メルセデスベンツVクラスV220dスポーツ ロング(W447)のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.814(お問い合わせの際にお伝えください)
model
メルセデスベンツ Vクラス V220dスポーツ ロング(W447)
system
メインユニット:COMMANDシステム
デッドニング:なし
スピーカー:純正
AVインターフェイス:ミラーファンクション社製 Mercedes-Benz 専用 AVインターフェイス CMI+NTG 5
フリップダウンモニター:carrozzeria TVM-FW1300-B
ヘッドレストモニター:ALPINE SSA9ST
センターコンソール:メーカー不明comment
AVインターフェースを入れて、HDMI入力によるスマホミラーリングを実現した事例です。
出力先はダッシュの純正モニタの他、ヘッドレストモニタとフリップダウンの合計4画面と豪華です♪
メルセデス・ベンツ V220dの事例紹介です。
Vクラスは、メルセデス・ベンツ・グループがメルセデス・ベンツブランドで展開する、ミニバン型の乗用車です。
モデルの変遷は以下の通りで、3代目となるW447が現行車となります。
初代(W638)1998年-
2代目(W639)2004年−
3代目(W447)2015年-
現行のW447には共通してV220dのコードが与えられ、全長の違い(ロング/エクストラロング)7つほどのグレードが用意されています。
今回ご紹介するのは、V220 d スポーツ ロングというグレードの車です。
オーナー、、というかご依頼主は、以前からお取引いただいている自動車販売業者さんです。
この車は下取りとして取得されたようなのですが、ご購入予定の次期オーナー様のご要望に合わせて装備を手直ししたいということでご相談いただきました。
ご要望の課題はスマートフォンのミラーリングです。
この時代のCOMMANDシステム(メルセデスのインフォテイメントシステムである)は、いまや新インフラ化しつつあるApple Car Play/Android Autoにも対応していないため、拡張性に不満を訴えるオーナーが少なくないようです。
こういったニーズを受けて、Koasonというブランドからアンドロイドベースの社外モニタ製品が販売されています。
当店でも時々取り付けのご相談をいただく製品ですが、
(1)走行中の動画視聴ができない(当然ですが)
(2)HDMI入力が無いのでスマホのミラーリングができない
(3)リアモニター出力がコンポジットのみ
といった制約があり、
(4)モニター交換後はディーラーの整備が受けられなくなるかもしれない。。といった透明な不安も、オーナー様によってはモヤモヤpointのようです。
コレに対して、今回取った措置は、AVインターフェース製品を導入して、スマートフォンのソースを純正モニタにミラーリングするという方法です。
これを基本線として、スマホのソースをスプリッタ(分配器)で分けることによって、後部座席のフリップダウンモニタと、ヘッドレストモニタにも、同時にミラーリングできるようにしました。
以下、導入した製品の紹介です。文字だけだとややこしいので、システム図にて相互関係を把握しつつご覧ください。
◯AVインターフェイス
ミラーファンクション社製Mercedes-Benz 専用 AVインターフェイス CMI+NTG 5(税抜110,000円)を使いました。
この機器を純正ナビシステムと純正ナビモニタの間に割り込ませることで、純正モニタに外部入力ソースを表示させます。
◯オプション機器
上記インターフェースのオプションとして販売されている以下の3点を使いました。
(1)USBHDMI 延長ケーブル
EHU-1M(税別3.000円)/ EHU-2M(税別3.000円)
AVインターフェースとスマートフォンの間に位置する延長ケーブルです。
(2)USB5V2A(税別2.000円)
USB出力電源を5V2Aまで出力する際に使用します。
(3)HDMIスプリッタ―(税別10.000円)
スマートフォンやHDMI入力ソースを複数の経路に分配するために使います。
3分割できるようになっており、今回はAVインターフェース本体と、フリップダウンモニタ、ヘッドレストモニタの3機器に分配した格好になります。
◯フリップダウンモニター
carrozzeria TVM-FW1300-B(オープン)
フルHD(1920x1080)画像を表示できる12.3V型の大画面モニタです。
モニタ格納時に、モニタの正面が下を向く(ヒンジが車両後方側)構造を採用しているのが特徴で、後部座席の乗員に近くなるため、迫力ある画像が楽しめます。
また、画面が下を向くので、寝転がった姿勢で見られる点も、車中泊など時代のニーズにあっているようです。
取り付けに際しては、天井にリアエアコンのコントローラーがありましたので、これをセンターコンソール(後出)に移設する工事も行いました。
◯ヘッドレストモニター
ALPINE SSA9ST(オープン)
