ホンダ N-ONE のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。円安の影響で大きく価格が変わっているものもあります。ご了承ください。>
登録日 2025/09/05-
事例No.894(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ホンダ N-ONE
system
メインユニット:KENWOOD DMX5523S
デッドニング:なし
フロントスピーカー:不明
リアスピーカー:不明
パワーアンプ:内蔵
ケーブル:純正
comment
初期型(JG系)の純正ディスプレイオーディオをDIN規格の社外品に交換した事例です。
純正のオーディオパネル部品を複数調達して、ディーラーオプションのように整然と仕上げました。
ホンダN-ONEの事例紹介です。
ホンダファンのみならず、多くの自動車ファンにとって多くの説明は不要な車といってもいいでしょう。
ホンダ四輪車の歴史の1ページ目を飾る「ホンダN360」のNを冠した、Nシリーズの一員です。
N360の誕生は、遡ること約半世紀前の1967年(昭和42年)でした。
時代は平成の後半に移り、軽自動車ビジネスの原点回帰!という機運が高まったのでしょうか。Nシリーズ第一号として、後席にスライドドアを持つミニバンタイプのN-BOX(2011年)、次にN360のテイストを可愛らしく再現したN-ONE(2012年)、次いでワゴンタイプのN-WGN(2013年)と、3年の間に矢継ぎ早に3台投入されました。
その後、5年経った2018年になって、全車4ナンバーの軽商用車モデルであるN-VANが加わって、現在4きょうだいとなりました。
ごくたまにN360やスバル360といった、レトロ計を見かけますが、ほんとに小さいですね。
調べてみると、軽自動車規格は約4回に渡って改訂され、今日の規格にたどりついているようです。。
●ボディサイズの変遷
1949年制定時
全長 2.8m以下 / 全幅 1.0m以下 / 全高 2.0m以下
1955年改正
全長 3.0m以下 / 全幅 1.3m以下 / 全高 2.0m以下
1976年改正
全長 3.2m以下 / 全幅 1.4m以下 / 全高 2.0m以下
1998年改正(現行)
全長 3.4m以下 / 全幅 1.48m以下 / 全高 2.0m以下
※全高は制定以来2.0mで変わっていません。
●排気量の変遷
1949年制定時
ガソリン車:150cc以下 / ディーゼル車:300cc以下
1955年改正
ガソリン車:360cc以下
1976年改正
ガソリン車:550cc以下
1990年改正(現行)
ガソリン車:660cc以下
排気量の変遷をご覧いただくとお分かりのように、1955年改正で360ccという排気量が誕生しており、この時代にN360(ホンダ)、スバル360(富士重工業)といった、日本の自動車史に残る名車が生まれています。
制定時における排気量を見てみると、ガソリン車:150cc以下 / ディーゼル車:300cc以下と非常に小さく、これで車が動くのか??と心配になってしまいますが、この時代の主力車種はマツダ号と称されるオート三輪トラックで、150ccクラスのエンジンで積載300kg程度。戦後復興期に大量に普及したそうです。このほか、同じく三輪のダイハツミゼットも制定時の規格でスタートしているようです。
当時は「軽=庶民の乗用車」というより「小型商用車(荷物運搬用)」としての役割が強く、四輪乗用として本格的に普及したのは、1955年の排気量拡大(360cc化)以降ということになります。
1955年以降の規格改定時に新規に開発された車両について、年表にしてみます。(旧規格からの排気量拡大版は除く)
●1955年(→360cc)改定
・スズライト(1955、軽四輪の嚆矢)日本初の本格軽四輪。FF方式。
・スバル360(1958)「国民車」と呼ばれた代表格。RR方式の2ドア軽。
・マツダ R360クーペ(1960)マツダ初の軽四輪。小さな2ドアクーペ。
・マツダ キャロル360(1962)4ドア軽乗用として人気。上級志向でスバル360と対抗。
・三菱 ミニカ(1962)旧三菱500をベースに開発。FF方式、商用車派生も多数。
・スズキ フロンテ(1962〜)スバル360対抗の主力モデル。RRレイアウト。
・ホンダN360(1967)初の本格量産軽FF車。空冷2気筒エンジンで高性能。
・スバルR-2(1969)スバル360の後継。より近代的なスタイル。
