フェラーリF12ベルリネッタのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.752(お問い合わせの際にお伝えください)
model
フェラーリ F12ベルリネッタ
system
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO SX165
センター:なし
リアスピーカー:純正
サブウーファー:なし
パワーアンプ:内蔵
ケーブル:純正
comment
フロント2wayを社外スピーカーに交換した事例です。
標準の位置でのトレードインなので見た目は替わりませんが、しっかりとした取り付けとドア防振によって、変化がはっきり感じられる出来栄えになっています。
フェラーリ・F12ベルリネッタの事例紹介です。
この車は、V8とV12に大別されるフェラーリ車のカテゴリの中で、後者に属するグランツーリスモです。
V8系はカリフォルニアやポルトフィーノ、ローマのようなFRレイアウトと、(当コーナー登場頻度の高い)458や488のようなMRレイアウトの両方がありますが、最上位グレードのV12シリーズはすべてFRレイアウトとなっています。
V12の近年のモデルには、550マラネロ(1996年)、575Mマラネロ(2002年)、599GTBフィオラノ(2006年)、F12ベルリネッタ(2012年)、最新が812スーパーファスト(2017年)といった顔ぶれが並びますが、V12はフェラーリ創業時から製造されており、1947年の125Sから1970年の365GTBまで10モデルほどが存在しています。
今回登場するF12ベルリネッタは、2012年から2017年までの6年間に渡って製造された車で、6262ccのV12DOHCエンジンを積み、740馬力、トルク70kg/mと強烈。外観は先代のフィオラノを自然に進化させた、端正で美しいクーペボディをまとっています。
V8ミッドシップ軍団にくらべて落ち着いた雰囲気がありますが、その他のフェラーリ車と同様に、当店が位置する荒川区の雰囲気には見事になじんでおりませんね(笑)
今回のオーダーはサウンドアッププログラムによるスピーカー交換です。
純正の音に不足を感じるので、とりあえずスピーカー交換と防振で様子を見てみたいとのことでした。
お問い合わせのきっかけは、例によって当コーナーのフェラーリの事例の閲覧でした。
施工内容の検討のプロセスもメールで進め、正式なお預かり時がオーナー様&車両との初対面でした。
お預りの後、システムを確認したところ、標準オーディオの6スピーカーであることが判りました。
プレミアムオーディオだと、ミラー付近にスコーカーが足されていて、トランクにセパレートアンプがあったりして少し複雑になりますが、標準であれば、ハイダウェイユニットと標準アンプはエアコンパネルの裏にコンパクトに設置されているので、スピーカー線の配置も含めて容易に類推・把握できました。
リヤスピーカーについては、状況によっては手をいれることも視野に入れていたのですが、スピーカーにアクセスするために必要な内装の脱着の作業量がハンパではなかったので、フェダーで邪魔にならない程度に絞り、フロントだけに手をいれることで決定しました。
○スピーカーは当店を代表する人気国産ブランド!BLUE MOON AUDIOのSX165(税込48,400円)です。
同ブランドの2wayスピーカーシリーズはフラッグシップのRX165、ミドルグレードのAX165、ベースグレードのSX165と3グレード展開となっており、同ブランドのエッセンスをリーズナブルにお楽しみいただけるSX165をお選びいただきました。
交換にあたっては、スピーカーバスケットをしっかりと安定させるために、MDFのカスタムバッフルを介して取り付け、ドアをスピーカーボックスとして成立させるためにデッドニンググレードで防振を行いました。
スピーカーケーブルについては、純正ケーブルを活用することとし、ドア内の純正ケーブルと交換スピーカーとの結線部分に、お店のケーブルを少し足した程度で済ませました。
スピーカー交換とドア防振というシンプルな施工内容でしたが、これこそがカーオーディオの音質アップの入り口です。
どんなに良い再生機器、増幅機器を入れて、電源部にこだわって機器の稼働の安定性に配慮したり、ケーブルを高品質なものにして損失を減らしたりしても、手をかけて美しく整えた信号を、空気の振動に変換するスピーカー周りのプロセスでロスがでていては、純正の状態に比べて、大した差は望めません。
今回は特にエンジン音が賑やかな車ですが、標準的な工程を経て、しっかりとスピーカーを取り付けることで、高域の輪郭はしっかりと、エンジン音で損失を受けやすい低音域もそこそこ伸びる状態を作り出せました。
それでは施工の様子をどうぞご覧ください♪
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フロントドア
ドアの外観です
フェラーリのドアには違いないのですが、、他のV8軍団に比べるとアクが少ない感じですね。
スピーカーレイアウトはすべてドアに集約されています。
ウーファーは前方下のスピーカーグリル内で、ツイーターは上端の丸いグリル内です。
右側の中段にあるのは、ダッシュボードからつながる、エアコンの通気孔です。ドアミラー付近のデフロスター用のエアが送り込まれます -
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
一番古くても2012年生産なので、そんなに劣化は進んでいないわけですが、これだけの高級車だけあって快適な屋根の下で保管されているのでしょう、ドア内は大変キレイな状態でした。
雨にさらされていなければ、純正スピーカーの劣化も進みにくく、ダンパーの柔軟性も損なわれていませんでした。
この車は、サイドエアバックのインフレーターがドアトリム側についているんですね。
ドアトリムを取り外す前にバッテリーの端子を外す必要があります。この手の車をDIYされるオーナー様は流石にいらっしゃらないと思いますが、業者様はご注意ください。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
