ポルシェ911997のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.859(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ポルシェ 911 997
system
メインユニット:carrozzeria DMH-SF500
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:DYNAUDIO Esotec System 242GT、ESOTAN MF171
リアスピーカー:DYNAUDIO Esotec System 222
サブウーファー:carrozzeria TS-WX140DA x2
プロセッサーアンプ:audison AF C8.14bit
ケーブル:audiotechnica、SAEC
CAN-BUSアダプター:interplan CCA-201II
バックカメラ:Panasonic CY-RC110KDcomment
ディスプレイオーディオをヘッドユニットとし、フロント3way+リヤ2way+パワードサブウーファー2台をDSPアンプで駆動するシステムです。
リヤは純正入れ替えでなく、専用エンクロージャーを伴ったコダワリ仕様です♪
ポルシェ911(997型)・カレラの事例紹介です。
911とは?なんて、当サイトの閲覧者さまに対して、今更説明の必要もないと思いますが、ポルシェを代表するスポーツカーです。
プロトタイプのデビューが1963年で、本格生産開始が1964年ですので、今年でだいたい70周年ということになります。
モデル名は数字三文字の「911」で固定されていますが、世代に与えられる識別子もまた数字三文字で表されるため、門外漢には難解ですね。
初期型は901型といい、時期によってさらに12世代のコードが与えられながら、1977年まで生産されました。
1978年には2代目となる930型に改められ、3代目が964型(1989年-)、4代目が993型(1993年-)、水冷に改められた5代目996型(1997年-)、6代目997型(2004年-)、7代目991型(2011年-)と続き、現行型が2018年からの992型となります。
今回ご登場いただきますのは、6代目の997型です。
憧れの911の程度の良い個体を手に入れられて、ノリノリのご様子で、メインユニット、スピーカー、アンプのすべてをカスタムしたいということでご相談いただきました。
911のサウンドアップの相場としては、もともとのフロント3wayスピーカーを全て入れ替えるか、2wayに絞るかして、DSPアンプを入れ、リヤスピーカーは純正のままかコアキシャルに入れ替えて、パワードサブウーファーを追加して一丁上がり♪というところですが、今回はだいぶ気合が入っていらっしゃるので、かなりプレミアムな内容になりました。
概要は以下です。
ヘッドユニット:フローティングタイプのディスプレイオーディオ
フロントスピーカー:3wayセパレート、ツイーター埋め込み
リヤスピーカー:リヤトレイにエンクロ―ジャーを作ってセパレート2way
サブウーファー:リヤシートにパワードサブウーファーを2台
DSP:8chアンプ内蔵型で上記8ch分とサブウーファー用プリアウト1chを制御
具体的なコンポーネントは以下の通りです。
〇ヘッドユニット
DMH-SF500(オープン価格)です。
フローティングタイプの9V型モニタを持つ、ディスプレイオーディオです。
ソースはUSB、ブルートゥース、スマートフォン、AV入力に対応(DVD・CDドライブはなし)し、カロッツェリアお得意のネットワークモード接続もできるので、コレ一台でフロント2way+パワードサブウーファーのマルチシステムも構築できる仕様になっています。
ただし、今回はフロント3way+リヤ+パワードサブウーファーということで、8ch分のアンプ+プリアウト1chが必要ですので、このヘッドユニットからはフロント/リヤの4chを入力して、後の仕事はDSPアンプに担当してもらいます。
〇DSPアンプ
audisonのAF C8.14bit(税込143,000円)です。
audisonのDSPアンプのバリエーションは以下のようになっています。
AF M12.14 bit(60W×12ch)税込253,000円
AF M8.14 bit(90W×8ch)税込231,000円
AF M5.11 bit(100W×4ch+400W×1ch)税込198,000円
AF C8.14bit(65W×8ch)税込143,000円
AF C4.10 bit(90W×4ch)税込143000円
DSPの性能としては、同じ型のCPUを使っている点、24 bit/192 kHzまで対応している点は同一で、違いはプロセシングch数と、内蔵アンプのch数です。
型番に含まれているピリオドの前の数字がアンプのch数を、後の数字がプロセシングch数を表しています。
