トヨタGRスープラRZのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.808(お問い合わせの際にお伝えください)
model
トヨタ GRスープラ RZ
system
メインユニット:純正JBL
デッドニング:なし
フロントスピーカー:純正JBL
センター:純正JBL
リアスピーカー:純正JBL
サブウーファー:純正JBL
パワーアンプ:純正JBL
プロセッサーアンプ:μ-DIMENSION DSP610AB
ケーブル:audiotechnicacomment
12個の純正スピーカーはそのまま&防振もナシで、DSPアンプ搭載と配線の組み換えのみで音を整えた事例です。
もともとスピーカーの音色に違和感があったわけではなく、ドアの密閉性もそこそこのレベルだったので、満足いく結果が得られました。
トヨタ・スープラの事例紹介です。
スープラといえば、車好きなら知らない人はいない、トヨタを代表するスポーツカーです。
昭和時代のトヨタの歴史の1ページを飾った名車セリカの派生モデル(A40型・1978-1981年)として誕生し、A60型(1981-1986年)、A70型(1986-1993年)、A80型(1993-2002年)と続き、17年ほどのブランクを経て、現行のDB型(2019年-)として復活しました。
現行モデルのグレードは、A80型のそれを踏襲し、SZ、SZ-R、RZの3グレード構成となっていて、その他にトヨタのスポーツブランド「GR」を冠したGRスープラもラインアップされています。
GRスープラと言えば、2023年の夏ごろに新規追加された6MT車が話題になりました。
新開発の6速MTは、コンピューターがドライバーのクラッチ、シフト操作に合わせて、最適なエンジン回転数になるよう制御するiMTが採用されていて、シフト操作時に自動ブリッピング(シフトダウン時のシフトショック緩和とパワー維持を目的としてエンジン回転数を上げる操作))してくれるので、難易度の高い「ヒール&トゥ」ができなくても気持ち良く走れるマシンになっているようです。
上述のとおり、スープラには3グレードありますが、タイヤ&ホイールの仕様でみると、SZでは17インチ、SZ-Rが18インチでブレーキシステムは、前後ともシルバーのキャリパーです。
RZになると、19インチホイールに、フロント側がブレンボ製のモノブロック4ポット対向タイプの赤塗装で、リアは同じく赤いフローティングタイプのキャリパーが採用されています。
ブレーキローターの違いは、RZのフロントが348mmmmΦ、リアが345mmで、SZとSZ-Rの330mmΦよりも大径で、やる気満々といったところ。
外観の見分けポイントは、RZのドアミラーの塗装はマットブラックなのに対して、SZとSZ-Rはピアノブラック塗装です。
今回お預りしたのは、2022年4月28日に実施された改良後のGRのRZです。
ご購入直後から「サブウーファーが妙にブーミーだなぁ」とお感じになられていたようですが、約1年経過したところで当店にご連絡いただくこととなったようです。
試聴させていただくと、確かにシートの後ろのサブウーファーからボコボコと音がします。スピーカーの特性というよりも、異音という表現が妥当に感じられるような違和感があります。
(後々の分解では、ユニットに破損は認められませんでした。)
今回のお客様のご意向ははっきりしていて、音色そのものには特に不満がないので、音の出口に当たるスピーカーの交換ならびにデッドニングは行わず、DSPアンプによって音の出方を調整する方法で解決したいというお考えでした。
今回の車には、純正ベースで12スピーカー(9ch分)が備わっておりますので、フロントを2wayマルチ化&サブウーファーのchを集約した8ch前提において、全てを制御できるDSPアンプを3パターンご提案させていただきました。
【第1・採用案】
μ-DIMENSION DSP610AB 132,000円(税込)
10chパワーアンプ(35W×8+80W×2)
AB級アンプ
重量:2.6Kg
サイズ:294×207×59mm
【第2案】
HELIX V-TWELVE DSP MKII 275,000円(税込)
12chパワーアンプ(75W×12)
GD級アンプ(D級アンプ)
重量:2.7Kg
サイズ:220x220x44mm
【第3案】
audison AF M12.14 bit 253,000円(税込)
12chパワーアンプ(60Wx12)
D級アンプ
重量:2.04 kg
サイズ:240x156x47mm
以上の選択肢から、第1案をお選びいただき成約に至りました。
施工内容としては、上述のとおり、スピーカーと防振は行わず、DSPアンプの搭載のみです。
DSPのみといっても、純正ではフロント2wayが1chでまとめられているので、これをマルチ化(2ch)にわけるためにドアを分解して配線を引き換えたり、リヤ側も同様にバラしたり、アンプをきちんと設置するようにシート後方にアンプボードを作り込んだりと行った作業が必要になります。