・ホンダZ(1970)N360ベースのスポーティクーペ。「水中メガネ」の愛称で人気。
・スズキ フロンテクーペ(1971)ジウジアーロデザインの流麗クーペ。名車と評価。
・スバル レックス(1972)R-2の実質後継で、のちの550cc規格にもつながる。
●1976年改定(360cc→550cc)以降
・スズキ アルト(1979年) 360cc時代には存在せず、550cc規格下で新登場。低価格(47万円)で大ヒット。
・スズキ セルボ(1977年) 360ccフロンテクーペの後継ではあるが、事実上の新型。デザインやコンセプトを刷新。
・スバル レックス(2代目 1976年) 初代360ccモデルから完全刷新。安全ボディを持つ新規開発車。
●1990年(550cc→660cc)改正
・スズキ ワゴンR(1993年) 660cc規格を前提に「トールワゴン」という新カテゴリを創出。大ヒット車種。
・三菱 ミニカトッポ(1990年) 660cc化と同時に登場したハイトワゴン派生モデル。
・ホンダ ビート(1991年) 660cc規格の軽スポーツとして新開発。
今回のN-ONEに話を戻しますと、
N-ONE:全長 3,395 mm x 全幅 1,475 mm x 全高 1,545-1,570 mm
N360:全長 2,995 mm x 全幅 1,295mm x 全高 1,345 mm
全長で40センチ大きく、全幅で18センチも広く、全高で20センチ!も高くなり、排気量も360→660と拡大されているんですね。
で、長すぎる前置きを経て、今回のN-ONEの事例についてのご紹介です。
上述の通り、N-ONEは2012年に初期型(JG1/2)は発売され、2020年に2代目(JG3/4・現行)にモデルチェンジされています。
初期型の時代のヘッドユニットは、それまでの純正ナビ or 純正オーディオのほぼ2択に、ディスプレイオーディオが加わり始めたころでした。しかしながら、今のようにAppleCarplay/AndroidAutoに市場を席捲されておらず、車両メーカー主導で(道案内などの)サービスとアプリを開発する機運があった時代でした。
ホンダにおいても、「internavi POCKET」という名称のアプリを介して「インターナビ・リンク」サービスに接続して使うスタイルのディスプレイオーディオを開発し、初期型のN-ONEを含むモデルにディーラーオプションとして搭載していました。
その後、AppleCarplay/AndroidAutoのシェア拡大の影響もあり、2代目で選択可能な8インチディスプレイオーディオ(VX-240ZFE)では緊急サポート系を含む「HONDA CONNECT」サービスを除く、スマートフォン連携機能はAppleCarplay/AndroidAutoに明け渡す展開を迎えました。
今回のお客様は初期型(JG1)のオーナー様で、「インターナビ・リンク」サービスを前提としたディスプレイオーディオを、AppleCarplayが使える社外ディスプレイオーディオに交換したいとのご意向でした。
文字にすると、比較的簡単に聞こえますが、これを実現するには・・
(1)純正ディスプレイオーディオの取り外し
(2)オーディオレス仕様にするための部品選定と組付け
(3)社外ディスプレイオーディオの取付
以上3ステップを踏む必要があります。この段階でも難易度は低そうに見えますが、(2)が鬼門中の鬼門なのです。
なぜかというと、この代のN-ONEには、非常に多くのカラーバリエーションが設定されていて、組み合わせを勘案すると8種類くらい(?)はありそうです。加えて、事態をさらに難しくしているのが、車検証の情報からたどっても、実際に車についているカラーの部品が特定できないという視界の悪さです。
結局のところ、お仕事としては、上記の3ステップを踏んで、ケンウッドのナビに交換する内容にて受注させていただき、完成まで漕ぎつけたのですが、部品の特定には、当たりつけて発注して、想定外のカラーが届いてしまった(返品不可)事件を交えつつ、かなり手間取りました。
しかしながら、ある程度の期待値が見込める「絞り込みノウハウ」を得た(ような気がする)ので、同様のご要望にお応えすることが可能と判断し、当エントリーにて紹介することにしました。
気になる費用面ですが、以下の4点の作業合計で税込44,044円であがります。この他に必要なのはディスプレイオーディオの商品代のみです。
・純正ディスプレイオーディオ取り外し
・DIN規格準拠デッキを取り付けられるように、両サイドにエアコン吹き出し口を備えた大型のパネル(合計部品点数8点)を取り付け
