スマートフォーツーカブリオのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.510(お問い合わせの際にお伝えください)
model
スマート フォーツーカブリオ
system
メインユニット:Carrozzeria DEH-6400
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:Carrozzeria TS-F1730S
リアスピーカー:なし
パワーアンプ:内蔵
ケーブル:純正、付属品comment
デッキ交換とサウンドアッププログラムの事例です。
標準では両ドアとシート後方のフルレンジ4スピーカーですが、後方は鳴らさずに、両ドアの2chで2wayセパレートスピーカーを鳴らす方式です。
しっかりデッドニングに支えられて、なかなかの鳴りっぷりを発揮しております。
スマートのダッシュボードです。
「最小限のボディサイズで最大限の安全性、快適性、環境適合性を。」というのがスマートの開発コンセプトなのだそうです。
なるほど、ダッシュボードも、必要なものが整然とレイアウトされたミニマルな印象を受けます。
それでいて収納は充実しており、生活の道具としてのクオリティの高さを感じます。
そんな愛嬌たっぷりのスマートのオーダーはデッキ交換とサウンドアッププログラムです。
デッキはカロッツェリアのDEH-6400(19,000円)
ブルートゥース機能をもつデッキで使い勝手の向上を図ります。
スピーカーは同じくカロッツェリアのTS-F1730S(15,000円)をセレクト。フルレンジで鳴っているドアのスピーカー1対をセパレート2way化することで、再生周波数帯域を拡大を図ります。
スピーカーの実力を十分に発揮させるための特殊パーツを用いた取り付け、デッドニング、スピーカー交換も抜かり無く施工。
可愛らしいスマートの女子力をアップさせました♪
おてんば構造のドアとの格闘も見どころ。
施工の様子をどうぞご覧ください。
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メインユニット
純正のデッキをカロツェリアのDEH-6400に交換しました。
低価格ながら時代のメディアを一通りカバーし、タイムアライメント・イコライジングといったプロセシングも行えるほか、専用アプリを入れたスマートフォンとの通信によって、曲選択や再生の操作ができるユニークな機能を搭載したモデルです。
一見、なんの変哲もない2DINスペース。
上にデッキを入れて下がポケットなのね。といった風情ですが、構造をよく調べてみると、なかなかの分解が必要なことがわかりました。
デッキは普通のブラケットで固定されているので、その周りのパネルを外すのですが、、、あれれ?
アンダーカバーから外さないとデッキに到達できないんですね。
ネジもかなり隠れたところにあり、なかなか手ごわい。。
外車では、頭の体操みたいな構造にちょいちょい出くわします。 -
フロントドア
ずいぶん前衛的なデザインのドアです。
車載の4つあるうちの2つがドアスピーカーで、リアスピーカーはシート後ろに付いています。
どれもフルレンジで鳴っています。
デザインはとてもかっこよくて結構なのですが、とても軽量でビビリが容易に予想できるので、相応の補強が必要です。
このドアの構造がとても変わっていて、手がかかる上に破損のリスクも見込まれるので、とても気を遣うのです。
気を引き締めていかなきゃです!
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アウターパネル取り外し
実工程の第一歩はドアトリムを外してインナーパネルを露出させるところからです。。
というのは、普通の構造の車の話。
写真の左下に注目!!
