メルセデスベンツ190クラス190Eのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.719(お問い合わせの際にお伝えください)
model
メルセデスベンツ 190クラス 190E
system
メインユニット:Carrozzeria DEH-970
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUEMOONAUDIO SX165
リアスピーカー:BLUEMOONAUDIO CX100
サブウーファー:なし
パワーアンプ:内蔵アンプ
ケーブル:SAEC SPC-350comment
フロント2way+リヤコアキシャルスピーカーを交換して、計6スピーカーを1DINオーディオデッキでマルチ制御するシステムです。
ネオ・クラシック車で重要視される、純正の外観に大きな変更を加えることなく音質改善を図りました。
メルセデス・ベンツ190Eの事例ご紹介です。
開発当時を振り返りますと、、1970年代後半のベンツのセダンのラインアップは、初代SクラスのW116と、(現Eクラスの源流にあたる)W123の2グレード体制でした。1980年代に入ると、Sクラスは偉い方と怖い方に大人気だったW126に代替りしたものの、引き続き2グレード体制でした。その後1982年になって、よりコンパクトなモデルとして発売されたのが、W201(190/190E/190D)でした。
W201は日本の5ナンバー規格に収まるほどのコンパクトなセダンだったため、それまでコンパクト扱いだったW123 はミディアムサイズへ格上げされ、(大)W126(中)W123(小)W201の3グレード体制となりました。
ちなみに、(中)のW123は1986年にW124へとモデルチェンジされて、晴れて初代「Eクラス」のブランドが与えられました。同様に、(小)W201は1994年にW202となり、こちらが初代Cクラスとなりました。
1982年から1993年まで販売されたW201(190)は、存在感ありまくりのW116/W126に比べると、ぐっと中流層に近い存在となり、対象顧客層が広がりました。折からのバブル景気にのって、日本市場では非常によく売れ、BMW3シリーズのあだ名である六本木カローラに対して、小ベンツと呼ばれて親しまれました。
コンパクトな小ベンツといっても、決してチープというわけではなく、堅牢で重厚感のある造りはメルセデスならでは。現代においても、W124と並んで、ネオクラシック・メルセデスとして高い人気を維持しています。
今回ご登場いただくのは、登録時から大事にされてきた様子の、二桁ナンバーの一台です。
オーナー様は、DIYマインドをお持ちの方のようで、過去にヘッドユニットをソニーの製品に交換なさったとのことですが、右側が鳴らなくなったスピーカーの交換は、ちょっとハードルが高そうと判断され、ご相談いただくに至りました。
お話し合いの結果、スピーカー交換だけでなく、ヘッドユニットも更新しようということになり、カロッツェリアのDEH-970をヘッドユニットとし、フロント2wayとリヤスピーカーの6スピーカーを鳴らすという、純正のシステムをそのままグレードアップする格好になりました。
以下、コンポーネント紹介です。
○ヘッドユニット
カロッツェリアのDEH-970(税込38,500円)です。
パイオニアのハイエンド1DINオーディオデッキとしての位置づけの製品で、部品と造りのレベルが高い割に価格が安く、コスパの高さで長らく愛されてきましたが、本年3月末をもって販売終了となりました。
この製品の主要なセールスポイントの一つが、選択式のスピーカー接続モードで、ネットワークモードとスタンダードモードから選べるようになっています。
ネットワークモード選択時は、フロント2way+パワードサブウーファーをマルチ制御できるようになり、当店のお客様に人気の高いモードです。対して、スタンダードモードは内蔵4chアンプを、フロント/リヤの4chに振り分け、必要に応じてパワードサブウーファーも追加できるという、より一般的なスタイルです。
今回は、後者のスタンダードモードを選び、フロント出力をネットワークで分岐して、ツイーターとウーファーの2wayを鳴らし、リヤ出力でリヤスピーカーを鳴らしました。
○スピーカー群
当店人気ブランドのブルームーンオーディオで統一しました。
フロント2wayは、RX165/AX165/SX165の3グレードのうちのベースグレードであるSX165(48,400円)を選びました。
リヤは、コアキシャルタイプのCX165(16.5センチ径)/CX130(13センチ径)CX100(10センチ径)のうち、CX100(税込40,700円)をセレクトしました。
フロント2wayのうちウーファーは、ドアに作りつけられたサブウーファーボックスの位置を改修し、バッフルボードで土台をつくり、デッドニングを施した上で取り付け。ツイーターは、ダッシュボード両端の純正フロントスピーカーの位置にトレードインしました。
リヤトレイに配置されているリヤスピーカーは、純正のブラケットを加工してCX100をはめ込み、ブラケットごと純正の位置に取り付けました。フロントもリヤも、純正のままの外観を維持しています。
以上を持って、1DINデッキは差し替わるものの、純正と同じフォーメーションでのサウンドアップが実現しました。
どのような車でも、ドア防振とスピーカー取り付けをきちんとやれば、一定のレベルの音は出せるようになりますが、やはりもともとの堅牢性といいますか、素材が良いほうが出来も良くなります。
