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ポルシェ GT3 RSのオーディオインストール事例

サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。 当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。円安の影響で大きく価格が変わっているものもあります。ご了承ください。>


  • 登録日 2025/09/19

  • 事例No.896(お問い合わせの際にお伝えください)

    model

    ポルシェ GT3 RS

    system

    メインユニット:PCM
    デッドニング:フロント、バッフル・スタビライザー・ウエイト
    フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO VX165 ActiveCX100S
    センター:なし
    リアスピーカー:なし
    サブウーファー:なし
    プロセッサーアンプ:audison AF M8.14 bit
    ケーブル:audiotechnica

    comment

    フロント3wayのスピーカーをBLUE MOON AUDIO製ユニット交換し、audisonのDSPアンプで駆動するプランです。
    サブウーファーなしで低音域を充実させるために、ウーファー(ドアスピーカー)にバッフル・スタビライザー・ウエイトを追加して低域を伸ばしました。

  • ダッシュボード


ポルシェ911GT3 RSの紹介です。

ランボルギーニ・フェラーリと並ぶ問答無用のスーパースポーツカーです。
ポルシェ911は1964年に産声を上げ、1997年の993型まで一貫して空冷エンジンを搭載。水冷式に切り替わった1997年の996から997 (2004年)、991 (2011年)、992 (2018年)と年輪を重ねてきました。

GTというのは5代目(996の1997年から)、それまでのカレラに変わる最強モデルの称号として登場し、NAモデルがGT3、ツインターボモデルがGT2と呼び分けられ、さらにスポーツ性能を高めたモデルがGT3 RS/GT2 RS(997型から)となっています。

今回ご登場のGT3 RSは992型(2022年)です。
NAの4000ccで510馬力を発生する水平対向エンジンを、ポルシェ伝統のRR方式で搭載し、より空力性能を高めたエクステリアに変更されています。
発売当時の新車が3134万円-、オプションこみの最新で4000万円台中盤と、高いんだか安いんだか判定義不能( ゚д゚)の値段のクルマです。
こんな激しい車ですが、歴代モデルはポツポツご入庫いただいているクルマでして、当インストールギャラリーでも、今回を含めて6台のエントリーがあります。


今回のマシンは、ド派手なダクト付きボンネットが印象的なGT3 RSです。

新車でご購入されたそうですが、とにかく音が悪いので何とかしてほしい・・とのことでした。
911然り、GT2/GT3然り、エンジンの音の大きな車ですし、扁平幅広タイヤでロードノイズも大きいので、基本的にオーディオリスニングには不利な車ではありますが、この車が"特別"音が悪いと評されるには訳があります。

それは、ドアの筐体がそっくりカーボン (CFRP)で出来ていて、異様に軽いからなんですね。
どっしり重い素材でできてこそスピーカーボックスと、軽くて薄い素材でできたものを比較して、どちらが音がよさそうか?と考えていただければイメージできると思います。後者は低音量でも簡単に音が響いて共振しますので、高音・低音の損失が大きく、中音域偏重のラジオのような音になってしまいます。また、当然ながらロードノイズを含む外来ノイズは入り放題ですので、ハンデの大きな条件が揃っているわけです。

こんな悪条件でも、なんとかやりようはあります!ということで、当店得意のポルシェサウンドアッププログラムをベースとした、以下のパッケージをご提案しました。
(1)フロント3wayスピーカーを高性能な社外品に交換
(2)ドア筐体(インナーパネル/アウターパネル)とドアトリムにデッドニング施工
(3)サブウーファーなしでも低音域を伸ばすために、ドアスピーカー部にバッフル・スタビライザー・ウエイトを取り付け
(4)ハイパワーなDSPアンプaudison AF M8.14 bitを取り付け

以下が組み込みコンポーネントの紹介です。

〇DSPアンプ
audisonのAF M8.14 bit(税込231,000円)です。

現在のaudisonのDSPのバリエーションは以下のようになっています。
DSPの性能としては、同じ型のCPUを使っている点、24 bit/192 kHzまで対応している点は同一で、違いはプロセシングch数と、内蔵アンプのch数です。
型番に含まれているピリオドの前の数字がアンプのch数を、後の数字がプロセシングch数を表しています。
AF M12.14 bit(60W×12ch)税込253,000円
AF M8.14 bit(90W×8ch)税込231,000円
AF M5.11 bit(100W×4ch+400W×1ch)税込198,000円
AF C8.14bit(65W×8ch)税込143,000円
AF C4.10 bit(90W×4ch)税込143000円

