レクサス NX 350hのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。円安の影響で大きく価格が変わっているものもあります。ご了承ください。>
登録日 2025/08/21-
事例No.892(お問い合わせの際にお伝えください)
model
レクサス NX 350h
system
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:MOREL TEMPO Ultra Integra 402、602、CCWR 254
センター:MOREL CCWR 254
リアスピーカー:純正マークレビンソン
サブウーファー:純正マークレビンソン
パワーアンプ:純正マークレビンソン
ケーブル:純正comment
フロント3way形式のマークレビンソン仕様車のスピーカー交換事例です。
センタースピーカーを含むフロント7スピーカー全てをMorelのユニットに入れ替えて、デッドニングで条件を整えました。
レクサス・NX350h・F SPORTのオーディオインストール事例紹介です。
NXシリーズはレクサスのクロスオーバーSUVラインアップの主力車種の一つです。
ボディサイズの序列で表すと、RZに次ぐミドルサイズの位置づけになります。(値は2025年05月時点の最新型・全長降順)
モデル名(生産開始年)ホイールベース・全長・全幅・全高
LX(1996年)2,850mm・5,100mm・1,990mm・1,885mm
RX(1998年)2,850mm・4,890mm・1,920mm・1,700mm
GX(2002年)2,790mm・4,880mm・1,885mm・1,885mm
RZ(2023年)2,850mm・4,805mm・1,895mm・1,635mm(EV専用車)
NX(2014年)2,690mm・4,660mm・1,865mm・1,660mm
UX(2018年)2,640mm・4,495mm・1,840mm・1,540mm(UX300eはEV車)
LBX(2023年)2,580mm・4,190mm・1825mm・1,560mm
NXは、初期型(AZ10型)はNX300(旧称NX200t)のガソリン車とハイブリッド版のNX300hでスタートし、2021年のモデルチェンジでAZ20型に切り替わりました。
2025年8月時点のラインアップは、ガソリンモデルのNX350、ハイブリッドのNX350h、プラグインハイブリッドモデルのNX450h+の3グレードです。(NX250は生産終了)
車購入の楽しみは、グレード選定の他、仕様選びもあります。
NXで現在選択可能な仕様は、スポーツ系の「F SPORT」、ラグジュアリー系の「version L」と、後から追加されたアウトドア系の「OVERTRAIL」の3つがあります(グレードにより選択不可)
そして今回ご登場いただくのは、NX350h AWDのマークレビンソン・プレミアムサラウンドサウンドシステム搭載車です。
オーナー様はオーディオに造形の深い方の様で、相応の期待をこめてマークレビンソン(33万円)を選択なされましたが、、、納車から日が浅い段階で当店にお問い合わせいただく展開となりました。
本題に入る前に、標準オーディオとマークレビンソンとの違いについて軽く触れておきます。
外観上のスピーカー構成としては、マクレビがフロント3way+センター+リヤ+サブウーファーであるのに対して、標準オーディオの方は、フロント部分が2wayである点が異なっています。
実際に使用されているユニットには技術的な違い、口径の違いがありますので、以下をご参照ください。
※CSTとUnityは設計思想と名称が異なりますが、単一ユニットで高音/中音をならすコアキシャル系のユニットという点で共通しています。
標準 | マークレビンソン | |
合計スピーカー数 | 10 | 17 |
ダッシュ上の ハイレンジスピーカー | 9cm CST | 9cm Unity |
ダッシュ上の センタースピーカー | 9cm ミッドレンジ | 9cm Unity |
ドアミッドレンジ | − | 9cm Unity |
ドアウーファー | 18cm ウーファー | 8x9インチ ウーファー |
リアスピーカー | 5.5cm ミッドレンジ +バスレフポート | 9cm Unity |
サブウーファー | 20cmボックス サブウーファー | 22.4cmボックス サブウーファー |
スピーカー交換を検討する上で、一般的な感覚としては全ユニットの交換!を連想される方が多いと思います。それはそれでストレートな正解ですし、適合するユニットが揃うようなら実際に全交換も可能ですが、主要リスナーである運転者を軸としてとらえると、音場の形成への寄与度の高いフロント側にあるスピーカーを集中的に交換し、デッドニングでスピーカー稼働条件を整えるというアプローチが、機能面でもコスト面でもアドバンテージがあるので、多くのユーザー様がお選びになるパターンです。
お客様とのやりとりに話を戻します・・
お問い合わせからシステム検討・確定、正式発注まではメールのみで進みました。
