日産 フェアレディZ のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。円安の影響で大きく価格が変わっているものもあります。ご了承ください。>

登録日 2026/10/22-
事例No.951(お問い合わせの際にお伝えください)
model
日産 フェアレディZ
system
メインユニット:純正BOSE
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO UX050pro、 VX Woofer
リアスピーカー:純正
パワーアンプ:純正
ケーブル:純正
comment
2way構成のスピーカー(ダッシュ上ハイレンジ・ドアウーファー)をブルームーンオーディオの製品に交換し、デッドニングでスピーカーの稼働条件を整えた事例です。
純正マルチアンプのクロスポイントが低い場合、DSPをいれてフルレンジを生成する必要がありますが、再生レンジの広いUX050proを使うことで、スピーカー交換のみで乗り切れました。
日産・フェアレディZ(RZ34型)の事例紹介です。
フェアレディZは、GT-Rと並んで日産を象徴するスポーツカーであり、日本のみならず北米をはじめとする世界市場で半世紀以上にわたり支持されてきたモデルです。
その系譜は、1969年に登場した初代S30型から始まります。ロングノーズ・ショートデッキの美しいスタイリングと高い動力性能、そして優れたコストパフォーマンスによって北米で「DATSUN Z」として社会現象的なヒットを記録しました。以後、以下のように世代を重ねてきました。
初代:S30型(1969年 - 1978年)
2代目:S130型(1978年 - 1983年)
3代目:Z31型(1983年 - 1989年)
4代目:Z32型(1989年 - 2000年)
── 2年間の空白 ──
5代目:Z33型(2002年 - 2008年)
6代目:Z34型(2008年 - 2021年)
7代目:RZ34型(2022年 - 現行)
今回ご紹介する「RZ34型」は、2008年登場の先代Z34型から数えて実に14年ぶりのフルモデルチェンジとして2022年に登場した最新世代です。
スタイリング面では歴代モデルへのオマージュが色濃く反映されており、S30型を彷彿とさせるヘッドライト形状やシルエット、Z32型をモチーフとしたLEDリアコンビネーションランプなど、伝統的な要素を巧みに現代のデザインへと昇華させています。
スペック上の大きなトピックは、パワーユニットの刷新です。長年続いた自然吸気(NA)の3.7L V6「VQ37VHR」型から、スカイライン400R等で実績のある3.0L V6ツインターボ「VR30DDTT」型へと換装。最高出力405ps・最大トルク475N・m(48.4kgf・m)という大幅な出力向上を果たしました。
さらに、電動化やAT化が進む現代のスポーツカー事情において、新開発の9速ATだけでなく、電子制御の回転数同期機能(シンクロレブコントロール)を備えた6速マニュアルトランスミッション(6MT)が設定されている点も、純粋な内燃機関スポーツカーとして高い評価を集める大きな要因となっています。
今回お迎えした車両はが眩しい最新のZです。
この車のオーディオシステムは、4スピーカーの標準オーディオに加えて、8スピーカーのBOSEサウンドシステムが選べるようになっています。
オーナー様はBOSEを選択されたのですが、ご満足いただけていないようで、当店にお問合せいただくこととなりました。
まず、それぞれのスピーカー構成をおさらいした上で、課題と改善策の説明をいたします。
標準オーディオは上述のとおり4スピーカーで、
(1)ハイレンジユニットとしてダッシュボード上のスコーカー(5cm径)
(2)ローレンジとしてドアスピーカー(16.5mm)
となっています。
ハイレンジは高域専用の「ツイーター」ではなくて、少し中音域側に軸足をおいたフルレンジの「スコーカー」としているのが特徴です。
一方、BOSEの方は
(1)ダッシュボード上のスコーカー(5cm径)
(2)ドアに楕円形のスピーカー(15.2×22.8cm)
(3)リヤサイドにリヤスコーカー(7.6cm径)
(4)ラゲッジルーム内(スペアタイヤスペース)にサブウーファー(ダブルボイスコイルなので2chで計上)
以上の構成になっています。
なお、BOSEの方はマルチアンプが組まれていて、(1)向けに比較的低い帯域から始まる高音域を、(2)に同じく低めの帯域以下の低音域を割り当てるようにクロスオーバー設定されていました。一般的な2wayスピーカーに対して、クロスポイントが低めになっているということです。
ここで改めて気づくのは、やはりツイーターがないので、キリリとした音の輪郭の描写がいまひとつという点ですね。ハイレンジに小径のフルレンジを使うのは、イマドキといえばイマドキなので、特に評価も批判もできないのですが、純正スピーカークラスのスペックの小径スピーカーでは、どうしてもキリっとしません。
サウンドを総合的に見てみると、ヘビーベースで満たされた、アンビエントな没入感のある音はBOSEサウンドそのものなので、「看板に偽りなし」です。また、どちらの座席に座っても同じように音に包まれるので、量産車のオーディオシステムとして及第点であることは間違いありません。
ただ、音像の輪郭がはっきりした、ハイファイ的な音を良しとする方にとっては、ちょっと柔らかすぎるように捉えられるかもしれません。
こういった分析を踏まえて、以下のように考察しました。
(1)一般的な2wayスピーカー(ツイーター+ウーファー)への換装が第一選択肢、ツイーターを加えた3way化が第二選択肢だが、純正のマルチアンプを引き続き使うため、帯域分割された2way信号を前提にせざるを得ない。
(2)(フルレンジ信号を合成できる)DSPアンプの投入までの予算はかけない。
(3)ハイレンジスピーカーとして(より低い)中音域までカバーできるハイエンドユニットを起用し、ウーファーの換装も行い、純正アンプの信号に忠実なハイレンジ/ウーファーのすり合わせを実現する。
こういった考察と前後して、オーナー様にはデモボードでの試聴をお願いし、お好みの音の傾向を探らせていただいたところ、BLUE MOON AUDIOを気に入っていただけたため、ハイレンジ用として、50ミリ口径のUX050pro(税込59,400円)を、ウーファー用として、2wayセット商品のVX165(税込154,000円)のウーファー単体商品であるVX Woofer(税込85,800円)を組み合わせて使用することに決まりました。
インストールにあたっては、ドアウーファーをMDF製カスタムバッフルにて強固に取り付け、デッドニングによってドアを理想的なエンクロージャーに仕立てることで、スピーカーの稼働条件を整えました。
ハイレンジスピーカーのインストールは、ダッシュボード両端の純正ハイレンジの位置でのトレードインとすることで、純正の見た目を維持しつつも、UX050proの正面についている防護用のパンチンググリルを取り除くことで、音質を劣化させる要素を減らすよう配慮しました。
以上を持って、新しいフェアレディZのサウンドアップが実現しました。
上述の通り、DSPアンプを入れれば、2way/3wayのいずれも自在に組めますが、コストを抑えたトレードインベースでのサウンドアップとしては、許容レンジの大きなハイレンジスピーカーを組み合わせる今回の方法がベストなのではないかと思います。
(標準オーディオの場合は、フルレンジ出力なので、DSPナシで一般的な2wayスピーカーへの換装が可能です)
今回の予算は4スピーカーの代金とデッドニング、インストールの工賃を合計して、税込245,300円で収まりました。
それではインストール工程の様子をごらんになってください♪
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フロントドア