組み込みの方法としては、できるだけ車両に負担を与えないよう、4芯ケーブルを駆使した入出力回路の集約化を心がけました。
税込総額としては、358,050円の内容でした。
それでは施工の様子を御覧ください♪
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フロントドア
フロントドアの外観です。
一部の方はご存知ですが、このスープラはBMWのZ4と同じプラットフォームで開発されていますので、車全体の雰囲気はどことなく似ています。
しかしながら、業界大手がガチで取り組むと、言われなければ同プラットフォームと気づかないくらいに、全く違うクルマのように作り変えられるんだな--と感心します。
こちらがZ4のエントリです。ダッシュボード・ドアともに同アングルの写真があるので見比べてみてください)
上述の通り、今回の施工内容はDSP組み込み「だけ」ですが、配線の引き換えに伴ってドア内にアクセスする必要がありますので、この後分解を行います。 -
フロントスピーカー(スコーカー)
ドアトリムを外してドアスピーカー周りにアクセスしているところです。
DSPアンプからドア内のへのスピーカー出力の配線は、4芯線を1本引き込んで、スコーカーに2芯、ツイーターに2芯という具合に配分しています。
引き込んでスピーカーケーブルと、各純正スピーカーとの接続は、純正コネクタにスプライスで割り込ませる方法を採っています。純正ケーブルの被膜をちょっと剥いているので、全くの無傷というわけじゃありませんが、きれいに純正に戻せる状態を維持しています。
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フロントスピーカー(ツイーター)
ドアトリム側に取り付けられている純正ツイーターです。
純正オーディオの状態だと、このツイーターと前出のスコーカーは広いレンジの信号が出力されてくる1系統(1ch)で繋がっているため、ツイーター側に(低域カットのための)ハイパスフィルターが取り付けられています。
今回のシステムアップに伴って、ツイーターとスコーカーを別系統・別帯域で制御できるようになるため、フィルターは不要になります。したがって、フィルターをカットした上で、DSPからのスピーカーケーブルを繋げるようにギボシ端子で処理しておきます。 -
ドアへの配線引き込み
ドアへの配線引込の現場です!
写真の左側がボディで、右側がドアです。
ドア内に張り巡らされているケーブル類の束(ハーネス)の末端が、写真中央に写っているカプラになっていて、このカプラをボディ側にガッチャンコすると、通電してスピーカーが鳴ったり、ドアミラーが動いたりする仕組みになっています。(現在の主流です)
写真は、このカプラ内のスキマにスピーカーケーブルを通しているところです。
上述のとおり、ドアにはツイーターとスコーカーの2ユニットがあるので、合計4本のケーブルが必要になります。そのため、ねじねじした4本のケーブルを通しているわけです。
カプラー式がメインになる前は、ボディードア間がゴム製のジャバラブーツで繋がれていて、そのトンネルにケーブルを通しており、たいがいはトンネルに余裕があったので、そこに新ケーブルを通していたのですが、カプラ式になると、物理的なボトルネックとなるカプラのスキマを通すしかなくなるので、狭き門をなんとかして通過させる必要が出てくるのです。
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純正アンプ
トランクの左奥にある純正アンプです。
ここからの(純正システムの)出力chは以下のようになっています。
・センター:2way(1ch)
・ドア:2way(左右で2ch)
・リア:2way(左右で2ch)
・サブ:2セット(左右で4ch)
スピーカーとしては12スピーカーなのですが、上記のカッコ内の表示のように、アンプの出力ch数としては、計9chになっています。
※サブウーファーはダブルボイスコイル方式のユニットが左右に2つ並んでいるので、2+2=4ch分、アンプを使っています。
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アンプ内蔵DSP
AB級アンプを搭載した10chパワーアンプを運転席のシート後ろに設置しました。
この場所に設置するにはいくつか制限があります。
まず、今回の様にシートがバケットシートの様に薄い構造のものであること。(分厚いと干渉する)
シートを最大限後ろにスライドさせないこと。(薄手のシートでも干渉する)
あと、出力チャンネルについても触れておきます。
・センター1ch
・ツイーター(左右で)2ch
・スコーカー(左右で)2ch
・リヤ(左右で)2ch
