日産・GT-R(R35)の事例紹介です。
ハコスカ(PGC10/KPGC10)に始まったスカイラインGT-Rの歴史は、ケンメリ(KPGC110)に引き継がれ、約30年のブランクを経て、R32(BNR32)、R33(BCNR33)、R34(BNR34)まで進化を遂げたところで一旦終止符を打ち、2007年に日産GT-Rとして新たな1ページを開くこととなりました。
「新生GT-R」として華々しいデビューを飾ったR35型も、本年(2023年)で16年の歳月を数え、途中2回のビッグマイナーチェンジを交えて今に至っています。
この間、スポーツカーの命である機関系に対して、多くの変更が加えられたようですが、当店の担当分野である、オーディオ・ナビまわりの変化についてお話しますと、これは前期・中期・後期の3世代に分けて捉えることができます。
R35GT-Rには、初期モデルの時点から、MFD(マルチ・ファンクション・ディスプレイ)と呼ばれるモニタ画面がついています。これは、ナビ機能のほか、油温・水温・過給圧といった車輌情報を表示したり、テレビモニタやリヤカメラモニタとしての機能も有するするモニターです。
このMFDは、マイナーチェンジの度に小変更が加えられており、以下のような変遷を遂げています。
前期型(2007-):7インチMFD・リヤカメラオプション+アナログチューナー
中期型(2010-):7インチMFD・リヤカメラオプション+地デジチューナー
後期型(2017-):8インチディスプレイ・リヤカメラオプション+地デジチューナー
現行の後期型には、8インチと現代の要求に十分応えられるサイズのモニタが付いてますが、中期型までは7インチで、かつ縦横比が2:3に近いモニタでしたので、現行市販の7インチワイドに比べると、7インチと数字的には同じでも、随分見にくい印象は否めません。
また、もっとも販売台数の多いピュアエディションに関しては、現代ほど「マストアイテム」視されていなかったリアカメラはオプション設定でしたので、ついていない中古車両は多く、これもだいぶ時代に合わなくなってきました。
GT-Rのような趣味性が強い車は、生涯一緒!というレベルで長期にわたって保有されるオーナーが圧倒的に多く、こういった陳腐化した車載機器のハンデはできるだけ解決したいとお考えになる方は多いようです。
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この「2DINナビを入れられるようにしたいニーズ!」に対して、当店が2020年に発売させていただいたのが、「
R35GT-R専用 2DINパネル+オーディオコントロール・スワップキット for 7/8インチ」です。
製品コンセプトとしては、エアコンコントロールパネルをルーフに移動させて、空けたところに2DIN取り付けスペースを設けるというもので、パネル移動に必要な長いカプラケーブルなどのフィッティングパーツ等も一式揃ったフルキットです。
発売時は、7インチ版のみでスタートしましたが、後に8インチ版もラインアップに加わりました。
従来の埋込み型のモニタであれば、製品のモニターサイズに応じてお選びいただくことになりますが、現在シェアを拡大しつつあるフローティングタイプを付けたい場合は、1DINサイズに作られている本体部分のサイズに合わせて、7インチ版のほうをお選びいただくのが適当です。(8インチ版でも取付可能ですが、隙間を埋める必要が出てきます)
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今回ご登場いただくのは、
リバティ・ウォークのボディキットが勇ましい!真っ黒なR35です。
外装はめちゃめちゃキマってますが、前期型ということでナビ周りをなんとかしたいとお悩みだったようです。そんな折、ネットで当店のキットを見つけてご連絡いただき、キット取り付け&ナビ取り付けをご依頼いただきました。
◯ナビ周り
ナビはアルパインの
DAF9Z(オープン価格)です。
大画面ナビ市場の開拓者である「BIG-X」のディスプレイオーディオ版ブランドの「BIG DA」の製品で、11インチと9インチのラインアップのうち、密度の高いコックピットに収まる、9インチの方をお選びいただきました。
インストール方法についてですが、、R35GT-R専用 2DINパネル+オーディオコントロール・スワップキット for 7/8インチ!を組み込むことによって、エアコン・オーディオコントロールパネルをルーフコンソール部分に移動させて、空きスペースを作り、ナビを取り付けて2DINパネルで仕上げます。
こうして出来上がった2DINスペースのうち、1DIN分を使って
DAF9Zを取り付けて、残り1DIN分は汎用のポケットをはめ込んで、小物入れとしました。
文字でお伝えすると、結構大掛かりな整形手術に見えますが、ダッシュボード奥の一部を削りますが、表側には不可逆的な加工は施さず、配線もカプラオンで済んでいるので、完璧に純正戻しができるのが隠れたアピールポイントです。