事前に当サイトの NXの個別事例、ならびにレクサス車向けの専用メニューである レクサス・サウンドアッププログラムはご覧いただいており、施工内容はご理解いただいていたので、以下の4種のスピーカー違いで、フロント側のスピーカーを全て交換する(フロント3way+センタースピーカー)見積をご依頼いただきました。
・モレル(VIRTUSシリーズ)※ハイレンジ用コアキシャルがないのでDSP運用前提の見積
・モレル(TEMPOシリーズ)
・BLUE MOON AUDIO
・BEWITH
だいぶお悩み頂いた結果、DSP導入は見送って、モレルのTEMPOシリーズをお選びいただくこととなりました。
施工プランとしては、上述の レクサス・サウンドアッププログラムのスピーカー交換プログラムである”Prime tone”ということになりますが、マークレビンソン仕様の場合、フロントにミッドレンジ(スコーカー)が追加された3way構成となっているので、その分、交換スピーカーも追加して施工することとなります。
以下がコンポーネント内容です。
〇スピーカー
MORELのTEMPOグレードを基調として、小径のミッドレンジユニットを組み合わせました。
(1)ダッシュ両端のハイレンジ:TEMPO Ultra Integra 402(税込59,400円)
直径10センチの2wayコアキシャルスピーカーです。
純正は9センチですが、ハイレンジのスピーカーグリル内には市販の10センチクラスが入ります。
(2)ドアの上端のミッドレンジ:CCWR 254(税込45,100円)
直径6.35cmのミッドレンジスピーカーです。
純正はハイレンジと同じですので、9cmユニットが入っていますが、周囲の形状から10cmは入りませんので、morelのラインアップからより小径のミッドレンジスピーカーをセレクトしました。
しかしながら、寸法の都合だけでコレになったわけでなく、最高音域を受け持つダッシュ左右のハイレンジが形成する高音域の輪郭を邪魔しない目的もあって、ミッドレンジ専用の小径ユニットを選んだという因果もあります。(センタースピーカーの選定理由も同様です)
(3)ドア下部のウーファー:TEMPO Ultra Integra 602(税込67,100円)
直径16.5cmの2wayコアキシャルスピーカーです。
純正スピーカーは8X9インチ(20×23cm)という微妙に楕円のユニットで、最も近いサイズの同製品を選びました。
(4)ダッシュ中央のセンター:CCWR 254(税込27,060円・1個)
直径6.35cmのミッドレンジスピーカーです。
上出の(2)ミッドレンジ(ドア)用と同じユニットです。最高音域を受け持つハイレンジほど高音域の主張が強くないので、ダッシュボード上のまとまりが良くなるように思います。
◯スピーカーインストール
ドアのウーファーの取り付けにあたっては、純正の楕円形バッフルと形を合わせるために、MDFでのオリジナルバッフルを制作し、制振力の強いデッドニング・グレードで防振加工を行いました。
ハイレンジスピーカーは製品に設けられているネジ穴を使って、トレードインに近い形で取り付け、センタースピーカー、ならびにドアのミッドレンジに関しては、MDFで製作したバッフルボードを介して取り付けました。
以上をもって、NX350h・マークレビンソン仕様車のサウンドアップが完了しました。
納車の際は、「中高域がはっきりして、中低域も厚みがあって気持ちいい」と大変喜んでいただけました♪
予算面では、上述のスピーカーユニットとデッドニング、施工工賃の一切を含めて、税込総額355,410円となりました。
(ちなみに、ミッドレンジのない標準オーディオの場合は▲74,800円の280,610円となります)
それでは施工の様子をどうぞご覧になってください♪
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フロントドア
フロントドアの外観です。
ご案内の通り、マークレビンソン仕様車なので、ドア上端のグリルが左右に分割されたデザインになっています。
向かって右側のメッシュ状のところに中音域担当のUnityスピーカーが装備されており、マークレビンソンのロゴが印字されています。
標準オーディオ車の場合は分割されておらず、向かって左側のテクスチュアでグリル全体が埋められています。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
NXのサービスホールは比較的大き目です。遮蔽用の白い樹脂パネルでフタされています。
マークレビンソン仕様のウーファーは楕円形ですね。
標準オーディオのウーファーも、外形的には同じ楕円ですが、中のウーファーが真ん丸なので、振動板の面積が異なります。
ハーネス(スピーカーケーブル)は、ドアトリムに設置されているハイレンジ分が追加されています。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
サービスホールを塞いでいる樹脂パネルとスピーカーを取り外して、アウターパネルを清掃、脱脂したら、短冊状にカットした防振材を貼っていきます。