・サブウーファー左右2個を1系統にまとめて2chをブリッジ接続で。
サブウーファーについては、1chの出力で鳴らせるようにややこしいことをしているので、以下に説明します。
(1)サブウーファーユニット1個はダブルボイスコイル(2Ω x 2)で構成されているので、これをまず直列で接続して、1個あたりの抵抗を4Ωとする。
(2)更に、左右の2個を直列接続にして8Ωとして、DSPの9chと10chをブリッジ接続して接続する。
こうすることで、見かけ上1chのアンプ(4Ω時240W))で、2連のサブウーファーユニット(合成抵抗8Ω)を駆動する回路が出来上がります。
※アンプの抵抗よりスピーカーの抵抗が大きいので問題ありません。逆に小さいとぶっ壊れます。
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電源取り出し
最後は電源取り出し現場の様子です。
写真はDSPの電源取り出し(バッ直)と、リモート用のアクセサリー電源取り出しを行っているところです。
バッテリーは写真に写っておらず、トランク下に潜り込んでいます。
DSPはハイレベルインプットをした際にオートターンオン機能で電源が入る機能が備わっているのですが、今回は入るはずの電源が入らなかったため、amonのこんな商品を使って、ヒューズホルダの空き部分からアクセサリー信号を取り出しました。
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作業後記
今回はGRスープラのサウンドアップ事例をご覧いただきました。
当コーナーの施工事例のほとんどは、サウンドアッププログラムとしてご提案させていただいている音の出口の整備(スピーカー交換+ドア防振+スピーカーケーブル交換)を前提とし、お好みでパワードサブウーファーを足したり、DSPアンプで制御したり、電源レギュレーターで整えたりといった内容になっていますが、今回は、DSPアンプの搭載(と配線の組み換え)のみで改善を図ってみようという内容でした。
音の出口の強化を省略しているので、より高音質かつ大きめの音量でどっぷりと堪能したくなって来た場合、情報量の不足や歪みが気になりだす可能性はあるものの、聴き流しの実用レベル(という表現もあいまいですが)で、かつ、現状の音質への慣れが訪れるまでは、DSPアンプのみの補強も十分有用だと思います。
ただ、この場合の条件が2つあります。
(1)純正スピーカーの音色(音の傾向)に対しては、特に不満がない。
(2)ドアのサービスホールがパネルでふさがれている(ビニールではない)
(2)については、直感的にお分かりいただけると思いますが、ドア筐体内の容積が容易に変化するビニールに比べて、ある程度ソリッドな素材でフタされているほうが、スピーカーの前と後ろの空気の行き来を抑制できるので、音のディテールの消失を抑えることができます。
バッチリ防振されたドアに比べれば、当然ながら低音量でも一定の損失は起きますし、音量とともにビビりも顕在化してきますので、あくまでも「聴き流しの実用レベル」ではありますが、これでもいいじゃん♪と感じていただける方は少なくないと思います。
(1)についても説明不要かも知れません。
DSPによって●各スピーカーで再生させる周波数帯域を制御し、●各スピーカーの再生タイミングを調整して耳に到達するタイミングを揃えて、●全体の音域の中で、耳につく帯域のデコボコを平準化するという3つの調整を加えますので、(2)の説明で触れたように一定の損失があるにしても、純正とくらべて音像がはっきりシャープになり、メリハリを感じられる音に変化してくれます。ただし、スピーカーの音色そのものはスピーカーの造りに依存するので、ココに違和感がある場合は交換を検討していただいたほうがよいでしょう。という意味です。
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仮にDSP交換だけ実施して、「ん?もう一息かな?」と不足を感じてしまって、スピーカー交換と防振を追加で実施することになっても、全体の投資に重複・損失は生じないので、コストコンシャスな方にも気楽に考えていただけるアイデアだと思います。
と、熱く語ってしまいましたが、うーん踏ん切りがつかないと感じられるようなら、基本に立ち返ってドア防振のみ、あるいはスピーカー交換と防振から手を付けていただければ間違いは無いと思います。(平凡なオチですいません)
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それではご検討よろしくお願いいたします。
ご予算とご要望に応じて柔軟にプランさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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