組みたいシステムのch数に対して、アンプのch数は同数あれば足りるわけですが、アンプのch数よりプロセシングch数が大きい製品を選んでおくと、後々のシステムアップ(制御対象スピーカーを増やす)の際、外部アンプを買い足すことで、多チャンネル化を進めることができます。
なお、数字の前のMとCはアンプの総合出力の大きさに違いがあり、筐体の大きさが異なります。Mが240mm×16mm×47mm、Cのほうは200mm×134mm×47mmとコンパクトです。

当店では、インストールのスペースが小さくて済む点と、現実的に必要なアンプのch数、そして価格の点からAF C8.14bitをお勧めする機会が多いですが、今回はアンプの出力の大きなMの方をお選びいただきました。

入出力のアサインとしては、純正オーディオ(PCM)のフロントステレオ出力2chを入力し、出力側は、フロント3wayスピーカー(ダッシュボード上のツイーター、ドア中央のスコーカー、ドア下部のウーファー)の6chを出力しています。
なお、内蔵アンプには8ch分が装備されていますので、ウーファー用にブリッジ接続(二つのアンプを一つに連結)することで、全てのアンプを使い切っています。

〇スピーカー
BLUE MOON AUDIO製品で揃えました。
今回の交換対象となるフロント3wayを以下の2つの商品で組み合わせました。
VX165 Active(ツイーターとウーファー・ネットワーク無しモデル)
CX100S(中音域のスコーカー用)

当店での多くのポルシェの事例では、BLUE MOON AUDIOを使う場合のスコーカー用ユニットとして、直径8センチのMX080を使うのが通例なのですが、今回はパワードサブウーファーなしで低音域を稼ぐために、一回り口径の大きな10センチユニットを使うことにしました。

接続については、DSPの説明でも触れました通り、DSPアンプからそれぞれ個別に接続(マルチ接続)します。


〇デッドニング関係の秘密兵器
ドアのウーファー/スコーカーの取り付けにあたっては、MDFでのオリジナルバッフルを制作・固定し、ドアパネル(アウター/インナー)とドアトリムに対して、制振力の強いデッドニング・グレードで防振加工を行いました。

これは、スピーカー取り付けの土台を整え、ドアをエンクロージャー化(=スピーカーボックス化)するためのスタンダードな手段ですが、今回はスピーカーの稼働条件のさらなる改善(と低音域の確保)のために、バッフル・スタビライザー・ウエイトも取り付けました。

これはスピーカーバッフルの裏側(ドアの中)に取り付けるウエイトで、スピーカーの振動板が動作する際、その反動によってスピーカーバスケットが逆方向にブレて、振動板の振幅の一部が相殺されてしまう現象を防ぐことを目的としています。
一つ320グラム程度のウエイトを、3つあるいは4つ、スピーカーバッフルの固定ボルトに共締めし、スピーカー周辺の質量を増加させることで、振動板の動作により生じていた反動を吸収し、振動板の安定した動作を可能にします。

全帯域の基調を決める低音域の規律がキチッと整うことで、低域は伸び、中高音域のディテールがきれいに表現され、音場は広くなり、音像がクリアにまとまるといった目覚ましい効果が得られます。

以上をもって、ポルシェGT3 RSのサウンドアップが実現しました。

予算的には、ポルシェ・サウンドアッププログラムでの3wayスピーカー交換・DSPアンプ搭載の標準プランでは、ざっと60万円弱のプランですが、今回は●スコーカー用スピーカーユニットと、DSPアンプのアップグレードと、●スピーカーの振動を効果的に抑制するデバイスであるバッフル・スタビライザー・ウエイトの組み込みを加算して、税込み748,000円の予算となりました。

