RENAULTトゥインゴのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
ルノー・トゥインゴの事例紹介です。
トゥインゴは、ルノーのラインアップでも最もコンパクトな「Aセグメント」に属する小型車です。
初期型の発売は1992年と30年も前で、2代目へのフルモデルチェンジは2007年。現行の3代目は2014年から製造されています。
エンジン/駆動型式は、コンパクトカーへの馴染みのよいFF形式でスタートしましたが、3代目からはメルセデス・ベンツとの提携に伴うシャーシ共通化の関係から、RR(リヤエンジン/リヤドライブ)方式に改められ、室内長の拡大による居住性と、小回り性能の向上を実現しています。
今回ご登場いただくのは、メジャーカラーの「ジョン・マンゴー」が眩しい、現行モデルの一台です。
オーディオのグレードアップを図りたいとのことで、ご相談頂きました。
現行のトゥインゴの純正オーディオは、ヘッドユニットがディスプレイオーディオで、フロントがツイーターとドアスピーカーの2wayでリヤスピーカーはなし。そして純正には珍しく、運転席下にサブウーファーが搭載されています。(販売時期や仕様によって?サブウーファーなしのもある模様。今回の車はなし)
このグレードアップ策としては、フロント2wayの交換とドア防振を起点として、DSPアンプを入れて、サブウーファーも含めてマルチ化するというのが順当なところかと思います。
なお、同じフランス系のフォーカルの海外製品としては、トゥインゴの専用品としてフロント2wayのみ、あるいはサブウーファーもセットでグレードアップする商品が販売されているようです。しかしながら国内正規品としては取り扱われていない製品ですし、正規販売されている製品でよりスペックの良いものがあるので、そちらで対応したほうがスマートなような気がします。
ということで、今回は2wayフォーカル製品に交換し、ドア防振とスピーカーケーブル交換で稼働条件を整えることにしました。
以下コンポーネント紹介です。
◯ヘッドユニット
アップルカープレイ/アンドロイドオート対応のディスプレイオーディオで、7インチのディスプレイが付いています。
内蔵されるアンプはおそらく4chで、1chの出力を途中で分岐させて、片側のツイーターとドアスピーカーを鳴らしています。そして残る2chで、運転席下のサブウーファーを鳴らす格好になっています。
今回は、純正と同様に、片側1chを分岐させてツイーターとドアスピーカー(ウーファー)を鳴らします。
◯スピーカー
フォーカルのPS 165 V1(税込48,400円)を起用しました。
純正ツイーターはダッシュボードの奥に上向きについており、同じ位置での入れ替えも(かなり手間ですが)出来なくな無いのですが、オーナー様のご要望で「露出形式で、かつ、ある程度向きが調整できるようにしたい」とのことでしたので、美しくデザインされたツイーターマウントがついたこちらをおすすめしました。
この製品はバイアンプ接続にも対応できる、ツイーター用とウーファー用に別々のネットワークが付属している点も特徴で、さらには、各ユニットに受け持たせる帯域の境目(クロスオーバー周波数)を4.0/3.5/3.0kHzから選べる設計になっているのも評価点です。
パッシブシステムとは言え、ツイーターの鳴り具合に一定のこだわりをお持ちのオーナー様にはベストセレクトだったと思います。
インストレーションに関しては、ドアスピーカーは標準の位置で入れ替えて、ドア防振で整え、ツイーターはAピラーに取り付けました。
以上をもって、フロント2wayのグレードアップを果たしました。
純正に比べて格段に鳴りが良くなり、低域も伸びるようになったウーファーに加えて、ピラー露出方式で取り付けたツイーターによって情報量が豊かになり、トータルのクオリティがぐっと上がりました。
ツイーター部分については、純正との外観が変わりましたが、ダッシュボードがモノトーンなので、非常にしっくりと調和してくれました。それに加えてFOCALのロゴがフレンチな統一感も演出してくれて、バリューの高い仕上がりになりました。
施工の様子をどうぞご覧ください。
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フロントドア
それではドアの外観から見ていきましょう。
世に出揃っている価値観の多くが西側に振りきってしまって、固有の文化的アイデンティティが希薄なデザインがあふれる昨今ですが、フランスだけは独自の空気感を保っていますね。
シックであり、ポップであり、キュート?でもあり。一度見た後ではなんとなく真似できるけど、イチからこれをデザインできる能力はすごい!と思いませんか?
