インストールギャラリー

サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>

事例No.794(お問い合わせの際にお伝えください)

BMW M2 CS

システム
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:PLUG&PLAY BMF30KJT3(フロント、センターのセット品)
センター:PLUG&PLAY BMF30KJT3(フロント、センターのセット品)
リアスピーカー:PLUG&PLAY BMF30KJ2(※)
サブウーファー:FOCAL ISUB BMW 2
プロセッサーアンプ:HELIX V-TWELVE DSP MkIIDIRECTOR
ケーブル:audiotechnica、サウンドプロオリジナル
ドライブレコーダー:コムテック ZDR037
レーダー探知機:セルスター AR-6
※当店のオリジナルバッフルを使用して取付けています。
コメント
ハーマン・カードン仕様の12スピーカー全てをFOCAL製品に交換し、ヘリックス製の12ch対応DSPアンプでマルチ制御するシステムです。
ざっと100万円コースの一台です♪

ダッシュボード







BMW M2CSの事例紹介です。

M2CSは、BMWのモータースポーツ部門であるBMW MGmbHによって開発された、BMW 2シリーズクーペの高性能バージョンです。

ベース車の2シリーズの初代モデルF22/F23/F45/F46)は、2013年に発売されていますが、M2クーペ(F87)のほうは3年後の2016年となります。

ラインアップとしては、M2クーペの他にM2 パフォーマンス エディションが用意され、2018年にはM2クーペの後継としてM2コンペティションが投入されました。
今回登場するM2CSは、このM2 コンペティションをベースに、サーキット走行よりのセッティングを施して販売されたクルマです。
エンジンそのものはM2コンペティションと同じですが、F82 M4 コンペティション向けのECUを組み合わせており、444 hp(331kW)・56kgf/m(550 N・m )を発揮します。

生産は2020年3月に開始され、北米、欧州、アジア、メキシコ向けに計2,200台が販売されましたが、日本の配分は60台だけで、今回のクルマはそのうちの1台ということになります。


オーナー様は中古でご購入されたということで、オーディオのグレードアップを図りたいとメールでご連絡いただきました。

このベース車両であるM2コンペティションを施工させていただいた経験があったので、ほぼ予測はできましたが、harman/kardon仕様が標準になっている様で、セパレートアンプと12個のスピーカーから構成されていました。
オーナー様のご意向としては、フロントメインのように部分的なグレードアップではなく、全てのユニットを交換し、DSP導入によって全体の調和をとりたいというお考えでした。

12スピーカーを個別に制御できるDSPアンプと言うと、HELIXのV-TWELVE DSP MkIIに限られますので、これを中心に据えることになりました。
スピーカーのほうは、デモボードでご視聴いただいた結果、FOCALのUtopia Mシリーズが好印象のようでしたが、これですべて揃えるとなるとかなりの金額になってしまうので、同じFOCAL製ユニットで構成されたPLUG&PLAYのキットで揃えることになりました。

以下、コンポーネント紹介です。
◯純正アンプとDSPアンプ
12スピーカーを駆動するアンプですので、あらかじめ帯域分割がされており、シート下のサブウーファー向けには高域をカットするハイパス設定、それ以外には低域をカットしたローパス設定がなされています。
これらの出力のうち、異なるチャンネルである(1)フロント (2)センター (3)サブウーファー (4)リアの8ch分をDSPアンプに入力することとします。

DSPはHELIXのV-TWELVE DSP MkII(税込275,000円)を選びました。
入力は12ch(ハイレベル)/6ch(RCA)まで対応し、当然ながら同軸デジタルと光デジタルも対応しています。
内蔵アンプは75W出力(4Ω)を12ch分備えており、その他にパワードサブウーファーなどに使えるプリアウト出力も2ch分備えています。

今回は、上述の8ch分を入力し、出力は以下のように12ch分を全て割り当てました。

01 フロントL(ツイーター)
02 フロントR(ツイーター)
03 フロントL(スコーカー)
04 フロントR(スコーカー)
05 リアL(ツイーター)
06 リアR(ツイーター)
07 リアL(スコーカー)
08 リアR(スコーカー)
09 センター(ツイーター)
10 センター(スコーカー)
11 サブウーファーL
12 サブウーファーR

