての選択肢は、こちらのエントリの最後で触れていますので、ご興味があれば御覧ください。
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