タイヤ、見えてますよね。。だまし絵ではありませんよ。
そう、この車の場合、第一歩はアウターパネル外しなのです。
アウターパネルを外す
↓
アウタードアハンドルを外す
↓
やっとインナーパネル(ドアトリム兼用)が外すことができる。。
という悪魔の構造なので、こんなところから始めなきゃならんのです。Orz
ウィンドウレールの後ろに見える黒いのは、防滴シートです。
コイツを強引にめくれば、なんとかスピーカーにはアクセスできるので、ここまでの分解でスピーカー交換をしてしまうDIY系の投稿を目にしますが、インナーパネル裏の防振が十分にできませんし、スピーカーの固定の下地づくりもしっかり出来ないのでおすすめできません。
前述の「破損のリスク」というのは素材の特性に起因するものです。
アウターパネルはプラスチック製で、これが割と容易に壊れそうなきな臭い雰囲気を帯びているんです。
ヨーロッパのクルマのプラスチック全般に言えることですが、日本の風土に合わないのか、すぐ割れてしまいますので、しっかりとヒーター等で温めて柔軟性を上げて作業するのがベストです。
次のコマに移る前に写真の左側を見て下さい。
黒の保護色でわかりにくいかもしれませんが、まだアウタードアハンドルが残っています。
これを外さないとインナーパネルが外れないんですね。。先を急ぎます。
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インナーパネル取り外し
インナーパネル(兼ドアトリム・以後インナーパネルで統一します)を外したところです。
インナーパネルとアウターパネルをフレームで支えている構造のドアですので、アウターとインナーを外すと、ご覧のようにフレームのみ残る構造になります。
(このままフレームを黒に塗ってビーチあたりを走ったら、これはこれで楽しそうですね。)
ウィンドウレールはフレームに固定されているので、手を入れたい箇所に応じて窓を上下させながら作業を進めます。
ちなみに後方の三角窓は動かないので、このまま外すことなく作業を進めます。
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純正スピーカー
部外者の方が見たらギョッとするような解体まがいの工程を経て、やっと純正スピーカーにたどり着くことが出来ました(T_T)
スピーカーはインナーパネルにネジ4つで固定されています。
ボルト・ナットではなく、直接タッピングビスでねじ込むというワイルドさです。
スピーカーサイズは16cm相当といったところでしょうか。
ドイツ国内で販売されるモデル向けには、ハイグレードタイプのスピーカーが純正オプションで存在するそうですが、こういう留めかたが前提だと、性能的にはあまり期待できないんじゃないかなと思います。
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社外スピーカー
次にカロッツェリアのスピーカーに交換します。
前コマで御覧頂いた構造ですので、インナーパネルの大幅加工(強化)が困難ですので、コスパの高い方法で足場を固めることにしました。
純正だと、スピーカーのバスケットが、樹脂製のインナーパネルにネジ穴4点だけで固定されていましたが、今回、メタルリングスタビライザーという金属製のリングにスピーカーをボルトで固定して外周の強度を高め、そのアッセンブリーをインナーパネルに固定する方法を採りました。
メタルリングスタビライザーの第一の用途は、本製品とバッフル面の間にスピーカーバスケットを挟み込んで、締め付けの圧力をバスケット全体に平準化させ、ユニットのダンピング(浮きによるブレ)を抑制することですが、今回のようなバスケット強化フレームとしての使い方も有用だと思います。
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インナーパネルデッドニング
スピーカーの固定と平行して、インナーパネルのデッドニングを行います。
画像的にはドアトリムの裏側。ですが、前述の通り、インナーパネルとドアトリムを兼ねた構造になっていますので、れっきとしたインナーパネルの防振です。
今回、重量をできる限り増やさずに、良い効果を出すため、多少割高ではありますがレアルシルトを使用する事にしました。
レアルシルトは積水化学工業株式会社製の制振材で、ウレタン樹脂とアルミのハイブリッド素材です。新幹線の遮音材としても使われている製品なんですよ。
これをほぼ等間隔で貼って、全体的な剛性を高め、共振の原因を取り去っていきます。
スピーカー取付部の周囲は、凸凹への食いつきが良いブチルゴムとのハイブリッド材である、オーディオテクニカのアクワイエをぐるっと1周貼り、インナーパネルとの一体感が向上するよう配慮しています。
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アウターパネルデッドニング
なんだかいちいち順番が逆で恐縮です。
次いでアウターパネルの防振です。
