レクサス LS 600hのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。円安の影響で大きく価格が変わっているものもあります。ご了承ください。>

登録日 2025/11/28-
事例No.905(お問い合わせの際にお伝えください)
model
レクサス LS 600h
system
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO VX165 Active、MX080
センター:BLUE MOON AUDIO MX080
リアスピーカー:BLUE MOON AUDIO CX100S
サブウーファー:BLAM MSP 25P
プロセッサーアンプ:audison AF M12.14 bit
ケーブル:audiotechnica、SAECcomment
純正サブウーファー以外のスピーカーユニットを全て交換し、パワードサブウーファーも加えて、多チャンネルDSPアンプで制御するシステムです。
とても重厚なサウンドに仕上がり、「マークレビンソン仕様よりも良い音にしてほしい」とのご要望に応えることが出来ました♪
レクサス・LS600hの事例紹介です。
LSはレクサスブランドのセダン部門におけるフラッグシップモデルです。
レクサスのセダンの歴史を振り返ってみますと、以下のような感じになります。車=セダン、高級車=セダンという保守路線の延長線上にある形態なので、現代のSUVの波に押されて受けて終了したモデルもありますが、モビリティ文化の守護神であるトヨタ自動車の矜持として、良いものをきっちり継承してくれております。
モデル名(生産年)(全長・全幅・全高)旧国内名称※寸法は最大値
LS(1989-現行)(5235・1900・1460)旧セルシオ
ES(1989-現行)(4975・1865・1445)旧カムリプロミネント
GS(1993-2020)(4880・1840・1470)旧ウインダム・アリスト
IS(1999-現行)(4710・1840・1440)旧アルテッツァ
HS(2010-2017)(4710・1785・1505)
今回ピックアップするLSは、上記の通りバブル絶頂期の日本でセルシオとして販売されました。
クラウンがラインアップの天井となり、さらなる販売台数拡大・単価向上のために新モデル開発のニーズがあったことと、当時に売上で50%を占めようとしていた輸出部門において、最大の市場に君臨するキャデラックリンカーン、世界市場で先行するメルセデスSクラス、BMW7シリーズに伍するモデル・ブランドを育成する目的をもって開発されました。
初代LS(セルシオ)の開発にあたっては、当時のトヨタが持つ技術、ノウハウ、そして情熱のすべてが注ぎ込まれました。当時の開発目標は「90点の車ではいけない、100点の車を目指す」というものでした。この徹底的な品質追求が、以下の象徴的な取り組みを生み出しました。
1.静粛性
エンジンの主要部品の加工精度を極限まで高める必要がありましたが、既存の工作機械では要求精度を満たせませんでした。そこでトヨタは、わずかな振動や加工誤差が騒音に直結するのを防ぐため、エンジンの部品を削り出す工作機械そのものから自社で開発しました。この徹底した追求が、LS(セルシオ)の代名詞とも言える圧倒的な静粛性の源泉となりました。
2.「音」へのこだわり
車内の高級感を確固たるものにするため、ドアの閉まり音やスイッチ類の操作音を専門に担当するチームが設置され、音質・音圧・残響を測定し「ドアを閉めた一瞬で高級車と分かる音」を科学的に作り込みました。また、高速走行時の風切り音を抑えるため100回以上の風洞実験を繰り返し、空力ノイズの原因となる細かな渦の発生まで解析し尽くしました。
3.完成度の証明
エンジン振動の少なさ、高い車体剛性、そしてサスペンションの正確な動きが生み出す極上の乗り心地と静粛性を、一つのシンボルで表現しました。それが、CMでも使われた、ボンネットの上にワイングラスを載せたまま高速ベンチで走行テストしてもグラスが倒れないという逸話です。これは、LSの完成度とスムーズさを分かりやすく世界に伝えた、象徴的なエピソードです。
昨今では、SUVモデルが隆盛を極めており、GX、RX、NXといったモデルが幅を利かせておりますが、LSはレクサスブランドの圧倒的なステータスを決定づけたフラッグシップセダンとして引き続き君臨し、法人車、公用車、そして個人のハイオーナー車として、幅広いユーザー層に重用・愛用されています。
今回お迎えするのは、LS600hです。
LSは以下のようにモデルチェンジを重ねておりますが・・
XF10型(1989-1994年)
XF20型(1994-2000年)
XF30型(2000-2006年)
XF40型(2006-2017年)
XF50型(2017年-)
この内、4代目に当たるXF40のハイブリッド版として販売されたのがLS600hです。
型式はUVF45型で、生産年は2007年-2017年です。この代から採用されたスピンドルグリルを配したキリっとしたフェイスを持ち、5000ccのV型エンジンとモーターを組み合わせ、システム出力327 kW(445 PS)を発生し、重厚な2トン超えの車体をフットワーク良く動かすパフォーマンスを誇りました。
オーナー様は、(ハイブリッドでない)XF40型の発売時、新車でご購入されて大変気に入っていたそうですが、不調の為手放すこととなったそうです。しかし未練を断ち切れずに中古で再度、ハイブリッド版の今回の車をご購入されたようです。かくして、再び思い入れのある車両のオーナーに復帰したわけですが、以前のXF40型でオプション装備していたマークレビンソンに対して、今回の標準オーディオはサウンドが見劣りする点が気になり始め、業者探しのためネット検索され、当店を見つけていただいてご連絡いただくに至ったという訳です。
