マセラティグランスポーツスパイダーのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
マセラティ・グランスポーツ・スパイダーの事例紹介です。
グランスポーツは、2005年から2007年に渡って生産された、マセラティのスペシャリティ2ドアスポーツです。
ベースモデルは、2002年から2007年まで生産されたマセラティ・クーペ、ならびにマセラティ・スパイダーで、グランスポーツは空力特性の改善、サスペンション、エンジン、トランスミッションの再調整が施され、よりスポーティなインテリアが特徴のスポーツ・バージョンという位置づけです。
マセラティの車種構成は4ドアのクワトロポルテと、2ドアのグラントゥーリズモ系に大別されます。
クアトロポルテは1963年から生産され続けている(途中でちょこちょこお休みあり)ロングセラーモデルで、5代目(2004年-2012年)は当時ピニンファリーナ所属の奥山清行さんがデザインを担当し、大幅にセールスを拡大したエピソードで知られるモデルです。
グラントゥーリズモ系は、マセラティ発足当初の1940年からの歴史があり、たくさんのモデルが企画されていますが、今回ご紹介する車の前後では、先々代がシャマル(1990-1996年)、先代が3200GT(1998−2001年)で、後継はグラントゥーリズモ(2007年−現行2代目)という系譜を辿っています。
今回ご紹介するのは、グランスポーツの中のスパイダー(カブリオレ)で、希少な部類の車です。
オーナー様は別の車(フェラーリ328GTS)で当店をご利用いただいていたお客様で、セカンドカーのグランスポーツの「音割れが酷いのでリフレッシュしたい」ということでご連絡いただきました。
この車の純正オーディオシステムは、1DIN規格のヘッドユニットに、フロント2wayとリヤの6スピーカーというオーセンティックな構成です。
ご入庫いただいた時点では、ヘッドユニットがカロッツェリアのDEH5500に交換されていたものの、スピーカーはすべて純正の状態でした。当コーナーに登場するネオクラシック系の車あるあるですが、生産終了から16年ほど経過したスピーカーは大なり小なり劣化が進んでいて、スピーカーの外周部(ゴム製のダンパー)に生じたひび割れが、音割れの原因になっているこケースは少なくありません。
今回のお客様にお申し出いただいたノイズ・音割れの原因もまさにこれで、分解してみると、フロントウーファーは全崩壊!、ヘッドレスト近くのリヤスピーカーも細かなヒビがほどよく?入って、ユウウツなノイズを耳元に届けてくれていました。
これらの対処として、ヘッドユニットはそのままに、全てのスピーカー(フロント2wayとリヤ)を社外品に交換し、ドア防振を施工してドアの条件を整えることになりました。
以下、コンポーネント紹介です。
◯ヘッドユニット
carrozzeria DEH-5500(税別15,000円)です。
AppleCarplay/androidautoとの連携で動作するディスプレイオーディオではない、旧来のオーディオデッキの中ではエントリークラスに近い製品です。
2023年の時点では旧製品で、現行の後継機はDEH-5600となります。
機能的にはCD/一般的なオーディオデッキですが、USB経由で外部ソースを再生できる他、パイオニアのSmartSyncというアプリを介してデッキ側からスマートフォンの機能の一部を操作できる機能がついています。
内蔵アンプは標準的な4chです。フロント出力で、2way・4スピーカーを鳴らし、リヤ出力でヘッドレストの後方にあるリヤスピーカーを鳴らします。
※当店にご相談いただく前の段階で、耳につくノイズの原因がデッキにあるかもしれないと推定なさり、同じ製品を購入なさっていたので、新しい方に差し替えを行いました。
結果的にデッキが原因ではなかったため、古い方に戻しても良かったのですが、新しい方が気分いいですね♪ということで、そのままにしました。(^o^)
◯スピーカー
スピーカーは当店を代表する人気国産ブランド!BLUE MOON AUDIOをお選びいただきました。
フロント用の2wayセットはSX165(税込48,400円)で、リヤ用はCX130(44,000円)です。
取り付けに関しては、ウーファーはドアの定位置にMDF製バッフルを組んで固定し、ドア防振は制振力のマイルドなドアチューニングで施工しました。
セパレートツイーターは、同じくドアの前方で、ミラー裏に近い部分にサーフェスマウントされている純正ユニットと差し替えました。
リヤスピーカーはシート後方のロールバー取り付け位置に埋め込まれており、スピーカーグリルを外して差し替えました。
以上をもって、グランスポーツ・スパイダーのオーディオリフレッシュが完了しました。
その構造上、フルオープン時/クローズ時のいずれも、外来ノイズが入りやすい車ですが、基音となる低域がしっかり出るように施工すれば、中高域もそれなりに立ち上がるようになります。
今回のケースも、セオリー通りに施工させていただいて、想定通りにいい感じに仕上がりました。
総予算は6スピーカー交換、ドア防振とデッキ入れ替え作業もろもろ含めて、税込193,050円となりました。
それでは施工の様子を御覧ください♪
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フロントドア
フロントドアの外観です。(2ドアなのでリヤはありませんが)
中段からミラー裏にかけてシュッと跳ね上がっていて、なかなかおしゃれなデザインです。
さらに、今ではちょっと見かけない、生々しさを感じるフルレザー張りで、ラグジュアリー感の格が違います。
スピーカーレイアウトは見たまんまですね。
ミラー裏付近にツイーターを付ける場合、三角形の樹脂パーツで間に合わせるのが現代流ですが、ドアトリム一体でそり上がってくるとは、なかなかオリジナリティありますね。
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純正フロントスピーカー
純正スピーカー開封の様子です。
振動板を囲むダンパーが一周まるまる崩落しております。
さらには香ばしいカビが発生していて、なかなか厳しいですね。
このパターンになると、低域も高域も出なくなって、「中音域+ビリビリ音」になるのが通常ですが、ダブルコーン形式なので、高域は多少マシだったようです。
いずれにしても長い間、お疲れ様でした!
