ポルシェ911997カレラSのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
-
事例No.815(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ポルシェ 911 997カレラS
system
メインユニット:純正ナビ(クラリオンOEM)
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO SX165、MX080
センター:純正
リアスピーカー:純正
サブウーファー:carrozzeria TS-WX010A
パワーアンプ:純正
ケーブル:純正comment
純正ナビをヘッドユニットとして、フロント3wayスピーカーを交換し、パワードサブウーファーで低音域を増強したプランです。
カロッツェリアの小型パワードサブウーファーが目立たずにいい仕事をしてくれてます♪
ポルシェ911(997型)・カレラSの事例紹介です。
911とは?なんて、当サイトの閲覧者さまに対して、今更説明の必要もないと思いますが、ポルシェを代表するスポーツカーです。
プロトタイプのデビューが1963年で、本格生産開始が1964年ですので、今年でだいたい70周年ということになります。
モデル名は数字三文字の「911」で固定されていますが、世代に与えられる識別子もまた数字三文字で表されるため、門外漢には難解ですね。
初期型は901型といい、時期によってさらに12世代のコードが与えられながら、1977年まで生産されました。
1978年には2代目となる930型に改められ、3代目が964型(1989年-)、4代目が993型(1993年-)、水冷に改められた5代目996型(1997年-)、6代目997型(2004年-)、7代目991型(2011年-)と続き、現行型が2018年からの992型となります。
911は長きにわたってカエル目のライトにグラマラスな流線型ボディをまとっており、駆動型式も一貫してRR(リヤエンジン・リヤドライブ(四駆もあり))です。
大昔のコピーで、「最新のポルシェが最良のポルシェ」というのがあったと聞いてますが、コアなファンの方にとってはそうでもないようで、3代目までの空冷エンジンにこだわる傾向があるようです。コロナ後のインフレに煽られて投機的な資金も流入しているようで、964の中古が1000万円台あたりまえで、カレラRSやスピードスター等、物によっては2000万、3000万という物件もでてきているようです。
今回ご登場いただくのは、6代目にあたる997型です。
上述の通り、生産期間が2004年から2011年ですので、最終モデルでも13年目、初期だと20年の歳月が経過していますので、メンテ状況に応じて程度の差が大きく開いてきます。
今回の997は、当店にお預けいただく多くの911と同様にキレイな個体です。取り外し可能なスマホホルダー・光ビーコン以外は純正の状態を維持されていました。
オーナー様のご要望は、純正のナビは引き続き使う前提で、経年劣化した3wayスピーカーの交換とドア防振で、多くの911オーナー様と同様に、外観の変更はNGということでした。
ただし、音質への情熱はチョイ熱で、ドアの制振効果を高めるために、(1)ドアトリム(内装)にも防振施工を行う点と、(2)助手席のつま先設置で目立たない、小型パワードサブウーファーの追加も希望されました。
税込総額でざっと30万円のご予算となりました。
以下、コンポーネント紹介です。
◯ヘッドユニット
ヘッドユニットはクラリオンからOEM供給されている純正2DINナビです。
911系のオーディオは、(空冷最終の)993まで1DINデッキでしたが、(水冷最初の)996から2DINナビが導入されることとなりました。これは991型の途中まで続き、それ以降は統合型のインフォテイメントシステムであるPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム)に移行しています。
この2DINナビの中には、実は内蔵アンプが格納されているのですが、セパレート式のアンプが搭載されていて、(1)フロントhigh(2)フロントlow(3)リヤの6系統が出力されています。
この内、(1)フロントhighの出力が更に高域のツイーターと、中域のスコーカーに分岐されているので、全体としてみると、6系統8ユニットという格好になっています。
今回は、フェーダー操作でキャンセルしてしまうリヤスピーカーは純正のままにして、フロント側の6ユニットを社外品に交換することになります。
◯スピーカー
当店人気のブルームーンオーディオで揃えました。
フロント3wayのうち、高域のツイーターと低域のウーファー(サブウーファー)は、2wayモデルのSX165(税込48,400円)、中音域のスコーカーは8cm口径のMX080(税込36,300円)を組み合わせました。
◯スピーカーインストールと防振
ドアは、外部アンプによるパワフル駆動にも耐えられるデッドニンググレードで防振し、ウーファーとスコーカーはカスタム制作によるバッフルを介して、頑丈に取り付けました。
ツイーターについては、純正ツイーターグリル内のスペースが結構タイトなので、ハイエンド系のハウジングが大きなツイーターはトレードインできず、ピラーへ埋め込むなどの措置が必要になるのですが、SXのそれはコンパクトなので純正グリル内に収まります。
