ホンダプレリュードのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.705(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ホンダ プレリュード
system
メインユニット:carrozzeria DEH-P01
ドアチューニング:フロント
フロントスピーカー:carrozzeria TS-V173S
リアスピーカー:なし
パワーアンプ:DEH-P01付属
ケーブル:audiotechnica、BEWITH
ドライブレコーダー:carrozzeria VREC-DZ300
comment
ハイエンド1DINオーディオデッキで、2way化したフロントスピーカーを鳴らすシステムです。
独特な構造のドアスピーカー周りを加工して、しっかり鳴るように仕上げました♪
ホンダ・プレリュードの事例ご紹介です。
プレリュードは1978年から2001年に渡って生産された、2ドアクーペのスペシャリティカーです。
23年の歴史の中で、4回のフルモデルチェンジを経験し、5世代のモデルが生産されましたが、特にリトラクタブルライトを装備する2代目(1982年〜)・3代目(1987年〜)の人気は絶大で、バブル期の時代背景もあって、デートカーとしての戦闘力の高さを遺憾なく発揮しました。
4代目からは、全車3ナンバー・2200ccとなり、ホンダの可変バルブタイミング機構であるVTECエンジン搭載車も設定されました。
今回ご登場いただくのは、最終モデルである5代目(1996-2001年)の中でも一番最後のBB8型。CMでもよく見かけた主力カラーのシルバーがまぶしい一台です。
オーナーは古くからお付き合いいただいているお客様で、プレリュードオーナーズクラブにも所属していらっしゃるほどのプレリュード好き♪
中古でのご購入なれど、中も外も大変キレイに維持していらっしゃいます(^o^)
今回は「購入時からついているナビを撤去して、MAX35万円の予算で出来るだけいい音にしたい。(ナビは不要)」という要旨でご相談いただきました。
昨今の音質アップのご相談でヘッドユニットを含む場合は、ナビが前提になるケースがほとんどですが、今回は2DINスペースが確保された車両で、予算を音質に全振りしてよいとのことですので、、、カロッツェリア最上級のオーディオデッキをメインに据えて、フロント2wayをしっかり鳴らし切るプランをご提案し、ご用命頂きました。
以下、コンポーネント紹介です。
○ヘッドユニット
カロッツェリアのDEH-P01(税込110,000円)です。
度々ご紹介しておりますDEH-970(税込38,500円)と並んで、パイオニアのハイエンドヘッドユニットの最高峰に位置する一台です。
2009年の発売から12年ほど経過していますので、現代と比べるとUSBの充電電流やオーディオファイルのコーデックに制約がありますが、オーディオの名門であるパイオニアがふんだんに開発費をかけていた時代の一台ですので、音の品格は未だに一級品です。
DSPチップ、DAコンバータ、オペアンプ、コンデンサといった部品に一級品を採用するのは当然のこと、オーディオの永遠の課題であるノイズ対策のために、L/R独立基盤レイアウトや、銅メッキシャーシなど1DINデッキで採りうる限りの対策を採っています。
極めつけは、アンプのセパレート化です。一般的に本体内に内蔵されるアンプを別筐体として、本体へのノイズの影響の低減を図っています。さらにアンプ内の構造も、L/R独立レイアウトの50W×6chとし、チャンネルセパレーションと高出力を両立させた王道の構造をとっています。
またDSPについても、サブウーファーを含む4way(8ch)に対応しており、自在な音創りが可能になっています。
今回は、この4wayのうち、2way分を使って、フロント2way(ツイーターとウーファー)を鳴らす構成としました。
○スピーカー
デッキと同じくカロッツェリアのTS-V173S(税込66,000円)を使いました。
TS-V173Sはカスタムフィットスピーカー最上位のモデルで、カロッツェリアらしい明瞭な音色を価格を上回る豊富な情報量で描き出せるスピーカーで、ご満足いただける確率が極めて高いハイコスパ・フラッグシップモデルです。
プレリュードはウーファー(ドアスピーカー)取付部の構造が独特なので、お尻の大きなフェライトマグネットを採用したスピーカーの場合、そこそこの加工が必要になってしまいますが、TS-V173Sはネオジム磁石でスリムなので、大加工ナシでフィッティングしました。