サービスホールを塞いでいた白いスポンジシートを剥がしたら、アウターパネルを清掃、脱脂して防振材を貼っていきます。
このクルマは、サービスホール周りの作りがユニークです。
一枚物で成形されたインナーパネルにサービスホールが空いている・・というのが一般的なパターンですが、このクルマは、左右の幅いっぱいに設けられた開口部に対して、右側の6割ほどを別パネルで閉じるという構造になっています。(リベット留めの跡が等間隔に並んでいます)
今回のドア防振は、制振力の強いデッドニンググレードで施工しましたので、短冊状にカットした材料を配置しています。
太いインパクトビームが走っているので、上から下までシュッと貼ることができませんでしたが、十分な量は投入できています。 -
インナーパネル作業
インナー側の作業が終わったところです。
スピーカーはMDFで制作したカスタムバッフルを介して取り付けています。
スピーカーケーブルの結線については、ウーファーに向かっている純正ケーブルをパッシブネットワークに入力し、ウーファー行きとツイーター行きの2本に分岐する格好になります。
ウーファーの上方にブラブラしている黄色の線がツイーター行きですね。ドアトリムを戻すときにギボシで接続します。
ネットワークをドア内に保持する場合は、適当な隙間を見つけるのに苦労します。
今回はスピーカーの前方(右側)に場所を見出しました。ボトッと落ちてこないように、ちゃんと固定しておきます。
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純正ツイーター
純正ツイーターの様子です。
ドアトリムを裏返して、前方側を見てる格好ですね。
ご覧のようにネジ3点で固定されています。
フルレンジ信号が入力されているので、低音域をカットするためのハイパスフィルタ(コンデンサー)がくっついています。
右側の手前に見えるのはサイドエアバッグのインフレーターですね。作業に際してこれは取り外す必要があります。
あと、ツイーターの領空を微妙に侵犯している左手前のデフロスター・ダクトも外さなきゃいけないので、ユニット交換より関連作業のほうに手間がとられますね、当店のような仕事ではあるあるですが。
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ツイーター交換後
SX165のツイーターに交換しました。
SXのツイーターは、価格に対していい仕事をしてくれる割には小粒なので、設置条件がタイトな純正の位置でのトレードインでは重宝します。
フィッティングはスポッと収まって、固定は汎用のステンレスのステーを使って行いました。純正のネジを使って、もともとのネジ穴で締め込みましたので、加工による負担は与えずに済みました。
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作業後記
今回はフェラーリF12ベルリネッタのスピーカー交換の事例をご覧いただきました。
お陰様でフェラーリの音質アップのお仕事をお任せいただく機会が増え、経験値も次第にあがってきております。ありがとうございます。
お察しの通り、フェラーリのようなスポーツカーはインストールスペースの点で制約がある車ですが、スピーカー交換は全く問題なくできますし、再生・増幅側の機器の設置もコンパクトなものを選べばなんとかなりますし、どうしても!と仰っしゃられるならパワードサブウーファーの搭載も可能です。
以下、分野ごとに簡単に案内させていただきます。
◯スピーカー交換については、もともとが2wayセパレート式なので、今回の事例のように純正の位置でのトレードインで十分ですね。
技術的にはAピラーにツイーターを埋め込んで、音響的な条件をよくするパターンもありえますが、こういう車だと純正戻しのコストも気になるでしょうし、そこまでやる必要は無いように思います。
リヤスピーカーについては、内装脱着にコストがかかる割には、音響面での寄与はそこそこなので、コスパは悪いと思います。
今回のようにフェーダーで抑えてしまって、フロントだけで音作りするのがコストも低く、調整もしやすくて良いでしょう。
◯ソースマネジメントについては、ざっくり2段階でご案内しておきます。
一つは小型アンプJOYNの活用です。
JOYNは、純正デッキのスピーカー出力を取り込んでやるだけのイージーインストールがウリのシンプルなシステムで、純正オーディオと、ブルートゥース接続によるiPhoneなどの楽曲の2系統をソースとして取り込み、内蔵の4chコンパクトアンプで増幅することで、音質の向上を図るアプローチの製品です。
サイズが(W)178mm (H)25mm (D)120mmと大変小さいので、今回の事例でご紹介したダッシュボード下段のスペースにも入りますし、こちらの事例のようにグローブボックスの奥に納めることも可能です。
次の選択肢は、小型DSPアンプの活用です。
小型で人気なのは、PLUG&PLAY 1080という商品です。
458に取り付けた事例がありますが、これであれば、ダッシュボード奥のスペースに設置できるので、目に見えるところには一切変化を及ぼさずにインストールできてしまいます。
◯その他
取り付けのための造作が必要になりますが、パワードサブウーファーの投入もできます。
場所としてはシートの後方のスペースになり、薄手の箱状のボードをこしらえて、シート下設置タイプのパワードサブウーファーユニットを中に入れる感じになります。(事例)
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フェラーリに関しては、スペースの都合で選択肢は広くはありませんが、ご予算とご希望に応じて、柔軟にプランさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください♪
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