プジョー208 GTi30th Anniversaryのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.509(お問い合わせの際にお伝えください)
model
プジョー 208 GTi 30th Anniversary
system
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:clarion FDS Z3/Z7
リアスピーカー:純正
プロセッサーアンプ:clarion FDS Z3
ケーブル:kaiser swingcomment
クラリオンのフルデジタルサウンドシステムをインストールしました。
純正オーディオのスピーカー出力をプロセッサーに入力し、アンプなしでLSI基板のついたスピーカーを鳴らします。
究極の原音再生を謳うハイファイサウンドと、低消費電力、軽量がウリのシステムです。
往年の名ホットハッチ『208GTi』誕生30周年を記念してリリースしたスペシャルモデル、『208GTi 30thアニバーサリーエディション』のダッシュボードです。
カラーリングは定番の赤黒、さらにつや消しシルバーと、スポーツの様式美をきっちり押さえております。
メインユニットは、操作部分と本体が分離している形式をとっています。
マツダのマツダコネクトや、メルセデスのCOMMANDシステム然り。物理的なつまみやスイッチを作り込むより、モニタとソフトウェアで機能を実現したほうが、だいぶコストも下がるんだろうと思います。
画面はほぼタブレットで、アイコンもアプリ起動ボタンみたいです。
なんと50台限定という希少なクルマに、当店初となるクラリオンのFDS(フル・デジタル・サウンドシステム)のインストールをご注文いただきました。
現在市販されているプロセッサーを含むオーディオシステムは、、
(1)アナログ信号を入力したら、
(2)ADコンバーターでデジタル信号に分割して、
(3)DSPでタイムアライメント・イコライザーなどのプロセシングを行い
(4)DAコンバーターで1つのアナログ信号に置き換え
(5)アンプで増幅して
(6)スピーカーケーブルを伝って
(7)スピーカーのコイルボイスに伝わり、
(8)固定磁石との反発/吸引によって
(9)コイルボイスと連結されたコーンを律動させて空気に波動を与えて音を発生させる
プロセスを採りますが、
クラリオンのFDSは(2)以降、一度もアナログに変換されず、デジタル信号のままスピーカーまで稼働させるシステムです。
当然、デジタル入力すれば、出口まで一貫してデジタルということになります。
正直、過去の常識では考えられないのですが、16cm(もある)ウーファーの周波数特性が28Hz 〜 15kHzと言われると、よほどの低損失と、デジタル制御による特殊な駆動方法の存在を想起してしまいます。
実際、なるほどダイナミックレンジが広く、解像度の高さが感じられましたので、不思議な感覚です。
デジタルスピーカーの理論自体は80年台からあったようですが、コンシューマー向けカーオーディオ商品としてのいよいよの降臨に、ついつい前置きが長くなってしまいました。
それでは作業工程に移らせていただきます〜。
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フロントドア
水平方向のラインがシャープな印象のドアです。
差し色の赤が効いてますね。
ウーファーはドアハンドル前方と、比較的上の方についています。
ツイーターはその上の小さなグリルのところですね。
ツイーターは耳の高さが理想というのが、多くの支持を集める一つの考え方ですが、それはそれとして、セパレート式のユニット構成をとる場合、ユニットを近づけたレイアウトが、よりナチュラルなステージングを得る上でメリットが有るとされています。
その観点では、結構よさそうに見えますね。 -
アウターパネルデッドニング
それでは作業に入ってまいります。
ドアトリムを外し、インナーパネルからアレコレ外して裸にし、清掃・脱脂します。
今回は防振力の強いデッドニンググレードで防振を行いますので、アウターパネルは短冊状にカットした防振材を等間隔で配置します。
今回使用した素材は、ほぼメイン防振材としての地位を獲得したサイレントコートです。
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インナーパネルデッドニング
次にインナーパネルです。
FDSのスピーカーを取り付け、全面をサイレントコートで覆います。
スペースの関係でリベットで鉄板へ直接に取付けることになってしまうので、何かオーディオ的アドバンテージを持たせたいと考え、スピーカーのエッジギリギリのところまで防振材を貼り込みました。
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システムの理解
このFDS。プロセッサーでは、全てのソースが96kHz/24Bitへとアップサンプリングされ、クロスオーバー、タイムアライメント、イコライザーがかけられ、と、ハイエンドではあるけども目新しさはありません。
ただ、プロセッサーから出力されたローレベル信号が、一般のスピーカーケーブルを介してスピーカーに届いた後の構造に明確な違いがあります。
(3)に独自開発による車載専用LSIを実装した「デジタル回路基板」があり、その基板から
(11)のマルチパワーサプライFPC(フレキシブルプリント回路配線板)が伸び、そのFPCの先に
(14)の6層マルチボイスコイルという構造になっています。
通常のデジタルプロセッサーではプロセッサー内の処理をデジタルで処理したとしても、アナログ変換後、スピーカーケーブルに乗る段階では連続的な一つのアナログ信号になり、スピーカーに供給され、一つのコイルで磁場を形成させることになります。
しかしながら、今回のスピーカーはサンプリングしたデジタルデータを6帯域に分割し、6層(6回路)で形成されるボイスコイルに伝えてコーンを駆動させる方式と採っているようです。
技術紹介動画
サイトを見ると、過度な技術解説を省いている印象なので、推測が交じるのですが
デジタル信号のままでは信号の連続性がないので、アナログ化して人が聴ける音にするという「常識」を前提とすると、、一定の加工は施されるにしろ、デジタルのまま6つのボイスコイルに割り振って、6つのベクトルでコーンを協働的に駆動することで、元信号に対する一定の忠実な動作と、擬似的な滑らかさの両面を獲得しているのかなと解釈してみています。
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調整ソフト
FDSの調整に使うアプリ画面です
iOS5.0以降から対応しているZ-tuneというアプリを使用します。
iPhone7プラスの画面でも十分に見やすいデザインとなっています。
感覚的に操作できるUIになっていて、音質調整の楽しさを堪能していただけそうです。
メモリーは4つあり、パスワードによるロックもできるようになっています。 -
コマンダー
FDSのプロセッサーに付属するコマンダーです。
最終的な位置が決まっていなかったため、仮に配線をしておいてほしいという要望でした。
今回のシステムでは、入力は純正ヘッドのみなので、コマンダーのお世話になる機会はほぼありません。
デジタルプレイヤーなど外部入力機器を入力することとなった場合は、ソースの切り替えとボリューム調整のために操作することになります。
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作業後記
今回は当インストールギャラリー初となるクラリオンのFDSの取り付け事例をご覧いただきました。
フルデジタル。。。。
プロセッサー内なら従来の理解で収まるのですが、デジタルのままスピーカーに「伝送」し、コーンを動かすとなると、理解にかなりエネルギーが必要になりますね。
本文の記述ではデジタルでコーンを動かすところに偏ってしまいましたが、アナログに置き換えないことによる消費電力の少なさや、アンプを使わないことによる重量増と消費電力の抑制、取り付け性の向上といった点もメリットとしてアピールされています。
今回のFDSと連携して使えるナビもラインアップされていますので、ご興味をお持ちのお客様は検討されてみてはどうでしょうか。
フルデジタルサウンド公式サイト
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