AUDIQ3Sportbackのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.843(お問い合わせの際にお伝えください)
model
AUDI Q3 Sportback
system
メインユニット:純正
ドアチューニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO VX165
リアスピーカー:純正
パワーアンプ:純正内蔵
ケーブル:純正
AVインターフェイス:Interfacejapan AUDI/TYPE-RX5H Ver.4
地デジチューナー:a/tack AT-DTV4XProcomment
フロント2wayスピーカーを交換し、ドア防振でスピーカーの稼働条件を整えた事例です。
加えて、助手席の方が地デジ放送を視聴できるように、AVインターフェースと地デジチューナーを取り付けました。
アウディ・Q3の事例紹介です。
Q3はアウディが販売するSUVタイプの車両です。
車といえばセダンを連想するのが20世紀の相場でしたが、21世紀の声を聞くころになると、市場ニーズの変化に伴ってSUVやミニバン、コンパクトカーの市場が大きく花開きました。
欧州主要メーカーの「SUV一番手」をピックアップしてみると以下のような順番になります。
2000年あたりの5年間に集中して発売されている様子がわかります。
メルセデスベンツ:1997年Mクラス(現在のGLE)
BMW:2000年X5
ポルシェ:2002年カイエン
ボルボ:2002年XC90
VW:2004年トゥアレグ
アウディ:2005年Q7
近年のマーケティング手法の王道は、(1)ミドルクラスよりちょい上モデルでブランドを認知させ、(2)順次下位モデルを揃えて価格帯別に手が届く層を取り込み、(3)販売台数の拡大に伴ってブランドが浸透したところで、上位モデルを乗せるというパターンのようです。
今回の主役であるアウディを例に見てみると、前述のQ7のあと、Q5→Q3→Q2と12年かけて発表しています。
Q7:初代2005/2代目2015-
Q5:初代2008/2代目2017-
Q3:初代2011/2代目2018-
Q2:初代2017-
Q8e-tron:初代2021-
Q4e-tron:初代2022-
今回ご登場いただくアウディQ3は、表にあるようにQ7の発売から6年後の2011年に発売された、コンパクト寄りのSUVということになります。
サイズ的には全長4490/全幅1840/全高1610と、レクサスでいうと、当コーナー常連?のNXより一回りコンパクトなUXと同じくらいの大きさですので、日本の道路ではとても扱いやすそうです。
前置きはこのくらいにして、今回ご登場いただくQ3は、2018年のモデルチェンジ以降の2代目にあたる車で、Q3 Sportbackといいます。
ベースモデルとなるQ3の全高を30ミリほど詰めて、リヤ周りに滑らかなラインを持たせ、クーペスタイルに仕立てたモデルです。
オーナー様からお聞かせいただいたのは「助手席に乗られる方のためにテレビが見られるようにしたい」というご希望でした。
こういったニーズは多く、解決策としては・・・
(1-a)車両ごとのAVシステムに合った方法で、外部入力の窓口となる インターフェース商品を組み込む。
(1-b)AppleCarPlayの外部入力ポートにandroidベースの端末をUSB接続する( VISIT)
(2)上記いずれかのデバイスに対して 地デジチューナーをHDMI接続する方法がポピュラーです。
今回は(1-a)→(2)のパターンを採用しましたが、これは基本的に一日作業で済むので、部品入荷後、速やかに施工させていただくことでサクッと課題解決しました。
販売の現場では常にドラマがあります。。
一連の地デジ対応のための2回のご来店の際、デモボードにも興味を持っていただき、あれこれご視聴いただくこととなりました。
当店が長らく販売に関わらせているBLUE MOON AUDIO製品については、全モデルご視聴いただけるようにしていることもあり、熱心に聴き比べていただきました。
ご検討の当初はベースモデルのSX165で決まっていたのですが、新発売になったVX165も後日お聴きいただいたところ、瞬時に魅了されたご様子で、予算を拡大していただいてめでたくご発注となりました。
以下、コンポーネント紹介です。
〇AVインターフェース&地デジチューナー
地デジが見られるようにするために、二つのデバイスを組み合わせています。
(1)AVインターフェースはインターフェースジャパン製の AUDI/TYPE-RX5H Ver.4(税込121,000円)
(2)地デジチューナーはa/tack製 AT-DTV4XPro(税込55,000円)です。
接続図にあるように、AVインターフェースは車両のAVシステムとモニター画面をつなぐケーブルの間に割り込ませる形で取り付けるデバイスです。
モニタに繋がるケーブル上に位置するため、モニタで表示するソースの制御権を獲得することになります。従って、車両のAVシステムから送出される信号をそのまま表示することもできるし、AVインターフェースに接続した任意のソースを表示することもできる状態になります。
また、モニタの制御回路とも繋がるため、AVインターフェース経由のソースを供給している場合でも、タッチパネルによる操作が可能な点もポイントです。
次にソースの入力方法の件になりますが、AVインターフェースにはHDMIポートが装備されていますので、今回の事例で使用した地デジチューナーや、スマートフォンなどを接続することができます。
ただ、映像信号の制御権を握っているだけなので、音声は同じルートで送出できません。そのため、AVインターフェースに備わっているAUX出力を、車両の外部入力ポート等に入力してやる必要があります。