○安全装備
カロッツェリアのドラレコVREC-DZ300(オープン価格)を取り付けました。
オーディオとは関係ないところですが、今や丸腰では路上に出れない時代のようですので、身だしなみとして到着。
フロント1カメラ・ワンボディ形式のシンプルな製品です。
以上をもって、コンパクトで上質なフロント2wayマルチのオーディオシステムが出来上がりました。
1DINのハイエンドオーディオデッキ部門では、後発のDEH-970(税別38,500円)の方が価格が安く、ハンズフリーとブルートゥース対応の点で利便性が高いため、孤高のP01の出番は少なくなっているのが正直なところなのですが、音質最優先で考えると、これが一番なのは明白なのです。
ホンダ史上最上のロマンチック&ハイパワークーペに、上質なサウンドがしっとりと馴染む一台♪
施工の様子をどうぞご覧ください。
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メインユニット(交換前)
交換前の様子です。
中古で購入された段階からついていたのは、carrozzeriaの2DINナビでした。
AVIC-HRZ09というモデルで、2005年発売時の定価は242,000円(5%税込)でした。
今ではハイエンドモデルのサイバーナビが買えてしまう値段ですが、これは低価格モデルの位置づけだった楽ナビです。
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メインユニット(交換後)
こちらは交換後のDEH-P01です。
2DIN分のスペースがありますので、下段は汎用のポケットで穴埋めしました。
冒頭で触れましたように、当機のアンプはセパレート式になっています。サイズはほぼ1DINなので、写真のポケット部の下に設置しています。
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ドア外観
次にスピーカーインストールの工程に入っていきます。まずはドア外観チェックから。
ステッチ表現に依存しない、どこかヨーロッパな香りが漂うシックなデザインのドアです。
ご覧のように経年のヤレ・スレが感じられないばかりか、しっとりとしたツヤも宿しており、非常に好コンディションです。
このクルマのスピーカーは前後4スピーカーなので、フロントは右下の位置のフルレンジのみということになります。
今でこそ、セパレートツイーター付きが多く見られますが、80年代・90年代のクルマはそれなりのグレードでもツイーターレスが主流でした。
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純正ドアスピーカー
スピーカーグリルを外して、純正スピーカーを拝みます。
ダンパーはだいぶ固くなっていて、音的な劣化は進行してきっかけ一つでヒビが入りそうですけど、見た感じはとても奇麗ですね。
スピーカーサイズは17センチクラスなので、容易に交換できそうに見えますが、よく見ると3本のネジで留める方式になっているんです。また、ネジ穴は加工のしにくいドアトリムに設けられているので、市販の4穴スピーカーはすんなり付きません。
さらには、スピーカー背面のカップ状のエンクロージャー部分(後出)が浅くて、社外のスピーカーの大半は、そのままでは収まりません。
仮にカップ部分を切除したとしても、真後ろを通るウィンドウレールが近いので、ハイエンドスピーカーをねじ込むにはアウターバッフル化が必須、、こんなところが当時の受け止め方でした。
これに対して、現在は薄型のスピーカーが主流ですし、さらにネオジムマグネットを採用しているお尻の小さい製品があります。音質面の配慮からカップ部分の切除は前提となるものの、選択肢は多くあります。
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インナーパネル作業
インナーパネル側が終わったところです。
スピーカーケーブルを引き込んだら、サービスホールを塞いでいきます。
加えて、平らな部分に防振材を配置していきます。全体的には平面ですが、等高線のように巧妙な凹凸がつけてあるので、ねじれ耐性が高くてビビりにくそうです。
最近のドアオープナーは、自転車のブレーキのようなワイヤー式ですが、このころは折り曲げた金属棒のロッド式が主流でした。
防振材との接触による抵抗増で、動きが渋くならないよう、コルゲートチューブを使って通路を作ります。 -
スピーカー背面