ご要望は一言「ご予算は100万円以内で、マークレビンソン仕様よりも良い音にしたい!」とのことでした。
それくらいの予算をご提示いただければ十分なクオリティをご提供できますということで、お返事し、スピーカー選択のために視聴をお願いしました。
ご試聴の結果、スピーカーブランドはブルームーンオーディオに決まり、早速プランニングさせていただきました。
システム的には、2wayハイレンジスピーカー+ウーファー+センター+リヤ+純正サブウーファー+パワードサブウーファーの合計9ユニットをハイグレードなDSPアンプで駆動する内容となりました。
以下がシステム内容です。
〇DSPアンプ
audisonのM12.14 bit(60W×12ch)(税込253,000円)です。
現在のaudisonのDSPのバリエーションは以下のようになっています。
DSPの性能としては、同じ型のCPUを使っている点、24 bit/192 kHzまで対応している点は同一で、違いはプロセシングch数と、内蔵アンプのch数です。
型番に含まれているピリオドの前の数字が内蔵されているアンプのch数を、後の数字がプロセシング可能なch数を表しています。
AF M12.14 bit(60W×12ch)税込253,000円
AF M8.14 bit(90W×8ch)税込231,000円
AF M5.11 bit(100W×4ch+400W×1ch)税込198,000円
AF C8.14bit(65W×8ch)税込143,000円
AF C4.10 bit(90W×4ch)税込143000円
組みたいシステムのch数に対して、アンプのch数は同数あれば足りるわけですが、アンプのch数よりプロセシングch数に余裕のある(大きい)製品を選んでおくと、後々のシステムアップ(制御対象スピーカーを増やす)の際、外部アンプを買い足すことで、多チャンネル化を進めることができます。
なお、数字の前のMとCはアンプの出力の大きさに違いがあり、筐体の大きさが異なります。Mが240mm×16mm×47mmで、Cのほうは200mm×134mm×47mmと一回りコンパクトです。
当店では、インストールのスペースが小さくて済む点と、現実的に必要なアンプのch数、そして価格の点からAF C8.14bitをお勧めする機会が多いです。しかしながら、今回はフロント2wayに加えてセンタースピーカー、リヤスピーカー、純正サブウーファー、追加サブウーファー(RCA)も鳴らす前提なので、最低8つのアンプが必要になります。また、その分、純正システムからの入力もそれぞれに取り込む必要があり、その数が合計8chに上ります。
そういった事情を鑑みて、8ch入力/14chプロセシング対応/12chアンプ内蔵のAF M12.14 bitをお選びいただくことにしました。
〇スピーカー
全てブルームーンオーディオで揃えました。
(1)VX165 Active(税込110,000円)
(2)MX080ペア(税込42,900円)
(3)MX080単品
(4)CX100S(税込60,500円)
(1)は165mmウーファーとツイーターの2way商品で、(2)は80mmのフルレンジユニットです。
このうち、165mmウーファーをドアのウーファーとして用い、(1)のツイーターと(2)を2wayハイレンジユニットとして組み合わせて使いました。
(3)はセンタースピーカー用に単品で使いました。
(3)はリヤスピーカーの中高域用として使いました。(標準オーディオの場合、リアの低域ユニットはレス設定)
この他、純正ユニットとしてリアトレイの上にサブウーファーがあるので、これに追加サブウーファー(後出)を足して、2ユニットで最低音域を担当させることで全スピーカーシステムを構成しています。
〇サブウーファー
BLAMのMSP 25P(税込59,400円)を使いました。
BLAMのパワードはMSA 25P(25センチ・180W)、 MSA20(20センチ・120W)の2タイプありますが、今回のはアンプを持たないサブウーファーです。(定格入力は125W)
今回のDSPは内蔵アンプの容量に余裕があるので、外部アンプで駆動できるアンプレスを選ぶことにしました(予算的にも節約できますし)。
以上をもって、LS600hのフルオーディオシステムが完成しました。
リアトレイの純正サブウーファー以外は全てブルームーンオーディオ製品に交換し、ドアのデッドニングを含めて、ユニットの性能がきちんと引き出せるようにしっかり取り付けました。加えて、多チャンネルDSPアンプによって、サブウーファー群を含む全ユニットを調整しましたので、情報量の多い、重厚なサウンドが楽しめる一台に仕上がりました。
予算的には、全スピーカーユニット、追加サブウーファー、DSPアンプといった製品代と、デッドニング、スピーカーインストール、配線処理などの工賃一切を含んで税込800,800円であがりました。
納車時には大変お喜びいただき、「(前車の)純正マークレビンソンも悪くは無かったけれど、やっぱり、好みの音が出るスピーカーとは次元が違いますね!次からは標準オーディオ車を購入して貴店に持ち込みます」といった趣旨のコメントを頂戴しました♪
それでは施工の様子をご覧ください♪
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フロントドア