その点で、「小ベンツ」とはいっても、しっかりとした質感のドアが立派なスピーカーボックスとして機能してくれるおかげで、歪みの感じられない素性の良い音が得られました。
施工の様子をどうぞ御覧ください♪
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メインユニット(交換前)
最初に交換前のオーディオデッキの状態です。
もともと1DIN規格の純正デッキが取り付けられていましたが、壊れちゃったんでしょうか、オーナー様が気合でソニー製に交換なさってました。
日本車だと、情報不足・経験不足でもなんとかなっちゃう場合が多いですが、文化の違う外車(特に欧州車)は構造が独特だったり、脱着に専用治具が必要だったりして、事前の楽観がいきなり暗転する事が多いです。
そんな中、だいぶ頑張られた様子が伺えますね。GJ!(^o^)b -
メインユニット(交換後)
カロッツェリアのDEH-970に交換後の様子です。
デッキ周りの1DINブラケットの境界が目立つといえば目立ちますが、パネル加工なしの標準作業だとこんなところでしょう。
液晶パネルのカラーは27色から設定できるようになってますので、インパネの色調に合わせてみました。
メーカー出荷は終了していますが、在庫を少し確保しています。
ご入用の方はネットショップでお求めください。
【DEH-970販売ページ】
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フロントドア
施工前のフロントドアの様子です。
現代の車のような色気はありませんが、昔のドイツ車らしい節度のあるデザインが素敵です。
今の世代の皆様からすると、ちょっと想像できないかもしれませんが、この時代(80年代から90年前半)の車では、ドアにスピーカーがついているのは稀で、ダッシュボード両端がデフォでした。
この190はドアに付いてますが、これはプレミアムオーディオとして付加された「サブウーファー」で、標準のスピーカーは10cmのフルレンジがダッシュボード両端についています。
ドアオープナーの前方に、シート調整スイッチが誇らしげに付いてますね。小ベンツもベンツです。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを取り外したところです。
サービス・ホール付きのインナーパネルに、粘着の強〜い糊をつかって、白いビニールシートがビッタリと貼りつけられています。
最近の欧州車はスポンジシートがデフォですが、昔はビニールシートでした。ここまで強いのりで全面貼りするメリットは未だに分かりません。。
スピーカー周りが凝った感じになってますね。
黒い樹脂製のバスレフボックス(スピーカーボックス)に、スピーカーユニットが取り付けられた「スピーカーモジュール」が、インナーパネル上に固定されています。
なお、信号は外部アンプによってイコライジングされて入力されています。(ローパスフィルターがかかっている訳ではない)
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アウターパネル作業
アウターパネルにアクセスして、一通り作業が終わったところです。
純正のウーファーボックスとビニールシートを撤去したら、清掃と脱脂を済ませ、アウターパネルを防振します。
DEH-970の内蔵アンプを使用するため、ドア防振は、効果がマイルドなドアチューニンググレードでも良いのですが、ハードなデッドニングの方をご指定いただきました
アウターパネルに使う防振材は、定番のDr.Artex製品の入荷が滞っているため、以前、常用していた「サイレントコート」を調達してまかなっています。
インナーパネルには、ドアトリムを固定するための、ひっかけ穴が配置されています。逆U字型の黒いやつがそれで、左端の中央に一つと、中央に一つ、右端の上中下の各一つづつあります。
これを塞いじゃうと当然まずいので、残してデッドニングします。 -
インナーパネル側作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
ウーファーボックスがあったところに、バッフルボードを形成し、円形バッフルリングを配置してから、SX165のウーファーを固定します。
パネルの下端に見える純正配線は、インナーパネルの防振が終わってから、アルミテープで元の位置まで引き出して固定しています。
デッドニンググレードにて施工するインナーパネルの防振は、ご覧のように全面貼りです。
前カットでふれましたように、ドアトリムについているツメをひっかけるための穴のところは、塞がないように残しています。
同じ目的の切り欠きが、下端にも4箇所設けてあります。
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ツイーター取付
SX165のツイーターユニットを取り付けたところです。
純正の「穴」にちょうどハマる筒を背負ったバッフルボードを制作し、中央に穴を開けてユニットを固定しています。
純正スピーカーシステムのときは、ここが中高域中心のフルレンジ、ドアが低域という構成でしたが、施工後は、ここが高音域、ドアが中低域という分担になります。
くたびれたスピーカーとの比較はナンセンスですが、高域専門のツイーターがあると、音の輪郭がはっきりしますので、クリアですね。