フロントドアの外観です。
これまた鮮烈な赤黒ですね。スポーツの王道カラー!Zに最高にマッチしてますね!
フロントドアへのスピーカー配置は、定位置の右下です。
レイアウトはちょっとユニークで、ドア前方に方に寄せて配置され、垂直なラインで区切られた手前(左側)側はドリンクホルダーのために確保されています。
スピーカーグリルの下側には、「BOSE」のエンブレムが光っています。
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ドアトリム取り外し


ドアトリムを外したところです。
インナーパネル中央のちょっと色違いの部分は、サービスホールを塞ぐための別パネルです。
この見た目でお察しいただけると思いますが、サービス「ホール」というには巨大な穴で、パネル中央に大きな開口部が設けられています。
こういった構造ですし、フタのパネルには一定の重量のあるウインドウモーターなどのパーツをレイアウトする(通称モジュールパネル)都合もあってか、パネルは金属素材で出来ています。
エンクロージャー(スピーカーボックス)として捉えた場合、ハコの強度は高いですし、ドア容積の収縮・伸展もしにくいのでアドバンテージ大といえます。
このパネルには、ドア内の圧力を監視するエアバッグセンサーが付いているので、このパネルを外す場合は、バッテリーのマイナスを外して作業します。
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アウターパネル作業