数字の前のMとCはアンプの総合出力の大きさに違いがあり、筐体の大きさが異なります。Mが240mm×16mm×47mm、Cのほうは200mm×134mm×47mmとコンパクトです。
今回はフロント3way(6ch)+リヤ(2ch)=合計8ch分のアンプと、サブウーファーのためのプリアウトが1ch必要です。この必要スペックに加えて、スペース的に厳しいシート下への設置条件を勘案して、コンパクトボディのAF C8.14bit(65W×8ch)税込143,000円にしました。
〇スピーカー
フロント・リヤ共に、デモボードで一目ぼれしていただいたディナウディオで揃えました。
フロント3wayには2way商品のEsotec System 242GTに、単品ミッドレンジのESOTAN MF171を加えて構成しました。
リヤは2way商品のEsotec System 222を使いました。
ディナウディオは豊かな情報量と変わらぬ人気で高い評価を集めるブランドですが、昨年、日本の代理店さんの契約が切れて以降、次が決まらない状態が続いており、品物がうまく揃いません。
本来はESOTECの3wayが良かったのですが、在庫が無かったので、2wayとスコーカーを組み合わせました。
インストールに当たっては、ウーファーとスコーカーはしっかりとデッドニングしたドアに固定し、ツイーターはAピラーに埋め込んで、ドライバーズシートにフォーカスを合わせました。
リヤスピーカーについては、リアシートバック後方のリアトレイ部分にはまるように、平らな形のエンクロージャ―を製作して、2wayユニットを取り付けました。911のリヤトレイ部分は、パワードサブウーファーの設置場所として活用する機会は少なくありませんが、今回のような応用はレアですので、後出の写真をご覧ください。
〇パワードサブウーファー
carrozzeriaのTS-WX140DA(オープン価格) を2台使いました。
場所はリヤシートの腰のあたりです。
この車のリヤシートは、背もたれと座面には合皮を貼ったマットがあって一定の厚みがあるものの、腰のあたりはフロアと同じカーペットが貼ってあるだけで、一段(というか二段)へこんだ感じになっています。今回はそのへこみに落とし込むような恰好でパワードサブウーファーを設置しました。
左右にひとつづつ置いたのでだいぶズンズンきます♪
〇リヤカメラ
ディスプレイオーディオの導入に合わせて、リヤカメラも付けました。
当店お得意のリヤバンパー埋め込み取り付けです。当店オリジナルのリヤカメラ埋め込みブラケットを使って取り付けるのですが、一旦バンパーを降ろさなければならないので、なかなかの大仕事です。
以上をもって、997のプレミアムなサウンドシステムが出来上がりました。
予算的には、フロント・リヤの計10ユニット、フロント側のデッドニングとインストール、リヤのエンクロージャー作成、DSP設置と各スピーカーへの配線引き込み、パワードサブウーファーを含むバッ直などなど含めて、税込1,483,130円となりました。
それではインストールの様子をご覧ください♪
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ディスプレイオーディオ
最初は、ディスプレイオーディオのモニターからご覧ください。
クラリオン製のOEM2DINナビを外して、carrozzeriaのDMH-SF500に交換しています。
画面が壁面から飛び出しているフローティングタイプで、9V型の大きさがあります。
同ジャンルの製品には、11型なんてのもあるにはありますが、できるだけストイック気味に振っておきたい911の場合、このあたりの大きさにしておくのが節度があっていいんじゃないでしょうか。
フローティングタイプの場合、車体側に取り付けた縦方向のレールにモニタを取り付ける構造になっており、位置が調整できます。写真のように、エアコン吹き出し口やハザードボタンへのアクセスを意識して調整するのが通例です。
ディスプレイオーディオの本体部分(ダッシュボードに埋まっている部分)の縦横寸法は、1DIN規格に準拠していますので、2DINサイズの純正デッキ後のスペースには、もう1DINの空きが出ます。ここには1DINサイズのポケットをつけて埋めてあります。
リモコンやメディアなどの小物を入れておくのに便利です。
あと、ユーザー様には直接関係ない話ですが、997以降の車両の2DINヘッドユニット交換をする場合、CANBUSから車速などの信号を取り出すためにCANBUSアダプターが必要になります(たまに不要な場合もあります)
今回はinterplanのCCA-201IIというのを使いました。これによって、車速パルス・アクセサリー・イルミネーション・リバース・アンダー15km/h・パーキングブレーキといった信号を取り出せるようになります。(アクセサリー電源は弱いのでリレーを組み合わせる場合が多いです)
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フロントドア
997のエクステリアは、空冷時代の生々しさと、最新モデルに繋がる洗練性とのバランスがちょうどよくて、変化そのものが自己目的化しつつある最新モデルにはない美しさがあります。
