スバルBRZのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.716(お問い合わせの際にお伝えください)
model
スバル BRZ
system
メインユニット:オプションナビ(carrozzeria AVIC-CQ911同等品)
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:DIATONE DS-G300、BLUE MOON AUDIO MX080
リアスピーカー:なし
サブウーファー:carrozzeria TS-WH500A
パワーアンプ:内蔵
ケーブル:audiotechnica、SAEC
comment
サイバーナビ付きのSグレードをフロント3way+パワードサブウーファーでシステムアップした事例です。
デッキ内の機能を使って(変則的ではありますが)マルチ制御できるようにしています。
スバル・BRZの事例紹介です。
BRZは、トヨタの86とプラットフォームを共用するスポーツカーとして開発された車です。
初代(ZC6型)の発売は(当エントリ投稿時から)ちょうど10年前の2012年でした。時の経つのは早いものですね。そして昨年になって、待望の2代目モデル(ZD8型)が発売になりました。
初代は、スバルのお家芸の水平対向4気筒2,000ccエンジン(FA20型)を搭載していたのに対して、2代目は2400cc(FA24型)と400ccアップし、出力も235馬力と概ね30馬力ほどアップしています。
デザイン的には、初代に比べて、ヘッドランプ・テールランプ周りのデザインが穏やかになり、正統派スポーツカーといった趣に進化しました。
今回ご紹介するのは、納車されて間もないBRZのSグレードです。
BRZのグレード構成はシンプルな2段階制をとっており、Rがスタンダードで、Sがハイグレードです。
オーディオ面については、ヘッドユニットはオーディオレスが基本で、ディーラーオプションとして、アルパインあるいはカロッツェリアのナビを選ぶようになっています。
スピーカーの構成は、Rグレードが6スピーカー(フロント2way+リヤ)で、Sグレードは8スピーカー(フロント3way+リヤ)となっています。
今回のお車は、カロッツェリアのナビが取り付けられた状態で納車されており、以前お乗りだった車から外した2wayスピーカーとパワードサブウーファーの移設を含むシステムアップをご相談いただきました。
基本的には移設なのですが、(1)できればスコーカーも社外にしたい。(2)リヤスピーカーは鳴らさないで結構。との要件をお伝えいただいたので、カロッツェリアナビの内蔵アンプ(4ch)の範囲内でフロント3way+サブウーファーが鳴らせるプランをご提示し、ご用命頂きました。
以下、システム概要です。
○ヘッドユニット
ディーラーオプションのカロッツェリアナビ(サイバーナビ)です。
市販品のAVIC-CQ911と同等品で、オープニング画面が「SUBARU」に差し替えられている点以外、変更点は見当たりませんでした。
このサイバーナビは4chのアンプを内蔵しており、カロッツェリアお得意の出力モード切替機構がついています。
納車時は、4chフルレンジのスタンダードモードになっていて、フロント出力は3つに分岐させるようになっていました。(ウーファー出力は更に別アンプで増幅する仕組み)
今回は、ネットワークモードに切り替えて、3way帯域(ハイレンジ/ミッドレンジ/ローレンジ)を個別に制御する方法をとりました。
ネットワークモードといっても、ハイレンジにツイーター、ミドルレンジにウーファー、ローレンジにパワードサブウーファーという「2way+サブ」のパターンが標準的な使い方です。
これでは今回のユニット数をまかないきれませんので、接続図にもお示ししましたように、ハイレンジ出力を分岐させた先にツイーターとスコーカーを取り付け、途中にネットワークを介在させて帯域の棲み分けを図ることにしました。
これと合わせて、ネットワークモードでのクロスオーバー設定を行い、ユニットごとの周波数を以下のように整えました。
・ハイレンジ出力の設定:630Hz以上
→ツイーター用ネットワーク(2.7kHz以下をカット)→ツイーター
→ウーファー用ネットワーク(2.7kHz以上をカット)→スコーカー
・ミッドレンジ出力の設定:630Hz以下・80Hz以上
→ウーファー
・ローレンジ出力:80Hz以下
→パワードサブウーファー
○スピーカー
DIATONEのDS-G300(税込88,000円)/BLUE MOON AUDIO MX080(税込33,000円)
前車からの移設で、生産終了品ですが、なんとか流通在庫はあるようです。
現行品のG400にも引き継がれている振動板素材(NCV/ナノ・カーボナイズド・ハイベロシティ)採用、DCT低歪大型フェライト磁気回路など、オーディオの名門である三菱電機の技術の集積が結実した一品です。
そのハイエンド志向のこだわりは、ネットワークの構造にも現れており、TS-V173S等のハイエンド機種にみられるツイーター用とウーファー用のセパレート式を採用しています。
今回は、上述のとおり、ナビのハイレンジ出力を2分割した先に、ツイーター用/ウーファー用それぞれを接続しています。
BLUE MOON AUDIO MX080は、3way化にあたって中音域を受け持つスコーカーとして起用しました。
8センチ径のハイエンドユニットで、スコーカーの他、センタースピーカー用としても出番の多い製品です。
○パワードサブウーファー
