日産フェアレディZロードスター(Z34)のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.445(お問い合わせの際にお伝えください)
model
日産 フェアレディZ ロードスター(Z34)
system
メインユニット:純正BOSE
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:CerwinVega SPRO65C
リアスピーカー:純正
サブウーハー:CerwinVega VPAS10
パワーアンプ:RockfordFosgate T400X4ad
ケーブル:SUPRA、audiotechnicacomment
Z34ロードスターのBOSEシステムをキャンセルして、フロント2way+パワードサブウーファーで組みました。
超小型ハイパフォーマンスアンプと小型軽量大口径パワードサブウーファーのおかげて、かなりコンパクトにまとまっております!
フェアレディZ(Z34)のダッシュボードです。
中央の3つ並んでるスポーツカーの縁起物は別として、なめらかに広がる曲面はステージング(音像形成)にアドバンテージ大ですね♪
屋根のないオープンカーでステージング??なんて言わせませんよ。
クローズドボディに比べて、外部ノイズの侵入とエネルギー損失は確かに多いですが、しっかりインストールすれば歩留まりの良い低域と、エッジの聞いた高域を楽しめるシステムが組めるんですから。
今回も頑張りたいと思います!
さて、今回のメニューは何かといいますと、純正BOSEをキャンセルして、フロント2way+パワードサブウーファーという内容です。
純正の状態では、フロント/リア出力の4チャンネルプリアウトがパワーアンプに入力され、フロントへはツイーター(ハイパス)とドアウーハー(バンドパス)、リアはスコーカー(ハイパス)とサブウーハー(ローパス)の計8個のユニットが接続されています。
これを、純正デッキは継続使用するものの、純正アンプはキャンセルし、車外のアンプに換装。リヤも鳴らさずにフロント2way+サブウーファーというシンプルな構成で音を創ります。
配線的には、デッキ裏から平行線形式の市販のRCAケーブルにて、シートバックのところにインストールしたフロント用のCerwinVegaのアンプへ繋ぎます。
リア出力は、直接パワードサブウーハーに入力し、内蔵のローパスフィルターで適性の数値に調整します。
これで、デッキ側のフェダーでフロントスピーカーとサブウーハーの調整ができる様になります。
サブウーハー付属のコントローラーもあるので、使いやすい方を使用していただけます。
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フロントドア
作業前のドアトリムです。
といっても、、シートバックの後ろにインストールするアンプとサブウーファー以外、純正外観キープなので、見た目は変わらないんですけどね(笑)
それではメクってまいりましょう♪ -
アウターパネル
アウターパネルの防振作業中の光景です。
この手前で、ドアトリム>モジュールパネルと外し、清掃・脱脂を済ませています。
防振材はロシア製のstp BOMB AEROを使っています。短冊状の貼り付けパターンも定番です。
スピーカーの位置に写っているのは、純正のスピーカーマウントです。
この後、オリジナルのインナーバッフルに差し替わるわけですが、ホールが楕円である点と、接触面が真っ平らでは無い点から、このマウントの形状をコピーして制作させてもらいます。
ちなみに左斜め下方向へ垂れている太いケーブルは、エアバッグの配線です。
間違いがあってはいけない!強い緊張感が漂っております。
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インナーパネル
インナーパネルを戻して作業続行です。
インナーパネル全面に、先ほどと同じ防振材を張り込みます。ご覧の通り、インナーパネル(鉄板)とモジュールパネルをまたぐようには貼りませんので、ディーラーでの整備も問題ありません。
右側に転じていただくと、オリジナル製作した背の高いバッフルと、CerwinVega SPRO65C(税別定価105,000円)のユニットが見えます。
前のコマで触れましたように、純正の樹脂製スピーカーマウントからコピーした、縦長の板がベースになっています。
さらに、平らでない接触面とのギャップはパテを使って解消し、ガッチリした土台を形成しています。
ご覧のように、コーンをドアトリムのスピーカーグリルに接近させるように、バッフルを高く積み上げています。
この内面は、「短いトンネル」のようになっている訳ですが、内径がずっと一緒だと、波動の抜けがわるくなり、コーンの動きのもたつきを誘発しますので、抜けが良くなるよう、奥に行くに従って広くなる「テーパー形状」に加工してあります。
加えて、波動の流れがより円滑なものとなるよう、内面にアルミテープを貼っています。
ちなみに、ドア上部の左半分についているシルバーの横長のパーツはサイドエアバッグ。パイプでつながっているタテのはインフレーターでしょうか。ここまでのドア作業では、バッテリーのマイナス端子を外してはあるんですが、透明な緊張感がそこはかとなく漂います。
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純正位置ツイーター取付
ツイーターは純正位置にトレードイン致します。
トレードインといっても、いわゆるポン付けではありません。
ツイーターユニットの外周を取り囲んでいるリングの外径は5センチ強ありますので、車両側の形状にあわせてパーツをこしらえて設置しています。
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シート後方スペース
