ボルボV60のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.732(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ボルボ V60
system
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO AX165
リアスピーカー:純正
サブウーファー:IMAGE DYNAMICS(2台)
プロセッサー:audison bit ten
パワーアンプ:audison LRX2.250、LRX4.300
レギュレーター:audiotechnica AT-RX100、AT-RX80
ケーブル:audiotechnica、SAEC SPC-350comment
純正オーディオの出力をDSPに入れ、3台のアンプを使ってフロント2wayとサブウーファーを鳴らすシステムです。
電源レギュレーターやケーブルにも気を遣っているのでワンランク上のサウンドが楽しめます。
ボルボ・V60の事例紹介です。
V60は、ボルボ・カーズが製造しているステーションワゴンタイプの車です。
初期型の発売は2010年で、2018年にフルモデルチェンジして2代目となり、今に至ります。
一般の消費者としては、ボルボ=北欧の自動車メーカーという印象が強く、たまに見かける大型トラックも系列の会社なのかなぁ?的な見えますが、親会社である(であった)ボルボ・グループは、スウェーデンに本拠を構える、トラック、バス、建機、船舶用エンジンを製造するコングロマリット(複合企業体)です。
自動車設計の着手は1924年で、ボルボグループとしての創業は2年後の1926年。1927年には乗用車製造を開始し、トラック製造は翌1928年から開始しています。1935年には船舶エンジンメーカーのペンタ社(1868年創業)を、1950年には建機メーカーのムンクテル社(1832年創業)を買収し、グループの業容が拡大していきます。
1999年になると、事業再編によって乗用車部門がボルボ・カーズとして分社化されてフォードに譲渡されることとなり、この時点でボルボ・グループの乗用車部門は消失しています。
その後2010年には、リーマンショック後のフォードの経営立て直しのために、中国の浙江吉利控股集団に売却され、今に至っています。
上記のように、乗用車メーカーとしてのボルボ・カーズは2度の資本移動が行われていますが、全部中国でつくっていて名前だけボルボ。。というわけじゃなく、あくまでも経営権=株主の移動です。よって、本社所在地はずっとスウェーデンのイエテポリで、現在の製造拠点はスウェーデン、ベルギー、中国、マレーシア、インド、米国にあります。
現在のボルボ車のラインアップは、モデル名がVで始まるステーションワゴン(エステート)ならびにクロスカントリーの他、XCのSUV、Cのクロスオーバー、Sで始まるセダンの5形態をとっています。
今回登場のV60は、ボルボ経営時代の740、940、フォード時代のV90の後継となるモデルで、2017年に復活したV90と並んで、現行モデルのステーションワゴンとして販売されています。
今回のV60は、お乗り換えに伴うアンプ類の機材載せ替え&スピーカー更新でご依頼頂きました。
移設後のシステムは、純正ヘッドユニットのソースをアンプレスDSPに入れて、3台のアンプを使って、フロント2wayとサブウーファー2台を鳴らす格好になります。
以下、コンポーネント紹介です。
◯ヘッドユニットとDSP
ヘッドユニットは純正オーディオです。
先代の旧V90までは2DINでしたが、このV90からは、ナビ機能などと一緒に集中制御される方式に変わっています。
スピーカー構成はフロント2wayとリヤの6スピーカーが基本で、仕様によってセンタースピーカーが加わります。
今回はフロントスピーカー用のフルレンジ出力をDSPに取り込みます。
DSPはaudisonのbit ten(税込46,200円)です。
これは、アンプ付きDSPの名作「AP 8.9bit」でおなじみのaudisonのアンプレスDSPです。
フラッグシップモデルであるbit One HD Virtuoso、ならびにミドルクラスのbit nove、bit one.1に次ぐベーシックモデルで、光/同軸デジタル入力には対応していませんが、アナログ4ch入力/5ch出力をこなせる、コスパの良い製品です。
◯アンプ
audisonのLRX2.250を2台と、LRX4.300が1台です。
2.250は2chで、4.300が4chアンプで、いずれも販売が終了している旧製品です。
ご依頼時の予定としては、4chアンプでフロント2way(4スピーカー)を鳴らし、2台の2chアンプを、2台のサブウーファーに1台づつ割り当てて鳴らす予定でした。
しかしながら、4chアンプの1ch分に不具合が生じたため、2chアンプ2台をフロント2wayに振り向けて、4chアンプでサブウーファー2台を鳴らすことにしました。
4chのほうの使い方としては、バランスを最優先に考えると、生きてる3chのうちの1chは捨てて、2chで2台のサブウーファーを鳴らすのが順当な考え方ですが、(2chをまとめた)ブリッジ出力にしたほうが力強くならせるのもまた事実なので、お客様と協議した結果、サブウーファー1台はブリッジで鳴らして、もう1台は1chで鳴らすことにしました。
ゲイン調整である程度出力レベルは合わせるものの、出力が違う分、鳴り方には差があるので、後者のほうはサブ的な位置づけで捉えていただいています。
