プジョー308GTのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.771(お問い合わせの際にお伝えください)
model
プジョー 308GT
system
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:JBL(BMW用キット)
センター:なし
リアスピーカー:純正
サブウーファー:なし
プロセッサーアンプ:audison Prima AP 8.9bit
ケーブル:SUPRAcomment
純正デッキの出力をDSPアンプに入れて、フロント2wayとリヤをマルチドライブした事例です。
外観に全く変更を加えずに音質をグレードアップできました。
プジョー308の事例紹介です。
308はフランスのプジョーが販売する小型自動車です。
先代の307(2001−2008年)の後継として開発され、初期型(T7)は2007年に販売されました。
初期型では、主力のハッチバックの他、ステーションワゴン、セダン、クーペカブリオレと4種のボディタイプを揃えていました。
2代目(T9)にバトンタッチしたのが2013年で、この代でハッチバックとステーションワゴンの2種に集約されました。
そして現行モデルとなる3代目(P5)の時代は2022年に幕を開けました。
9年ぶりのフルモデルチェンジということで、昨今の大型化のトレンドに乗って、先代(T9・HBモデル)に比べ、全長+145mm、全幅は+45mm、全高は+5mm、ホイールベースは+60mmと大型化し、内外装共に未来を感じさせるシャープなデザインに一新されました。
動力についても、先代までの内燃機のみから、1.2Lガソリンターボ、1.5Lディーゼルターボ(GT)、1.6Lガソリンターボ+PHEV(GT HTBRID)とバリエーションが増えました。
そして今回お迎えするのは、パールホワイトが眩しい最新型の308GTです。
オーナー様はBMWからのお乗り換えのお客様で、BMW時代にBMWブライトオーディオパッケージによるスピーカー交換+DSP搭載をご用命いただいたことがありましたので、乗り換えに伴う機材の移設をなさりたいということでご相談いただきました。
プロセスとしては、まず、BMWから機材一式(ツイーター、スコーカー、ウーファー、アンプ内蔵DSP、スピーカーケーブル、電源ケーブル)を取り外してお預かりし、ディーラーで納車されたばかりの308を直行入庫!していただいて、インストール作業に入りました。
システム構成としては、純正ヘッドユニットをソースとし、DSPアンプで増幅して、フロント2wayとリヤの計6スピーカーを鳴らす内容です。
以下、コンポーネント紹介です。
◯DSPアンプ
audison Prima AP 8.9bit(税込11万円)です。
2014年に市場投入され、DSPアンプの低価格化と市場拡大の立役者となった製品です。
当店でも、前述のBMWブライトオーディオパッケージやGT-Rスーパーサウンドアッププログラムなどのパッケージメニューのデフォルト機として採用する他、多くのお客様にオススメしてきました。
2020年には、ハイパワー&ハイレゾ対応版のAP F8.9bit(税込154,000円)が上市され、しばらく併売という形を取ってきましたが、今(2022年4月)では流通在庫のみの対応となりました。
当機は35 W x 8chのアンプを内蔵していますので、フロント2wayのうち、ツイーターに左右で2ch、ウーファーにはブリッジ接続で左右4ch分、リヤに2chと、8chのアンプを全て割り当てました。
(この他、1ch分のRCAプリアウト出力を使ってパワードサブウーファーをつけることもできますが、今回はナシです)
入力側のほうは、フロントの2chだけでも足りるのですが、純正ヘッドユニット側でのフロント/リヤのフェーダー調整を有効にするために、リヤ出力も入力しました。
◯スピーカー
BMWトレードイン用に販売されていたJBL製スピーカーを使いました。
1インチツイーターと、6.5インチ(≒165ミリ)ウーファーの組み合わせなので、標準的な加工でどんな車にもつくサイズです。
今回は、いずれも標準の位置に取り付けて、ドアの方は制振力の強いデッドニンググレードでドア防振を施工し、スピーカー稼働条件を整えました。
以上をもって、フロント2way+リヤの全スピーカーをDSPアンプで制御するオーディオシステムが出来上がりました。
最近のプジョー車では、3008、5008といったところはそこそこ経験がありますが、New308は初めてでしたので、調査も兼ねて取り組ませていただくことになりましたが、無事に完了することができました。
オーナー様にも大変ご満足いただけて一安心でした♪
それでは施工の様子をご覧ください。
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フロントドア
フロントドアの外観です。