スピーカーレイアウトは、冒頭でも触れましたように、フロントがツイーターとドアスピーカー(ウーファー)の2wayで、リヤにはスピーカーはありません。
そして、(一応標準装備ってことになってるようですが)運転席シート下にサブウーファーが装備されているクルマもあるようです。 -
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
サービスホールを塞いでいるのは、欧州車お約束のスポンジシートです。
しかしながら、多くのクルマがインナーパネルの7、8割方が覆われているのに対して、このトゥインゴの場合、サービスホールの密閉だけに使われている点が異なっています。
使用されている接着剤は、指の指紋が持っていかれるほど頑固なので、すっきりきれいに剥がすまでにはしばらく時間がかかります。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
前カットの状態から、スポンジシートを剥がして、キレイに清掃、脱脂をします。
今回は内蔵アンプレベルの出力に好適な、マイルドな防振性能をもたせるために、ドアチューニング・グレードで防振します。
素材はオーディオテクニカのAT7560Rを使っており、枚数は5枚です。
写真では、バッフル付き純正スピーカーを外してあり、残っているのは別パーツになっているバッフル部分です。
ネジ穴の位置や直径から類推して、日産系も含めた多くのクルマで共用されているバッフル付きスピーカーを、このクルマに適合させるために「かさ上げ」目的で用意されたものと思います。
スピーカーの土台をガッツリ!強固に構築しようと言う場合は、このブラケットも外して、インナーパネルの面からMDF等で積層する工法を取ることになりますが、今回はそこまでの話ではないので、このバッフルを前提として組んでいきます。 -
インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
スピーカーケーブルは、デッキの裏からキックパネルにおいたネットワークを経由して、ドア内に引き込んでいます。
最近のドア⇔ボディ間の接続は、従来のゴムブーツ内に電線を通すスタイルから、ボディ側がカプラーになっているスタイルに変化してきています。
このクルマもそのパターンで、カプラー内に隙間を見いだせなかったので、ボディ側にあったサービスグロメットからケーブルを引き出して、ゴムブーツの途中から合流させる方法で、ドア内にまで引き込みました。
ドアチューニンググレードでのインナーパネル側の防振は、全面貼りでなく、写真のようなサービスホール塞ぎ+ポイント押さえで行っています。
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ツイーター取付(助手席側)
ツイーターの取り付け状況です。
ダッシュボードの奥の方(写真の向かって右奥)に見えるのが、純正のツイーターグリルです。
ここでのトレードインも可能ではありますが、このグリルを外す前準備としてダッシュボードを外す必要があるので、手間賃がかさんでしまいます。
今回はご覧のようにAピラーへ取り付けました。
向きについては、フロントガラスまでの距離が比較的短いため、すこし上向きで調整しています。
ケーブルの経路としては、デッキ裏からの出力を2つに分岐させ、キックパネルに隠して設置したツイーター/ウーファー別体式のネットワークを経由して、ウーファー、ツイーターそれぞれにつなぎ込んでいます。
純正では、ツイーター→ウーファーと1本のケーブルでつながっており、そのまま流用できる部分はないので、全線を新しいケーブルで引くことになります。
なお、純正のツイーターに向かっているケーブルも、施工に伴いカットしていますので音は出ないようになっています。 -
ツイーター取付(運転席側)
こちらは運転席側です。
助手席側と同じ角度(仰角)で、対象の位置に取り付けました。
ピラー埋込の加工をする場合は、左右ともに運転者にぴったり向けるような事もできますが、製品に付属しているツイーターマウントを使う場合は(左右同じ形をしていますので)水平方向の角度は固定となります。
冒頭でも触れましたが、後付けだけどもよ〜く馴染んでいますね。
社会通念から、高音域を再生するためのデバイスであることは認知されるだろうし、設置するためのマウントのデザインも非常にミニマルでノイズがないし、色調も馴染んでいる。。おまけにクルマとの関係性をフレンチブランドのロゴが示しているので、この上ない調和が感じられます。
埋め込み加工すれば、音響面でのアドバンテージは得られるけども、手を加えて視覚的なノイズを増やすより、このマウントのほうが良いかもしれないですね。
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作業後記
今回はトゥインゴのサウンドアップ事例をご覧いただきました。
フロント2wayスピーカーのインストールと防振、スピーカー交換というオーソドックスな内容でしたので、コンテンツとしての派手さは乏しかったかもしれませんが(笑)、音質的な改善交換のみならず、ルックスの点においても、非常に収まりの良い事例となりました。
このクルマのサウンドアップを考える場合、(1)フロント2wayがしっかり鳴るように整えることを前提として、(2)サブウーファーをつけるか、(3)DSPアンプを入れるかあたりまでで納めるのが主流になるように思います。
今回は、大前提となるフロントスピーカーの選択肢で、今回の事例のように、「こっち向き」にAピラー取り付けもできるツイーターマウントが付属していて、かつ、フレンチブランドっていうのを並べてみたいと思います。
【FOCAL】
PS 165 V1(税込48,400円)
今回使った商品
PS 165 FE(税込60,500円)
コーンに麻素材をつかったミドルクラススピーカー。
https://www.focal-audio.jp/products/flax/
PS 165 FXE(税込82,500円)
麻素材コーンの上位版。
※より上級ラインアップもありますが、マウントが付属しません。
【BLAM】
LIVEシリーズ
L 165P(税込69,300円)
迫力あるパワードライブ系
L 165A(税込58,300円)
アコースティック系にフォーカスしたモデル
165 LSQ(税込49,500円)
80年代アナログレコードサウンドのようなウォームな味付けモデル
RELAXシリーズ
165 RX2(税込29,700円)
165 RS2(税込24,200円)
お手軽エントリーモデル。
※BLAM製品はインピーダンスが3Ωなので、アンプの状況に応じて調整が必要になる場合があります。
ルノー、プジョー、シトロエンといった国籍のはっきりしたクルマの場合、スピーカーの選択基準に国籍を加えてみるのも面白いかもしれません。
参考になさってください〜。
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ドラレコ、ETC取り付けのような軽作業から、フロントスピーカーの入れ替え、パワードサブウーファー追加、DSPを使った本格的なマルチシステム構築まで、ご希望とご予算に応じて柔軟にプランさせていただきます。
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