・裏側のハーネスを専用品に交換
・社外のディスプレイオーディオを取り付け(商品代含まず)
これによって、パネルにフラットに収まる7型でも、10インチクラスの大画面フローティングタイプでも、お好みの製品が取り付け可能です♪
なお、所要時間は部品の特定に時間がかかることを想定してご依頼から1週間以上は頂戴しますが、施工自体は1日で終わります。
それでは施工の様子をどうぞご覧になってください♪
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ディスプレイユニット(施工前)
施工前のディスプレイ周りです。
純正のディスプレイオーディオのモニターは、ダッシュボードのパネルに埋め込まれるような恰好で取り付けられています。
ぱっと見は、このモニタを外して、1DIN/2DINサイズのデッキ類をインストールできそうに見えますが、基本的に奥行きが足りません。まぁ、やってやれないことは無いようですが、無茶系のDIYになってしまうので、最終的な満足度は微妙じゃないかと思います。
社外1DIN/2DIN(ディスプレイオーディオ/ナビ)を付けるには、上述のとおり、オーディオレス状態を完成させることが前提となります。
次の写真をごらんください。
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オーディオレス状態写真(メーカーサイトより)
これがオーディオレスの状態です。
カラーが異なっていますが、HONDAのサイトより引用した写真なのでご了承ください。(こういうカラバリがたくさん設定されています)
よく見ていただくと、ダッシュボードのパネルの上に、両サイドにエアコン吹き出し口を備えた長方形のモニターパネルが乗っかっていますね。
高さは3-5cmほどあり、これによって市販のDIN規格に準拠した筐体を格納可能な奥行きが確保されます。
写真では、おおきな一つのパネルに見えますが、実際は8つの部品から構成されており、色も複数のバリエーションからの組み合わせになるので、ぴったしに揃えるのは至難の業です。
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KENWOOD DMX5523S
施工後の写真です。
吹き出し口付きのモニターパネルの周りにメッキ付きのトリムが付き、側面はダッシュボードと同じモカ色です。
これらを含む8つの部品を調達して揃えました。
ナビ裏のハーネスについても、専用部品を使って条件を整えることで、やっとケンウッドのディスプレイオーディオ( DMX5523S)を取り付けられました。
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ダッシュボード(施工後・全景)
施工後の全景写真です。
二つ前のオーディオレスの写真と見比べていただくとわかりますが、この写真では、シフトレバーの左側にオーディオコントロールパネル(中央に丸いボリュームつまみがあるパネル)が残留しているのに対して、オーディオレスの写真では、ここがポケットになっています。
ここについても、ポケットに変更することは可能なのですが、シフトレバー周辺のエアコン操作パネル部と一体成型となっているため、ポケット部分だけを簡単に交換・・という訳にはいきません。
このパネルもそこそこお値段がするので、今回は見送っていますが、一番の目的である社外ディスプレイオーディオへの変更は達成できてますので、良しとしますか。
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作業後記
今回は初代N-ONE(JG1(FF)、JG2(4WD))の純正ディスプレイオーディオを社外品に交換する事例をご覧いただきました。
初期型を新車・純正ディスプレイオーディオ付きで購入されて、今まで不満なくお乗りの方については、今になって社外品に交換するニーズはほとんどないと思いますが、中古で購入された方については、それなりに需要があるのかなと思います。
文中でご紹介しましたように、税込み44,044円+ディスプレイオーディオ製品の代金で、きれいに移行が可能です。
また、今回は省略していますが、バックカメラとの接続も可能です。
ご予算とご希望に応じて、柔軟に対応させていただきます。どうぞお気軽にご相談ください♪
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