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メルセデスベンツ Sクラス S550のオーディオインストール事例

サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。 当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。円安の影響で大きく価格が変わっているものもあります。ご了承ください。>


  • 登録日 2026/05/01

  • 事例No.926(お問い合わせの際にお伝えください)

    model

    メルセデスベンツ Sクラス S550

    system

    メインユニット:carrozzeria AVIC-RF722
    デッドニング:なし
    フロントスピーカー:純正
    センター:なし(未利用)
    リアスピーカー:純正
    サブウーファー:純正
    パワーアンプ:carrozzeria GM-D2400
    ケーブル:純正、audiotechnica

    comment

    純正ナビを社外のフローティングナビに交換し、化粧パネルを制作してきれいに仕上げた事例です。
    何らかの理由でハイダウェイユニットが取り外されていたため、全てのスピーカーから音が出ない症状を抱えていましたが、外部アンプ投入等によって解決しました。

  • ダッシュボード


メルセデス・ベンツ、S550(W221)の事例紹介です。

Sクラスは、メルセデス・ベンツ最高位のモデルとして1972年に産声を上げました。
21世紀に入ってすぐの2002年。よりラグジュアリー性を高めたモデルへの需要に応えるべくマイバッハが登場したことで、フラッグシップの座を明け渡すこととなりましたが、あくまでもSクラスをベース車とした派生モデルであることを鑑みると、依然としてラグジュアリーセダンの根幹をなすブランドであることは、異論のないところでしょう。

Sクラスは1972年の発売以来、6回のフルモデルチェンジを経験しており、現行は7代目(2020年〜)のW223型です。
近年のメルセデス車全般に適用されている「Sensual Purity(官能的純粋)」思想によりデザインされた、曲線を多用したボディが特徴です。メルセデス・BMWを始めとするドイツ車に対して、おじさん世代の方は割と保守的で堅実なイメージを抱いている方が多いと思いますが、モデルチェンジごとのデザインの振れ幅はわりと大きく、特に近年はその傾向が強まっているように思います。


今回お迎えするのは、S221型のS550です。S221は現行の2代前にあたる5代目で、2005年-2013年にわたって生産されました。約20年前のモデルですので、現行よりだいぶ締まった、車っぽいデザインに見えます。室内についても、現行のように大きな液晶パネルはなく、穏やかな雰囲気をまとっています。

今回のおクルマは、オーナー様から直接ではなく、当店がお世話になっている電装屋さんのご紹介によって、とある自動車修理工場のお客様のお車をお預かりしました。

ご要望をお伺いしたところ、ずいぶんとお困りの様子で・・・
◯カーナビの陳腐化のため、電装屋さんにポータブルナビの取り付けを依頼した。
◯しかし、純正ナビ本体が取り外されていて、スピーカーから音が出ていない。
・・・と、仕組み的には理解できるけども、そんな事になった理由は理解できない状態でした。
そして打開策として「市販のナビを付けて、スピーカーから音が出るようにしてほしい」とのことでした。

お預かり時点での懸念は、(自走してきているとはいえ)単純なオーディオ機器ではないメインユニットが取り外された状態で、まともに動作するのか??という点に尽きるのですが、結果からすると、少々妥協は必要ですが、可能でした。

この車の前提として、20年も前の設計ではありますが、車両内の情報通信にCAN-BUSで採用されています。したがって社外ナビを作動させるための信号(ACC、車速、イルミ等)の信号はこのCAN-BUSから取り出す必要があるわけです。
そこで、そういった用途のために販売されている「CAN-BUSアダプター(4万円程度)」を使ってみたのですが、なにも情報を拾ってくれません。

そこでディーラーさんに相談し、やりとりした結果、メインユニットが無いためにマルチメディア分野に関するCAN-BUS信号の生成に不具合が生じている可能性があるとの判断に行きつきました。

CAN-BUSが使えないとなると、(1)アクセサリー、(2)イルミ、(3)リバース、(4)車速、(5)ステアリングリモコンの信号をどこからか取り出さないといけないのですが、コンソール付近では、(1)アクセサリーと(2)イルミしか取り出せず、肝心の(4)車速信号が取り出せません。
こうなるとお手上げのように感じられるかもしれませんが、市販のナビには「6軸3Dハイブリッドセンサー(パイオニアの呼称)・俗称ジャイロ」が組み込まれており、GPS信号と組み合わせて自社位置と方向を特定する仕組みがあるので、これに頼ることになります。
実際、車速信号の取れない旧車の場合はこのシステムのみで運用しますので、十分に実用に耐えます。

なお、(3)リバースについては、ライトユニットのバルブから取り出すことができますが、バックカメラは使わない前提のため、わざわざ費用をかける必要は無いという判断で省略しました。あと、(5)ステアリングリモコンについても信号がとれませんでしたが、ボリュームコントロールやハンズフリー通話のキャッチができない程度なので、これも許容していただくことにしました。

以上のような分析によって、ナビ製品はcarrozzeria AVIC-RF722(オープン価格)を取り付けて、うまく稼働させる見込みが立ちました。

もう一つの課題の「スピーカーが鳴らない問題」については、上述の通り、マルチメディア分野のCAN-BUS信号の生成不良のためか、純正アンプが通電・作動しないため、社外のアンプを投入して解決することにしました。

純正アンプからのスピーカー出力を調べてみたところ、8ch(系統)が確保できればよいとわかりましたので、ナビの出力(4ch+サブウーファー用プリアウト1ch)を4chアンプ2台に入力し、フロント3way+リヤ1way+サブウーファーの12スピーカー(8ch)を鳴らせることになりました。ただし、センタースピーカーだけは、モノラル信号を生成できない関係から、キャンセルとしました。