◯スピーカーとサブウーファー
フロント2wayは当店人気のブルームーンオーディオのAX165(税込93,500円)で新調し、サブウーファーは、前車からご愛用のIMAGE DYNAMICSの箱入りユニット2台です。
AX165はフラッグシップのRX165(税込198,000円)、ベースモデルのSX165(税込48,400円)の中間に位置し、「よくできた楽器のように癖のない原音再生を目指す」ブルームーンオーディオのポリシーをしっかりと体現しているモデルです。
デモボードのスピーカーをあれこれ試していただいて、気に入っていただけました。
インストールに関しては、ウーファーをインナーバッフルを介してしっかり固定し、デッドニンググレードでドア防振を行って条件を整えました。ツイーターはハウジングが大きくて純正の位置(ミラー裏)に収まらないので、ポッドタイプの社外品のツイーターマウントに納めて、ダッシュボード両端に配置しました。
◯電源レギュレータ
AT-RX100(税込93,500円)とAT-RX80(税込46,500円)を使っています。
すべての車載機器は電圧変動とノイズにさらされており、これらの低減・安定化が、機器の稼働条件を改善することは論をまたないわけですが、ほんの少しの条件変化が、機能(聴感)に大きな変化を与えてしまうオーディオ機器に関しては、その寄与度がはるかに大きいわけです。
今回は、安定化電源装置として評価の高いAT-RX100によってアンプ3台の電源供給を制御し、二番手のAT-RX80は、DSPに専念させる格好をとりました。
アンプ、スピーカーの性能水準はもともと高いですが、これらの「インフラ整備」によって、パフォーマンスはさらに改善します。(聴いてはっきり違いが出ます)
以上を持って、フロント2way+サブウーファー2台のフルシステムが組み上がりました。
4chアンプ不具合による予定変更がありましたが、考え方によっては、フロントスピーカーのチャンネルセパレーションが向上したとも言えますので、結果オーライでしょう(^o^)。
電源供給に加えてケーブル類にもしっかり気を遣い、コンポーネントの性能を十分に引き出したシステムが出来たと思います。
それでは施工の様子を御覧ください。
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フロントドア
それではドアチェックからです。
ドアトリムは樹脂と合皮とのコンビになっていて、なかなか斬新です。
スピーカーレイアウトは、ウーファーがお約束の定位置で、ツイーターはミラー裏です。
ミラー裏という位置は、BMWなんかだと定位置ですが、2way装備の乗用車全般でみると、意外と少数派のような気がします。
今回、ウーファーは同じ位置での差し替えになりますが、ツイーターはアルミ製の(そこそこ大きな)ハウジングに収まっている関係で、純正の位置での交換が出来ませんので、市販のポッド型マウントを使ってオンダッシュ取り付けにします。
あと、純正アンプについても触れておきます。
このクルマのアンプはセパレート式になっておりますが、ありがちなラゲッジルームの左側のカベ。じゃなくて運転席の下に設置されています。
チャンネルは4chで、フロント/リヤにそれぞれ割り当てられております。フロントは2wayですので、1chを分岐させて、ツイーター側の方にのみハイパスフィルタをかませて調整してあります。この方法は最低のコストで済むので、かなり多くのクルマで採用されていますね。 -
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
このクルマのパネルには、ドア内に盛り込む部品がほぼすべて取り付けられているので、ガチ系のモジュールパネル方式ですね。
パネルは強化プラスチック製です。軽くて固くて機能的ですが、共鳴はしやすいようです。
純正スピーカーは16センチクラスのがついています。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
ご覧いただくとわかるように、すっからかんのスケルトン状態です。
モジュールパネル側にウインドウレールまで含めて全部くっついてるので、いざ外すとなると、ここまで見晴らしが良くなってしまいます。
しかしながら、チョイチョイチョイで簡単に外れるわけではありません
今一度、左上のあたりをご覧いただくとわかるように、ドアハンドルまで外さないといけないのです。ドアハンドルを外して初めて、窓ガラスも外せるという構造になっています。
スピーカーケーブルの通線に関しては、このクルマの場合、ドア側がカプラーになっていて、例によって隙間がないので、ドア筐体に小さな穴を空けてグロメットを付け、ここから通す方法をとります。ボディ側に関しては、都合の良いところにグロメットがついてますので、穴あけの負担はなしです。
防振は、駆動力の強い外部アンプをつかいますので、制振力の強いデッドニンググレードで施工しています。
長方形の2枚はもとから貼り付けてある「純正」の防振材ですが、共色の塗装がかかっていますので、無塗装の鉄板の段階で貼り付けられているように思われます。 -
インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
再度、そこそこの手間をかけてパネルを組み戻し、MDF製のバッフルを取り付けてからAX165のウーファーを固定します。
防振はご覧のように全面貼りです。
