マセラティグラントゥーリズモのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.720(お問い合わせの際にお伝えください)
model
マセラティ グラントゥーリズモ
system
メインユニット:純正、A&ultima SP1000
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO RX165 ACTIVE
センター:BLUE MOON AUDIO MX080
リアスピーカー:純正
サブウーファー:なし
プロセッサー:PLUG&PLAY DSP、COMMAND
パワーアンプ:PLUG&PLAY POWER
ケーブル:audiotechnica、SAECcomment
純正デッキ出力をアンプレスDSPに入れ、帯域別の3台のアンプを使って、フロント2wayとセンタースピーカーを鳴らすシステムです。
助手席足元のスペースをインストールスペースとして活用し、機器が完全に見えないように仕上げました。
マセラティ・グラントゥーリズモの事例ご紹介です。
同車は2007年から2019年までの12年間に渡って生産された2ドアクーペです。
マセラティ・クーペ(2002-2007年)及び、グランスポーツ(2004-2007年)の後継車種として企画され、今も現行モデルとして頑張っているクアトロポルテの5代目(2004-2012年・奥山清行さんデザイン)をベース車として開発されています。
グラントゥーリズモ(≒長距離移動可能な高性能車)の名に相応しい、4.2 or 4.7リッターV8エンジンと6速スポーツシフトを積み、前後重量配分も50:50とスポーツカーの様式を押さえながら、マセラティならではの質感の高いインテリアを備えたラグジュアリーカーです。
当コーナーにおけるマセラティ車は、最新のギブリもありますが、クアトロポルテが過半で、グラントゥーリズモは初登場となります!
今回のクルマはフロント2way+リヤの6スピーカーから成る標準オーディオ搭載車で、独自の音作りと、お手持ちのハイエンドDAPを使ったハイレゾ再生を実現すべくシステムを組みたいとのご意向でした。
検討の結果、DAP(デジタル・オーディオ・プレイヤー) or 純正デッキをソースとしてアンプレスDSPに入力し、2chアンプ3台で増幅して、フロント2wayとセンタースピーカーを鳴らすシステムとなりました。
以下システム概要です。
○ソースユニットとDSP+外部アンプ
ソースユニットは、(メイン)純正ヘッドユニットと(サブ)DAPの2系統となります。
前者の純正ヘッドユニットは、標準オーディオ用の6スピーカーを鳴らす、4chアンプの平均的なオーディオユニットです。
このフロントスピーカー出力をDSPに入力します。
リヤ出力については、純正の経路のまま、純正リヤスピーカーが鳴らせる状態を維持し、通常はフェーダー(前後配分)調整によって、リヤから音が出ない状態にしています。
後者のDAPはAstell&KernのA&ultima SP1000です。
名門Astell&Kernの超ハイエンドDAPで、現在は生産終了となっていますが、約30万円ほどの高価格商品です。
ハイスペック製品らしく、光デジタル出力も備えているので、後出のDSPにケーブル一本で直接入力します。
○DSPと外部アンプ
DSPはBEWITHプロデュースによる、PLUG&PLAYブランドのアンプレスDSPである、PLUG&PLAY DSP(税込110,000円)です。
まず同ブランドの紹介です。PLUG&PLAYは以下のラインアップから成る、比較的コスパがよいDSP周辺の商品です。
(1)DSPアンプ(プロセシング10ch/内蔵アンプ8ch)---PLUG&PLAY 1080
(2)DSPアンプ(プロセシング6ch/内蔵アンプ4ch)---PLUG&PLAY 640
(3)単体DSP(プロセシング8ch)---PLUG&PLAY DSP
(4)同デザインの2chパワーアンプ---PLUG&PLAY POWER
(5)コントローラー---PLUG&PLAY COMMAND
上記のラインアップから今回は、8ch対応の(3)単体DSPと、外部アンプである(4)PLUG&PLAY POWER(税込42,900円)を3台、そして外部コントローラーである(5)PLUG&PLAY COMMAND(税込15,400円)を組み合わせて使いました。
入出力経路としては、メイン入力である純正デッキのフロントスピーカー出力と、DAPの光デジタルをDSPに入力し、ツイーター用・ウーファー用・センタースピーカー用として用意した各外部アンプを介して、それぞれのユニットを鳴らすフローです。
iPhoneやアンドロイド端末からDSPへのデジタル信号入力しようという場合、USBで出力する信号を、デジタルインターフェース(オーディオテクニカのAT-HRD1等)を使って、光デジタルに変換する必要がありますが、今回のDAPは光出力を持っているので、光ケーブルで直接入力しています。
○スピーカー
耳にタコで恐縮ですが、当店一番人気のブルームーンオーディオで揃えました。
フロント2way用としてフラッグシップのRX165 ACTIVE(税込176,000円)、センタースピーカー用としてMX080(税込36,300円)を起用しました。
今回のRX165 ACTIVEは、パッシブネットワーク付きのRX165からネットワークを除いた製品で、今回のようにマルチシステムで使う(からネットワークいらない)というユーザー向けのセットです。税込みベースで22,000円安くなってます。