これはもともとついていた商品です。純正ナビシステム→純正モニタへの画像出力を分岐させる機器を使って、ヘッドレストモニタに表示させるように繋げてありました。
今回の施工によって、HDMIスプリッターからの信号を再生するように組みました。
※フリップダウンと同じカロッツェリアで揃えるなら、TVM-PW1000TIIがあります。
◯後付センターコンソール
(これはスマホミラーリング分野とは関係ないパーツです)
V220の前席の間はウォークスルー形式になっているため、肘掛け&小物入れがありません。ウォークスルーのニーズがないオーナー向けに後付できるセンターコンソール製品が複数販売されているようです。
当初はモニタミラーリング関係の作業のみで承っておりましたが、オーナー様のたってのご希望により、追加で取り付けることになりました。
以上をもって、V220dの4画面スマホミラーリングと、おまけのセンターコンソール取り付けが完了しました。
AVインターフェイスとスプリッタを使った本格的なスマホミラーリングの好例としてご覧いただければと思います。
それでは施工の様子をどうぞ御覧ください♪
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センターコンソール
サードパーティー製のセンターコンソールを設置した状態です。
色々と苦労がありましたが、ようやく設置することができました。
※取り付け前の状態はひとつ前、あるいは後の写真と見比べてください
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標準コンソール
オリジナルの状態です。
前方中央に小物入れとドリンクホルダが見えますね。センターコンソール取り付けに際して、これら一切を撤去することになります。
なお、前方のパネル中央にはめ込まれている、COMMANDシステム用のUSBとSDカード用の接続ボックスは活かしておいて、配線の届く範囲に移設します。
この他、上方に取り付けられているETCもお分かりになると思いますが、これがちょっと出っ張っていて、後付けセンターコンソールに干渉してしまうので、カバーを外して何とかガタつきなく固定できるように工夫しました。
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ETC設置
コンソールをつけて、ETCの干渉を解消したところです。
ETCユニットを覆っていたカバーを外して、両面テープとスポンジテープを駆使して隙間に固定しました。
ETCカードは基本的に挿しっぱなしという事でしたので、奥まった場所でもOKという事でした。
グローブボックス等への延長という事になってしまうと、配線の延長の可否についての事前確認が必要になります。
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USB/SDカード用ボックス
USB/SDカード用ボックスの落ち着きどころです。
配線をほどいていくと、助手席側の足元のネットまで配線が届くことが判ったので、この場所に置くことでご了解いただきました。
USBソケットに1系統接続されていますのは、今回設置したAVインターフェイスCMI+NTG 5用の音声を車両に入力するための入力です。
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HDMI/USBソケット
センターコンソールの肘置きをOPENしたところです。
前方のスペースはなんと冷蔵庫です。
後方の小さな収納スペースがあるんですが、ここにCMI+NTG 5への入力経路となるHDMIとUSB(充電用)ケーブルを引き出しましたた。
このケーブルは、ミラーファンクションで用意しているオプション品(EHU-1M)です。
なお、スマートフォンを接続するためには、スマートフォンからHDMIを取り出すためのアダプターが別途必要になります。
HDMIですから、大人気のAmazon Fire TV Stickを直接接続することも出来ます。(当然ながら、視聴にはテザリングなどのWi-Fi環境が必要です)
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コンソール背面
センターコンソールをセカンドシート(後席)側から見た状態です。
作業前の写真がないので、違いがお分かりいただけませんが(汗)、上面中央にはリアエアコン用のコントローラーを埋め込んであります。
コントローラーはもともと、ルーフの中央についていたものです(後出)。
パテで造形してレザー仕上げにしてあります。
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ルーフ(施工前)
フリップダウンモニタ取り付け前のルーフの様子です。
3カット・4カット前で御覧頂いた、後付コンソールの後方に埋め込んであったコントローラーが天井にくっついてるのがお分かりになると思います。
この場所にフリップダウンモニターを設置したいというご要望でしたので、コントローラーを移設して、場所を作ることになったということです。
