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RENAULTメガーヌRSのオーディオインストール事例

サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。 当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>

  • 事例No.725(お問い合わせの際にお伝えください)

    model

    RENAULT メガーヌ RS

    system

    メインユニット:純正(Rlink2)
    デッドニング:フロント
    フロントスピーカー:DIATONE DS-G300
    リアスピーカー:純正
    サブウーファー:audison APBX 8R
    プロセッサー:PLUG&PLAY DSP
    パワーアンプ:PLUG&PLAY POWER
    レギュレーター:audiotechnica AT-RX80
    ケーブル:audiotechnica、SAEC

    comment

    純正デッキの出力をアンプレスDSPに入れて、セパレートアンプ3つでフロント2wayとサブウーファーを鳴らすシステムです。
    ラゲッジルームに置いた小型サブウーファーBOX以外は、フロントシート下インストールで済んでいます。

  • ダッシュボード


ルノー・メガーヌRSの事例ご紹介です。

現在のルノー車は、小型車のトゥインゴルーテシア。クロスオーバーSUVのキャプチャー、クーペSUVのアルカナ。カーゴ系のカングー。そしてスポーツクーペのメガーヌの6車種を展開しています。

どこの車メーカーでも、スポーツ性能を高めたモデルのブランドイメージへの寄与度が大きいですね。
ルノー車は、かわいい系の役者も充実してますが、やっぱりメガーヌの印象が強いです。その傾向は当店のルノー車のお預かり実績にも現れていて、メガーヌがダントツの一番です!
モデル的には、ベースモデルのメガーヌの他にスポーツモデルのGT、RSと満遍なくお預かり経験がありますが、今回のRSは、現行モデルという点で当コーナー初登場です。


今回のメガーヌRSは、最初のスピーカー交換から起算して、3回に渡るご入庫・グレードアップを経て到達したシステムのご紹介となります。

ざっと経緯をおってご説明しますと、、
●1回目:スピーカー交換
純正の状態からの第一歩ということで、サウンドアッププログラムによるスピーカー交換を行いました。

●2回目:DSPアンプとサブウーファー搭載
外部アンプとサブウーファーを追加してみたい。というお申し出を受け、アンプ内蔵DSPだとやれることが増えてコスパが上がりますよ。とご案内し、DSPアンプと、エンクロージャー型のサブウーファー(パワードではない箱入りウーファー)を導入しました。

●3回目:DSPをセパレート化
此処から先の音の追い込み、機器のグレードアップの方向性についてご相談(雑談)を受けて、DSPの調整でまだまだまだまだ追い込める余地をお示ししたものの、お客様が事前にネットで予備知識を得られていたこともあり、セパレート化(アンプレスDSPと別アンプ)に論点がシフトしました。

次に具体的なブランドと製品の検討に移る訳ですが、何はともあれ無視できない老舗ブランド2つ(ヘリックスオーディソン)の主要製品と、振興人気ブランドのPLUG&PLAY DSPをご案内し、お見積りを立ててご検討いただきました。
いずれも主張のある機械ですが、○本体のインストールスペースの有効性(大きさとケーブルの取り回し)、○コントローラーの大きさ、○金額的なコスト。を総合的に考えて、価格も抑えめで、ケーブルが片面に集約されていてコンパクトに取り付けられ、デザインもすっきり♪なPLUG&PLAYをお選びいただきました。

・・・・以上のステップを経て、結果的にフロント2way+サブウーファーを、アンプレスDSPと3つのセパレートアンプで駆動するシステムに落ち着いた。ということになります。
以下が最終のシステム概要です。

○ヘッドユニット
純正のヘッドユニットをソースとしています。
頭文字にルノーのRを冠したRlinkというシステムで動いているようですが、7インチのデジタルインストゥルメントパネルでナビ、オーディオ、空調などの制御が行えるようになっています。

純正オーディオは8スピーカー(フロント2way+リヤ2way)で、グローブボックス奥に設置されているセパレート4chアンプによって駆動されています。
※カタログ落ちしたGTには、センタースピーカーもついてたので9スピーカーでした。
この4chのうち、フロントスピーカーに向けた2chをDSPに入力することになります。