DSPのオプションとして販売されているコントローラーであるDIRECTOR(税込55,000円)も取り付けました。
今回は純正オーディオの入力のみで、スマートフォンなどの別ソースの入力は行わないため、入力切り替え機能は使いませんが、音響セッティングプロファイルの切り替え(運転席フォーカス or 左右均等)のために活用します。

◯スピーカー・サブウーファー
FOCAL製コンポーネントで構成される「PLUG&PLAY elite for BMWシリーズ」というキットを使いました。

これは、FOCAL製品の国内代理店であるBEWITH(ビーウィズ)の独自企画商品で、FOCALの売れ筋製品である「K2 Powerシリーズ」のコンポーネントをBMW車向けに組み合わせて、オリジナルアルミバッフルを加えてキット化した商品です。

商品タイトルに「PLUG&PLAY」というBEWITHの独自ブランドをくっつけているので、商品の素性が見えにくくなっていますが、使用されているユニットは間違いなくFOCAL製なので、音質はFOCALのそれに間違いありません。

商品のラインアップとしては、以下の5点となっており、今回はフロント用に(1)、リヤ用に(3)をそれぞれ使いました。
なお、リヤ用に使った(3)は本来、フロント用の製品ですが、軽く加工を施してリヤトレイに収めました。

(1)BMF30KJT3 2wayフロント+2wayセンターセット(税込176,000円)
(2)BMF30KJ3 2wayフロント+センターセット(税込156,200円)
(3)BMF30KJ2 2wayフロントセット(税込104,500円)
(4)BMF30KJTC 2ウェイセンター単品(税込72,600円)
(5)BMF30KJC センター単品(税込51,700円)

上記の商品構成をご覧になってお気づきの方がいらっしゃると思いますが、このキットにはシート下に格納されているサブウーファーユニットが含まれていません。
ということで、FOCALからBMW専用に販売されているFOCAL ISUB BMW 2(税込44,000円)を使いました。
これはシート下のサブウーファーユニットとトレードインできる20cm径のユニットです。K2Powerシリーズではないのでコーンは黄色でなく黒ですが、おなじFOCAL製品です。

以上を持って、M2CSの全12スピーカーのグレードアップと、多チャンネルDSPアンプによる、全スピーカーの個別制御ができるシステムが出来上がりました。

全スピーカー交換と12chDSPに加えて、デッドニングを含むインストール費用を含めると税込100万円に近づく世界で、ご紹介できる機会はそう多くありません。
インストールの様子をどうぞご覧になってください♪

フロントドア




ドアの外観です。

本物の証!!赤黒カラーにバックスキン+カーボン素材と、スポーツの王道コーディネートです。
スピーカーレイアウトは、スコーカーがカーボンのドアハンドルの前方のメッシュグリル内で、ツイーターはミラーの裏です。

サブウーファーはシートの下のフロア内に埋め込まれています。

ドアトリム取り外し




ドアトリムを取り外したところです。

サービスホールは欧州車あるあるのスポンジシートで覆われています。
当然ながら再利用不可ですので、ドア内の機構の故障やメンテナンスのためにアクセスする場合は、その都度、シートの代金を請求されることになります。

右上の10cmスピーカーが中音域を担当するスコーカーです。中央のセンターキャップが黒では無いので、harman/kardon仕様だということが判ります。

アウターパネル作業




アウターパネル側の作業が終わったところです。

スポンジシートを剥がして、清掃と脱脂を済ませたら、短冊状にカットした防振材を貼っていきます。
この工程でスピーカーケーブルの引き込み作業も行います。
ケーブルは4芯線を使いますので、1本だけでスコーカーとツイーターの2ユニット分の経路が確保できます。

インナーパネル作業




インナーパネル側の作業が終わったところです。

PLUG&PLAYキットのスコーカーを装着したら、インナーパネル前面を防振材で塞ぎます。
2ドア車ですので、ドアが大きいですね。そのため、4ドア車に比べて防振材の使用量は5割増しになります。

純正ツイーター




ハーマンカードンのシステムでは、フロントの2way(ツイーターとスコーカー)は1chを分岐する形で構成されています。
具体的には、アンプのフロント用の1ch出力がまず、スコーカーに入力されて、スコーカー脇のカプラーを介して、ツイーターに出力される仕組みです。

