ポルシェボクスターS(981)のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.447(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ポルシェ ボクスター S(981)
system
メインユニット:純正(clarion NAV 6PJ 642 1E)
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:FOCAL PS165FX
リアスピーカー:なし
サブウーハー:CerwinVega VPAS10
パワーアンプ:内蔵
ケーブル:kaiser swing
comment
ボクスターをフロント2way+パワードサブウーファーで構成しました。
純正デッキに内蔵されているアンプを活用する裏技で、結構コスパの高いシステムをつくりました。
サブウーファーもゴキゲンです♪
お客様から感想のメールをいただきました。
(個人/団体名、必要に応じて商品名は伏せさせていただいております。)
先日、ボクスターGTSでお世話になりましたTです。
お礼が大変遅くなりましたが、お陰様で週末のドライブがいっそう楽しくなりました。
前回のアルピナといい、他社の施工では得られなかった満足度高い仕上がりに感謝する次第です。
無駄にコストかけなくとも、インストーラーの腕次第でここまで仕上がるんですね。
今後も、リピーターとしてお世話になりますが 引き続きよろしくお願いしますね。
シック・ゴージャス・スポーティの3要素が見事に調和したダッシュボードです。
その中でもほんのちょっとスポーティ感が表に出てきてる感じでしょうか。いいですね〜〜〜。
さて今回はサウンドアッププログラム+サブウーファー設置のメニューです。
スピーカーはFOCALのPerformanceシリーズから PS165FX(税別70,000円)をセレクト。バイアンプ接続対応のネットワークに、純正デッキのF/R出力を接続して、フェーダーひとつでツイーター・ウーファーの出力バランスを調整できる「疑似マルチ」運用とします。
さらにオープンボディで損なわれやすい中低域を力強く補うべく、CerwinVegaのパワードサブウーファーVPAS10(税別38,000円)も追加しました。
「純正外観の変更と車両への負担は極力避けたい!」との強いご要望を受け、2wayスピーカーの純正位置への設置はもちろんのこと(中加工あり!)コンパクト設計のサブウーファーの設置もシンプルな取付金具を制作したりして、グググ〜ッと覗き込まない限り分らないに仕上げました。
オープンボディのハンデを感じさせないパワー感のあるサウンド&一見してわからないインストレーション。
2つの価値をしっかり盛り込んで、コスパの高さを実感していただけるよう頑張ります!
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メインユニット
ポルシェに純正されるメインユニットは、当店が知る限りclarion製OEMの2DINナビです。
どれどれ、と確認すると、本体のラベルには「clarion NAV 6PJ 642 1E」と記されていました。ビンゴですね。
このポルシェの純正オーディオシステムは、ソース部としてこのヘッドユニット+外部アンプ、スピーカーはフロント3way+センターから構成されています。
●今回、バイアンプ接続可能(フロント・リヤ別々の入力ができるという意味)な2wayスピーカーとサブウーファーを接続しようとしています。
●純正システムでは、純正デッキと純正外部アンプがRCA接続されていて、アンプからスピーカーへの出力は当然、ユニットごとに帯域分割されています。
●純正外部アンプからでは、今回のシステムに取り込みたいフルレンジ4ch(ツイーター・ウーファー×左右)が取れません。
・・・・と勿体つけた前置きはホントは不要でして、結論から行くと、外部アンプと一体で動作しているように見える純正デッキの中に、使われていない内蔵アンプが4ch分あるんですね。お客様仕様のOEM品とは言え、できるだけ市販品と共通の構造にしたほうがコストが下がりますから、出荷予定数量との見合いで、わざわざアンプレスにしなかったのでしょう。
●ということで、純正デッキ内の内蔵アンプ4chの出力を軽加工によって取り出し(引っ張り出し?)、FOCAL PS165FXのネットワークに直接接続することにします。
あと、今回はサブウーファーも取り付けますが、このための信号も確保しないといけません。
ここもまた、スケベな話になってしまいますが、フェーダーの影響を受けないサブウーファー信号を取り出すためのクラリオン製品用オプションハーネスってのがあるんですね。
これを刺して、サブウーファー用信号は準備OKです。
こんなふうに接続することで、純正デッキのフェーダー(前後出力調整)をいじることで、ツイーターとウーファー(ドアスピーカー)の出力バランスを調整できる疑似マルチシステムが構築でき、フェーダーの影響を受けないサブウーファーのレベルは、別途設置するボリュームコントローラーにて、ジェントルにもドカドカにも気分次第で調整していただけます(これが実は楽しいです)
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フロントドア
2ドアポルシェのドアはケイマン以降ほぼ共通の様ですね。
上述の通り、純正は3way構成となっていまして、そのうちドアには中低の2つが付いています。
写真右のポケットの上半分のところにウーファー、スコーカーはグリップの奥(手の甲があたるところ)に押し込まれています。
ユニットのすぐ前に障害物がある構造ってどうなの〜?と思われるかもしれませんが、930.964.993・・とウーファーの前にポケットが被っている構造に慣れていらっしゃるポルシェオーナー様は外野の方ほど気になさっていないものと思います。
スピーカーの選定については、オーナー様との事前のセッションで、スピーカーはFOCAL で!とご指定いただいたので、3つ候補をあげて検討いたしまして、、、