○DSPとアンプ
DSPはBEWITHプロデュースによる、PLUG&PLAYブランドのアンプレスDSPである、PLUG&PLAY DSP(税込110,000円)です。

別のエントリでもご紹介していますが、まず製品ラインアップのおさらいです。PLUG&PLAYは以下のラインアップから成る、比較的コスパがよいDSP周辺の商品です。
(1)DSPアンプ(プロセシング10ch/内蔵アンプ8ch)---PLUG&PLAY 1080
(2)DSPアンプ(プロセシング6ch/内蔵アンプ4ch)---PLUG&PLAY 640
(3)単体DSP(プロセシング8ch)---PLUG&PLAY DSP
(4)同デザインの2chパワーアンプ---PLUG&PLAY POWER
(5)コントローラー---PLUG&PLAY COMMAND

上記のラインアップから今回は、8ch対応の(3)単体DSPと、外部アンプである(4)PLUG&PLAY POWER(税込42,900円)をツイーター系とウーファー系とで2台、そして外部コントローラーである(5)PLUG&PLAY COMMAND(税込15,400円)を組み合わせて使いました。

入出力経路としては、上述のとおり、純正デッキのフロントスピーカー出力をDSPに入力し、ツイーター用・ウーファー用に用意した各外部アンプと、サブウーファー用のアンプ(正確には2回目の入庫時に主役として取り付けたDSPアンプ)を介して、それぞれのユニットを鳴らすフローです。

○スピーカーとサブウーファー
・フロント2wayのスピーカーはDIATONEのDS-G300(税込88,000円)です。
基本的に生産終了品ですが、メーカーサイトでは在庫僅少とあり、かろうじて流通在庫はあるようです。
現行品のG400にも引き継がれている振動板素材(NCV/ナノ・カーボナイズド・ハイベロシティ)採用、DCT低歪大型フェライト磁気回路など、オーディオの名門である三菱電機の技術の集積が結実した一品です。

これをウーファー(ドアスピーカー)、ツイーターともに純正の位置にインストールし、ドアはしっかり防振を行って、稼働条件を整えています。

・サブウーファーは、オーディソンのAPBX 8R(税込46,200円)を使いました。
これは流行りのパワード(アンプ内蔵)タイプじゃなくて、アンプなしの製品で、かつ、シート下サイズよりもおおきな容量を確保するために、ラゲッジスペース設置を前提とした、チョット大きめサイズのエンクロージャーに入ったサブウーファーユニットです。

一昔前は、ラゲッジルームの使い勝手が悪くなっても楽しいほうがいいじゃん。とデカかいウーファーボックスをデンと置くスタイルが主流でしたが、昨今はみんな大人になったため、シート下におさまるタイプが主流で、特に日本はその傾向が強いようです。
しかしながら、海外では依然としてボックス(エンクロージャー)タイプが充実しており、欧州系ではオーディソンとETONがこのあたりの商品のラインアップが厚めになっています。

ちなみにオーディソンだとこんな感じです。
(1)APBX 8R 20センチユニット(4Ωシングル) アンプなし(税込46,200円)
(2)APBX 8DS 20センチユニット(4Ωダブルボイスコイル)アンプなし(税込46,200円)
 ↑アンプの出力形態に応じて2Ω並列/4Ωステレオ/8Ω直列が選べる
(3)APBX 10 S4S (1)の25センチ版(税込57,200円)
(4)APBX 10DS (2)の25センチ版(税込57,200円)
(5)APBX 8AS2 20センチに250Wアンプ付き(税込80,300円)
(6)APBX 10AS2 25センチに400Wアンプ付き(税込88,000円)
エンクロージャーのサイズは、アンプなし(20cm)377×334×109/(25cm)約473×334×109、アンプ付きで(20cm)386 x 294 x 158/(25cm)460x 338 x 158といったところです。