信号はアンプ側でハイパス(低域カット)されているので、スコーカーユニットにはフィルターが装着されていません。しかしながら、同帯域をツイーターに入力すると壊れてしまうので、ツイーター側には更にハイパスフィルターが装着されています。

これはこれでセパレート式のメリットがある程度得られているわけですが、スコーカーの帯域の上限にフィルターがかかっていないため、ツイーター側の下限とオーバーラップしている状態です。
こういう重複を一切排除して、ユニットごとにキチンと帯域分割をしてクリアな音を求めようというのが、マルチ化の考え方です。

ツイーターの差し替えに先立って、固定ツメを折らないように気をつけながら、純正ツイーターを外します。。

ツイーター交換後




ツイーターユニットを交換し、表側から見たところです。

純正位置にキレイに収まっていますね。
固定ツメの内径と、ツイーターの外径ツイーターの外周に大きな差はなかったので、接着剤を使う必要はなく、テープを巻いて太くして押し込む程度の方法で固定することができました。

センタースピーカー交換前




センタースピーカーグリルを外して、純正ユニットを拝んでいるところです。

ハーマンカードンのシステムではない、Hi-Fiオーディオ車の場合、ここはフルレンジ1個なのですが、プレミアムオーディオということで2way化されています。

このユニット間の関係は、ドアのスコーカーとツイーターの関係と全く同じです。
アンプでハイパスされた信号が、センタースピーカーに入り、分岐されてさらにハイパスフィルタを通ってツイーターに入力されるようになっています。

ツイーター交換&吸音材充填




作業途中です。

ご覧のようにツイーターは差し替え済みで、センタースピーカーをお迎えする前に、エンクロージャー内に吸音材をいれているところです。

こうすることで、小さいエンクロージャー内で波動が乱反射して、振動板の動作を乱す現象を防ぐことができます。

センタースピーカー交換後




センタースピーカーの取り付けが済んだところです。

ぱっと見、ドアのスコーカーと同じように見えますが、アチラは10cmで、こちらは8cmですので別物です。

このバッフルを見ていただくとおわかりになると思いますが、組み方が少し特殊で、スピーカーがバッフルの裏側から固定されています。
表からだとスピーカーグリルとのクリアランスが狭くなってしまうからでしょう。

かなり手の込んだバッフルだと思います。

リアスピーカー交換前




交換前のリアスピーカーです。

こちらもハーマン仕様ということで2wayですね。
この2wayの関係も、フロント2way・センター2wayと同じで、ちょっとカブった関係になっています。

使われているユニットはセンタースピーカーのそれと同じなので、ドア用よりも一回り小さくなっています。

リアスピーカー交換後




交換後の様子です。

前述のように、純正スピーカーはセンタースピーカーと同じサイズですので、センタースピーカー用として販売されている2wayキット(BMF30KJTC・税込72,600円を2つ買ってとりつけるのが簡単です。

しかしながら、フロント2way用として販売されているBMF30KJ2(税込104,500円)をひとつ買ってまかなえれば、直径が大きくなって情報量が増える上に、コスト的にも安く上がるわけです。

ということで、この案ですすめました。
上述のように、小径のセンタースピーカー用のバッフルサイズに、10センチのフロントスピーカーを収めることになるので、バッフルはカスタム製作しています。

サブウーファー(シート下)




シートを外して、フロアを見下ろしているところです。

運転席、助手席の両方に、サブウーファーが埋め込まれています。

純正サブウーファー




スピーカーグリルを外したところです。

直径20cmのサブウーファーユニットが顔を出しました。
奥行きが充分にとれないフロアに使えるように、マグネットを逆側につけて薄く造ってあります。
ちなみに、ポルシェのドアについている20cmウーファーも同じ構造です。

サブウーファー交換後




交換後の様子です。

FOCALのトレードインタイプのスピーカーに交換しました。
ISUB BMWには4Ωタイプと2Ωタイプの2つの設定があり、4Ωは標準オーディオ車用で、2Ωは、Hi-Fiオーディオ車とharman/kardon仕様車用です。