アウターパネル側の作業が終わったところです。
上述のモジュールパネルを取り外して、アウターパネルの内側をキレイに清掃し、短冊状にカットした防振材を貼っていきます。
写真をご覧いただくとおわかりのように、モジュールパネルには、ドア内の機構のほとんどが取り付けられているので、作業中のドア側には窓ガラスが残っていませんね。
多くのモジュールパネル形式のドアの場合、このようにガラスを取り外す必要があるのですが、ガラスの周囲の枠(サッシ)の有無によって、作業の手間が大きく変わります。
Zのような多くのスポーツクーペの場合、窓枠がない「サッシレス」形式です。従って、窓ガラスの行き止まりとなる枠がないため、締め切った位置がどこなのか、複数の目印を活用するなどして、正確に把握する必要があるのです。
まぁ、このような気遣いは必要なものの、一旦パネルを外してしまえば、ドア内に何も残らないので、デッドニングの作業性はこの上なくよいですね♪
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インナーパネル側の作業が終わったところです。
モジュールパネルを付け戻しつつ、窓ガラスも組み上げたら、インナーパネル側を全面貼りで覆っていきます。
スピーカーバッフル部は、純正スピーカーの枠となる樹脂製のブラケットを流用しつつ、バッフル面(トップ部分)にMDFで制作したバッフルボードを固定して、土台をしっかりさせてから、ウーファーユニットを取り付けています。
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ハイレンジスピーカー(施工前)


純正のハイレンジスピーカーです。
ダッシュボードの両サイドにあります。
改めて注意深く音を聞いてみても、高域は出ていない感じがします。
BOSEのサウンドシステムでは、(今回の事例と違って)ツイーターが設置されているタイプであっても、高域が出ていないように感じるほど、高域成分が欠落していることが多いです。
当店へのお問い合わせでも、「こもっている」という表現にて、不満を訴える方が少なくありません。
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ハイレンジスピーカー(施工後)


ユニット交換後の様子です。
冒頭でご案内しましたように、BLUE MOON AUDIOのハイエンド・ハイレンジユニットUX050proをに交換しました。
取り付け自体は、ご覧のようにバッフルを作って固定するだけですので。難しいことはありません。
ただ、この上から純正のスピーカーグリルと取り付けることになり、手で触れて破損させる可能性はなくなるので、製品についている防護用のパンチンググリルは過分ですし、音質の劣化の一因にもなりますので、取り外しておきました。
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作業後記


今回はフェアレディZ(RZ34型)のサウンドアップ事例を御覧いただきました。
オプションのプレミアムオーディオのスピーカー交換の事例をご紹介する際、繰り返しお伝えすることなのですが、BOSEにしろ、マークレビンソンにしろ、ブランドの知名度の高さから事前の期待値が高くなりがちで、その反動として「期待したほどでもないのかな?」というオチを迎えやすい宿命を背負っていると思います。
特にBOSEは(1)独特の低域強調+(2)ゆるい音の焦点・アンビエントなサラウンド感が特徴で、キリリとした音像(ステージング)が前提となるハイファイオーディオ嗜好の方には、あまりウケがよくないようです。
また、本文中でも触れましたように、マス層に幅広く受け入れられるためには、どの席で聴いてもそこそこの聴感が味わえるように作り込む必要があるので、中庸な音作りにならざるを得ません。
また、車にとってオーディオはあくまでもオマケであり、組み立て工程の大幅なコスト上昇要因となるデッドニングは考えてくれてませんので、肝心のスピーカーの性能の多くを引き出すことが出来ず、(プレミアムオーディオに限らず)多くのオーディオファンが納得できるような情報量と量感をもった音を期待するのは無理があるとも思います。(これはオーディオ屋のポジショントークかもしれませんが)
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こういった事情を抱える純正オーディオ/プレミアムオーディオですが、セオリー通りの手をかけてあげれば、多くのオーディオファンに受け入れていただける音に引き上げることは十分に可能です。
まずは(1)エンクロージャーの整備とスピーカー交換による「音の出口の整備」がファーストステップで、(2)DSPによる精密な信号マネージメントはその次ですね。
今回は、前者の(1)の事例だったわけですが、フロント周りの4スピーカー交換と、デッドニングによるスピーカーの稼働条件の整備によって、情報量の拡大と音像のバランスの改善が図れたと感じます。
今回の新型Zを含む、BOSE等プレミアムオーディオちょっとしっくり来ていない方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声掛けください。ご希望と予算に応じた音質改善のお手伝いをさせていただきます。
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