フロントドアの外観です。
XF40型の生産開始は約20年前の2006年ですので、まだバブルの余韻が感じられますね。レザーが多用されてなかなかリッチです。
ドアへのスピーカー配置は向かって右下のウーファーのみで、高音域はダッシュボードの両端に2wayハイレンジユニットと、センタースピーカーとが配置されています。
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ドアトリム取り外し


ドアトリムを外したところです。
サービスホールは、4つに分かれていて、それぞれは非常に小さいですね。
その影響で、ドアの大きさに対して、ビニールシートも吸音シートも小さめです。
スピーカーはトヨタお得意の楕円ベース+丸い振動板のユニットで、真横にレイアウトされています。
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アウターパネル作業


アウターパネル側の作業が終わったところです。
サービスホールを塞いでいるビニールシートとスピーカーを外して、清掃と脱脂を済ませたら、短冊状にカットした防振材をアウターパネルに貼っていきます。
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インナーパネル作業


インナーパネルの作業が終わったところです。
スピーカーバッフルを製作して、スピーカーホール部に取り付け、VX165のウーファーを取り付けます。
スピーカー配線については、純正ケーブルを使っていますが、末端のカプラーはカットしないで活かしておくために、お店で製作した変換カプラを使って、スピーカーに配線します。
最後にインナーパネル全体を防振材で覆って、ドア全体をエンクロージャー(スピーカーボックス)に仕立てます。
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ハイレンジスピーカー(施工前)


ダッシュボードの左右にはハイレンジスピーカーが設置されています。
この時代のレクサスは、今のような同軸スピーカーではなく、ツイーターとスコーカーから成る2wayセパレート形式になっています。
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ハイレンジスピーカー(施工後)


スピーカー交換後の様子です。
右奥のツイーター部には、VX165のツイーターから取り出したユニット部を配置し、左手前にはMX080を取り付けています。
配線については、それぞれを別チャンネルとして制御することも可能ですが、別途専用線を引き込む必要がありますので、今回は1組の純正スピーカーケーブルで(1chとして)二つを鳴らしています。
二つに分岐させるには、当然ながらネットワークが必要になりますので、別途用意したパッシブネットワークを介在させています。
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センタースピーカー(施工前)


純正のセンタースピーカーの様子です。
ダッシュボード中央にあるグリルの下にはセンタースピーカーが装着されています。
こちらも2wayセパレート形式になっています。
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センタースピーカー(施工後)


交換後の様子です。
2way構成のうち、フルレンジスピーカーの方をMX080に交換しています。
ダッシュ両サイドにあるハイレンジスピーカーに対して、音場・音質への寄与が相対的に低いので、ツイーターの方は交換しておりません。(接続を切った純正ユニットがついたままになってます)
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スピーカー交換