サービスホールは大き目で、スピーカーホールも楕円なので作業性はよいです。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
楕円の外形に円形のリングを組み合わせたバッフルにTEMPO Ultra Integra 602を取り付けて、パネル全面を防振材で覆います。
この車のパネルはさほど起伏がないので、そんなに気を使うこともありませんが、ムリに伸ばしてアルミ箔が断裂しないように、要所で材料を切り合わせて、全面をトレースして行きます。
多くのレクサス車のスピーカーケーブルはアルミ線が使われているので、酸化による腐食を避ける意味と、車両への負担を避ける意味とで、末端のカプラーまでを含めて純正配線には、カットや被膜の除去といった加工を施さずにスピーカーを接続する方法をとります。
純正配線の末端のメスカプラーに勘合するオスカプラを用意しているので、これにスピーカー裏の端子までのケーブルを組み込んで、反対側を社外スピーカー裏に端子につなぐという方法です。
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スコーカー(ドアハイレンジ)
マークレビンソン仕様の「顔」である、ドアのハイレンジです。
このパネル、チョーカッコ良いのですが、片側で3万円もします。
某オークションサイトでなんちゃってパネルが売られているのもうなずけます。
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純正スコーカー
ハイレンジパネルを外したところです。
このパネルは、表側から外すことができます。
取り付けられているスピーカーは「9cm Unity」と称され、ダッシュ両サイドのハイレンジ、センター、リアドアのユニットと共通です。
つまり、このスピーカーは7個取り付けられているということになりますね。
しかも同軸2wayスピーカーなので、カタログ上では、14個という計算になります。
これにドアウーファー2つとサブウーファー1つを足して合計17個というわけです。
見た目はひとつなのにふたつと数える差別化の手法は、澄んだ目をしたお子さんたちから笑われてしまいそうですが、この定量的表現の罠から大人が解放される日はなかなか来なそうです。
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スコーカー交換
ドアのハイレンジを交換した状態です。
純正では、同軸2wayスピーカーでしたが、フルレンジスピーカーに変更しています。
ダッシュ両サイドに使っているTEMPO Ultra Integra 402は、マグネットが干渉してしまうので、寸法上の都合から取り付けができません。
しかし、同軸2wayスピーカーを取り付けない理由は、物理的な理由ではなく、この位置にツイーターが必要ないと感じるからです。
中高域は、ダッシュボードからしっかりとなっているのに、より耳に近いドア付近で同じ高域成分が発せられると音像が引っ張られて下がってしまいます。こういったハイファイ的な観点からすると、必要ないというか、むしろ避けたい選択です。
マークレビンソンがダッシュと同じ2wayスピーカーを使っている事実については、おそらくDSPの方で操作をしていると考えられますが、高域の再生能力が高い市販スピーカーに交換してしまう場合は、ツイーターの足を引っ張ってしまう因果を感じました。
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ダッシュハイレンジ(施工前)
ダッシュ両サイドのハイレンジスピーカーです。
標準オーディオ仕様では、CSTというパイオニアが開発した同軸2wayスピーカーが設置されていますが、マークレビンソン仕様では、また別の同軸2wayスピーカーが設置されています。
写真で見る限り、真ん中にツイーターが見える一般的なコアキシャルと違って見えるので、簡単に説明しますと、中央の少々大き目な平たいユニットがツイーター部です。
外側のクッションスポンジのすぐ下に、9cmのコーン型の振動板が隠れているのですが、表から振動板を目視することができず、黒い薄い膜で覆われています。
ツイーターの中央は、柱の様に振動板の中央を突っ切ってマグネットを固定している土台に接合されていて、配線はその中を通過しているという構造になっています。
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ダッシュハイレンジ(施工後)
MOREL TEMPO Ultra Integra 402を取り付けた状態です。
同じレクサスでも、LC、IS、RC、ESといった背が低い車でダッシュハイレンジを交換する場合、取り付け部のクリアランスがタイトなため、真裏を通るエアコンダクトに加工を施す必要がありますが、寸法に余裕があるSUV系であれば、車両の加工は不要です。
このスピーカーには、固定用の足は4か所についていますが、この場合、対角の2か所しか使用しませんので、不要な2か所は切り落としています。
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センタースピーカー(施工前)