冒頭の写真は、「これがTESLAのサイバートラックのダッシュボードです!」といわれて、うっかり納得してしまいそうなほどに未来感満点でしたが、ドアの方もそれに準じて、シャープなデザインです。
スピーカーレイアウトはウーファーが右下、ツイーターはAピラーの中腹です。
プジョーあるあるなのでメモしておこうと思いますが、、プジョーのドアトリムを外す時は、特殊な工具と予備のクリップが欠かせません。
特殊な工具というのは、皆さんご存知の白っぽい樹脂の「クリップ」の他、一部がピンで固定されているため、それを抜くための工具のことを指しています。
まぁ、なくても気合と根性とアイディアで何とかなるんですが、一応専門店ですので用意してあります。
なお、クリップは、運が良いといくつかは再利用ができるのですが、だいたい、いくつかは壊れるので、新品補修パーツをストックしてあります。(DIYチャレンジャーの方はご覚悟ください) -
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
日々の行いが良かったのでしょうか、今回、9つのクリップのうち、3つが生き残りました。(良くてもこんなモンです)
スピーカーの形状が独特ですね。
最近は室内の容積を確保するために、ドアも内装も薄めになる傾向がありますが、これはスピーカーホール付近のインナーパネルからドアトリムの裏側までの距離が10センチ以上もあるので、スピーカーブラケットが煙突みたいに突き出ています。
筒の形状は、出口が上向きにスラントさせてあり、スピーカーをリスナーに向けるための設計と解釈できます。
先代のT9でも、高さは異なりますが、上向きにつけてありましたので、その辺の空気を踏襲した結果なのでしょう。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
EU司令に準拠したスポンジシート(適当)を剥がしたら、インナー/アウターパネルの清掃、脱脂を行います。
その後、防振材を配置して、デッドニングします。
スピーカーケーブルは前車から取り外したSUPRAを引き込みます。 -
インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
純正スピーカーを模してMDFで制作したインナーバッフルを取り付けて、JBLのスピーカーを固定します。
その後、インナーパネル全体を防振材で覆います。
写真を遠目でみると、バッフルのベースボードが適当な正方形に見えますが、純正スピーカーのベース部分の微妙な形をきちんとトレースして作っています。
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バッフル比較
バッフルの比較です。
左が純正で、右が当店で制作したものです。
写真だとちょっとわかりにくいですが、純正はスラントしているのと、ハニカムのガードが乗っかっている分、高く見えています。
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純正ツイーター
純正ツイーターを裏から見ているところです。
場所はAピラーの中腹より少し下のあたりです。
ツイーターに向かうスピーカーケーブルからは、最低音域までふくむフルレンジ信号が伝わってきますので、ハイパスフィルターとしてのコンデンサー(黒)がくっついています。
識別シールにはPSAグループの名前が見えます。
同社はプジョー、シトロエン、DS、オペル等のブランドを持つフランス籍の企業でしたが、2021年の1月にFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)(オランダ国籍)と経営統合し、ステランティスN.V.(オランダ国籍)という企業になっています。
どんどんくっついた結果、2023年の現状では以下のブランドが同社の保有となる事態を迎えています。
アバルト
アルファロメオ
クライスラー
シトロエン
ダッジ
DS
フィアット
ジープ
ランチア
マセラティ
オペル
プジョー
ラム・トラックス
ボクスホール
もともとは、イタリア、アメリカ、フランス、ドイツ、イギリスの企業であり、ブランドであったものが、今や一つの資本の持ち物になっているんですね。
外資に比べて、本邦の自動車メーカーは総じて経営がマジメなんだろうなぁと思いますが、キッカケ一つで飲み込まれないように頑張ってほしいものです。
当店も非力ながら、スピーカーつけたりピラーを削ったりしながら応援したいと思います。
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ツイーター交換
ツイーター交換後の様子です。
JBLのツイーターに入れ替えました。
純正ツイーターユニットがはめ込まれていた穴の直径は、JBLツイーターより一回り大きかったので、ファブリックテープをぐるぐると巻いて調整し、はめ込んでいます。
最後はスポンジ素材のテープで止めておしまいです。 -