スピーカー取り付け位置の様子です。
「純正ドアスピーカー」のコマでご説明しましたように、スピーカーユニットはドアトリムにネジ止めする構造になっており、さらにカップ状の雨除けでガードされる造りになっています。
これを前提として、今回は、市販の4穴スピーカーが付くように、3穴のネジ穴が設けられている面にバッフルを組み、スピーカーのお尻のクリアランスを確保するためにカップ部分は切除することにします。
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オリジナルスピーカーバッフル製作
カップを切除して、バッフルのテンプレートをあてがっているところです。
カップ部分がそっくりなくなっているのがおわかりになると思います。
あてがわれているバッフルは、製品版を切り出すための「テンプレート」ですので無塗装ですが、製品版のほうは、硬さを増すためにMDF改質剤を含浸させた上で、黒サフェーサーで防護しています。
固定の方法はちょっと複雑です。
(1)バッフルとドアトリムの締結は、ドアトリムの既存の3つのネジ穴を貫通させてから、ドアトリム裏側から木ネジを締め込むことによって行っています。
(2)次に、バッフルと一体化したドアトリムと、インナーパネル(鉄板)の締結ですが、これはバッフルに空けてある4つのネジ穴から、インナーパネル側に新たに設けた穴に向かってボルトを通し、締め込むことで行っています。
上記(1)の加工のみで、純正スピーカーの取り付けと同等の締結力は発揮できているわけですが、スピーカーバスケットを出来るだけ強固に固定するには、(2)の工法をとって、(土木系のアンカーボルトのように)インナーパネルにまでボルトを到達させておきたいところです。
最後になりますが、バッフルに空いている穴をヘコませてある(皿穴といいます)のは、ネジ頭を沈ませることで、スピーカーを取り付ける際に、ネジの頭がスピーカーのフランジ面にあたって、浮かないようにすることを目的としています。 -
スピーカー取付
スピーカーを取り付けたところです。
前カットでは、バッフル⇔ドアトリム⇔インナーパネル(鉄板)同士の締結方法についてお話しましたが、スピーカーをバッフルに取り付けるためのネジ穴は、これまでの説明に登場していません。
このネジ穴は、前カットで触れた(1)の穴とも、(2)の穴ともカチ合わない位置を別途見つけて決めています。
結果的に、スピーカーバッフルには3+4+4=11本のネジが刺さっていることになりますね。
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ツイーター取付(運転席側)
運転席側ツイーターの設置状況です。
80年代90年代のクルマには、セパレートツイーターは稀だったとお伝えしました。このクルマもツイーターレスですので、設置場所を新たに設けなくてはなりません。
そうなると穏やかにダッシュボード上か、高さが稼げるAピラーの二択になってきます。いずれにしても純正の状態から変化しますので、付けてます感はでてしまうんですが、前方視界に入りにくいのはAピラーの影(手前)に隠れてしまう後者のほうです。
今回は、写真のようにピラー設置方法でいきました。
ツイーターの向きはドライバーに向けたいとのご意向でしたので、真後ろよりも、少し内側かつ上方に向けてあります。
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ツイーター取付(助手席側)
こちらは助手席側の設置状況です。
前述の通り、ドライバーに向けて取り付ける方針ですので、左右対称にはなっていません。ツイーターの眼差し?がドライバーの方を向いてるのがわかると思います。
こういう角度を見出すために、台座との位置関係を180度反転させて固定しています。
ツイーターの向きについては、これは完全に好みで正解のない世界ですが、自分に向けたいとお考えになる方は少なくありません。
ただ、こういった設置の場合は助手席を無視した仕様になってしまうので、特段のご指定が無い限り、左右対称をデフォルトとしてご案内しております。
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USBケーブル
今回取り付けたヘッドユニットDEH-P01への外部入力用USBケーブルです。
デッキ下に取り付けた1DIN型ポケットの奥から引き出してきました。
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ドライブレコーダー