純正のセンタースピーカーです。
こちらも同軸2wayで、前述の通り、ドアのスコーカーと、ダッシュボード両サイドのハイレンジと同じユニットです。
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センタースピーカー(施工後)
MOREL CCWR 254に交換しました。
純正では直径が9cmもあるので、6.35cmへとサイズダウンしてしまうと不安に感じされるかもしれませんが、センタースピーカーに求められる中高域の再生能力を比較すると、小口径ならではの再現性の高さが際立っていますので、心配には及びません。
ドアのハイレンジ(スコーカー)における説明と同様に、このスピーカーについても、同軸2wayスピーカーを選択しない理由は寸法上の理由だけではありません。
主張を抑えて、ダッシュのハイレンジを引き立て、立体感のあるステレオイメージができるようにフルレンジのスコーカーを選択しています。
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作業後記
レクサス・NX350hのサウンドアップ事例をご覧いただきました。
レクサス車のお預かりの機会は、古くはIS、ES、CTといったモデルをぼちぼち、という感じでしたが、ここ数年はかなり頻度が上がってきました。
車種的には、今回のNXがほとんどという時期がしばらく続いたのち、RX、UX、ES、IS、RC、LCと拡がりを見せております。
ユーザー様のご支持に深く感謝申し上げます。m(__)m
こういった施工の機会を賜る過程で、共通項への気づきを得て、サウンドアッププランをパッケージ化したのが、 レクサス・サウンドアッププログラムです。
プラン構成はスピーカー交換とドア防振の”Prime Tone”と、DSPアンプを加えた”DSP Suite”の2つがあり、レクサス車の制約に適合するよう、当店がセレクトした複数のスピーカーとDSPアンプからお選びいただけるようになっています。
〇”Prime Tone”は、フロント2way(ハイレンジとドアウーファー)とセンターの合計5つのスピーカー交換と、デッドニングによる条件整備を行うプランです。
純正交換を前提としておりますので、10センチコアキシャルスピーカーがラインアップされているブランドが前提となり、条件にかなうブランドを5ブランド選定しております。
出来上がりの価格は189,750円(audison)から280,610円(モレル)といったレンジで、スピーカーボックスとしてのドアの性能を高める「ドアコンプリートオプション」(58,300円)も用意しています。
また、今回の事例のように、センタースピーカー用として選定したスピーカーをミッドレンジ(スコーカー)にも適用することで、マークレビンソン仕様車にも対応できます。
〇”DSP Suite”は上記”Prime tone”によるスピーカー交換にDSPアンプを加えて、自在な音響セッティングを実現するプランです。
予算はスピーカーとDSPの組み合わせで値段が変わりますが、スピーカーをBLUE MOON AUDIOにしたとして、DSPがHELIXのM-SIXの場合で469,370円、audisonのAF C8.14 bitの場合で502,370円といったところです。(マークレビンソンの場合はミッドレンジ追加の分、金額が上がります)
さらにオプションによって、iPhone等デジタルオーディオプレイヤーのハイレゾ再生(Bluetooth接続or有線接続)も可能になります。
レクサス車のサウンドアップをご検討のお客様はどうぞご検討ください。
また、上記のプランをたたき台としたカスタマイズも承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください
★オーディオシステムの選択について★
最近、ご質問の機会が多いのが、「これから車を発注予定だが標準オーディオとマークレビンソン仕様のどちらにしたらよいのか??」という問い合わせです。
当店の考えとしては、標準オーディオをおすすめしています。
マークレビンソン仕様は、単純にスピーカー交換のみであれば可能ですが、24万円のオプション費用負担を前提とすると、コスパは低下してしまいます。また、いざDSP導入となった場合も、フルレンジ信号を合成するために取り込む必要があるチャンネル数が増える分、選択できるDSP製品に制約が生じてきます。
また、繰り返しになりますが、マークレビンソンには24万円のオプション料金が必要ですので、この費用を当店のLEXUS・サウンドアッププログラムに投下していただければ、スピーカー交換費用はほぼ賄えますし、さらに20万−ほど増額していただければ、DSP導入によるアップグレードも可能ですので、だいぶコスパは良いと思います。
リセール時のメリットを考慮してマクレビを選ぶという考え方があると伺ったこともありますが、(オーディオファンの方にとって)トータルで見ると、必ずしもベストな選択ではないようにも思えます。
このあたりもよくご検討ください。。
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