最近のシート下パワードは、25センチサイズまでのユニットを持っていますし、コンパクトながら、低い基音による中高域の演出力は必要十分な感じがしますが、より大きな箱に収まってるほうがローエンドの伸びはよくなるので、ちょっと置き場所を確保できるなら(どかせますし)この手の商品は検討の価値がありますね。
パッケージでお手軽にということならアンプ付きでいいし、アンプはDSP内蔵を、あるいは別の好きなのを使いたいという場合は今回のようにアンプなしというように、こだわりの選択もできます。

以上をもって、オーナー様も一息つけるシステムにたどり着くことが出来ました。

一番最初のDIATONE DS-G300を鳴らすシステムも、パッシブネットワークならではのシームレスで平和なサウンドが良かったですが、最終の形では、DSPでしかなし得ない精緻な音響セッティングと、アンプレス仕様ならではのチャンネルセパレーションによるS/Nの向上が実感でき、お客様も(もお店も)納得の状態に仕上がりました。

それでは施工の様子をご覧ください。

  • フロントドア

    それではドアの外観から見ていきます。

    メガーヌはベースモデル、GT、RSと見比べると、形(金型)はいっしょですが、素材(ファブリック/レザー)、ステッチカラーと、組み合わせは多様ですね。

    スピーカーレイアウトは、フロント2way+リア2wayの8スピーカーで、フロントのウーファーはドアの定位置に、ツイーターはダッシュボード両端にそれぞれついています。

  • ドアトリム取り外し

    ドアトリムを取り外して、一皮剥いたところです。

    欧州車のデフォルトのスポンジシートが目に入ってきます。つまむところがそれぞれ左上に設けてあるのがほっこりしますね♪

    純正スピーカーには、同じフランスのFOCAL製がついていました。
    日本でも、電機メーカーが純正スピーカーとして製造したスピーカーをメーカーへ納品するパターンがありますが、これと同じですね。ただ、FOCALの場合、純正と簡単にトレードインできるタイプの、より高性能がスピーカーキットも製造しし、アフターマーケット向けに販売しているようです。

  • アウターパネル作業

    アウターパネル側の作業が終わったところです。

    スピーカー交換とドアの整備の段階では、まだ純正のマイルドな出力のアンプで鳴らしていたわけですが、スピーカーをきちんと鳴らす環境を整えたいのと、先々アンプをいれるかもしれないから、という2つの理由で、(より制振力の強い)デッドニンググレードでの防振を強く希望されました。

    デッドニングの場合、アウターパネルには短冊状にカットした防振材を均等に並べて貼り込むことになります。
    理想的には、ご自宅にあるようなカチッとしたスピーカーボックスに準じた強度(丈夫さ・振動しにくさ・膨らみにくさ)に仕上げたいわけですが、車によって一番大きく差が出るのが、サービスホールの大きさの差からくる、膨らみにくさの程度です。
    元の穴が小さくて少ないほうが、ふたをしている防振材が膨らんだり凹んだりしにくく、ドア全体がソリッドなハコに仕上がるわけです。

    その点では、このドアは穴が小さめで条件がよいですね♪
    基本的に、こういった条件の良さと、防振材貼り込みの作業性はトレードオフの関係になるんですが、見た目の窮屈さ?のわりには手が入りやすく、上半分の障害物も少ないので、さほど不自由はありませんでした。

  • インナーパネル側作業

    インナーパネル側の作業が済んだところです。

    ドア前のゴムブーツを経由してスピーカーケーブルを引き込み、純正ブラケットにあわせて制作したバッフルを固定して、G300のウーファーを取り付けます。
    その後、インナーパネル全面を防振します。

    スピーカーケーブルの引き込み作業は、車の設計によって作業性が大きく変わります。
    ドアとボディをつなぐゴムブーツのどちらかのENDがカプラ式になっていると、通線するための工夫と手間が発生します。このメガーヌは、車体側がカプラになっているので、基本的に大変な仲間の一員なのですが、神様の取り計らいにより、ブーツの近くにサービスグロメットが設けてあるため、難関であるカプラ部分を通らずに、通線できてしまいます。
    インストーラーの労働条件にまでご配慮いただき有難うございます。

