ポルシェ ボクスター 718(982)のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。円安の影響で大きく価格が変わっているものもあります。ご了承ください。>
登録日 2025/08/14-
事例No.891(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ポルシェ ボクスター 718(982)
system
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO VX165 Active、MX080
センター:なし
リアスピーカー:BLUE MOON AUDIO MX080、EX Tweeter
サブウーファー:BLAM MSA 25P
プロセッサーアンプ:audison AF C8.14bit
ケーブル:audiotechnica
comment
フロント3wayスピーカーとリヤ2wayスピーカーを交換し、パワードサブウーファーを加えて、DSPアンプで駆動するフルマルチプランです。
量感の表現が得意なバスレフ型パワードサブウーファーを加えたことで、オープンカーのハンデを克服した好例と言える事例です。
ポルシェ・ボクスターの事例紹介です。
ボクスターはポルシェ初のロードスターモデルとして、1996年に発売されました。
初期型は986型と呼ばれ、水平対向6気筒のエンジン形式、ミッドシップレイアウトの形式をとり、屋根は幌(ほろ)屋根が電動で開閉するコンバーチブルになっています。
その後、2代目987型(2004-2012年)、3代目981型(2012-2016年)とモデルチェンジを重ね、4代目982型(2016年-)が現行モデルとなります。
4代目に切り替わるモデルチェンジに際して、エンジン型式が従来の水平対向6気筒から、水平対向4気筒ターボに変更されています。
4気筒へのダウンサイジングは時代の要請という側面もあったと思われますが、この変化を、「軽量・高効率で俊敏なスポーツカー」というポルシェの伝統の継承と位置付けるため、1950-1960年代に活躍した伝説的レーシングカー「ポルシェ718」の名を冠したとされています。
当時の ポルシェ718は、軽量なボディ(570-600kg)と小排気量(1.5・1.6・2.0L)ながら高性能なエンジンを武器に、耐久レースやヒルクライムで数々の勝利を収めました。現代の718ボクスターも「軽量・俊敏・効率的」というその精神を受け継いでいることをアピールする狙いがあるようです。
718には、7速PDK(ポルシェ ドッペルクップルング)と呼ばれるデュアルクラッチトランスミッションが搭載されており、ティプトロニックS機能も含まれています。
これは、一般的に連想されるトルクコンバーターを使用したオートマチックではなく、「コンピューター制御でクラッチを操作する2ペダルのマニュアルトランスミッション」というのが正しいのかもしれません。
ドライビングプレジャーが欲しい場合は、6速MTが楽しめそうですが、ガチでタイムを狙うのであれば、シフトミスが無いPDK一択かもしれませんね。
今回ご登場いただくのは、718ボクスターです。
オーナー様は外国籍のお客様で、当店の英語版サイトにて、ポルシェ車向けサウンドアッププランである ポルシェ・サウンドアッププログラムを見つけていただき、ご連絡いただきました。
当プログラムでは、フロント3wayのスピーカー交換、リアスピーカー交換、サブウーファー追加、DSPアンプ追加と、ご予算に応じて追加していただける構成をとっております。
お客様より、当初伺ったご意向では、フロントスピーカー交換を前提として、DSPアンプの追加もアリかなーという位の感覚だったようですが、プラン検討を重ねるうちに・・・
〇フロント3wayスピーカー交換
〇リヤ2wayスピーカー追加(標準では装備されていません)
〇DSPアンプ搭載
〇パワードサブウーファー搭載
・・・と、インストールスペースに制限のあるボクスターとしては、フルオーディオと呼べる水準のシステムに駆け上がりました♪
以下がコンポーネント紹介です。
〇ヘッドユニットとDSPアンプ
お預かり車両は標準オーディオ車のため、セパレートアンプ付きのPCCMではなく、フロント出力のみのディスプレイオーディオが装備されています。
このフロント・ステレオ出力をaudisonのDSPアンプ・AF C8.14bit(税込143,000円)に入力します。
以下が当投稿時点のaudisonのDSPアンプのバリエーションで・・・
・AF M12.14 bit(60W×12ch)税込253,000円
・AF M8.14 bit(90W×8ch)税込231,000円
・AF M5.11 bit(100W×4ch+400W×1ch)税込198,000円
・AF C8.14bit(65W×8ch)税込143,000円←(コレ)
・AF C4.10 bit(90W×4ch)税込143000円
これらのうち、
(1)最大14chまでのプロセシング対応力
(2)標準的なスピーカー数に対応できる8つの内蔵アンプ数
(3)コンパクト(200mm×134mm×47mm)な取り付け性の高さ
(4)価格
・・・・の点でコスパがよいため、お客様にお勧めする機会が多いモデルです。
今回は純正アンプの2ch(フロント左右)を入力し、出力側はツイーター(左右2ch)+スコーカー(左右2ch)+ウーファー(左右2ch)+リヤスピーカー(左右2ch)=8ch分を内蔵アンプで駆動し、プリアウト出力1chによってパワードサブウーファーを制御しています。
〇スピーカー
BLUE MOON AUDIO製品で揃えました。
・フロント3way用として
VX165Active(ツイーターとウーファー・ネットワーク無しモデル)
MX080(中音域のスコーカー用)
・リヤ用として
EX165のツイーター
MX080(ウーファーとして)
EX165のネットワーク
・・・以上の製品を使いました。
