トヨタカローラツーリングのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.626(お問い合わせの際にお伝えください)
model
トヨタ カローラツーリング
system
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:JBL CLUB 602CTP
リアスピーカー:純正
サブウーファー:ALPINE BASS ZR 1000
プロセッサーアンプ:audison prima AP5.9bit
ケーブル:kaiser swing、SUPRA classic 4.0
ディスプレイオーディオ外部入力:BeatSonic AVX02comment
JBLのフロント2way+サブウーファーをaudisonのDSPで鳴らすプランです。
ビートソニック製のアダプターによって、純正のディスプレイオーディオに外部入力が可能になりました♪
カローラ・ツーリングの事例ご紹介です。
カローラはそれなりに登録させて頂いてたつもりでいたのですが、確認してみたらトガッたハチロク(AE86)が一台だけでした;;
1966年生まれ。トヨタの量産車で一番歴史があり、累計採算台数も世界一(*)の車ですので、だいぶお預かりしているのですが、わりと施工内容が穏やかだったのか、他にハデ目な車両がカチ合っちゃったのか、このツーリングが2台めの登場になります。
(*)1966-2016/9の間で国内累計2600万台/海外累計1800万台
今回登場のカローラツーリングは、2018年にフルモデルチェンジされた12代目。E21#型です。
ボディタイプは穏やかなセダンと、ハッチバックタイプのカローラスポーツ、そしてこのステーションワゴンタイプのカローラツーリングの3タイプです。
動力については、他モデルと同様に、ガソリン車(1.2/1.8L)とハイブリッド(1.8L+モーター)の両方を揃えています。
なお、現行車は全て3ナンバーになってるのですが、従来のお客さんの事情に配慮して5ナンバーの旧モデル(カローラフィールダー・カローラアクシオ)は引き続き併売しています。さすがですね。m(_ _)m
今回改めてカローラを触らせていただいて、やっぱりトヨタ車は造りが良いなーと思いました。
車両全体の剛性感や、各パーツの車格相応の質感、部品の精度は言うまでもなく、、分解・組み直しの整備性のよさをしっかり考えた設計はさすがトヨタですね。特に欧○車の場合、ロマンあるプロダクト&ブランドづくりには一日の長あれど、ここの構造の都合でこういう造りにせざるを得なかったんだな(全バラしないと無理やね)的な場面がちょいちょいありますが、トヨタは全くと言っていいほどそういう都合のシワよせを感じません。
振り返ってみれば、そのダントツの事業規模の大きさと収益力の高さゆえ、国際政治の矢面に立たされることも少なくなく、最終報告までの間は一貫して不利な戦いを強いられた米国大規模リコール問題(2009-2010年)を筆頭に、実に多難な道のりを歩んできたメーカーさんです。
足元の経営環境についても、ここ数年で鮮明化してきた個人消費の低迷に加えて、直近の消費増税で販売環境は芳しく無く、東日本震災をきっかけに、多くの原子力発電所が稼働停止に追い込まれ火力偏重となることで、国際比較で産業用電気代が高位につけ、資源価格も強含みで、生産の条件も海外ライバルメーカーに劣後するなか、世界生産905万台の3分の1強の341万台の国内生産を維持(2019年統計)しており、約4万社ある取引先の稼働を意識するなど、国内雇用維持・景気下支えの点で大きく貢献しています。
このように一社の努力ではいかんともしがたい構造的な課題を抱えながらも、相応のシェアを確保できているSUV系とは別に、走る喜びwを伝える86のようなFRスポーツを復活させたり、WRC再参戦を視野にガチンコの専用ボディでGRヤリスを企画したりと、自動車文化の裾野の拡大にもしっかり取り組んでいて、前向きひたむきで本当に素晴らしいです(T_T)。
このように、メーカーとして高品位なものづくりに取り組む姿勢のみならず、高次元で経営を成り立たせ、市場との対話を通じて可能な限りコントロールしていくトータルな態勢が、私どもが日々感じる、トヨタ車ならではの設計・製造の品位、製品の安心感に繋がっているんだろうなーと、文字通りに肌で感じます。
ということで、きっちりカッチリとしたトヨタらしい造りのカローラツーリングのサウンドアップの事例ご紹介です。
内容としては、純正のディスプレイオーディオをヘッドユニットとして、DSPを使ったフロント2way+サブウーファーのシステムです。
ディスプレイオーディオはApple CarPlay、Android Autoといったスマートフォンのナビアプリを表示させる機能を中心に、プレイリスト再生も含めたスマホの中の楽曲再生機能、ブルートゥース接続によるハンズフリー通話といった一通りの機能を持ち、入力端子としてUSBを備えています。