納車の際は、「スゴイ!」「スゴイ!」と連発していただいたので嬉しかったです(^O^)
それでは施工の様子をどうぞご覧になってください♪

  • フロントドア

    フロントドアの外観です。

    モデルチェンジを重ねるごとに洗練されてきて、911空冷時代のアクの強さが抜けてきてますが、言い知れぬ迫力は健在です。

    ドア上端・前方に飛び出しているPPテープのようなのがドアオープナーです。
    引っ張って開けるようになっています。

    スピーカーレイアウトは、ドアハンドルの左奥に中音域のスコーカー、ドア右下のネット付きポケットの奥に低音域のウーファーがあり、高音域担当のツイーターはダッシュボードです。

  • ドアトリム取り外し

    ドアトリムを外したところです。

    992型から、ドアに設置されていたエアバッグインフレーターは無くなっています。
    GT3 RSだからということでなく、以前施工した911もエアバッグインフレーターはありませんでした。

    サービスホールは、大きな樹脂パネルでフタされています。
    ドアウーファーは、20cmサイズで変更なしです。

    インナーパネルの塗装されていない黒い部分にご注目ください。
    なんとなくウネウネして、織目のようなテクスチュアが見えると思います。上述のとおり、ドアパネルがカーボンで出来ているのです。ノックするとコンコンというより、カンカンに近い軽い音がします。

  • アウターパネル作業

    アウターパネル側の作業が終わったところです。

    インナーパネルのフタを外して、インナー/アウター両面の清掃、脱脂を行い、防振材を配置します。
    この写真だと明白ですが、インナー/アウターの両方とも、カーボンパネルで成形されていますね。
    アウターパネルの内側に貼ってある品質管理シールを拡大すると・・・「TEIJIN」の社名ロゴが見えます。(帝人は東レ、三菱ケミカルと並んで日系炭素繊維メーカーの上位だそうです)


  • バッフル・スタビライザー・ウエイト取り付け


デッドニング分野の新兵器バッフル・スタビライザー・ウエイトを取り付けました。

プランニングの当初は、低音域確保のためにパワードサブウーファーを取り付ける案があったのですが、見た目を変えたくないのでできれば避けたい・・とのご意向で見送ることにしました。そうなると、このエンジン、この(響きやすい)軽量ドア、軽量ボディに抗う代替案を考えなければなりません。。

ということで、「バッフル・スタビライザーウエイト」の出番です。
このパーツは、スピーカーバッフルの固定ボルトと共締めする方法で固定するウエイトです。
今回は片側4つづつ付けましたので、約1.2kgほどの重さになります。

これを取り付けることで、スピーカーの振動板が前後に動作する際に、スピーカーバスケットに対して生じる反対方向の動き(反動)を大幅に低減させることができるため、これまで反動で相殺・消失していた高音域・低音域がきちんと再生されるようになります。
この消失分は想像以上に大きく、17センチクラスのウーファー特に低音域はかなり深く伸びるようになるので、「もうちょっと低音域が欲しいな」程度のニーズであれば、サブウーファーなしでもコレだけで十分行ける♪との反応も頂戴しています。

また、最低音が低くなるということは、その分、倍音成分も大きくなるということになり、高音域の伸びをサポート作用も生まれます。
ウーファー(ドアスピーカー)本来のパフォーマンスを引き出し、システム全体の音質を格上げしたい方にはお勧めのパーツです。

  • インナーパネル作業

    インナーパネル側の作業が終わったところです。

    アウターパネルの作業が終わったら、スピーカーホール部にバッフルとスピーカーを固定したら、防振材で全面を覆います。
    一般的な車だと、ウーファー径が17センチほどなのに対して、ポルシェは20センチと大径なので、当然ながらスピーカーホールもその分大きいわけです。カスタム製作するバッフルもそれだけ大径になりますので、写真のとおり、スピーカーの直径より二周りくらい大きくなっていますね。

    バッフルが大きい分、どっしりと重量も増しますので、ウーファー筐体の振動(主に前後方向のブレ)が起きにくくなります。その結果、音を作っている振動板の動きが相殺される現象が抑えられるので、全帯域に渡って音のディテールがオリジナルに近い状態で再生されるようになるという因果が成り立ちます。
    こういった特性を自然体で獲得できるので、ポルシェのスピーカー交換は結構お得だと思います。
    この「素性の良さ」に加えて、バッフル・スタビライザー・ウエイトで振動を抑制するので、正に鬼に金棒状態です。