ちょっと写真が寄り気味なので、一見してどこかわからない方がいらっしゃるかもですが、これはシートの背もたれの後ろのところです。
助手席の上方の位置から見下ろすように撮っています。
もともと、大した容積のないポケットが左右にあるだけなので、我ながらうまく詰め込んだなぁというレイアウトです(笑)
写真左側(運転席の後ろ側)のポケットにロックフォードの超小型4chアンプ、T400X4ad(税別定価8万円)をインストールしています。後ろの車検証入れの開閉も問題ありません。
ここに、純正デッキからのフロント出力が接続されているわけですね。
写真右側がCerwinVegaのパワードサブウーファーVPAS10(税別定価38,000円)です。
345×245×65mmと薄型コンパクトな筐体に、25センチユニットが詰め込まれているパワフルな製品で、当店ではスペースの制約があるケースで大活躍しています(ポルシェの例) ・(アルファロメオの例)
このウーファーへは、デッキのリヤ信号が接続されています。
なお、このサブウーファーの下には、フロントスピーカーに付属する巨大なネットワーク(スピーカーと同じくらいデカイです!)2つを設置しています。
助手席後ろにサブウーハーがあって隣の人がウルサくないかとの懸念も聞こえてきますが、2人でドライブしている時にそんな音量を出すことはないので大丈夫です♪
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レーダー用音声スピーカー
サブウーファー・アンプに続いて、DIYにはちょっとハードルが高い施工をもう一つご紹介です。
オープンカーの最大の楽しみ=開放感には、もれなく外部ノイズがついてきます。
オーディオはパワーアップできるものの、レーダー探知機の音声が聞こえないという悩みも良く聞きます。
そこで、ヘッドレスト後ろのロールバーに音声スピーカーを埋め込みました♪
使用するスピーカーは、付属のものよりも大型で能率の良いものをチョイスしました。
メーカーオプションと間違ってくれたら嬉しいです(`・ω・´)ゞ
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VPAS10ボリュームコントローラー
運転席膝小僧のセンターコンソール寄りの位置に、パワードサブウーハー付属のコントローラーを設置しました。
サブウーファーにはリヤ出力が直接入力されてますので、デッキのフェダーを前後に振る等の操作でリヤの出力レベル(プリアンプによる増幅レベル)を調節することは可能です。対して、このツマミはサブウーファーに内蔵されたアンプの増幅レベルを調節するものなので、機能は同じですが段階が違います。
アンプ側の出力レベルが低いと、ツマミでの調節の幅は狭くなり、元が大きいと、ちょっとひねっただけでボガーンと変化しまったりという関係になります。
お好きな方をどうぞ。とお伝えしましたが、アナログなつまみのほうがしっくりきちゃいますよねー。 -
作業後期
今回は久々のオープン(ロードスター)でのサウンドアップ事例をご紹介しました。
オープン形状の車はもともと派手ですが、フェアレディZとなると全開ですね。個性豊かなエアロパーツと相まって、向かうところ敵なし!な感じです。
オープンカーというと、空の見える解放感と、風を感じて走れるスピード感が最大のウリですが、車内外を隔てる壁がない分、ハイクオリティオーディオとの両立は困難とお考えになる方は少なくないのではないでしょうか。
確かに、クローズドボディに比べると、音の損失は大きいですし、外部ノイズの問題もあり、必ずしも互角ではありません。
しかしながら、体感上、十分に楽しめる車は作れると思っております。
ポイントは高域・中低域のバランスと、スピーカー駆動の能力にあると考えます。
天井と左右のウインドウによる反射音が期待できない条件になりますので、特に減衰しやすい高域を司るツイーターの出力を若干強めにし、フロントウインドウによる反射を活用しながら音の輪郭をわかりやすくする配慮がまず必要です。
併せて、先行するツイーターとの繋がりを意識しつつ、車外から定常的にやってくる雑音を相殺するように、低域を幾分強めに出すイメージです。
純正オーディオでも高域と低域を持ち上げるだけでも多少は理想に近づけることはできますが、中音域が不足する「中ヌケ」という状態になりがちで、今ひとつ満足できないので、今度は全体のボリュームを上げていくと、バランスが悪いまま増幅されることになり、今度は聴き疲れが著しくなってきます。
これを抜本的に解決するには、ドアスピーカーの十分な活用が必要になってきます。
ツイーターはある程度固定してあれば、所定の性能を発揮しますが、ドアスピーカーはつけ方が悪いときちんとストロークせず、ちゃんと仕事してくれません。
しっかりしたバッフルに載せ、十分なトルクで締めこんであげることで、スピーカーバスケットを安定させ、コーンがリニアにストロークできる条件を整えます。加えて、スピーカーボックスとなるドアの防振・密閉を十分に行います。
これによって、端的に低域が豊かになるのに加えて、スピーカーの性能を発揮する条件が整うことで、よりカタログ値に近い周波数粋の再生が可能になるため、イコライザ等で苦労しなくても、自然にツイーターとつながるようになってきます。
ツイーターとドアスピーカーがそれぞれ「点で鳴っている」状態からユニットがトータルで「面で鳴っている状態に変わるイメージです。
繰り返しになりますが、クローズドボディに比べると、多少歩留まりの悪い話にはなりますが、しっかりした準備とそれなりにパワーがあれば、十分楽しめる車は作れます。
ご興味をお持ちのお客様がいらしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
ご希望とご予算に応じて柔軟に対応させていただきます。