これと合わせて、エントリーナビキット¥60,000、Tコネクトナビキット¥110,000と、デッキ側にナビ機能をもたせるオプションも2種類用意されています。
今回はこのディスプレイオーディオのフロントスピーカー出力を取り出して、Audisonの定番DSPであるPrima AP5.9bit(税別76,000円)で増幅&音場つくりを行います。
AP5.9bitは9ch分のプロセシング能力を持ちつつ、アンプは5つ(20Wx2ch/50Wx2ch/140Wx1ch )内蔵したモデルです。
スピーカーは最近モデルチェンジしたばかりのJBL CLUB 602CTP(税別20,000円)をセレクト。AP5.9bitの20Wアンプの方にツイーター、50Wの方にウーファーをつなぎ、140Wにはオーナーさまが温存されていたアルパインのBASS ZR 1000という25cmサブウーファーを箱に入れてつなぎました。
これらハイファイオーディオ系のシステム構築と合わせて、ディスプレイオーディオの課題である「外部入力不可」問題を解決すべく、ビートソニック社から出ている外部入力アダプターAVX02(税別28,000円)も取り付けました。
スーパーホワイトがまぶしいカローラにJBLサウンドがガツンと響く一台ができました♪♪
施工の様子をどうぞご覧ください。
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フロントドア
それではドアチェックからです。
冒頭のダッシュボードに続いて、写真を撮り忘れてしまったm(_ _)mので、別のお客様の記録用で撮影したカローラスポーツの写真で代用させていただきます。(色使い以外は同じです)
標準オーディオではフロント2way+リヤの6スピーカーで、ドアには前後共に16cmが装着されています。
ツイーターは、ダッシュボード両端の奥、ピラーの根元に上向きに設置されています。
写真はスポーツ心を刺激する赤黒ですが、造形デザインは大変穏やかですね。ゆるやかで無理のないラインが素敵です。
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ドアトリム取り外し
トリムを外したところです。
このサービスホールカバーはちょっとユニークですね。
半透明っぽいので従来のビニールに準じたテイストを感じさせますが、れっきとした樹脂成形パネルです。
でも、ボルト留めじゃなくてクリップ式で短時間で取り付けられるようになってる点がさすがですね。
前述の通り純正スピーカーは標準的な16センチサイズですので、現行の主要ブランドの全てが適合します。
ドア用のハーネスは、クラシックな「ドア筐体の前方から侵入する」方式ではなく、ロードスターあたりでも見られる、「筐体の表面に沿ってインナーパネル側に這い出してくる」方式です。
よって、ハーネスから分岐したスピーカー配線がバッフルの脇のカプラで接続されるようになっていますね。
また、ドアミラー制御のためのケーブルは、右上の小さな樹脂パネルからドア内に侵入し、アウターパネル側に突き抜ける方法が採られています。
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アウターパネル作業
アウターの防振が終わった状態です。
クリップパチパチでスパッと外れる樹脂パネルのおかげで、定例のブチルゴムとの一戦は不戦勝となりました。
これ、日本メーカーで標準化していただけると有り難いです。
納車即ご入庫ということで、ホコリ的なものはほぼありませんが、一通り脱脂お掃除を行いました。
下地が整ったところで防振です。
今回は制振能力が高めのデッドニンググレードでの施工ですので、Dr.ARTEXのEarth Quatroをつかって、短冊状に貼り付けています。
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ドアスピーカー配線引き込み加工
2つ前のコマで触れました、ドア向けハーネスの加工の様子です。
ボディとドア筐体をつなぐゴムの蛇腹チューブのボディ側の写真です。
従来の車だと、ゴムチューブで経路を確保して、ハーネスがわいわいと通してあるのですが、この車の場合は全てを接続がカプラ一発で済ませるようになっています。よって、スピーカーケーブルを新規に引かせてもらえるような隙間も裏道もありません。
ということで、カプラの隙間を使って中央突破を試みます。
楕円乳白色の大外のカプラの中には、複数の規格サイズのカプラが入れ子になっていて、そのカプラの中には、空きスロットを残している箇所が複数あります。
ここを少し拡大させていただいて、当店ベースグレードのスピーカーケーブル(kaiser swing)を通しました。
kaiser swingはものものしい分厚い皮膜をかぶっていないので、一見単純なグレーと赤の細いケーブルに見えちゃいますが、両者は緩やかに撚り合わせてあり(ツイストケーブル)、この撚りピッチは外来ノイズを拾いにくくするために意図的に設定されているので、二本をばらしてしまうのも、部分的にまっすぐ伸ばすのもNGです。