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ルーフ(施工後)
カロッツェリアのフリップダウンモニタを取り付けたあとの様子です。
一般的なフリップダウンモニターは、画面が天井側に向かって格納されるタイプがほとんどです。
これに対して、今回チョイスしたモニターは、格納時でも画面が室内側に向いた状態でキープされるのが特徴です。
この商品にした理由は、試聴者に画面が近づくという商品コンセプトに加えて、モニターを固定するベースの支点が今回設置しようとする場所(ルーフ)に適しているからでございます。
モニターの支点(重心)が手前にあるので、今回の天井の様にフレームぎりぎりに設置せざるを得ない場合はとても都合がよいです。
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工事中
モニターのベース(支持金具)を取り付けるための基礎工事中の写真です。
ベースを固定するのに必要な分だけ、内装をくり抜いていきます。
本来なら、ルーフをおろして加工するのが作業性はよいのですが、脱着の手間がすごいので、そのまま作業しました。上述のように、元々コントローラーが設置されていた関係で、取付穴が空いてましたので、その隙間から指を差し込んで、手探りで広げていきました。
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ルームランプ配線
この車のルームランプの配線にはひと手間が必要になります。
このクルマの場合・・
(1)LED採用のためルームランプ部に給電されている電圧が12ボルト以下で
(2)ルームランプに遅延回路が組まれており、
ドアの開閉に連動してルームランプの点灯をさせるには、別途、リレーと回路の製作が必要になります。
計測してみると、動作電圧が6V以下でした。これではフリップダウンの回路では検出電圧以下のため、リレーを使用して12Vを生成する必要があるというわけです。
しかしながら、、、、遅延回路が組まれているので、リレーに入力される電圧が6V〜0Vのレンジで変化する際に、「ジィ----」というチャタリング音がしてしまいます。
そこで、この音が出ないようにIC回路を用いたリレーを製作する必要があります。
正しく電圧を計測できれば、ショットキーバリアダイオードを使用してレギュレーターを製作することも出来るのですが、IC回路を使用すれば万が一電圧が今以上に変化しても対応できるので、回路的には安全だと思います。
いろいろと配慮が行き届いている国産車の場合、該当箇所まで12ボルトが来ているのでこんな配慮は無用なのですが、一部の外車は対応が必要になります。
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リアモニター群
最後はリアモニターの動作状況です。
お店のスマートフォンを利用してミラーリングをしてみました。
フリップダウンモニター(carrozzeria TVM-FW1300-B)はHDMIをダイレクトに入力できるので画像がとてもきれいです。
これに対して、もともと取り付けられていたヘッドレストモニター(ALPINE SSA9ST)はHDMIではなくコンポジット接続のみなので、画質の差が出てしまいますね。
ちなみに、カロッツェリアの最新のヘッドレストモニター(TVM-PW1000TII/PW1000II/TVM-PW930TII/PW930II)はHDMI入力に対応してますので、フリップダウン同様の画質が楽しめます。 -
作業後記
今回は、メルセデスのV220dのスマホミラーリング対応、ならびにフリップダウンモニタ取り付けの事例をご覧いただきました。
スマホミラーリングは、車種問わずお問い合わせ頂きますので、感心の高さを感じているところですが、大人数かつ長距離移動が増えるミニバン系になると、今回のようなフリップダウンやヘッドレストモニターといった表示装置の充実を希望される方が加わる感じですね。
インターフェース関係は数え切れないほどの施工実績があるのですが、当コーナーにご登場いただいた事例からいくつかご紹介いたします。
●30アルファード:インターフェースを入れてスマホミラーリング
●971パナメーラ:インターフェースを入れて地デジ・ブルーレイレコーダ・スマホミラーリング
●アウディQ7:インターフェース・ヘッドレストモニタ
●カローラツーリング:インターフェースでスマホミラーリング
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今回の事例のようなミラーリングへの対応の他、ドラレコ・ETC取り付けなどの軽作業から、サウンドアッププログラムによる音の出口の整備、DSPを組み込んだ本格的なシステム構築まで、お客様のご予算とご要望に応じて柔軟にプランさせていただきます。
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