PS165F(2ウェイ)50,000円 バイアンプ不可のため、調整の幅は一般的なネットワーク接続の範疇に限定される。
PS165FX(2ウェイ)70,000円 バイアンプが可能なので、内蔵4chアンプで擬似マルチが組める。オプションハーネスでサブウーファーも鳴らせる。
PS165F3(3ウェイ)98,000円 スピーカー構成としては純正の3wayそのままなので気持ちいいが、ネットワーク仕様が1入力3出力のため、マルチ制御にこだわりたい場合は、ネットワークレスとして、パワーアンプやプロセッサの追加投資が必要になるので予算が膨らむ。
ということで、今回の予算の範囲ではPS165FXでの2way+サブウーファーの構成がベストとの判断に至りました。
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第二段階
ドア内装を外して現れる光景です。
ドア上部右側の鉄パイプはサイドエアバッグです。例によって独特の緊張感を湛えております。
最近主流のモジュール構造・・ではなくて大きなパネルです。主要部品はインナーパネルに取り付けられています。
ご覧の通りスコーカーとウーハーはこのパネルの上に取り付けられていますね。
今回は、ツイーターとウーファーの2wayで鳴らしますので、スコーカーはこのままここに居ていただきます。
構造をチェックしてみると、このスコーカーはエンクロージュアに収められており、ウーハーの背圧を受けない構造になっています。
贅沢にも吸音材まで仕込まれていて、随分ちゃんとしています。
これほどの構造を採るのなら、ユニットの選定含めて、アフターで交換を考えないレベルにまで高めてしまえばいいのでは?と思いますが、どんな幸福にも結局慣れて、もっといいのがほしいなー。となるので一緒ですね(笑)
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第三段階
作業を進めます。
サイドエアバッグユニットを外す前にバッテリーを外し、インナーパネルを含めて、外れるものをすべて外します。
例によって清掃・脱脂をすませた後、外板にロシアン防振材のstp BOMB AEROを短冊状にして貼ります。
作業の一番最後に時計を合わせる事と、パワーウィンドウのメモリーをセットする事を忘れずに。
パワーシート装備車の場合は、シートメモリーは消えてしまうので、お客様にその旨お伝えしときます。
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第四段階
インナーパネル側の作業に移ります。
サイドエアバッグ、インナーパネル等すべてを戻して、FOCALのウーファーまでを取り付けてから、インナーパネル全面をstp GOLD AEROで覆います。
金属フレームとしては縦方向の支柱2本だけで、かなりガランガランでしたが、パネル+全面防振材で、だいぶしっかりしました。
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純正位置ツイーター取付
ツイーターの埋め込み作業中です。
ダッシュボード上に展開する吹き出し口の配置のリズムを大事にしたかったのでしょう。
一見してツイーターのグリルをわかるそれを廃して、こんなところに埋め込んであります。
PS165FXのツイーターのハウジングを取り去って、純正ユニットと差し替え、固定します。
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パワードサブウーファー
出来る限り標準の外観キープで!のポリシーに従って、サブウーファーを設置しました。
位置は運転席の背もたれの後ろです。
お客様のシート調整の範囲では、サブウーファー設置分のクリアランスが確保できると判断し、ここにしました。
車両への負担も最小限に!も命題です。
取付けに際しては、車両の加工を伴わない手段を最優先に、ステーなどを駆使して、固定方法を工夫しました。
鳴り物はがっちり固定が原則といえば原則ですが、与えられた条件下ではベストな選択だと思います。
なお、付属のボリュームコントローラーは、ダッシュボードしたの手を伸ばしたところが定位置ですが、これもグローブボックス内に設置することで、外観の変更をゼロにしました。
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作業後記
今回は現行ボクスターの事例ご紹介でした。
最近のポルシェはラグジュアリー感演出の意図があってか、3way構成が主流で、同車もそのひとつです。
3wayの社外ユニットは3way構成のキットの他、2wayキット+別売りミッドを加えて揃えるパターンも入れれば、十分に選択肢がありますが、ネットワークで接続する場合、基本的に1入力→3出力となり、帯域ごとにユニットを分けるきめ細かさのメリットは享受できるものの、調整の幅は限られます。
プロセッサーアンプを導入して、3wayを個別に繋げば話は別ですが、当然のことながら、予算はそれなりに膨らみます。
その点、今回のようにポルシェ純正ヘッドユニットの(秘められた)4ch内蔵アンプを活かすパターンは、バイアンプ接続可能なスピーカーの交換の予算だけで疑似マルチ調整可能なシステムができてしまうので、コストを抑えて楽しみたい方にはスマートな選択なのではないでしょうか。
また今回は、小型でパワフルなパワードサブウーファーも加えましたので、2wayで再生しきれない低域の補完という本来の役割を超えて、オープンボディによる中低域の損失を大きく補う準主役的な役を演じてもらいます。
これによって、屋根なしのハンデを感じさせない。むしろ、その気になれば、車外の大気を鼓動で攻めるオフェンス側に立つ感覚も味わえる、初めての買い物を体験していただけると思います。
ポルシェオーナーの方、ボクスター他オープンカーオーナーのお客様、どうぞお気軽にお声掛けください♪
ご希望とご予算に応じて柔軟にプラン提案させていただきます♪