よって、両者の位置関係を壊さないように二本まとめて通せるようなサイズに穴を拡げて通しました。
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インナーパネル作業
インナーパネル側が終わったところです。
純正スピーカーを取り外したスピーカーホールには、MDF製のインナーバッフルを介して、JBLの新スピーカーCLUB 602CTPのウーファーが付きました。
純正スピーカーはバッフル脇からカプラー接続でしたが、社外スピーカーの端子は後ろ側にあります。よって、写真をご覧になるとわかるように、ハーネスの束に添わせた赤グレーのスピーカーケーブルを、既存のグロメットを経由してドア内に引き込んで、接続しています。
防振のほうはご覧のように全面貼りで、素材はDr.Artexのearth Gold HDです。
サービスホールを塞ぐパネルについては、通常であればパネルの上から貼りこむところですが、今回のパネルは補強リブが必要最低限であるにもかかわらず、ぐいーっと凹ませた部分があり、几帳面にこの曲面をきっちりトレースするように貼りこんだとしても、全体的なブレへの耐性は有り難いほどには上がらないと判断し、ナシで施工することにしました。
なお、全面貼りでないドアチューニングであれば、樹脂パネル併用して施工するのはアリだと思います。 -
純正ツイーター
ドア関係が終わったところでツイーターです。
まず純正ユニットから。
設置位置はダッシュボード両端の奥、Aピラーが接するあたりです。
ネット状のデザインで成形されたグリルの中央にパコッとはめてあります。
例によってコンデンサーがくっついていますね。
フルレンジ信号の低域側がここでカットされているようです。
ツイーターユニットの背面の四角い部分。
この写真をみるかぎり、なにか機能をもたせてあるように推測してしまいますが、単なるカプラです。
本体の直径とおなじくらいでかいカプラで、なんとなくユーモラスですね。
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ツイーター交換
JBLのツイーターに交換後の状態です。
比較的大きな純正ツイーターに比べて、ハウジングなしのツイーターユニットのコア部分は一回り小さいです。
隙間部分はクッション性のあるテキスタイルテープで寸法合わせをして、程よくテンションがかかったところで、抜け防止のためにエポキシ接着剤で歯止めをします。
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サブウーファー
ラゲッジルームにはサブウーファーボックスが控えています。
使われているウーファーユニットはアルパインのBASS ZR 1000という25センチ径のユニットです。
オーナー様の倉庫で深い眠りについていたところをお連れいただきました。
アルパインは2way、コアキシャルと言ったフロント・リヤスピーカーでは素晴らしい製品をラインアップしていますが、サブウーファーは全てパワードとなり、今では箱に収めてつかうような単体ユニットはつくってませんので、時の隔たりを感じますね。
でも、スピーカー製品はエッジのゴムが加水分解でぼろぼろになるとか、過電流でコイルを焼いてしまったとかでも無い限り、そうそうカンタンに劣化したり壊れたりしません。このユニットもブンブンいってました。
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助手席シート下
シート下に移動して、DSPの顔を拝みます。
DSPは老舗audisonのprima AP 5.9bitです。
audisonのDSPをご存じの方ならおわかりのとおり、最上位は35Wアンプを8個内蔵し、DSPによるプロセシングは9chまで対応する8.9bit(税別100,000円)ですが、5.9bit(税別76,000円)は9chコントロールのキャパは同じで20Wx2ch+50Wx2ch+140Wx1chの5つアンプ内蔵のモデルです。
プレミアムオーディオ搭載車など、スピーカーがたくさんあって、より多くを支配下に収めたい場合は8.9bitを導入する意味がありますが、フロント2way+サブウーファーの構成を想定し、ワンボディで済ませようと思えば、この製品が最もコスパがよいです。
今回は純正オーディオのフロント出力をDSPに入力して、フロントメインで音作りするわけですが、純正オーディオのリヤ出力は標準の状態のまま、リヤスピーカーに繋がってますので、デッキのフェーダーでリヤ側にも出力されるように調整すれば、後ろに乗員がいるときも違和感なく過ごしていただけるようになっています。
なお、先々考えが変わって、リヤスピーカーも制御対象にしたくなった場合は、制御対象チャンネルが9-5=4つ余ってますので、適当な外部アンプを増設してスピーカーケーブルを繋ぐことで対応可能です。