センター用のMX080については、もともとセンタースピーカーが付いていないクルマでしたが、オプションオーディオ用としてセンタースピーカーグリルは設けてあり、その中に取り付けましたので、外観にまったく変更なしでインストールできました。
以上をもって、DSPフルマルチのハイエンドハイレゾシステムが組み上がりました。
アンプレスDSP+チャンネル別のマルチアンプならではのクリアな信号と、ピカイチの再生能力を持つブルームーンのフラッグシップスピーカーとの組み合わせて、かなり上質なサウンドが得られました。
さらなるストロングポイントとしては、計4台に登る新規投入機器を、全て助手席の足先のスペース(純正サブウーファー用のブランク・スペース)に配置したことで、(ツイーター部を除いて)室内のどこを見ても全く純正の外観のままで済んだ点ですね。
施工の様子をどうぞご覧になってください♪♪
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フロントドア
それではドアチェックから始めます。
ベース車の5代目クアトロポルテに比べて、全長を300ミリ詰めてあるらしいですが、4,900mmクラスの図体の2ドア車ですから、ドアのサイズはかなりのものです。
室内はベージュのレザー貼りで、写真以上にエクスクルーーーシブな雰囲気がただよっております。
スピーカーレイアウトは、右下の○がウーファーで、ツイーターはドアミラー裏です。
この写真は施工後の撮影なので、RX165のツイーターがついちゃってます。後ほど改めてクローズアップ写真をお目にかけますので、ここでは気づかなかったことにしてください。 -
ドアトリム取り外し
ドアトリムを取り外したところです。
ゴージャスな外観とは打って変わって、中身はかなり質素ですね。見事に何もありません。
サービスホールは結構でかいんですが、欧州車おなじみのスポンジシートで覆われて沈黙しています。
純正スピーカーは17センチクラスのブラケット一体型です。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
真っ白のスポンジシートを剥がして、外板を清掃・脱脂してから、防振材を貼っています。
今回は制振力の強いデッドニンググレードで施工しましたので、厚手の材料を短冊状にカットし、等間隔に貼っています。
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インナーパネル作業
インナーパネル側が終わったところです。
スピーカー周りは、純正のスピーカーブラケットのネジ穴をつかって固定できるよう、MDFでバッフルを制作し、RX165のウーファーを固定しています。
バッフルの厚みは3センチほど確保していますので、しっかりした足場になり、振動板のストロークの安定に大きく寄与しています。
スピーカーケーブルの引き込みについても触れておきます。
一般的な構造は、ボディとドアとを繋ぐゴムブーツがドアの前方についていて、そのトンネルの中に純正スピーカーケーブルやパワーウインドウなどのケーブルが通っているというパターンで、この場合は、それら既存のケーブルのスキマにスピーカーケーブルを通すことになります。
次に、最近増えているパターンが、ドア側からゴムブーツが生えているものの、ボディ側との接点がカプラーになっていて、従来のように一本のケーブルが貫通していないパターンです。
この場合は、(1)カプラー内に並んでいる端子部分に空きを見つけて、細めのケーブルを通す。(2)カプラーに空きがない、あるいは通したいケーブルが太いなどの理由で通線が無理な場合は、別途穴を開けて経路を確保して通す。の二択になります。
今回は(2)に該当するケースでしたので、ボディ側のカプラの近くに小さい穴を開けて、スピーカーケーブルを通し、さらにゴムブーツの脇をほんのちょっと切開してケーブルを通し、シュルシュルとドア筐体内に引き込む。。という作業を行いました。
新規に通路を開通させるので、ボディに開けた穴にはタッチペンとグロメットで手当しますし、ゴムブーツの小穴もブチルゴムを使ってきちんと防水します。
なお、こういう外科手術を行う前には、当然ながらオーナー様にも許可をとっております。
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ドアトリム裏防振1/2
今回はハイエンド志向で、ドアトリムの防振も行いました。
(1)2ドアでドアが大きい上に、(2)補強リブが少なく、平らな面が多いためビビりやすそうで、(3)インナーパネルからドアトリム裏までの空間がそこそこあって共鳴しやすそう。という要素が揃っていたため、提案させていただきました。 -
ドアトリム裏防振2/2
施工後の様子です。
前述の通り、広く平らな面はビビリ(共振)しやすいので、平らなところを主軸として、材料を配置しました。全体的に重みがつけば目的は果たせますので、必ずしもビッタリと全面に貼りつくす必要はありません(アウターパネルも同様)。
しかしながら、ハイパワーのアンプでしっかり駆動できる場合は、全面貼りにしたり、さらに吸音スポンジで覆ったりといった策が有効なので、条件に応じて判断は変わります。
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ツイーター取付加工
ツイーター取り付け後の状態です。
加工前の写真があると変化がわかりやすかったのですが、、撮影忘れちゃいました。残念。
もともとは、ツイーターが乗っかっている三角形のツイーターグリルの中央に、結構小さいメッシュ(約3センチ径)が切ってある状態でした。