ドアのデザインにおいても、ハンドルの位置と角度、スピーカーの位置、使いにくいポケットと、空冷時代のレイアウトを起点としてリファインを試みている様子が見て取れます。
純正スピーカーは、フロント3way(ドアの二つ+ダッシュ上のツイーター)に、リヤシートサイドのリアスピーカーの8ユニットから構成されています。(※BOSEシステムではセンタースピーカーが追加されます)
純正アンプから出力される信号は、ウーファーのみローパスがかかり、それ以外はハイパスが掛かっています。スコーカーとツイーターは1系統(1ch)の枝分かれになっており、さらにツイーター側にハイパスフィルタとしてのコンデンサーを取り付けて、帯域分割をする仕組みになっています。この方法は現代の多くのマルチスピーカー車で使われています。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
ドアの大きさとほとんど同じ位の大きな大きなインナーパネルが取り付けられています。
パネルというと、ちょっと脆弱な響きがありますが、金属製なので頑丈で、スピーカーの土台として十分に頼りがいがあります。
低音用のウーファーは20cmもあります。
上述のとおり、アンプからローパス信号がかかった信号が供給されていますので、低音域専門で稼働しています。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
サービスホールを塞いでいる鉄板の取り外しに先立って、バッテリのマイナスを外し、エアバッグのインフレーターを取り外す必要があります。
鉄板にパワーウィンドウのモーターが付いているのですが、ギアとレールはドア内部に残る構造になっています。
アウターパネルを清掃、脱脂したら、短冊状にカットした防振材を貼っていきます。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
金属製のインナーパネルを戻し、MDFで制作したバッフルを取り付けて、ケーブル結線&スピーカー固定と進み、最後にデッドニングです。
前述の通り、ウーファー(純正でいうところのサブウーファー)は20センチもの口径があります。よって、銘柄数は少ないですが20センチウーファーを取り付けて、重厚なフロント3wayを構築することも出来ます。
今回は17センチウーファーですので、幅の広い巨大バッフルで外周を埋める格好になっています。「埋める」というと微妙にネガティブなニュアンスが漂ってしまいますが、容積・質量の大きなバッフルは音響上のメリットがとても大きく、余韻と低音域の伸びが格段に違います。
20センチウーファーにグレードアップして生音を追求するもよし、大容量バッフルで17センチウーファーの実力をMAXに引き出すもよし。ポルシェのフロントスピーカーは恵まれております。
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ドアトリム裏側
トリムを裏側から見ているところです。
左上に見えるのが、中音域を担当する純正スコーカーです。
純正ユニットは、ダッシュボード上のツイーターと同じケーブルから分岐された信号を入力されています。
このスコーカー側には上限を設けるためのローパスフィルタ、そしてツイーター側には下限を設けるためのハイパスフィルタを取り付けることで、各ユニットの帯域を分割してあります。
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ドアトリムデッドニング
ドアトリムに対する仕事が終わったところです。
スコーカーを取り付けた後、ドアトリム裏にデッドニングを施します。
インナーパネルに取り付けたウーファーのエンクロージャーは、アウターパネルとインナーパネルから構成されるため、それぞれにデッドニングを施しましたが、このスコーカーのためのエンクロージャーは、デッドニング済みのインナーパネルと、ドアトリムとの空間に相当しますので、ドアトリムの方も防振する必要がある。という理屈です。
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ツイーターピラー埋め込み
ツイーターの設置状況です。
997型の純正ツイーターは、フロントガラスに近い場所のせまいグリル内に押し込まれており、39mmまでのサイズまでしか収まりません。
今回は、ピラーへの取り付けでカッコよく♪仕上げてほしいとご依頼いただきました。
いわゆる埋め込み取り付けで、標準のピラーカバーに穴を開け、ツイーターユニットが収まる筒状のパーツを位置決めして、パテで周囲を形成し、合皮を貼って作っています。
合皮のシボの具合がダッシュボードと近いので、写真以上に統一感がでています。
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リアスピーカー取り付け
ちょっとカスタム度の高いリアスピーカーインストールです♪