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
スピーカーホール部にMDFで制作したバッフルを取り付けて、スピーカーを固定します。
ケーブルの配線は、ドア内に引き込まれている純正スピーカーケーブルの先に、SX165付属のネットワークを付け、ウーファーとツイーターに分岐させます。
この写真では、ウーファー側はユニットの裏で接続済みで、ツイーター用のケーブルは接続まちでブラブラしてる状態ですね。
その後、サービスホールをオーディオテクニカのアクワイエ・AT7550Rで塞ぎ、ビビりやすそうなところに適宜、配置しておしまいです。
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純正ツイーター
純正ツイーターの背面です。
純正ツイーターはカバーに回転させてロックする仕組み+接着を併用して固定されています。
ツイーターを外したら、SX165のツイーターをあてがい、干渉するところがあれば削るなどの加工をします。
今回は純正戻しの余地を残す必要がないとのことでしたので、加工に躊躇はありません。
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ツイーター交換
ツイーター交換後の様子です。
外周のブラケット内にはめ込まれていた純正ユニットを外した上で、さらに穴を一回り拡大させて、SX165のユニットを収めることができました。
固定はエポキシ系の接着剤です。振動と熱に強いので、車での使用に向いています。
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フロントスピーカー交換後
純正のグリルカバーを戻す前に記念撮影です。
ドアトリムの開口部に黒メッシュのスピーカーグリルを取り付けると作業完了となります。
スピーカーの正面と、ドアトリムとのクリアランスは、グリル装着後の状態で5ミリ程度だろうと思います。この隙間が大きいと、その分、振動板から発生した音の一部が、脇に逃げて、ドアトリム内で反響し、場合によってはドアトリムがビビる原因になりえます。
この影響を非常に気にされる方は、一気にアウターバッフル形式にシフトするわけですが、インナーバッフル形式の範疇でも、よりよい音を目指したいという場合は、振動の逃げ道を塞ぐために、バッフル周辺に硬めのスポンジを配置するという対策が考えられます。
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スピーカー交換後
BLUE MOON AUDIO CX130に交換したところです。
バッフルなどなしでドンピシャで交換ができました。
純正スピーカーに戻す必要が無いので、純正配線をカットしてギボシ化しています。
このスピーカーはご覧のようにコアキシャルで、ウーファー部とツイーター部それぞれに別の信号を入力する、セパレートネットワークが付属した本格的な製品です。
ネットワークはスピーカー取付穴の奥に沈めてあり、車両の揺れで異音が出ないようにクッション材で巻いて対策しておきました。
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iPhone15でスマートシンク動作確認
最新のiPhone15を接続して、スマートシンクの動作確認をしてみました。
最新iPhoneのコネクタはUSB-Cになりました。
Lightningだったころは、非正規品を締め出すために、特別なチップを搭載して「MFI認証」を行う仕組みが実装されており、一見よさげでも「このアクセサリは使用できません」と表示されることがありました。
今回めでたく国際規格のUSB-Cになりましたので、そういうハードルはなくなったわけですが、ほんのりと残っているトラウマを解消するために、改めてチェックしてみました。。。
結果は良好で、ちゃんと通信できました。充電も問題なしです♪
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作業後記
マセラティ・グランスポーツ・スパイダーのスピーカーリフレッシュの事例をご覧いただきました。
車の機関部分のコンディションは、走行距離とメンテナンスの状況によって大きく変わりますが、スピーカーは周囲のダンパー部分が酸素に触れることで劣化しやすい材質でできている関係上、次第に固くなったり、破れが生じたりと、使用状況とは無関係に劣化します。
また、雨水の一部はドア内を通る構造になっているため、屋外保管だとさらに、ということになります。
今回の事例は、笑ってしまうほどに(失礼)フロントが完全崩壊していて、リヤも細かなヒビが確認できる状態でしたので、典型的なケースですね。
こういう状態からのスピーカー交換ですので、変化の幅は比較不能なほどに激変し、新スピーカーが本領を発揮するエージング完了を待たずとも、充分にご納得いただける水準に到達したようです。
今回のグランスポーツに限りませんが、メルセデスでもフォルクスワーゲンでも、ボルボでも、2000年代初頭以前の欧州車は、クルマっぽさを感じさせるデザインのクルマが多いですね。
そういった、20年程度経過したクルマが「ネオ・クラシック」という名称でカテゴライズされるようになっているようですが、相棒と呼ぶにふさわしい愛車たちをより長く堪能するために、サウンドアッププログラムによるスピーカー交換をどうぞお試し下さい。
スピーカーの性能を引き出すための土台となるバッフルを介して、社外スピーカーを取り付け、ドアをスピーカーボックスとして機能させるためのドア防振を施すことで、単なるリフレッシュを超えた、未体験のリスニング環境を構築することができます。
コレに加えて、オーディオデッキの交換や、ナビの取り付けといったヘッドユニットのグレードアップ。ドラレコやETCの取り付けを通じた安全装備の充実など、ご希望とご予算に応じて柔軟に対応させていただきます。
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