スピーカー配線については、フロントlow側は純正ケーブルをそのまま接続することになりますが、フロントhigh側については、末端のツイーターとスコーカーとの帯域を分けるために、パッシブネットワークを介在させることになります。
今回起用したSX165に付属しているネットワークは、入力1系統を出力2系統に分けるタイプの一般的な形式のネットワークです。ヘッドユニットから出力された1系統を取り込める位置に設置できるのであればそのまま使えるのですが、今回は分岐後のケーブル上で帯域を分けなければならないため、ネットワークを加工してツイーター用とスコーカー用とに分割してしまい、それぞれの経路上に接続する方法をとりました。
◯パワードサブウーファー
カロッツェリアのTS-WX010A(オープン)です。
これは近年発売された新製品で、クロスポイント以下の低音域を全体的に受け持つような従来のパワードサブウーファーとは異なり、100Hz近辺の周波数をピークとした、ウーファー(ドアスピーカー)寄りの低域を補強することで、アタック感・ビート感を演出するという新発想の製品です。
くぼんだ形をしている助手席の足元に設置して鳴らすことで、ホーン効果による音の広がりを狙っているのがミソで、230 mm (W) × 70 mm (H) × 116 mm (D)と小ぶりなボディへの期待値を超える驚きをもたらしてくれます。
助手席の足元を大きなホーンをして活用することで、軽の車格に似つかわしくない、厚みのある楽しげなビートを聞かせてくれます。
以上を持って、ポルシェ911のフロント3wayスピーカーリフレッシュと、パワードサブウーファー投入による音質アップが実現しました。
スピーカーのスペックアップに加えて、デッドニングによってスピーカーの稼働条件を整え、スポーツカーで損なわれがちな低音域をサブウーファーで補ったことで、グッとリアリティのあるサウンドに生まれ変わり、リフレッシュの域を超えたバリューアップ!が達成できたと思います。
ヘッドユニットは純正のままとしたことで、予算は税込30万円ほどで収まりました。
それでは施工の様子を御覧ください♪
-
フロントドア
ドアの外観です。
大小の円形膨らみが示す通り、2つのスピーカーが装着されています。
小さい方がスコーカーで、大きい方がウーファーです。
ウーファーはドアのインナーパネルに固定されていますが、スコーカーの方はドアトリムの裏側に固定されています。
トリムのデザインについては、991型辺りになってくると、パワーウインドウのスイッチなどがたくさん並んで今どきの車っぽくなってきますが、997だと、まだ空冷時代に確立されたオリジナリティを残していますね。(いろいろ試験的だった996型を除く)
-
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
ドアの大きさとほとんど同じ位の大きな大きなインナーパネルが取り付けられています。
パネルというと、ちょっと脆弱な響きがありますが、金属製なので頑丈で、スピーカーの土台として十分に頼りがいがあります。
低音用のウーファーは20cmもあります。
上述のとおり、アンプからローパス信号がかかった信号が供給されていますので、低音域専門で稼働しています。
-
アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
インナーパネルを外すとこんなに見通しがよくなってしまいます。ガラガラです。
こうやってアクセスのよい状態にしてから、アウターパネルをきれいに清掃・脱脂して、防振材を配置していきます。
あと、ひとつ前の写真をご覧いただくとわかると思うんですが、インナーパネルを外す前段階として、エアバッグ用のインフレーターを外す必要があります。誤作動で膨らませてしまうことの無いよう、バッテリーのマイナスを外してから作業します。
バッテリーを戻した後、時計などの設定を元通りに戻しておく必要がありますので、忘れないようにメモを貼っておくようにしています。。
-
インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
アウターパネルの作業が終わったらインナーパネルを戻して、バッフルとスピーカーを固定したら、防振材で全面を覆います。
一般的な車だと、ウーファー径が17センチほどなのに対して、ポルシェは20センチと大径なので、当然ながらスピーカーホールもその分大きいわけです。カスタム製作するバッフルもそれだけ大径になりますので、写真のとおり、スピーカーの直径より二周りくらい大きくなっていますね。
バッフルが大きい分、どっしりと重量も増しますので、ウーファー筐体の振動(主に前後方向のブレ)が起きにくくなります。その結果、音を作っている振動板の動きが相殺される現象が抑えられるので、全帯域に渡って音のディテールがオリジナルに近い状態で再生されるようになるという因果が成り立ちます。
こういった特性を自然体で獲得できるので、ポルシェのスピーカー交換は結構お得だと思います。
ここでちゃっかり宣伝ですが(汗)・・、こういった「重量増による安定」のメカニズムを手軽に実装できるツールが、当店オリジナル商品のバッフル・スタビライザー・ウエイトです。スピーカーバスケットを安定させるためにバッフル背面にウエイトを取り付けるという発想の商品です。