樹脂で出来ているアウターパネルは薄く、鉄板に比べると強度もないため、防振の対策の必要性は大です。
(逆に言うと、それだけ改善の余地が大きいということでもあります)
格子状に貼るとコストがかさんでしまうため、間隔を狭めた均等貼りに挑戦してみました。
コンコン叩きながら作業を進めていましたが、途中で十分な強度アップが実感できたので一安心です。
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ツイーター取付
ツイーターはAピラーの根本に配置しました。
標準でツイーターがついていないクルマの場合、どこかに置くか、埋め込むかのいずれかで設置することになります。
国産のセパレートタイプのスピーカーキットはそのほとんどが、「置き型設置」に対応できるような、見栄えよくデザインされたマウント(置台)が付属しています。
埋め込む方法も(手間はかかりますが)スマートでよいのですが、置き型には、自在に向きを変えられる大きなメリットがあります。
今回は、ピラーの根元に左右のツイーターが同じ方向を狙うよう、ルームミラーの付け根を照準にして設置してみました。
運転席、助手席のいずれも、両ツイーターからの距離は異なっています。今日のプロセッサーの代表的な機能であるタイムアライメントは、左右のツイーターの音が耳に到達するタイミングのズレを電気的に調節して、ステージングを行う技術です。
この場合、あくまでも各チャンネルからの音到達する時間でさばいてしまうので、ツイーターの向きはそれほどシビアである必要はありません。もっと言えば、ツイーターからの音が(耳に向かって)直射か反射かもあまり重要ではありません。
それに対して、今回の設置方法はアナログ時代からあるアプローチで、音を任意の位置(中心)でぶつからせて拡散させ、ステージングを行う方法です。
ルームミラー付近に照準を合わせて配置することで、丸みのあるステージングが得られます。
プロセッサーのような小技を効かせない分、設置の角度はシビアですが、キチンとキマるととても聴きやすい音が得られます。
なお、プロセッサーでシビアにタイムアライメントをかけて「追い込んだ」音は、到達時間を揃えた座標から頭を動かすと、聴こえ方が変わってきますが、後者の中心で拡散させる方式だと、着座位置がかわっても、ほぼ同じような聴こえ方が得られます。
前者は特定の座標に照射される音を受動的に聴くのに対して、後者は幅のあるステージングによって、目の前に再現されるアーティストの存在、並びに演奏を能動的に捉える感じで聴くイメージなので、頭を左右に動かした際、実際には生じている耳が受け取る情報の差異が、脳内で適宜補正されてしまって、結果、自然な聴き心地に繋がっているのだろうと解釈しています。
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マイク取付
最後にステアリングコラムの上に設置したマイクです。
最近のメインユニットのほとんどは、ブルートゥース接続による携帯電話のハンズフリー通話機能を実装しています。
時に、ハンズフリーを使う機会が少なそうだから、ということで取り付けないケースもありますが、設置をご希望になられた場合は標準の外観との調和が損なわれないよう、気を遣います。
ご予算に応じて埋め込んだりというワザも無くはないのですが、一般的なのはステアリングコラム上ですね。
そんな定番の取り付けの場合でも、配線は極力露出させない!遊ばせない!を合言葉に作業品質を維持していきたいですね。
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作業後記
今回は当店定番メニューのサウンドアッププログラムをめちゃめちゃ変わった構造の車の事例でご紹介しました。
最初の作業がアウターパネル外しなんて、なかなかエキセントリックで、スピーカーの固定方法も内装にタッピングネジとこれまたレアなので、一筋縄でいかないクルマであることは確かですが、コーンを信号の意図通りに前後させるための足場作り、バスケットの固定、バッフル面の確保、エンクロージャーの防振・・・といったオーディオのセオリーはいつも同じです。
文化の違う外国で製造された車だと、構造の違いに惑わされることも少なくありませんが、常にセオリーに沿った工法をとれるよう、心がけていきたいと思います。
今回のサウンドアッププログラムは、どんなお車でも対応できる定番メニューで、デッキ裏からドアに渡るスピーカーケーブルの交換、ドアの防振、インナーバッフル製作、スピーカー交換と、ドア周りのグレードアップをワンストップで完成させるメニューを、一日の納期でご提供しています。
価格は73,300円(税別)+お好みのスピーカー代とコストパフォーマンスも抜群です。
ちょっと音にこだわりたいお客様。ご相談はどうぞお気軽に♪
電話もお気軽にどうぞ♪03-5913-8450です!
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