最後はドライビングユーティリティーとして不可欠のドラレコです。
相手のある事故での過失割合を決める際の論拠を確保する手段として、本格的な普及期に入ってきた感があります。
考え方によっては、節度ある運転を心がけれてれば大丈夫。とか、相手のカメラにも事実が収められているだろうし、と、先送りする理由はいくつでもあるのですが、先日、冤罪を回避するためのツールとしての重要性を示唆する記事を目にし、少し戦慄を覚えました。
記事はコチラなのですが、いわゆる「当たり屋」対策です。
動画を見る限り、「どっこらしょ」とばかりに、誰がとう見ても当たりに来ているのですが、「映像がない場合には、交通弱者を保護するという思想が根本にあるので。歩行者側の過失は少なく見積もられて、おそらく自動車側がぶつかったと判断される。」(交通事故鑑定人談)そうです。リンク先の動画が伝える実態と考え合わせると、この文明は高度化しているのか、逆に幼稚化しているのか、ほんとにバカバカしくて付き合っていられない感じがしますが、こんな規範で判断されるのであれば、それはそれで悔しすぎます。それなりに準備を整える必要性はありますね。
これから景気の悪化や移民の流入等を原因とする治安の悪化を予想する向きは少なくないようですし、新興脅威である「言いがかり系」に対する、最低限の備えはしといたほうが良さそうですね。明日から24時間アクションカメラを頭(の前後)につけて生活しようと思います。
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作業後記
今回はホンダの名車プレリュードのサウンドアップ事例をご紹介しました。
ヒストリックカーの楽しみ方は、ガチガチに純正状態を維持するスタイルと、適度に時代の空気を入れるスタイルに二分されると思います。
一昔前、「エンスー」なんて呼び方が新鮮だったころは、圧倒的に前者が主流だったように思いますが、今はもっと洗練されたんでしょうか、オリジナルのエッセンス・テイストを最大限に尊重しながらも、時代に応じた使い勝手や、安全面を十分な水準にまで高める手の入れ方が主流になってきたように思います。
このクルマの場合、センターコンソールにはきれいな2DINスペースがあります。1DINのカセットデッキ+ポケットが標準形だったようですが、オプションでCDプレイヤー(+CDチェンジャー)も選べたようです。
やっぱりナビがないと。とお考えの場合は、お好きなデザインの2DINナビを入れられますし、今回の事例のようにデッキの雰囲気が残したければ、DEH-970なり、DEH-970なりの1DINデッキとポケットという選択ができます。
むしろ、きちんとやりたいなら、手をかけるべきはスピーカー周りですね。
本文で詳述しましたように、フロントスピーカーは3本ネジ止めで、窮屈なカップ入りと独特な造りをしています。当然ながらポン付け交換はできませんので、加工が前提になるわけですが、「オリジナルスピーカーバッフル制作」のカット内の(1)でご説明した工法、あるいはそれに準じて、ドアトリムになんとかしてスピーカーを取り付けるところで完成にしてしまうケースは少なくないようです。(鳴るには鳴りますので)
内装にスピーカーを取り付ける(ぶらさげる)取り付け方は今も存在しますので、それ自体は尊重しますが、このクルマのように、もうひと手間で頑強なインナーパネルに締結できるような条件であれば、そこはキチッとやっておきたいところです。
ツイーターの追加は、確実に見た目が変わるポイントですので、お考え次第ですね。
ホンダ車は若々しさ・明るさが信条だと思いますので、ガチガチのオリジナル原理主義にこだわらず、時代に合わせて形を変える柔軟性を許容できる空気があると思います。
そう仮定したとして、常識的で平和な雰囲気を重視するならオンダッシュでいいでしょうし、機能性を優先させて、すこしエッジを立てた雰囲気を出すならピラー取り付けもありです。また、後者をインテリアに溶け込ませたい場合は、深めに埋め込んでレザー張りで仕上げるのもありでしょう。
また、音質も求めたいけど、オリジナル外観を維持する楽しみを優先したいとなれば、ドアスピーカーをコアキシャル(同軸)スピーカーにするという手もあります。
オーナーさまのご希望とご予算に応じて、柔軟にプランさせていただきます。
どうぞお気軽にお問い合わせください♪♪
直接のお電話もお気軽に♪03-5913-8450です!
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