以上を持って、メインユニットが取り外されて全スピーカーが機能喪失していたS550が復活しました。
非常に特殊な前提の事案なので、そのまま参考にしていただける方はおそらくいらっしゃらないと思いますが(笑)、完全お手上げ状態からのサルベージにも果敢に挑戦します!!という事例としてご覧いただければ幸いです。

予算的には、ナビと外部アンプ2台、工賃含めて税込436,920円となりました。
※正常に稼働しているSクラスの純正ナビ→社外ナビへの交換についても、使用部材が変わりますが、同水準の予算で施工可能です。

それでは施工の様子をどうぞご覧になってください♪

  • Before:ご入庫時のポータブルナビ

    最初にダッシュボード周りのビフォア・アフター比較です。

    まず、ご入庫時のダッシュボードのようすです。
    純正ナビモニターの位置の手前に社外のポータブルナビが据え付けられています。
    配線はダッシュボードの表を這わせてあり、Sクラスの車格には不釣り合いですね

    あと、なんといっても最大の謎はナビのヘッドユニット(ハイダウェイユニット)が取り外されている点ですね。
    おまけに全ての純正スピーカーの音が出なくなってますし、戸惑いを隠せません。

  • After:社外ナビ取り付け後

    社外ナビを取り付けたあとの様子です。

    純正モニターが組み込まれていた場所にDIN規格に準拠した設置スペースを作り、ナビを設置しています。
    次のカット以降で工程を詳細にご説明しますが、ナビ本体部取り付けにあたって、本体部の左右の側面が露出してしまいますので、生地を貼った化粧パネルを作成して、きれいにまとめました。
    当然ながら、配線の露出は一切ありません。

    それではモニター部施工の様子を5カットにわたってご説明します。

  • ディスプレイ部撤去

    ディスプレイ部分を撤去したところです。

    上述のごとく、メインユニットが取り外されており、純正ディスプレイも完全に沈黙していましたので、取り外して跡地を活用することにします。
    内部をよく点検し、配線の逃げがどこまであるのか、モニターの位置などを確認します。

  • ナビ本体設置

    ナビの本体を固定します。

    フローティングモニターなので、動作確認をする際に、モニターを仮組する必要があるのが面倒ですね。
    モニターを落としたり、コネクターを破損したりと、点数が増える分、不具合発生リスクも増えるので、十分に注意しながら作業を進めます。

  • 化粧パネル制作

    隙間を埋めるパネルを制作しているところです。

    ナビ本体部を取り付けた状態で、左右と天井の隙間を埋めるようにMDF材を組み付けて、パネルを成形します。
    こういった現物合わせで工作する場合は、写真のように十分が養生が必須ですね。


  • 化粧パネル・モニター取り付け


組み上がって最終確認しているところです。

化粧パネルには、アルカンタラ調の生地を貼って仕上げてあります。
今回のように、適当に艶のある生地(革)で覆われた中に別のオブジェクトを組み込む場合、マットな生地を組み合わせて視覚的なメリハリをつけるのは定石です。
ここに同じようなつや有りの生地を持ち込んでしまうと、とたんにDIY感全開になってしまいます。

  • トランク内アンプ設置

    トランク内の施工の様子です。

    冒頭でご説明しましたように、純正ナビのメインユニットを取り外している関係で、トランク内に設置されていた純正セパレートアンプも文鎮化し、作動しませんでした。
    よって、純正ディスプレイと同様、純正アンプも取り外してしまって、残ったステーの上に、カロッツェリアの4ch小型アンプを2台設置しました。

    純正アンプがおいてあった場所ですから、全スピーカーに向かうスピーカーケーブルの末端(始点)はすべて揃っています。冒頭にお示ししたシステム図のように、順次接続していきます。

    ただし、アンプへの入力側はナビ本体から引っ張ってくる必要がありますので、これは新たに敷設しています。あと、ラジオ、テレビアンテナはリヤウインドウに設置する関係上、これらのケーブルも引っ張ってきています。

  • マイク設置

    最後はルームミラー付近の様子です。

    ハンズフリー用マイクを目立たない場所に設置しました。

  • 作業後記

    今回はS550(W221型)のナビ取り付けとオーディオシステム復旧事例を御覧いただきました。

    純正ナビのヘッドユニット(ハイダウェイユニット)が取り外されているという非常に特殊な前提でしたので、そのまま参考にしていただける方はおそらくいらっしゃらないと思いますが、「陳腐化した純正ナビを最新の社外品に交換する」という視点で捉えていただければ、多くの方の資料としてご覧いただけるのではないでしょうか。

    きちんと動作しているSクラスの場合は、純正ディスプレイ部の撤去と社外ナビ取り付け工程は、当事例でご説明したのと全く同じ作業になります。ただ、正常に稼働していれば、CAN-BUSアダプターによって、CAN-BUSからの信号((1)アクセサリー、(2)イルミ、(3)リバース、(4)車速、(5)ステアリングリモコン)信号を取り出せますので、今回の事例では妥協せざるを得なかった、(A)位置情報をより正確に把握でき、(B)リアカメラとの連動も実現し、(C)ステアリングリモコンによる操作も可能になり、ナビの機能を完全に活かせる状態に持っていけます。

    また、当然ながら、純正外部アンプも通電するので、(今回のように外部アンプを投入するような凝った手を使わずとも)全ての純正スピーカーもこれまで通りに問題なく使えます。

    純正ナビの動作に不満が出てきたオーナー様がいらっしゃいましたら、どうぞご検討ください。
    今回の事例と同様に、古くなった純正ナビの交換事例25例をまとめたページを用意しております。こちらも参考になさってください。

    古い!遅い!動かない!純正ナビ・純正オーディオ・交換事例紹介!

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