今回のQ3はアナログのAUX入力が備わっていませんが、その代わりに外部入力ポートしてのUSBコンセントが装備されていますので、AUX→USBに変換する製品 FAU01(税込14,850円)を使って変換して入力することにしました。(接続図上では省いています)
以上をもって、HDMI入力できるソースであれば、なんでも取り込める条件が整ったことになります。
これに対して、別途取り付けた地デジチューナーの映像・音声信号をHDMIで入力し、テレビ視聴できるようになりました。
なお、これらの機器はダッシュボードの中に隠して取り付けますので、外観に変更は生じませんが、AVインターフェース用リモコンの受光部をどこかに設置する必要があります。
〇スピーカー
BLUE MOON AUDIOのVX165(税込137,500円)です。
本年7月に発売されたばかりの新製品です!
同ブランドのラインアップはフラッグシップのRX165(税込231,000円)、ミドルグレードのVX165、ベースグレードのEX165(税込35,200円)の3つです。
EXは旧SX165の後継品として2023年に発売になり、今回のVXは旧AX165の後継という形になっています。
音の傾向としては、同ブランド発足時からのポリシーである、「スピーカーの個性を追わず、原曲をそのままに美しく奏でる楽器のような存在」といった主張が感じられ、カーオーディオ向けのパンチを備えながらも、透明で美しい音を聴かせてくれます。
スピーカーのハード面の仕様としては、バイアンプ対応ネットワークが付属しており、ツイーター側とウーファー側とに分かれた構造になっています。今回のQ3はフロント片側あたり1ch出力となっているので、純正スピーカーケーブルを分岐させて、それぞれにネットワークを介して、ツイーターとウーファーを接続しています。
以上をもって、Q3のオーディオグレードアップが完了しました。
予算を追加してご決断いただいたBLUE MOON AUDIO 2wayスピーカーVX165は納得のサウンドを奏で、助手席用の地デジもはっきりクッキリで想定通りに仕上がりました♪
今回の予算は、スピーカー(税込137,500円)、AVインターフェース(同121,000円)、地デジチューナー(同55,000円)といったハードウェアに、ドア防振を含む資材・工賃一式で税込460,350円といったところです。
それでは施工の様子をご覧になってください♪
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フロントドア
直線を多用したデザインで、シャープな印象を与えるドアトリムです。
この車の標準オーディオはフロント2way+リヤスピーカーの合計6スピーカーから構成され、ドアにウーファー、ツイーターはAピラーにレイアウトされています。
オプションオーディオとしてBamg&Olfsenが設定されているようですが、スピーカーのレイアウトは同じようです。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
一見して、(樹脂パネルで覆われた)サービスホールの小ささに驚きます。
オーディオ的には、サービスホールをふさぐ材料の面積が少なくて済む分、膨張・収縮による容量の変化が小さいので、信頼性の高いエンクロージャーが作れることになり、非常に好都合です。
しかしながら、この小さなサービスホールと、直径十数センチのスピーカーホールから、ウィンドウレールやらストライカ―などの部品をドア内に入れ、固定する手間を思うと、ほんとにこの設計でよかったのかな?と心配になってしまいます。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
樹脂パネルとスピーカーを外して、清掃・脱脂を済ませ、アウターパネルに防振材を貼っていきます。
今回の防振は、制振効果がマイルドなドアチューニンググレードで実施しますので、アウターパネルの防振は、オーディオテクニカの円形の防振材(AT7560R)を5、6枚配置することで行ないます。 -
インナーパネル側作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
インナーバッフルを製作して、ネットワークの配線を済ませたら、スピーカーを設置します。
冒頭の接続図にもあるように、ウーファー/ツイーターの各ユニットに送る信号の周波数帯域を切り分けるために、スピーカーケーブルの途中にネットワークを介在させる必要があります。
スピーカーの上方にケーブル類が集まっているカタマリが見えると思いますが、ウーファー用のネットワークはここに結束してあります。
最後にサービスホールの樹脂パネルを付け戻し、防振材を配置していきます。
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純正ツイーター
ツイーターを裏から見たところです。Aピラーについています。
奥行きにさほど余裕がないので、VX165のツイーターの取り付けができるのか検証した結果、ギリギリ収まることが確認できました。
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ツイーター入れ替え
ツイーターの入れ替えが終わったところです。
純正ツイーターを固定していた爪を切り落とし、VX165のツイーターの保護ネットを外した状態で、接着剤で固定します。
あくまでも純正ユニットとの入れ替えであり、Aピラーを丸くくりぬいて露出させる訳ではないため、製品の保護ネットは取り外す必要があります。
BLUE MOON AUDIOのRX165とVX165のツイーターはブランドカラーの青を取り入れたデザインになっています。
青というと、一般的には鎮静効果のある色とされていますが、VXの青にはなまめかしさがあり、引き込まれるような魅力を感じます。
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地デジチューナー
地デジが見られる状態になりました!