スピーカー交換後の様子です。
右上の純正のスピーカーを10cm同軸スピーカーのCX100Sに交換しました。
純正では、1way(フルレンジ)でしたが、2wayにアップグレードです。
10cmとスピーカーサイズが小さいのと、内装がかなりしっかりとした作りになっていました。構造はしっかりしているし、それほどパワーを入れるユニットでもないのでリアドアには防振施工は不要と判断しました。
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純正サブウーファー


リアトレイをのぞき込んだところです。
ここにはサブウーファーが取り付けられています。
今回は、このユニットも鳴らしますが、パワーを入れるとビビるので、控えめにしておき、後出の追加サブウーファーを主力とします。
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追加サブウーファー設置


トランクに移動して、追加サブウーファーの設置状況です。
場所は右側の手前ですね。ゴルフバッグを積んだ時に邪魔にならない場所という事で、この位置になりました。
製品はBLAMの追加サブウーファー、MSA 25Pで、固定はマジックテープです。
サイズ的にはシート下に設置できるサイズで、このカテゴリの市販品のほぼすべてがシールドタイプですが、当機は珍しいバスレフタイプですので、シールドに比べて広がりのある音が特徴です。とは言えこのサイズですので、キッカーやカロッツェリアのドデカユニットのようにドカドカと底が抜けそうな音は出ませんが、(防音性の高い)高級セダンのトランク内であっても、ちょっと大きめに設定しておけば、ハイファイ的なサブウーファーとしての役割はこなしてくれます。
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純正アンプ


トランクのフロアボード下です。
右側の下のところに純正パワーアンプが設置されています。
DSPアンプ(後出)の設置に当たっては、このアンプの出力(純正スピーカーケーブル)を取り込んでからプロセシングし、再度スピーカーケーブルに戻すという「行って来い」の関係になるので、このアンプの近くに設置するのが合理的です。
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DSPアンプ設置


同じくトランク右側の上方部分です。
ここにDSPアンプを設置しました。
ここであればトランクの積載物の邪魔になりませんし、メンテナンス性も比較的良い方です。
前述の通り、写真の右下の方向にある純正アンプのスピーカー出力をこのDSPアンプに取り込んで、クロスオーバー(帯域分割)・タイムアライメント・イコライジングといった処理が済んだ信号を、再度スピーカーケーブルに戻してやるというフローになります。
現状では、音声入力は純正ヘッドユニットの出力のみで、ソースを切り替えることもないし、バランス・フェーダーといった基本的な調整はヘッドユニット側で出来るので、コントローラーを別途用意する必要はありません。
今後、DAP・スマートフォンの信号をハイレゾ再生するためにDSPに直接入力するようなシステムアップを図る場合は改めて検討ですね。
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作業後記


今回はレクサス600hのフルオーディオ・インストール事例をご覧いただきました。
こういった大型セダンの事例としては、フロントのスピーカーを交換して、ミドルクラスのDSPアンプを搭載し、純正サブウーファーを加えるのが主流ですたが、今回は純正サブウーファー以外のユニットは全て交換し、さらにパワードサブウーファーを加えて最低域を補強するという、芳醇なサウンドを目指すシステムとなりました。
当店でレクサス車向けにお勧めできるプランとして、 レクサス・サウンドアッププログラムがございます。
このプログラムは近年のレクサス車のスピーカー構成(10cm同軸ハイレンジ+8cmセンター+17cmドアスピーカー)に照準を合わせて開発しておりまして、具体的なプランとしては、スピーカー交換とデッドニングのプランである「 Prime tone」と、それにDSPアンプを加えた「DSP Suite」を用意しております。
これらのプランは、現行(XF50系)のLSに対しても適用可能ですが、今回のようにXF40系ないし、それ以前のモデルについては、ハイレンジスピーカーが2way構成になっているので、内容の調整が必要になります。
具体的には、純正のユニット構成に合わせて、、一般的な2wayスピーカーセット商品に小径フルレンジ(スコーカー)を加えて「2wayハイレンジ+ドアウーファー」にすることになります。
価格的には、上記のページの「LEXUS Prime tone」「DSP Suite」の表示価格に対して、それぞれ4万円程度の追加で収まります。(ブルームーンオーディオ製品で組んだ場合)
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今回ご紹介したプランのように、多チャンネルDSPアンプを使って多くのスピーカーを制御するシステムもありですが、このようにフロントメインでコンパクトにまとめることも可能です。
具体的な価格は、お使いになるスピーカーによって変わってきますので、ご興味のあるオーナー様はどうぞお気軽にお問い合わせください。
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