スピーカー出力取り出し
DSPアンプへの入力を取り出すために、純正デッキ裏にアクセスしているところです。
グローブボックスを外すと、ダッシュボード裏に1DINサイズのハイダウェイ・ユニットがありました。パワーアンプはこの中に組み込まれています。
整備書を見ると、このユニットの交換時はダッシュボードの取り外しが前提という、外車ならではの設計になっています。
今回、交換こそしないものの、信号取り出し作業に伴って、カプラの抜き差しが必要になるため、交換に準じた作業になってしまいます(汗)
とりあえず、腕をタコのようにして何とかカプラを外せないか、また、外した後に戻せるかを確認するために、試行錯誤しました。
格闘の結果、大掛かりな作業ナシで、フロント/リヤのスピーカー出力を取り出すことができました。
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資料映像:センタースピーカー2/3
オプション設定がないといっても、こうやって場所があるんですから、DSPアンプからスピーカーケーブルを引いてくれば鳴らせるわけです。
5センチ〜8センチクラスがハマりそうですので、試しに在庫のBLAM LFR 50を充ててみました。
問題なく装着できそうです。(現行モデルは、LFR 52で、サイズは共通です。) -
資料映像:センタースピーカー3/3
次に、KICKER KSC2704を充ててみました。
これの直径は7センチですが、これも問題なく装着できそうです。
なお、当コーナーでよく登場するブルームーンオーディオのMX080(直径80ミリ)は入りませんでした。
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作業後記
今回はプジョー308の事例を紹介しました。
機材は前車からの移設ということで、生産完了品ではありましたが、純正オーディオの出力をDSPアンプに入力してフロント2wayとリヤの6スピーカーを鳴らすシステム構成の好例としてご覧いただけたものと思います。
DSPを入れる例で最も多いのは、フロント出力をDSPに入れて、フロント2wayあるいは3wayと、状況に応じてセンタースピーカーを加えたフロント系だけで音を作り、純正オーディオのリヤ出力からリヤスピーカーまでは純正のままにしておくパターンですが、今回のようにチャンネル数に余裕をもてる場合は、リヤまで含めるのもありですね。
ご希望に応じてご検討ください。
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あと、資料映像のところで触れました通り、日本仕様では標準の6スピーカーのみで、FOCALの10スピーカーHi-Fiシステムがオプション設定されてないのはザンネンですね。
なお、オプション選択時の10スピーカーの構成は以下のとおりです。(カッコ内はスピーカー数)
・フロント2way(4)
・リヤ2way(4)
・センタースピーカー(1)
・サブウーファー(1)(ラゲッジルームのフロア下埋め込み)
リヤの2way化でスピーカー数を稼いでいますが、そこを除けばフロント2way+センター+サブウーファーというシンプルな構成ですね。
これに準じたシステムを組もうと思う場合、8chDSP(プリアウト付き)があれば可能です。
上記のシステム構成のうち、リヤを2way化せずフルレンジ扱いとし、内蔵アンプの7つを使ってサブウーファー以外を鳴らし、プリアウト出力の先にパワードサブウーファーをつなぐ方法です。
商品選択としては、本文でも触れましたように、7センチ上限という小径センタースピーカーが制約になりますね。
その点において、BLAMとkickerであれば、(DSP以外は)同一ブランドで揃えることができます。
フレンチブランドのBLAMを例にとって、組み合わせ例をあげておきます。
フロント2way
L 165 P:税込69,300円
センター
LFR 52:税込27,500円
リヤコアキシャル(交換するなら)
L 165 C:税込46,200円
パワードサブウーファー
MAS 25:税込71,500円
8chのDSPは同社から発売されていないので、このあたりが候補になると思います。
μDIMENSION DSP610AB 税込132,000円
PLUG&PLAY PLUG&PLAY 1080 税込126,500円
audison AP F8.9bit 税込154,000円
センタースピーカーを入れない。あるいはブランドが混ざっても良いという判断をするならば、現状市販されているほとんどの製品が取付可能なわけですが、統一するならこんな感じになりますね。
ご予算とご希望に応じてプランさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください♪
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