ご興味を持たれた方は商品ページを御覧ください♪
-
純正スコーカー
ドアトリムを裏返して、スコーカーを後ろから眺めているところです。
よく見てみるとスコーカーの右側にハイパスフィルターが付いているのがわかります。
上述のとおり、ココにはセパレートアンプの段階でハイパスされた信号が供給されているため、スピーカーの段階で再度ハイパスを掛ける必要はないはずです。恐らく他の車と共通の部品が使われているのでしょう。不要はなずの配線が組み込んであるとか、そういった実態はよく見かけます。 -
ドアトリム裏側
ドアトリムに対する仕事が終わったところです。
理解のための前置きとして、、低域担当のウーファーのためのエンクロージャーはドアのアウターパネルとインナーパネルから形成される空間です。そして、これまでご紹介した工程において、その両パネルに対してデッドニングを施しました。
これに対して、中域担当のスコーカーのためのエンクロージャーはインナーパネルとドアトリムから形成される空間になります。したがって、ドアトリム側にも防振を施す合理性が生まれます。
実際の所、ウーファーほどのエネルギーを発するユニットではないため、空気を動かす量がわずかですが、ドアトリムが軽いままだと、スコーカーが発生する振動がドアトリムのビビリによって相殺されて、音のディテールが甘くなってしまう現象が発生するので、この解決のためにできるだけやっておきたい処置です。
冒頭部分で、SX165に付属している1in2out形式のネットワークを、ツイーター用とスコーカー用とに分割する話をお伝えしておりますが、その内のスコーカー用のネットワークは、写真のスピーカーグリルの右側に固定してあります。
このネットワークは、高域をカットするローパスフィルタの役割を果たしますので、アンプから来ているハイパス済み(低域をカットされている)信号と考え合わせると、スコーカーはバンドパスフィルタ(高域も低域もカットされた限定域)が適用された条件で稼働することになります。
純正の状態ですと、ツイーターの低域側をカットするためのハイパスフィルタが取り付けられているだけで、スコーカーの高域側がツイーターの帯域を侵食し、音を濁しますが、今回のスピーカー交換ならびにネットワーク適用によって、きっちりと帯域が区分されて、クリアな音が得られるようになります。
-
純正ツイーター
ツイーターグリルを外して純正ツイーターユニットを見ています。
結構狭いのがお分かりいただけると思います。
ユニットは金属製の爪で固定されているので、マイナスドライバーなどでこじって外します。 -
ツイーター交換後
ツイーター交換後の状態です。
防護用のパンチングメッシュのグリルを取り外してますので、絵に変化がなくてすいません。。
SX165のツイーターは比較的コンパクトなので、911の純正トレードインとして使えることはお伝えしましたが、それでもちょっとは干渉してしまうので、ダッシュボード側を少し削っています。
あと、繰り返しご説明している、ツイーター用として分割したネットワークは、写真のツイーターの裏に押し込んでいます。
なお、ウーファー、スコーカーと同様、このツイーターも純正ユニットに戻すことができます。
-
助手席足元
最後の2カットで、パワードサブウーファーの設置状況をお伝えします。
カロツェリアのTS-WX010Aです。
不思議な?位置にとどまっていますが、固定方法は、付属の固定金具を使って、フロアマットに挟む方法をとっています。
このユニットに供給されている信号は、純正クラリオンOEMナビの裏から取り出しています。
方法としては、clarion CCA-500-727 という品番のAVプリアウトケーブルと同じコネクターがデッキ裏→純正アンプに繋がっているので、サブウーファーの部分に新たにピンを指してRCA出力を取り出す。という方法をとっています。
-
通常使用時
通常使用時の様子です。
普段から、カーペットの汚れ防止のためにお使いのゴムマットを被せておきました。
ゴムマットをカットすれば、サブウーファーを隠さずに設置することができるのですが、まあカットはいつでもできるので、この状態で様子を見ていただきます。
-
作業後記
今回は911(997型)のサウンドアップ事例をご覧いただきました。
911は旧モデルになればなるほど、オーナーさまから愛してもらえるクルマですねー。
ポルシェを保有すること=機関部分や外装ののメンテに喜びを見出す♪みたいなところがあると思いますので、そこは自ずと一定レベルが保たれるんだと思いますが、当店の守備範囲であるオーディオ周りは、オーナー様の趣向によって個人差が大きいですね。
一度も手つかずの純正スピーカーのままの方、はるか昔に交換したきりの方、交換したけど思った音じゃない方。どのようなオーナー様でもお気軽にご相談ください。
ポルシェサウンドアッププログラム(近日公開予定!)による社外スピーカーへの交換+ドア防振、取り付け直しのほか、DSPアンプを組み合わせてフロント2way/3wayとパワードサブウーファーのようなシステムアップも柔軟にプランさせていただきます。
メールフォームはコチラです。
電話もお気軽に♪03-5913-8450です!
-