信号の配線については、ナビの音声信号と、リヤモニタ出力信号を純正デッキにAUX(VTR)入力することで、MFDならびに純正デッキを引き続き中核に据える方法を取りました。
(GT-Rのナビ取り付けでは、ほとんどこの方法をつかっています。)
◯ルーフコンソール(ルームランプ)部分
ルーフコンソール部分には、移設キットを使って、純正のセンターコンソール部分に取り付けられていたオーディオ/エアコンコントロールパネルを移設します。
オーディオ/エアコンコントロールパネルをカバーする化粧パネルもキットに含まれており、キレイに仕上がるのですが、パネルカラーが黒であるのに対して、ルーフのライニング(内装)はグレーなので、同系色といえば同系色ではあるものの、気になる方は気になります。
今回のオーナー様は「気になる方」で、この機会にライニングを黒に入れ替えたいというお申し出がありました。
ざっと調べてみたところ、すべて部品が調達できるようなので、交換作業も承ることになりました。
【ルーフブラック化 日産純正部品リスト】
73910-JF21B(ルーフ)
739A4-JF00B(インターリュードセンサー)←サッチャム
25585-JF00B(スイッチ)←サッチャム
26430-JF00B(マップランプASSY)←マップランプのみ使用
96400-JF00B(サンバイザーRH)
96401-JF00B(サンバイザーLH)
96409-JF00B(サンバイザーホルダー)
96420-JF00B(カバー)
※一部代替部品に置き換わっている場合があります。
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以上を持って、当店オリジナルパネルキットをつかった、9インチフローティングナビの取り付けが完了しました♪
これによって、MFDは車両情報表示メイン、ナビはルートマップ表示メインと、それぞれの機能に専念させることができるようになり、安全性が向上しました。
R35へのフローティングタイプの取り付けは初めてで、コックピットのストイックな雰囲気とどのように融合するのか?興味しんしんでしたが、特に派手すぎることもなく、これはアリだな!と安心しました。
それでは施工の様子をどうぞ御覧ください♪♪
作業後記




今回は前期型R35GT-Rのフローティング型ディスプレイオーディオ取り付けの事例をご覧いただきました。
冒頭でも触れましたように、前期型・中期型のR35にとってナビ更新(2DINスペース作り)は優先順位の高い課題ですので、皆様関心を持たれていることと思います。
相応のコストはかかりますが、純正の機能を100%維持した状態でオーディオコントロールパネルの移設ができ、かつ、完全に純正戻しができるキットは当店だけのオリジナルです。
いよいよナビ更新しないとな。というタイミングがきましたら、導入をご検討ください♪
以下に概算の見積もりをお伝えいたします。
【
R35GT-R専用 2DINパネル+オーディオコントロール・スワップキット for 7/8インチの施工概算見積り】
(1)キット代金279,400円(税込)
(2)施工工賃(エアコン・オーディオコントロールパネルの移設を行い、2DINデッキが取り付けられるようにするところまで)38,500円(税込)/3時間程度
合計317,900円(税込)
※この状態までの施工でお引渡しすることも可能です。また、ナビを取り付けるだけであれば、なんとか一日施工も可能です。(要予約)
※ナビ類を取り付ける際の電源取り出し、車速取り出し、スピーカーケーブル接続等の工賃は、仕様に応じて別途見積りいたします。
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R35向けのオーディオグレードアッププランである
GT-Rスーパーサウンドアッププログラムの方もどうぞご検討ください。
以下にプログラム内の3つのプランの概要をご紹介しておきます。(価格はすべて税込)
●標準プラン3つ
【V1】フロントスピーカーの交換+デッドニング(136,400円)(BOSE車:245,300円)
【V2】V1にリヤスピーカーをサブウーファーとして運用するための加工を加える(203,500円)(BOSE車非対応)
【V3】V1にリヤスピーカー交換とDSPアンプ交換を加えたV3(398,200円)(BOSE車:534,600円)
●オプション2つ
・ツイーターを露出させるツイーターマウント制作(44,000円)
・アルミダイキャストグリルが美しいアウターバッフル制作(60,500円)
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ご予算とご要望に応じて、柔軟にプランさせていただきます。
どうぞお気軽にご相談ください!
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