    構造を画像で確認為さりたい方はこちらのエントリの最後から3枚目の写真をごらんください。

  • 純正ツイーター

    ドアが終わったので、ダッシュボードに移動します。

    ツイーターグリルはダッシュボードの両端、ピラーカバーと接する位置に配置されています。このグリルを外すと、予定通りFOCALのツイーターが装着されていました。
    これを、G300のツイーターに差し替えます

  • ダイヤトーン ツイーター

    差し替え後の状態です。

    絵が殆ど変わっておりませんが、まんなかの色が変わっていますよね。確かに差し替わっております!
    通常ですと、純正と社外とで、多少なりとも寸法・形状が違い、相応の加工が必要になるものですが、今回はFOCALのツイーターブラケットをそのまま流用してすんなりと取り付けられました。

    本当にバチンとはめ込むだけで、トレードインモデルのようでした。

  • サブウーファー

    海底でくつろいでいるヒラメのように環境に同化し、判別出来ない方がほとんどだと思いますが、確かにサブウーファーが写っています。

    これが冒頭でご案内した、オーディソン製APBX 8Rというエンクロージャータイプのサブウーファーです。
    ユニット単体で販売されているものだと、ハコ(エンクロージャー)の汎用タイプを買ってくるか、カスタムで作るかして納めることになりますが、ボックス入りで完成しているので、スピーカーケーブルをターミナルにつなぐだけで使えます。

    冒頭で触れましたように、シート下設置タイプに比べて、余裕のある容量のおかげでローエンドが伸び、音響的なメリットが大きいのが一番の特徴ですが、もう一つのアピールポイントは、付属の脚を取り付けて、ウーファ面を下に向けて設置できる点です。
    こういう選択肢が与えられている製品はオーディソン以外のサブウーファーにも多く見られ、「ダウンファイアリング(≒下向放射)」などという勇ましいネーミングが与えられています。
    下向きに設置すると、50ヘルツとか60ヘルツとか、そのあたりの音量が大きくなるし、ある程度床にも響くため、「鳴ってる感」が強めることができ、ちょっと人気です。

    ハイファイの教科書的なサブウーファーの役割は、基音(一番低い音)を下げることで、相対的に上位のウーファー、(スコーカー)、ツイーターのハーモニクスをアップさせることです。よって、ほんのりと「圧」は感じることがあっても、サブウーファーの方向から音が聞こえるようなセッティングはあかんということになっています。
    しかしながら、なってる感が心地よく感じる曲もあるし、ボンボン言わせたい気分の日もあるわけで、楽しみ方はいろいろですね。

    ブランドイメージ的にもおだやか目なオーディソンとは別に、キッカーやロックフォードといった武闘派の製品もありますので、宗派に応じて選べます。

  • 運転席下スペース

    次はハードウェアの設置状況の紹介です。

    まずは運転席側。こちらには、DSPとレギュレーターを設置しました。
    向かって右側がPLAG&PLAYのDSPで、左側がレギュレーターです。

    レギュレーターは電流のダムみたいなもんですね、バッテリーの水際では電圧が常に変化していますが、プラス・マイナスともにこのダムを経由することで、電圧の変動を抑えることができ、そこから電気を取っているDSPやアンプといった機器の動作が安定するというメリットがあります。

    DSPへの入力は、純正デッキのスピーカー出力をハイレベル入力で取り込んでおり、アンプに向けてローレベル信号を出力しています。アンプ群は反対の助手席側にあるので、RCAケーブルを3組(ツイーター・ウーファー・サブウーファー)引き出しています。

    なお、レギュレーターはDSP向けにのみ使用して、パワーアンプはプラスマイナスバッ直電源にて給電しています。

  • 助手席下スペース

    こちらは助手席側です。

    前カットで触れましたように、アンプの設置スペースとして活用しています。
    奥に見えるのが、PLUG&PLAYのアンプで、ツイーターとウーファー用にはそれぞれ1台づつ使っています。

    手前にあるのは、オーディソンのDSPアンプであるAP5.9bitです。これはPLAG&PLAY DSP導入によるセパレート化以前の主役だった訳で、DSPによる音声信号の調整と、アンプ機能による増幅の両方を担っていたのですが、いまは、RCA接続できるAUXを使用してサブウーファーの信号を取り込んで、アンプ活動に専念してもらっています。