DSPの説明でも触れました通り、フロントの3way分のユニットについては、DSPアンプからそれぞれ個別に接続します。
リヤスピーカーについては、2way分のユニットをEX165用のパッシブネットワークで1系統に集約して、DSPと繋いでいます。
ユニットのインストールに当たって、ドアがスピーカーボックスとして機能するように、デッドニングによる本格的な防振を施してあります。
ツイーターは、窮屈な純正ツイーターのスペースに収まるように、カスタム治具を使って製品の防護ネット部分を取り外してきれいに取り付けています。
リヤスピーカーについても、純正の2wayブラケットにウーファーとツイーターが収まるように、適宜加工してフィッティングしました。
〇パワードサブウーファー
BLAMのMSA 25P(税込77,000円)を使いました。
BLAMのパワードはMSA 25P(25センチ・180W)、MSP25P(25センチ・125W)、MSA20(20センチ・120W)の3タイプあり、今回のは最も強いやつです。
当店でパワードサブウーファーをお勧めする際、今回のMSA 25P、KICKERのHS10(25センチ・180W・106,700円)の他、目的によってはcarrozzeriaのTS-WH1000A(21cm×8cm×2基・200W(最大)・オープン)を含めた合計3つあたりが候補になるのですが、今回のMSA 25Pは鳴りっぷり、口径、出力、重さ、価格の点でバランスがよい製品だと思います。
以上を持って、ポルシェ・718ボクスターのフルオーディオが完成しました。
フロント3wayスピーカー、ならびにリヤ2wayスピーカーを社外品に交換し、シートバックにパワードサブウーファーを搭載し、DSPアンプでフルにマルチ制御するフルオーディオシステムが、外観の変更なしに実現できているのは、大変に価値があると思います。
サウンドも当然素晴らしく、屋根オープンでプレイしても、外来ノイズが気にならないパワフルなサウンドが楽しめます♪
予算的には、全ユニットとインストール費用を含めて、税込731,500円であがりました。
当初のフロント3way交換のご意向の段階からすると倍ほどの額に膨らみましたが、オーナー様はサウンドのレベルと、問い合わせ-システム検討-施工-納車までの完全に英語での接客にもご満足いただけたようで、大変お喜びでした(^O^)
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フロントドア
フロントドアの外観です。
ドアの右下に見えるメッシュ部分がスピーカーグリルです。
グリップ裏辺りが中音域のスコーカー、右半分のエリアに直径20cmのウーファーが設置されています。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
ドアの大きさとほとんど同じ位の大きな大きなインナーパネルが取り付けられています。
パネルは樹脂製で、911等の金属製に比べると脆弱ですので、しっかりとデッドニングしてやる必要がありますね。
右側に見える低音用のウーファーは20cmもあります。
今回は直径165ミリのウーファーを取り付けますが、市販の18センチ・20センチといった大口径ウーファーを取り付けることも可能です。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
サービスホールを塞いでいる鉄板の取り外しに先立って、バッテリのマイナスを外し、エアバッグのインフレーターを取り外す必要があります。
鉄板にパワーウィンドウのモーターが付いているのですが、ギアとレールはドア内部に残る構造になっています。
アウターパネルを清掃、脱脂したら、短冊状にカットした防振材を貼っていきます。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
樹脂製のインナーパネルを戻し、MDFで制作したバッフルを取り付けて、ケーブル結線&スピーカー固定と進み、最後にデッドニングです。
スピーカーバッフルは、20センチもある純正スピーカーのスピーカーホールをふさぐ必要があるため、直径が大きいですね。当然ながら質量も大きく、スピーカーバスケットの微細な振動を吸収する効果があるため、音質向上に大きく寄与しています。
今回、DSPアンプを使用してフロントドアをマルチで鳴らすので、各スピーカーに独立したスピーカー線が必要になるのですが、ポルシェ車でドアに2つの(帯域の)スピーカーが装備されているモデルについては、全グレードにおいて、純正の段階で配線が独立していますので、DSPによるマルチ化に無駄なく移行できます。
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純正ツイーター
純正ツイーターの様子です。
ダッシュボード両端にある、エアコン送風口のカバーを外すとツイーターが現れます。
ユニットの直径は20ミリほどで、笹型の開口部の幅(=ツイーターグリルの幅)も余裕がないので、取り付けられるツイーターには制限があります。
今のところ、今回起用したブルームーンオーディオのVXTweeterの他、BLAM(フランス)の一部、HELIX(ドイツ)の一部が適合すると判断しています。
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ツイーター交換
BLUE MOON AUDIO VX165のツイーターを取り付けたところです。
製品自体は、キレイなアルミ製ハウジングに封入されているのですが、こういった狭小スペースへのインストール場面に備えて、ケースを取り外すための治具をカスタム製作しておりますので、中のユニットを安全に無傷で取り出すことができます。
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リアスピーカー・・・
リアスピーカー設置場所です。
ただし、標準オーディオの場合、リヤスピーカーが省かれており、ダミーのスピーカーグリルでフタしてあります。