本来なら、大ぶりのRX165のツイーターを突っ込むことは出来ないサイズなんですが、たってのご希望でしたので、ツイーターグリルを切削加工して、パテ整形し、塗装で仕上げる手間を掛けて、写真の状態に持ち込みました。
よくご覧頂くと、ツイーターが取り付けられている三角の面の奥側の辺が丸く膨らんでいますよね。また手前も軽く膨らんでいます。
まあまあ手間がかかりましたが、(ダッシュボード上配置に踏み切らず)純正レイアウトの範囲内でインストールできた価値は大きかったと自賛しております。
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センタースピーカーグリル
ダッシュボード中央には、センタースピーカーグリルがあります。BOSEシステム選択時にユニットを入れるんだろうなと思いつつ開けてみたところ、やっぱりそのとおりでした。
スピーカー配線だけは来ているパターンもよくあるのですが、これもありませんでした。予定通り新規に引きます。
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センタースピーカー交換
MX080取り付け後の状態です。
通例ならば、MDF等でバッフルボードを作って固定、、という手順になるのですが、一応バッフル。。と呼んで差し支えないようなプレートがありましたので、直接タッピングで留めてみました。
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センタースピーカー交換後
スピーカーグリルを戻した状態です。
網の隙間からスピーカーがチラッと見えますね。
ミラー裏のツイーターしかり、ちょっと気分がいいんじゃないでしょうか♪
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助手席側足元
助手席足元のレイアウト状況です。
ちょうどつま先があたる、俗にキックパネルと呼ばれる位置です。通常は足が当たるフロア面が文字通り鉄板なんですが、このクルマの場合、BOSEシステム選択時のサブウーファーを設置するために、一段掘り込んでスペースを作ってあり、ちょうどよい地下空間がひろがっていました。
これは好都合♪ということで、板を敷いてDSP関係をレイアウトしました。
説明不要かと思いますが、奥がDSP、手前が2chアンプ×3台です。
アンプは帯域ごとに1台設けてあり、ツイーター用、ウーファー用、センター用に分かれています。なお、センター用の信号は1chで済みますので、片側1chだけ使っています。
あと、真ん中に見える白いケーブルは光デジタルケーブルですね。反対側はDAPに直接つながっています。
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DSPコントローラー取付
DSPコントローラーの設置状況です。
これは定番の位置ですね。シフト前のコンソール前に置きました。
写真だと、ただおいているだけのように見えますが、簡単なステーを介して固定してありますので、操作に不安はありません。
このコントローラーは音響セッティングプロファイルの切り替え、入力ソースの切り替え、サブウーファーボリューム調整、デジタルソース入力時のボリューム調整といった機能があります。
メインソースが純正デッキのスピーカー出力のみで、プロファイルも固定でよし。という場合は不要ですが、今回のように複数ソースがあり、かつ、デジタルソースが含まれる場合は必須になります。
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DAP
最後はブランド品のようなハイエンドDAPを拝ませていただきましょう。
お客様がかねてよりご愛用の、ドリンクホルダーに突き立てるタイプのホルダーを使って固定してあります。キャビンのほぼ中央にニョキッとそそりたっており、ドライバーの顔の近くにくるので、操作性・視認性ともに良さそうですね。
本機の上側に刺さっているのが、例の光ケーブルです。高品位ケーブルでおなじみのSAEC(サエクコマース)が展開する「SUPRA」のZACシリーズの製品です。 -
作業後記
今回はマセラティ・グラントゥーリズモのサウンドアップ事例をご覧いただきました。
本文でご紹介いたしましたように、ツイーターのグリルが小さめで、RX165のように大きなハウジングに納められているツイーターを納めるには、相応の加工が必要になりますが、一般的なサイズであれば支障はありません。
また、ドアのウーファーについても、最もポピュラーな17センチクラスの直径を納める直径がありますし、奥行きも十分にとれるので、ハイエンド系のおしりの大きなスピーカーもいけそうです。
あと、なんとも素晴らしかったのは助手席の爪先部分に広がるインストールスペースですね。
BOSEシステム選択時のサブウーファー設置用スペースとして用意されたスペースがまるまる活用できたので、DSPと外部アンプ3台がそっくり収まり、すっきりインストールすることが出来ました。
一般的には、目に触れにくいシート下を活用して「室内の変化ナシ!」という解釈をするのですが、このクルマの場合、それなりの機器を追加してもホントに完全に見えない状態に持ち込めてしまうので、バリューがひときわ高いですね(^o^)
グラントゥーリズモの標準オーディオ車のオーナー様は、このスペースの活用も視野に入れてみてください
ドラレコやETC取り付けなどの軽度の作業から、フルオーディオまで。ご希望とご予算に応じて、どのようにでもプランいたします!どうぞお気軽にご相談ください(^o^)♪
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