    結局こういう形に落ち着くのなら、「最初からアンプレスDSP+セパレートアンプ「3台」で提案すべきじゃなかったのかい?」とのお叱りが聞こえてきそうですが、現実的には、お客様にも当店側にも、その時々の認識というか、視界があります。
    お客様はその時々の知識と期待値に応じて予算を想定され、機器を選定されますし、経験値では幾分先行している当店側も、最初っからフルスペックに近い形をオススメする(ふっかけるともいう)わけにも行きませんので、道のりが長くなれば、少々の蛇行はおのずと生じてしまいます。

    より保守的に考えると、、お客様のトルクカーブがなだらかなのか、急速に立ち上がりそうなのか、見極め・予測する力があれば、最初から最終形に近い形でご案内することは可能かもしれませんが、仮にそんな力を授かったとしても、頭越しに先を見通すような物言いは感じ悪いですしね。お客様相手の商売は難しいです。

  • PLUG&PLAY COMMAND

    最後はDSPのコントローラーです。

    PLAG&PLAYのコントローラーは小ぶりで、シャンパンゴールドのカラーリングもオシャレですね♪
    機能としては、音響セッティングのプリセット選択と、サブウーファーの音量調整です。DSPに光デジタル信号を入力する場合は、デジタルソースの音量調整機能も担うことになります。

    音響セッティングのプリセットは、バチバチに運転席に照準をあわせたパターンと、スピーカーごとの帯域分割とほんのちょっとのイコライジングで整えて、タイムアライメントはほぼかけず、パッシブネットワーク的に左右均等に聞こえる同乗ありパターンの2つを設定しました。
    なお、このコントローラーでは6パターンまでのプリセットを保存することができるようになっています。

  • 【作業後記】

    今回はメガーヌ・RSのDSPをいれたシステム事例をご覧いただきました。

    お客様は、理想の追求の点でも、支出決定力の点でも、跳躍力のある方でいらっしゃったので、(1)スピーカー交換→(2)DSPアンプ+サブウーファー→(3)DSPのセパレートアンプ化と、比較的短期間で駆け上がられ、こちらも目を見張るほどでしたが、やっと一段落されたようでなによりです。

    ●DSPの導入は、複数のスピーカーごとに再生周波数を割り当てる「クロスオーバー(帯域分割)」と、複数のスピーカーとリスナーの距離に応じて、音が出るタイミングを調整する「タイムアライメント」、そして音全体の周波数を見渡して、耳につくところを下げたり、足りないところを上げたりする「イコライジング」ができる点に価値があるわけですが、そのDSPならではの価値に、アンプの仕事である(高品位な)増幅機能を加えたのがDSPアンプなわけです。

    これ一つあれば、ヘッドユニットが純正であれオプション/社外ナビであれ、かなり精密な調整ができて、ヘッドユニットの内蔵アンプに比べて情報量の多いアンプ増幅をやってくれるので、商品性としてはかなり優れており、各メーカーが毎年のように商品を投入し、しのぎを削っている市場です。

    ただ、当然のことながら、「調整と増幅」の異なる機能をワンパッケージにしているため、アンプの特性(味)にこだわってみたいという気分になってしまうと、組み換えができず、都合がわるくなってしまいます。また調整の方の追い込みにハマりまくってしまった場合も然りです。。
    といっても、アンプつきDSPで十分に満足される方のほうが数としては圧倒的に多いですから、あえてこんなこと考える必要もないんですが、もし、もし、キリキリと理想を追求しまくるタイプなんだよなぁーとの自覚がお有りの方ならば、急がば回れ?で、最初からアンプレスDSPと別のアンプのシステムから始められたほうがいいかもしれません。
    実際、お客様が明示的にそういう意向を口にされたり、あるいはそういったオーラを出しまくっていらっしゃる場合は、商談の初期段階からセパレート式のメリットを
    ご案内する場合もあります。