今回のクルマ自体はharman/kardon仕様であるものの、HELIX V-TWELVE DSP MkIIで鳴らすので、DSPの仕様にあわせて選択することになります。

DSPの仕様を見てみると、4Ω抵抗時の出力は1chあたり75Wで、2Ωだと120Wとなっているので、2Ωタイプを選択したほうがより高出力が得られることがわかります。
という事で、今回は2Ωタイプを選択しました。

資料映像・純正アンプ




トランクの左側に隠れている純正セパレートアンプです。

この純正のアンプから出力されたスピーカー出力信号を、DSPの入力に使用します。内訳は上述のとおり、(1)フロント (2)センター (3)サブウーファー (4)リアの8ch分ですね。

左側に立てて設置されているシルバーの筐体は、ASD(アクティブサウンドデザイン)のアンプです。
お客様のご要望に応じて、ASDの無効化(バイパス)も対応いたしますが、今回はASDアリで施工しています。

DSP天吊り取付




DSPの取り付け状況です。

トランクがある車両で、かつ、サブトランク(フロア下の収納スペース)に余裕がない車では定番の設置場所です。

ガチガチのハイファイ志向で、頭でっかちになるならば、もっと振動の少ないフロア側に強固なアンプラックを組んで、ガッチリ固定するのがベストということになりますが、求める音のレベル・かけても良いと思えるコスト・クルマの使い勝手への影響などを総合的に考えると、この工法がベストと判断できる方もたくさんいらっしゃいます。

お客様のご要望/前提条件に応じて、ベストな柔軟なご提案ができるお店でありたいと思っています。

DSPコントローラー




DSPコントローラーのDIRECTORの設置状況です。

センターコンソールの奥のトレイの上に台を製作して設置しました。
このコントローラーで、純正オーディオ/DAPのソース切り替え、デジタル入力の際の音量調整、DSP設定のパターン切り替えなどが行なえます。

今回は純正オーディオの1ソースだけですので、入力切替とボリュームは使いません。
DSP設定のプロファイルは(1)運転席にフォーカスしたものと(2)全席で楽しめるものと2パターンを保存してありますので、状況に応じて選んでいただきます。

ドラレコ&レーダー




最後はドライビングユーティリティー関係です。

ドライブレコーダーはミラーより下にカメラのレンズが来る場所に設置しました。
レーダー探知機はミラーに被せるタイプです。

【作業後記】




今回はBMW M2CSのサウンドアップを御覧いただきました。

今回の車はハーマンカードンの12スピーカー仕様で、2way式のセンター/リヤスピーカーを含む全スピーカーを社外品に交換し、多チャンネルDSPアンプによって、全スピーカーをマルチ制御するという豪華仕様でしたので、税込100万円ほどの予算となりました。

同等のシステムをご希望のオーナー様がいらっしゃいましたら、どうぞ参考になさってください。

なお、今回のプランよりもう少し予算を抑えたい場合は、センタースピーカーとリヤスピーカーをそれぞれフルレンジ1個に集約する(9スピーカー)、あるいは更にリヤスピーカーを除外する(7スピーカー)ことによって、スピーカー代とケーブル引き込みを含むインストール費用を抑え、DSPの内蔵アンプ数も減らす方向で見直すことになります。

ご要望に応じて調整させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。

もっとベーシックな水準で考えたいとお考えのお客様には、当店で企画しております、BMW向けのパッケージメニューBMWブライトオーディオパッケージもご検討ください。
当パッケージでは・・・・

(1)フロントスピーカーの交換と防振を行うF1
(2)F1に加えてセンタースピーカーも交換する F2
(3)上記にリヤスピーカーの交換も行う F1R/F2R
(4)上記にaudisonのDSPアンプAP 8.9bitを加えたF1-8F1R-8/F2-8F2R-8

スピーカーの銘柄については、標準のBLUE MOON AUDIOの他、BMWに適合する製品を12ブランドリスト化し、お選びいただけるようにしていますので、お好みとご予算に応じてカスタマイズしていただけます。

BMWブライトオーディオパッケージは、BMW全車種に対応しております!
BMWのサウンドアップをお考えのお客さまがいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にご相談ください♪
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直接のお電話もお気軽に♪03-5913-8450です!