(写真はグリルを外した状態です)
写真を見るとお分かりのように、スピーカーブラケットには穴が2つ開いており、ウーファーとツイーターの2way構成になっています。
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リアスピーカー追加
ユニット不在のスピーカーブラケットに2wayスピーカーを取り付けたところです。
ピュアオーディオの観点から言えば、必ずしもリアスピーカーは必要でもないのですが、オープン時に弱くなる傾向のあるヴォーカル帯域の補助の目的で取り付けることにしました。
スピーカーサイズは、ドアのスコーカーとして使用されている10cmよりも小ぶりな8cmが取り付けできます。
(この車には装備されていませんが)センタースピーカーと同じサイズです。
写真だとわかりにくいですが、MX080の取付に際して、薄手のMDFでバッフルを製作しています。
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パワードサブウーファー設置
助手席のシート裏にパワードサブウーファーを設置しました。
製品はBLAMのBLAM MSA 25Pです。
パワードサブウーファーというと、シールドタイプが一般的ですが、当機は珍しいバスレフタイプを採用していますので、シールドに比べて広がりのある音が特徴です。
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DSPアンプ設置
DSPアンプの設置状況です。
ここは助手席下のフロアです。
ここには本来、純正のセパレート式パワーアンプが設置されているのですが、標準オーディオの場合、空き地になっています。
このスペースを活用して、audison AF C8.14bitを設置しました。
接続としては、ヘッドユニット(純正ディスプレイオーディオ)からのスピーカー出力(左右で2ch)を入力し、スピーカーへの出力の方は、フロントツイーター・スコーカー・ウーファー(各2ch×3=6ch)とリヤ(2ch)の合計8ch、それに加えて、パワードサブウーファーにプリアウト出力1chを出力しています。
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作業後記
ポルシェ・718ボクスターのフルオーディオインストール事例をご覧いただきました。
本文中でご紹介しましたように、当店では、ポルシェ・ボクスター/ケイマン向けのプランとして ポルシェBoxter・Caymanサウンドアッププログラムをご提供しています。
当プランでは、 986型、 987型、981型前期、981型後期、982型(718型)という具合に、歴代のBoxter・Caymanに合わせたプランをご用意しています。
世代によって、2DINナビへの交換なもの(981型以前)は交換のオプションがあり、それ以外の点においては、以下の内容が選択できるようになっています
(1)フロント3wayスピーカー交換
(2)リヤスピーカー交換
(3)パワードサブウーファーを追加取付
(4)DSPアンプ取付
今回のケースは、これらをすべて盛り込んだフルオーディオの事例ということになり、予算は以下の通りです。
BLUE MOON AUDIO
フロントスピーカー(VX165/MX080)+リアスピーカー(MX080+EXtweeter)=225,000円
パワードサブウーファー(BLAM MSA 25P)=70,000円
DSPアンプ(audison AF C8.14bit)=130,000円
デッドニング、エアバッグインフレーター脱着、デッドニング、ケーブル類、他インストール作業一切=246,000円
消費税67,100円
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合計738,100円
文中でも触れました通り、スピーカーブランド選択において、コンパクトなツイーターをラインアップしているか否かが決め手になりますが、ポルシェに適応可能なブランドであるBLAM(フランス)とHELIX(ドイツ)についても、見積金額をご案内しておこうと思います。
BLAM
フロントスピーカー(T20MG(Tweeter)/100 S4MB(Midrange)/S6.300(Low))+リアスピーカー(S3N50)=240,000円
パワードサブウーファー(BLAM MSA 25P)=70,000円
DSPアンプ(audison AF C8.14bit)=130,000円
デッドニング、エアバッグインフレーター脱着、デッドニング、ケーブル類、他インストール作業一切=246,000円
消費税68,600
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合計754,600円
HELIX
フロントスピーカー(Ci3 K100.2-S3(Front high & MID)/Ci3 W165FM-S3(Low))+リアスピーカー(CB C87.2-S3)=108,000円
パワードサブウーファー(BLAM MSA 25P)=70,000円
DSPアンプ(audison AF C8.14bit)=130,000円
デッドニング、エアバッグインフレーター脱着、デッドニング、ケーブル類、他インストール作業一切=246,000円
消費税55,400円
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合計609,400円
ご案内は以上です。
ポルシェBoxter・Caymanサウンドアッププログラムページでご案内しているプラン、ならびに当ページでご紹介したプランのいずれについても、そのまま、あるいはカスタマイズを加えてご発注いただくことが可能です。
どうぞご検討ください。
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