カロッツェリアの TS-WH500A(税込27,500円)
一般的なスピーカーは、振動板の背面に直付けされたボイスコイルのタテの動きによって直接動作させますが、この製品の場合、振動板の後ろにパンタグラフがあり、それを挟むように水平に向かい合わせに配置された一組のボイスコイルのヨコの動きを、パンタグラフによってタテ方向に変換して駆動させる仕組みになっています。
機構部がコンパクトで、6センチと薄型です。音の特徴としては、ブンブン大音量タイプではなく、特殊な機構のおかげなのか、「どこから音が出てるの?」と思わずあたりを見回してしまうような、筐体サイズに似つかわしくない超低域を発生し、未体験の空間の広がりを演出してくれます。
コンパクトな駆動部のおかげで、厚さ6cmに収まっていますが、それすら格納できないほどシート下に余裕がないので、固定バンドを調達してリヤシート上に固定しました。
以上をもって、ディーラーオプションのサイバーナビをヘッドユニットとする、3way+パワードサブウーファーのシステムを構成しました。
中高域を受け持つツイーターとスコーカーが同系統に収まっているため、DSP調整時の自由度に制約が生じてしまいますが、帯域ごとにユニットを割り当てて歪みをへらす3way化によるメリットと、設置スペースと予算とのバランスを考慮すると、これも十分アリなパターンだと感じました。
それでは施工の様子を御覧ください♪
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メインユニット
ディーラーオプションのサイバーナビです。
市販のcarrozzeria AVIC-CQ911と同じ物ですが、写真のようにオープニング画面は差し替えられていました。
基本性能、、というかオープニング画面以外は市販品と同じなので、機能は全く同じです(小声)。
納車段階では、4chフルレンジのスタンダードモードに設定されていたので、それぞれ帯域を設定できるネットワークモードに切り替えました。 -
フロントドア
フロントドアの外観です。
モデルチェンジしてドアのデザインもガラッと変わったのですが、初見では、さほど変化を強く感じませんでした。。が、旧型の写真と比較してみると、違いは一目瞭然でした。
随分と上手にデザイン変更してるんですね。変わってるはずだよな→かわってないっぽい?→やっぱちゃんと変わってるわ。とよくできただまし絵みたいで、期せずして不思議体験してしまいました(^o^)
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外した状態です。
当然のことながら、新車ですので、とてもきれいです。
インナーパネル上のレイアウトは、初期型から微妙に変わっているようですが、純正スピーカーの寸法とネジ穴の位置は同じようです。
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アウターパネル作業
アウターパネルの作業が終わったところです。
サービスホールを覆っていたビニールを取り外し、中も外も一通りお掃除&脱脂をして整え、防振材を貼っていきます。
ドアをスピーカーボックスとして仕立てる上ではアドバンテージ要素なのですが、ご覧のようにサービスホールが小さめですね。防振材の貼り込みは少々苦労しました(-_-;)
作業時のアクセスが悪いだけでなく、つっこんだ腕がウインドウレールに触れる度にグリースがくっついて、だいぶ減らしてしまったようなので、最後にこっそり給油して補っておきました。
3way化に伴い、ひととおりスピーカーケーブルを引き直すことになるので、ドア用はこの段階で引き込んでおきます。銘柄はSAECのSPC350です。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
スピーカーホールには、MDFでカスタム製作したバッフルを取り付けてから、DS-G300のウーファーを固定します。
インナーパネルの防振は、制振力が強いデッドニンググレード施工なので、ご覧のように全面貼りです。
あまり起伏のないパネルにみっちり貼り込んで、振動源となるスピーカーバッフル周りは、更に重ね張りして足場を固めます。
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スコーカー(純正)
純正スコーカーの様子です。
ダッシュボードの両端にスピーカーグリルがあり、その中にスコーカーとツイーターが並んで格納されています。
スコーカーの方は、直径6.5センチほどのユニットで、写真のようにダッシュボード側に取り付けられており、ツイーターはスピーカーグリル側にはめ込まれています(後出)。
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純正スコーカー(裏側)
純正スコーカーを裏側から見たところです。
中央に見えるのは磁石です。スピーカーのモーター機構には必要な部品です。右手前に見える黒い筒状のは、ハイパスフィルターとして機能するコンデンサーです。プラス側のケーブルに、コンデンサーを直列に接続することによって、カプラー経由で入力されてきた信号の内、低音部分をカットする作用が生まれ、小口径で低域に耐えられないユニットを保護しています。
※このフィルターは「1素子型」と呼ばれる最も簡単なフィルターの形式で、低音域が入ってこないようにするにはプラス側にコンデンサーを繋げ、高音域が入らないようにするには、同じ位置にコイルを繋ぎます。