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電源引き込み(バッ直)
DSPや外部アンプを導入する場合は、バッテリーから電源を直接引き込む「バッ直」が必要になります。
この施工の山場は、エンジンルームと室内を隔てるバルクヘッドという壁を通線するところです。
大概はボンネットを開けて、右手奥。バッテリーのプラス線を含む太いハーネスが通る大きなグロメットを通すのが相場ですが、車によって、室内側の見通しの良し悪しが異なります。
この位置のグロメット裏には、エアコンのブロアモーターアッシーが設置されてるケースが多く、室内側にはグローブボックスが肉薄しているので、まあまあ混雑しています。
場合によっては、グローブボックスを外して、線通しの治具をつかうことで、比較的カンタンに通せる場合もありますが、今回はちょっと窮屈だったので、一旦ブロアモーターアッシーを外しての作業となりました。
写真はグロメットに線通しが刺さったままの状態です。
一旦外して。というと、なんだが大変な感じがしますが、分解は必要最低限ですし、正直、整備書を熟読しなくておおよその構造と掛かる手間が読めて、ほぼ想定内のコストで作業が済ませられるのですから、やっぱり設計がいいんですね。まじでありがとうございます。
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外部入力増設
冒頭でさらっと触れました、外部入力を増設するための製品の組み込みも今回の注目ポイントです。
製品はBeatSonicのAVX02(税別28,000円)で、ディスプレイオーディオのシステムのカプラに割り込ませることで、オプションのCD/DVDドライブからの入力経路を乗っ取って、外部入力の入り口をつくるような仕組みの製品です。
実際に外部信号を入力するにあたっては、目的別のアダプタが必要で、iPhoneを有線でミラーリングする場合にはMA02(税別12,000円)、有線&無線の両対応でミラーリングしたい場合はIF30(税別28,000円)、また、android/amazon Fire TV接続(USBとHDMI)にはIF36(税別12,000円)の各機器が必要になります。
今回はandroidスマホだったのでAVX02本体+IF36の組み合わせです。
写真の画像は、スマホで閲覧しているYoutube画像をミラーリングしているところです。 -
センターコンソール
スマホを接続するポートの位置。これが実際の使い勝手に大きく影響するわけですね。
グローブボックス。がまず思い浮かびますが、今回はもっと使い勝手ヨシのセンターコンソールにあるアームレスト内に引き出しました。
スマホ有線ミラーリング用アダプタのIF36が直接の接続先になるわけですが、これは手のひらサイズの筐体にUSBとHDMIの2ポートが作ってある製品で、そのままゴロンではイマイチです。
ということで、そのポートから延長ケーブルのようなイメージで任意の場所にポートを持ってこれるUSB9(税別3,500円)という同社製製品を使って、アームレスト内に差込口を設けました。(写真右側の○)
もともとはなにもないツルンとした平面でしたが、ホルソーで丸く穴を開けて取り付けました。
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作業後記
今回はカローラ・ツーリングのサウンドアップ事例をご覧いただきました。
スマートフォンの台頭により、ナビや楽曲再生といった、これまで車載専用の機器によって実現できていた機能が携帯されるようになった影響で、車側が受け持つべき機能がディスプレイオーディオという形態で規定されるようになってきました。
あとづけでApple CarPlay、Android Auto対応の同様の機能を実現する機器だと、カロッツェリアのFH8500DVS(6.8型)DMH-SF700(9型・アレクサ対応)のような機器があり、差別化が命の社外品だけに、取り扱えるメディアやインターフェースに漏れがありませんが、自社の車ありきの純正だと今回のような商品で補完する余地がでてくるようですね。
このあたりは別枠の費用がかかっちゃいますが、商機ハンターのサードパーティーメーカー群がシノギを削っていて、瞬時に商品化してニーズを満たしてくれるので助かりますね
今回はビートソニックの外部入力アダプタでソースの幅が増え、オーディオ面については、フロント2way+箱入りサブウーファーをDSPでドライブと入口も出口もしっかり充実したシステムが出来上がりました。
お客様のご事情によってニーズは様々ですが、参考にしていただき、ご検討ください。
ちなみに今回の予算ですが、サウンドアッププログラム(デッドニンググレード)によるフロント2wayスピーカー取り付け、DSP取り付け、バッ直電源引き込み、外部入力アダプタ取り付けもろもろで35万円程度でした。
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