    あと、メーカー側もそういった理想追求型(≒マニア)の方の支持を呼び込めるように、アンプレスモデルのほうに、より処理速度が高速なCPUを搭載して、内部処理の動作サンプルレートを上げて、DA/ADコンバータにもブランド品を投入したりして、よりスペックの高いハイレゾファイルを再生できるような設計にしていますし、アンプについても、当然ながら単機能の製品のほうが、スペックは総じて上です。また上述のとおり、志向の変化(と予算のインフレーション)に応じて、好きに入れ替えられますので、ムダも少ないですね。さらには、この辺のハイスペ品はいざというときの換金も比較的スムーズですので、その点でも有利と言えるかもしれません(外箱は保管しておきましょう♪)

    なお、今回ご紹介したPLUG&PLAYは、ぜんぶ真っ黒で怖い老舗のヘリックスに比べてシャンパンゴールドでちょっと軟弱な感じがするかもしれませんし、アチラの20万円代中盤のトップエンド機に比べると、スペックはモデレートですが、本体11万円というリーズナブルプライスでセパレート式のメリットはキッチリ実現できる実力機だといえます。
    あと、見逃せないのが、ラインアップのセパレートアンプを含めても、フロント両シート下でインストールが済んでしまう点ですね。
    本体がコンパクトな上に、配線(電源・入力・出力)が片面に集約されているので、専有面積が狭くて済むんです。ラゲッジルームを機材でいっぱいにして浸りたい方ばかりじゃありませんから、この現実的なアドバンテージは大きいように思います。


    ●サブウーファーの件にも触れておきたいと思います。
    ここもとご紹介しているサブウーファーは、シート下に収まる格好で、アンプ内蔵のいわゆるパワードモデルが主流なのに対して、今回の事例で登場したのは、トランクに置くタイプでした。
    上述のアンプ内蔵型のDSPと同様に、市場の方向性は、はっきりシート下設置可能タイプに向いているので、これだけお勧めしていれば業者側もラクなのですが、もし、状況が許すようなら、ラゲッジに置くタイプも一考の価値がありますよ。という点をお伝えしておきたいと思います。

    例えば、シート下設置タイプで主流(当店の)だと、キッカーのHS10(税込85,800円)やサーウィンベガのVPAS10 V2(同68,200円)といったところです。これらは、35センチ×25センチ×25センチ×7センチくらいのダイキャスト製の筐体に、10インチ(25センチ)径のウーファーユニットを積み、180-200ワット水準の定格出力のアンプで駆動する、かなりパワー感のある商品です。ズンズンと元気な(楽しい)鳴らし方は得意ですし、サブウーファーの本当の仕事である静かに基音を下げて、中高域の彩りを上げる仕事もそれなりにこなします。

    これに対して、よりラゲッジ置き型は、より大きなエンクロージャー容量をもっているので、ローエンドがより深くなり、余韻がふーっと伸びる演出ができる点でアドバンテージがあります。多少語弊がある表現にはなりますが、よりハイファイ的といってもいいかもしれません。
    ラゲッジ置き型というと、場所をとる、邪魔という脊髄反応を誘発してしまいますが、今回ご紹介したオーディソンの製品群だと、25センチウーファーのアンプ内蔵タイプで460x 338 x 158/アンプなしモデルで377×334×109といった寸法です(立てても置ける)し、重量もアンプ内蔵型で9.4キロ、なしモデルで8.6キロといったところなので、それほどデカくないし、必要に応じて配線を外して移動させることもできます。(電源線をコンセントタイプにしてある)

    あと、キッカーやロックフォードのような男子デザインに比べて、オーディソンのは、ラゲッジに馴染むような色調とカド丸のデザインで、常識的でおだやかなので、ちょっと楽しい買い物をしたという達成感が、懸念されていた邪魔感を抑え込んで、トータルでプラス!な後味に落ち着くのではないかと思います。(女性陣も称賛せずともだまって承認してくれる確率は高そう)

    ということで、DSPなどの主要機器はシート下に納めつつも、ラゲッジの一区画だけ、借地に出してみてもいいかなというお客様はこのパターンもご検討ください。

    長年の経験を活かし、お客様のご要望にお応えします!
    ご予算とご希望に応じて、柔軟にプランさせていただきますので、どうぞお気軽にお声掛け下さい♪

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