  • ドアトリム裏側

    ドアトリムの裏側の様子です。

    一時期、ドアパネル側に設置されていたスコーカー(中音域ユニット)は、ドアトリム側に戻っています。
    ですので、ドアトリム裏も防振することになります。

  • スコーカー取り付け

    スコーカーを取り付けてドアトリムをデッドニングしました。

    流石ポルシェというのか、造りはしっかりしており、重量感もそこそこあるのですが、ノックしてみると共振の発生を感じます。
    振動を与えた際に、振幅が大きくなりやすい平らな場所(太鼓みたいな感じ)や、複雑な形をしていても、材料が薄めで軽い所に防振材を貼り、重みを与えてやることで、共振を抑制します。

  • 純正ツイーター

    純正ツイーターユニットの様子です。

    ウインドウとAピラーとの位置関係からお分かりのように、ダッシュ両サイドに設置されています。
    ユニットそのものは歴代の911に採用されている製品と同じで、だいぶ小粒です。

  • 純正位置ツイーター入れ替え

    ツイーター入れ替え後の様子です。

    BLUE MOON AUDIOのVX Tweeterはアルミ製のハウジングに収まっており、そこそこの大きさなのですが、上手に分解すると、中のユニットだけ取り出すことができるので、ポルシェのような窮屈な条件でも入れ替えが可能になります。

  • DSPアンプ設置

    DSPアンプの設置状況です。

    場所は助手席側のフロアの下です。
    写真のようにカーペットをめくると、黒い発泡スチロールが見えます。これを取り外すと、フロアに設けられているには10センチほどの深さのくぼみが現れます。ここはプレミアムオーディオ仕様車のセパレートアンプを設置するために設けられているスペースですので、ここをDSPアンプのインストールスペースとして活用させていただきます。

    写真のように、DSPがすっぽり入る程度を切り取って場所を作り、ベースボードを敷いてから、DSPアンプを設置しました。

  • 純正バッテリー(軽量・極小)

    最後はおまけ映像です。
    軽量化目的で、バッテリーもかなり小さくしてあります。
    一般的な車載バッテリーの半分程度の大きさで、ドライバッテリーのようでした。

    あと、911、GT3ではラゲッジスペースのはずのボンネットフード下スペースは、電動ファン付きのラジエターに占有されていました。
    恐らくRSだからなんだろうと解釈しています。
    ちなみに、ここからの排気はボンネットフード前方に設けられたダクトから排出される構造になっています。

    常識的な車とはいろいろ変わっていて面白いですね。

  • 作業後記

    ポルシェ・GT3 RSのサウンドアップの事例をご覧いただきました。

    GT3を含む911系のサウンドアップメニューの定番は「フロント3way交換+DSPアンプ投入」で、お好みでパワードサブウーファというところですが、今回は以下の点が特徴的でした。
    (1)サブウーファーなしで低音域を充実させるために、ドアスピーカー(ウーファー)部にバッフル・スタビライザー・ウエイトを取り付け
    (2)上記(1)と同じ目的で、スコーカー(ミッドレンジ)に10センチユニットを使用
    (3)DSPアンプを定番のaudison AF C8.14bitAF M8.14 bitにアップグレードして出力アップ

    金額的には70万円台中盤と、それなりの値段になりましたが、オーナー様にはだいぶご満足いただけたようでなによりです。

    当店は、911を含むポルシェ車全般にオーディオをお任せいただく機会が多かったため、オーナー様方のご注文の傾向から、 911ボクスター/ケイマンパナメーラカイエンマカンといったポルシェの各モデルに向けた専用パッケージプランを開発し、ご提供しています。

    今回のGT3については、911向けの同世代車のプランを適用可能です。
    フロントスピーカー交換のみから、DSPアンプ追加、パワードサブウーファー追加といった主要項目の他、世代・仕様によって、2DINナビ追加、リアスピーカー追加と、要素を段階的に増やしたプランを多数ご紹介しています。

    また、今回のDSPアンプのグレードアップや、バッフル・スタビライザー・ウエイトの追加のように、各プランに対するカスタマイズも制限なく可能です。ご希望とご予算に応じて、ご検討ください♪

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