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スコーカー(交換後)
スコーカー交換後の様子です。
MDFでバッフルを製作して、BLUE MOON AUDIOのMX080をアッセンブリーしたものを装着しました。
バッフルは純正スコーカーのネジ穴に合わせて作っているので、純正ネジですっきり付いています。
上述のとおり、ネットワークはツイーター用とスコーカー用に分かれていますが、どちらもこのスコーカーの裏側のスペースに納めてあります。
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ツイーター(純正)
純正のツイーターユニットの様子です。
前述の通り、ツイーターユニットはダッシュボード両端のスピーカーグリルにセットされています。
前出のスコーカーともども、ベトナム製のようですね。 -
ツイーター(交換後)
DS-G300のツイーターに交換後の様子です。
純正の取り付け枠の中にピッタリ収まるサイズでした。
ツメもしっかりと引っかかるので、スペーサー代わりにテープ類を巻きつける必要もなく、固定のために接着剤で補う必要もなく、スナップキットのようにはめ込むだけで完了です。
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パワードサブウーファー
最後はパワードサブウーファーの取り付け状況です。
取り付け状況、、というより、固定状況のほうが適切でしょうか。色々と検討した結果、リヤシートの座面にPPのバンドで固定する方法をとりました。
検討の前提としては、(トランク内ではなく)室内に置きたいというご要望でした。
というと、シート下が第一候補になるわけですが、この車はシートの下のスペースが極端に狭く、手のひらを突っ込むことも難しいほどです。
ローポジションが好まれるスポーツカーでは禁じ手。という認識はありつつも、一応、スペーサーを噛ませてスキマをあける方法も検討だけしてみたのですが、3cmは上げなくてはならず、天井に頭が当たってしまうのでNG。
次に運転席の後方を検討しましたが、シートをスライドさせると、背もたれがリヤシート座面に密着してしまうので、これもダメ。リヤシートのフロア部分についても、シートを下げるとほとんど隙間がなくなってしまうのでこれまたダメでした。
スポーツカーあるあると言ってしまえばそれまでですが、これはトップクラスですねぇ。
ということで、最後の手段で座面に固定する方法に落ち着きました。
座面上となると、通常なら頼りがいのある固定方法はないものですが、幸いにもチャイルドシート固定用のフック(ISO-FIX)が用意されていたので、これを活用することにしました。
使ったベルトは工具屋さんで発見した結束用ベルトです。
これを、ISO-FIXのフック2箇所と、座面を固定している金具とを通過させるように、V字に渡して固定しました。
右奥に見えているのが結束用ベルトのバックル部分です。金属のままだと傷の原因になるので、熱収縮チューブを軽くかぶせて養生しています。 -
作業後記
今回はBRZのサウンドアップ事例を御覧いただきました。
追加予算をセーブし、トランクスペースを使わない縛りでフロント3way+パワードサブウーファーを実現しましたので、DSP調整の自由度に幾分制約が生じましたが、与えられた条件下では最良の結果が得られたと思います。
同じような条件でご検討なさってる方がいらっしゃいましたら、ご参考になさって下さい。
もうすこし汎用性が高いところとして、以下に例を複数あげてみます。
(ヘッドユニットをオプションのサイバーナビとした場合)
(1)パワードサブウーファーだけ足すパターン
ヘッドユニットの出力設定をスタンダードモードのまま、ローレンジ出力にパワードサブウーファーを繋ぐ。
(2)フロント2way+パワードサブウーファーのバターン(リヤスピーカーは鳴らない)
出力設定をネットワークモードにして、ツイーターをハイレンジ、ウーファー(ドアスピーカー)をミドルレンジ、パワードサブウーファーをローレンジ出力にそれぞれ繋いでマルチ制御。(コスパよし!)(スピーカー交換がベターだが、純正スピーカーでもなんとかイケる)
(3)フロント3way+パワードサブウーファーのパターン(リヤスピーカーは鳴らない)
今回の事例のようにネットワーク付き2wayキットとスコーカーを組み合わせる。
(4)フロント2way or 3way+リヤ+パワードサブウーファーのパターン
DSPアンプをトランク内に設置して、全スピーカーをマルチ制御する。(リヤを含めない構成も可)
ざっとこんなところでしょうか。以下特記事項です。
○(4)のヘッドユニットはフルレンジが確保出来さえすればいいので、サイバーナビである必要はありません。
○もともと2wayのRグレードであっても、3way分のスピーカー設置スペースがあるので、上記のどのパターンも可能です。
○DSPアンプはaudisonのAP 8.9bit(8ch+SW時)あたりが第一候補になると思います。トランク内への設置の際、フロア側に置きたくない場合は、トランクの天井(リアトレイ)に吊り下げることもできます。
○パワードサブウーファーの設置は、今回の事例のようにシート上に置くこともできますし、トランク内設置も可です。
上記以外にも、ご希望とご予算に応じて、柔軟にプランいたしますので、どうぞお気軽にご相談ください♪
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