またドアのウーファーをグレードアップすることによって、もっとも情報量の多い中音域はもちろんのこと、サウンド全体のレンジ(高さ)を左右する基音(もっとも低いところ)がしっかりするので、低域がはっきりするだけでなく、高音域の伸びにも大きく寄与するので、トータルのクオリティが格段に上がりました。 -
リアスピーカー
リアトレイに配置されている、リアスピーカーの様子です。
右側にどかされているのが、スピーカーグリルです。ツメのテンションだけで留まっているので、容易に外れました。
長年のホコリが溜まって、実家の倉庫のような風情。なぜか落ち着きます。
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純正リアスピーカーモジュール
スピーカーモジュールを外したところです。
リアトレイにポン付けされているわけではなく、ご覧のように樹脂製のエンクロージャーがついているんですね。
これを社外品に入れ替えます。
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ユニット交換
交換後の様子です。
スピーカーユニットは、10センチ径の同軸スピーカー・CX100です。
冒頭で触れましたように、3サイズ展開しており、この上の13センチも候補に上がったのですが、バッフルボードの直径内にギリギリ収まらなかったので、10センチのユニットにしました。
エンクロージャーの大きさからすると、小さい感じがすると思いますが、そこはやっぱり社外品です。低域もしっかり出ますし、リアスピーカーとしては十分なパフォーマンスを発揮してくれます。
CXシリーズはブルームーンオーディオのコアキシャルタイプスピーカーとして、4年ほど前にラインアップに加わりました。
中央に配置されているのが1インチ径のツイーターです。一般的なコアキシャルタイプは、ウーファー部分とツイーター部分の信号を振り分けるネットワーク機構が、ユニットの背面についているケースがほとんどですが、ハイエンド品だけあって、ノイズと電磁誘導による影響をへらすために、セパレート方式を採用しています。
CXシリーズの3ユニットと、セパレートネットワークの外観はこちらのページでご確認ください(ページの一番下にあります。)
BLUE MOON AUDIOスピーカーの紹介ページ
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リアスピーカー取り付け後
スピーカーモジュールを元通りに取り付けたところです。
リアトレイの開口部の切断面は、相変わらずラフですが、スピーカー部分はキレイに入れ替わってますね。
この裏の少しずれたところに、上述のネットワークがあって、その先は引き直したケーブルを伝って、ダッシュボードのデッキ(DEH-970)までつながっています。
ケーブル引き換えは結構タイヘンでした(汗) -
USBケーブル
DEH-970への外部入力用のUSBケーブル2本です。
このオーナー様の場合、利用頻度は極めて低そうだということでした。そうであれば、線を通したり、穴を開けたりといった加工によって、新たな負担をかけるのは避けるのが妥当です。
ということで、既設のETCユニットを取り付ける際に開けたあった穴をちょっと拡大して、グローブボックス内に引き出す手を提案させていただきました。
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マイク取付
最後はハンズフリーマイクの取り付け状況です。
現行車にお乗りの方には、なんてことないかもしれませんが、この時代の車にブルートゥース接続機能と、ハンズフリー通話が加わるのは、小躍りしたくなるくらい嬉しいことなのです(^o^)
取り付けの位置は、定番のステアリングコラムの上。。。のつもりでしたが、コラムが極端に短いので、脇につけてみました。
目に見えるところにないと、不安に感じるかもしれませんが、集音性能は優れているので、機能的には全く問題ありません。 -
作業後記
メルセデス・ベンツ190Eの事例をご覧いただきました。
80年代〜90年代に生産された車たちに「ネオ・クラシック」というカテゴリタイトルが与えられて久しいですね。
新型車の輝きはいつの時代も魅力的ですが、近年はエココンシャスが先鋭化した影響で、いい意味でムダのある、アナログなぬくもり感が薄れ、少し前の車に対する慕情が高まってるのが背景にあると思います。
現実的には、いまいちな燃費、懲罰的な自動車税と、苦い要素もありますが、それらを覆して余りある魅力がありますね。
新車・旧車とわず、車好きのお客様に集っていただいている当店では、ネオ・クラシック車のリフレッシュ施工のご依頼を多く頂いています。
主に、
(1)サウンドアッププログラムによるスピーカー交換とドアのエンクロージャー化。
(2)古い純正ナビの取り外し(or移設)によるナビ交換。
(3)オーディオデッキの交換と、それに伴うパネル制作。
といった、外観の変更なしで機能回復&改善を図るプランの需要が多いです。
また、
(4)前後ドラレコ取り付け
(5)ETC取り付け
(6)レーダー取り付け
(7)バックカメラ取り付け
といった、ドライビングユーティリティーの充実を目的としたメニューのご依頼も多いです。
これからも長く付き合いたい車のバリューアップのために。ご予算とご要望に応じて柔軟にプラン提案いたします。
どうぞお気軽にお声掛けください。
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