折角だからリアスピーカーも欲しい!ということでしたので、DYNAUDIO Esotec System 222という、15cm2wayスピーカーのセットを取り付けることにしました。
検討の段階では、フロントと同じ16cmも候補に挙がったのですが、設置できるエンクロージャーのサイズからすると、ちょっとタイトなので、ワンサイズ小さい15センチを選びました。
なお、リヤはごらんのように2wayですので、理屈の上では片側2ch(両側で4ch)のアンプを割り当てることもできますが、リスニングポイントから離れているので、セットに付属されているパッシブネットワークを使って、片側1chに集約しています。
ネットワークは、このボックス内に取り付けてあります。
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リア施工前
施工前のリアトレイの形状をご覧いただくために、 過去事例から引っ張ってきました。
写真のパワードサブウーファーが乗っている面はそのまま残して、手前の落ち込んでいる部分にエンクロージャーを作りこんだわけですね。
もう少し引いて撮った写真があると、もっと全体感が掴みやすかったと思うんですが。すいません。
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パワードサブウーファー
パワードサブウーファーの設置状況です。
リアシートの背もたれを上げると、carrozzeria TS-WX140DAが左右に1個づつ設置されています。
この状態で座ってもサブウーファーが邪魔になることはありません。 -
DSPアンプ設置
DSPの設置状況です。
アップ過ぎてどこかわからない写真になっちゃってますが、助手席の下です。
audisonのDSPのうち、AF Cシリーズは200mm×134mm×47ミリであるのに対して、アンプの強いAF Mシリーズは240mm×156mm×47mmと一回り大きくなります。ケーブルの逃げも考慮すると、今回のCの選択は妥当だったと思います。
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バックカメラ取付
最後はバックカメラ取付の様子です。
当店の 埋め込みブラケットCB2を使って、Panasonic CY-110KDという汎用カメラを取り付けました。
グラマラスなヒップラインを崩さす、下から覗き込まないんとわからないさり気なさでカメラをインストールすることができます。
位置も車両のちょうど中央なので、車両感覚がつかみやすい画角が得られ、好評です。
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リアカメラ取付工程
他の911(991)の事例からの引用で恐縮ですが、リアカメラ取付に伴うバンパー脱着の現場写真です。
別に脱着費用を稼ごうと目論んで、わざと外しているわけではないのです!最小の手間できれいにつけられればそれがベストなのですが、バンパーを降ろさずに済む方法はなく、脱着が前提になります。
参考情報としてに、カメラケーブルの配線経路を重ねてみました。
カメラ側を起点として、、2つあるハンバー灯の中央をカメラ埋め込み位置として定め、バンパーの裏を左側に這わせます。
次いで、左側のテールランプがはめ込まれている凹み(エンジン左側)を伝って、ゴソゴソやって室内へ抜けます。ちょうどリヤシートの左側あたりに出るんですね。
そこからフロアパネルやらを伝って、ヘッドユニット裏にアクセス!という経路です。
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作業後記
911のプレミアムなサウンドアップの事例をご覧いただきました。
冒頭でも触れましたように、フロント3way+DSPとパワードサブウーファ1台までは珍しくありませんが、リヤに専用エンクロージャーを用意して、サブウーファーも2台というプレミアム仕様はなかなかありません。
金額も100万円台中盤と立派な値段になってしまいましたが、オーナー様にはだいぶご満足いただけたようでなによりせす(^O^)
当店は、911を含むポルシェ車全般にオーディオをお任せいただく機会が多かったため、オーナー様方のご注文の傾向から、ポルシェの各モデルに向けた専用パッケージプランを開発し、ご提供しています。
今回の 997についても、フロントスピーカー交換のみから、リアスピーカー追加、パワードサブウーファー追加、2DINナビ追加、DSPアンプ追加と、要素を段階的に増やしたプランを多数ご紹介しています。
また、各プランに対するカスタマイズも制限なく可能です。ご希望とご予算に応じて、ご検討ください♪
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直接のお電話もお気軽に♪03-5913-8450です!
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