使用する製品は、外部入力の窓口を作るためのAVインターフェース( AUDI/TYPE-RX5H Ver.4・税込121,000円)と、 HDMI接続できる地デジチューナー AT-DTV4XPro税込55,000円の二点です。
音声信号はAUXで入力する必要があるので、AUX→USB変換のためのアダプターを介して、純正USBに入力しています。
今回は「地デジが見られるようにしたい」というご要望でしたので、地デジチューナーを組み合わせましたが、HDMI入力できるものであればなんでも入力できるので、amazonのFire TV Stickや、スマートフォン等のミラーリング、DVDプレイヤーなど色々と楽しめます。
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地デジチューナーの音声入力
めちゃめちゃ地味な絵で恐縮ですが、AVインターフェイスからの音声を入力している現場です。
繰り返しご案内してますように、AVインターフェースからモニタに送られるのは映像信号のみで、音声信号(AUX)は別経路で車両側のシステムに入力する必要があります。
Q3にはAUX入力がないため、音声入力用アダプター:USB Audio Adapter FAU01を使って変換し、写真のように純正USBポートに入力しています。
あと、映像と音声のズレに関する情報にも触れておきたいと思います。
一般的に映像信号を別経路で処理すると、タイムラグが発生して、映像と音声が微妙にズレる現象が起きてしまいます。この課題を解決すべく、今回使ったa/tackの地デジチューナーには、「映像遅延機能」が搭載されています。
これは、音声信号が遅れてしまうことを見越して、映像信号も同じくらい遅れさせてズレを解消してしまおうという、コロンブスの卵的な発想で解決を試みる機構です。
AVインターフェースに入力された信号のうち、映像信号だけを(0.1秒刻みで最長1秒まで)遅延させて送出させることができるので、違和感を解消することができます。
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作業後記
今回はアウディQ3のオーディオ改善と、地デジ対応の事例をご覧いただきました。
オーディオ面においては、プロショップのメニューとしてごく一般的なスピーカー交換とドア防振ですので、特に凝ったことはやっていませんが、BLUE MOON AUDIOの新製品VX165の性能をしっかり引き出せたようで、幅広い帯域で歪みが感じられない素直な音が得られました。
アウターバッフル化やツイーターの露出取付、より強いデッドニング等を実施すれば、もっとイケるのは経験上分かっていますが、比較的ライトなインストールでも、なかなか満足度の高い音を出してくれたと思います。
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今回のスポットライトは地デジ対応でしたが、こういった外部入力系のお仕事は日に日に増えています。
近年の欧州車では、CD、DVDのような回転系の再生機器はオプションでも設定がなくなりました。さらに、映像関係のオプションもないため、今回ご紹介したようなインターフェース系商品、あるいはAppleCarPlayの外部入力にデバイスを接続する方式の商品のいずれかを経由してソースを入れる方法での対応が主流になっています。
今回の事例では、AVインターフェースに地デジチューナーの組み合わせでしたが、AppleCarPlayの外部入力にVISITという名前のデバイスを接続することで、各種ストリーミング系のサービスを使えるようにした事例( ランドローバー・ディフェンダー110)もございますので、ご興味がある方はご覧になってみてください。
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