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ドアトリム裏
ドアトリムの裏側の様子です。
ボリュームをけっこう上げて聴く♪との事で、ドアトリムの施工もご用命いただきました。
純正の位置でのスピーカー交換の場合、ドアトリムの中でスピーカーが稼働しますので、音量に関わらず、波動がドアトリム内の空気に伝わってしまいます。
これによって、(1)ドアトリムが共振してビビリ音をだす。(2)インナーパネルとドアトリムとの空間に音がこもる。という因果関係が成立し、ボリュームの増大に比例して、聴感の悪化が顕在化してきます。
この(1)の影響を低減するためには、写真のようにドアトリムそのものに防振材をとりつけて重みを付け、振動への耐性を上げるという方法が有効です。
(2)を封じるためには、スピーカーの周りに分厚いスポンジ(AT7442)を一周させてカベをつくり、ドアトリム内の空間と遮断する方法が手軽で、さらにドアトリム全体に吸音材を重ねる方法も効果があります。
これを究極的に解決しようと思うと、アウターパネル化によって、ドア内のしがらみと完全に縁を切る!ということになりますね。 -
ツイーター取付
ツイーター取り付けの様子です。
上述のとおり、純正ツイーターはミラー裏についており、決して大きくないミラーカバーの中に納めるには、AX165のツイーターは大きいので、市販のツイーターポッドを使用してダッシュボードに設置する方法を提案させていただきました。
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サブウーファー
ラゲッジルームの様子です。
こちらには、前車から引っ越ししてきたサブウーファーボックスが配置されています。
ラゲッジルームのフロア下は、その他多くのワゴン車と同様に収納スペースになっており、アンプ類を格納しています。ただ、そのボードは、フロア全面に等しいサイズになっていますので、サブウーファーボックスが乗っかっているラインで切れ目を入れて、手前側の部分だけで開閉できるように加工しています。
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ラゲッジ下
サブウーファー手前のフタを開けて、中を覗き込んだところです。
MDFでアンプボードを作り、DSPとレギュレーターとパワーアンプを配置しました。
機材をざっと説明しますと、手前の3つがアンプです。中央が4chで、(故障している1chを除く)3chを使って、サブウーファー2台を動かしています。
左右にあるのは2chアンプです。1台をツイーター用、もう一台をウーファー用として使っています。
奥にある3つの黒い箱については、左がオーディオテクニカの電源レギュレーター・AT-RX100です。
これで下3つのアンプへの電源を供給しています。真ん中にあるのがAT-RX80で、これはDSPに電源を供給しています。
最後の右はaudisonのDSPであるbit tenです。ヘッドユニットからフルレンジ信号を受け取って、3枚のアンプに帯域別の信号を送出しています。
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電源取り出し
最後はエンジンルームに移動して、バッ直の様子を御覧ください。
ヒトコマ前で御覧頂いた、ラゲッジルームのパワーアンプとDSPに電気を送るために、電源ケーブルを直接引き込んでいます。(通称バッ直)
写真はバッテリーケースのフタを外した状態で、普段は赤く見えるケーブル類の一切がケース内に格納されるようになっています。
真ん中付近に見えるのが、耐入力100Aのサーキットブレーカーです。過電流で溶断するタイプのヒューズとは違い、ご家庭のブレーカーのように、バチン!とスイッチが開くことで、回路を遮断する仕組みです。よって、またスイッチを上げれば復帰できますし、アンプのメンテなどの際、任意に開放して通電を遮断することもできます。
配線の経路について、念のために補足しておきますと、バッテリーターミナルから出たケーブルが手前に落ち込んでいますが、すぐUターンするようにブレーカーに入り、再度ターミナル脇に近づいて、バッテリーケースから外に出るようになっています。
バッテリーボックス内のケーブルは、ご覧のようにケーブルのままで敷設していますが、ボックスを出てからは、さらにコルゲートチューブを被せて保護してあります。
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作業後記
今回はボルボV60のフルオーディオ・インストール事例をご覧いただきました。
前車からの移設+一部更新ということで、世代の入り混じった機器構成となっていますが、パソコン・スマホやナビ製品などと違って、「陳腐化」というキーワードからカナリ遠いところにいるオーディオ製品ですから、なんら問題なく調和していました♪
一定の性能を持ったカーオーディオ製品はそれなりの値段がするものです。とくにアンプが代表例ですが、ライフスタイルが変わって車を乗り換えることになっても、ずーっと付き合っていけるので、結局オトクなのかもしれません。
当コーナーでご紹介する事例は新規インストールの案件に偏っていますが、乗り換えに伴う載せ替え、取り外した愛機の復活インストール、修理の取次など、カーオーディオ・ライフのあらゆる局面でお力になれますので、どうぞお気軽にお声掛けください。
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