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MGMGBツアラーのオーディオインストール事例

サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>

  • 事例No.766(お問い合わせの際にお伝えください)

    model

    MG MGBツアラー

    system

    メインユニット:carrozzeria DEH-4400
    デッドニング:なし
    フロントスピーカー:GROUNDZERO  GZIC 650FX
    リアスピーカー:なし
    サブウーファー:carrozzeria TS-WH500A
    パワーアンプ:内蔵
    ケーブル:SAEC

    comment

    劣化していたスピーカーを2wayに更新し、パワードサブウーファーも追加してバッチリリフレッシュしました!

  • ダッシュボード


MGのMGBツアラーの事例紹介です。

英国は世界中に侵略の手を伸ばし、一時代を席巻した強国でありましたが、英国車の栄光の時代は以外と短く、1900年頃を起点に、約60年間の拡大期を経験したあと、今日までの約60年前は、英国の国力減退と歩調を合わせるように規模を縮小してきました。
よって、過去に独立した会社の製品として製造されたブランドも、合併や身売りを繰り返して散逸し、今や誰の持ち物かわかりにくくなっているものが少なくなく、MGもその一つです。

MGは英国に存在したBMC(ブリティッシュ・モータース・コーポレイション)という会社で製造されたのですが、その後、多難な歴史を歩んでいます。まずは歴史年表からみてみましょう。

【BMCの歴史】
1952:Austin Motors(オースチン・モータース)と Nuffield Organization(ナッフィールド・オーガニゼイション)グループが合併しBMC発足。イギリス最大の自動車メーカーの地位につける。
1966年:ジャガーを吸収し、持株会社としてのブリティッシュ・モーター・ホールディングス (BMH)が発足
1968年:レイランドグループとローバーグループと合併し、ブリティッシュ・レイランド・モーター・コーポレーション (BLMC) となる
1975年:経営悪化による財政再建のために国有化されるとともに、ブリティッシュ・レイランド British Leyland Ltd. に改組。(1978年にBL Carsに改称)
1986年:ローバーグループに改組される
1988-1994年:ブリティッシュ・エアロスペースの子会社となる
1994年:BMWに買収される。
2000年:BMW がローバーグループの解体と売却を決定。
    ランドローバーはフォードに売却。(→2008年にインドのタタモータースへ売却)
    残りの会社はMGローバーグループとして独立(→2005年に解散、主要資産を南京汽車集団が購入)
    ※miniだけはBMWが手元に残し、その後、大文字にリニューアルして大儲け

次に、MGBの歴史を関連情報とともに見てみます。
【MGの歴史】
◯1955年にMGBの前身であるMGAが発売される。MGブランドにおける主力車種の2座席オープンカーとして開発され、1962年までに約10万台が製造された。
◯1962年にMGBへとモデルチェンジ。1980年までの18年間に渡って、累計約52万台が製造・販売された。
・ボディタイプはMGA時代から続く幌屋根の「ツアラー」に加えて、オープンボディではない、屋根付きハッチバッククーペである「GT」もラインアップされる。
・エンジンは主力のMGB用が4気筒、1973年に少量生産されたMGB GT V8(GTボディのみ)は8気筒、同じく1967年に少量製造されたMGCには6気筒が搭載された。
・MGA、MGBともに、海外市場向けに多くが輸出されており、MGBについては、英国用の右ハンドルの他に、米国向けの左ハンドル&安全基準対策のラバーバンパー装備モデルも存在する。

ということで、MGBは1962年から1980年にわたって生産されているので、上出の年表でいくと、2社合併によって成立したBMC時代に開発・製造・販売を開始し、国有化後のブリティッシュ・レイランド時代に終焉を迎えた車ということになります。


今回お迎えした車は、1980年式ということですので、MGB18年・52万台の歴史のホントのホントの最終型ということになります。

仕様は左ハンドルで、かつ、樹脂バンパーが英国オリジナルのメッキバンパーに交換されているので、米国仕向けの個体だったようです。
今となっては、空力性能の都合で実現できない個性的なライト周り、クロームメッキパーツを多様した質感のある造り、ぬくもりを感じさせる丸みのあるデザインと、エンスー系のみならず、多くの人々の心を和ませるクルマになっています。

ご相談いただいたキッカケは、不調続きだったスピーカーの交換を含む、オーディオシステムの見直しです。

このクルマのオリジナルのオーディオシステムは、ダッシュボードのラジオデッキ&センターコンソールにモノラルスピーカーというパターンや、デッキはちゃんとした1DIN規格で、10センチくらいの子ぶりなフルレンジスピーカーが両ドアにあるパターンなど、時代によって複数の仕様があるようですが、今回の車は、カロッツェリアの1DINに取り替えてあって、両ドアのスピーカーも社外に取り替えてある状態でした。

症状としては、スピーカーの出音が悪く、低音も不足していて、屋根の開閉状態に関わらず、気持ちよく聞けないということでした。
このお申し出に対して、いろいろ協議させていただいた結果、1DINデッキはそのままつかって、スピーカーを交換して2way化し、ドアスピーカーを165ミリ径に大型化するとともに、パワードサブウーファーで低音域を充実させて、音の厚みと広さを演出する方向で決まりました。

以下、システム概要です。
◯ヘッドユニット
カロッツェリアDEH-4400(オープン価格)です。
これは前述の通り、もとから(車両ご購入時から)ついていたものなので、現行商品ではありますが、2017年発売の製品です。
ソースはCD、iPhone/Android、USBデバイスで、ブルートゥースは非対応(DEH-5400は対応)です。
アンプは一般的な4ch内蔵で、パワードサブウーファー用のプリアウトも付いています。
4chアンプの再生帯域は、パワードサブウーファー接続時を想定して、(サブウーファーに受け持たせる低音域をカットする)ハイパスフィルターが設定できるようになっています。

今回は、バイアンプ接続対応の2wayスピーカーを使うので、フロント出力をツイーターに、リヤ出力をウーファーにそれぞれ接続し、全スピーカーを独立したアンプで駆動する形を取ります。
1chを分岐させてツイーター/ウーファーに振り分ける方法に比べると、相対的に信号が微弱なツイーター側の信号が、強いウーファー側の信号に影響されて、信号にノイズが加わる現象を低減させることができ、よりクリアな音像が得られるようになります。

◯スピーカー
GROUNDZERO(グラウンド・ゼロ)  GZIC 650FX(税込44,000円)
ジャーマンブランドの薄型2wayスピーカーです。

昨今のクルマは、軽量化の関係でドアの厚みが薄くなる傾向があり、ウーファーの薄さで差別化を図るという新潮流が芽生えています。
この GZIC 650FXは、当店が知る限りその最右翼で、165ミリと標準的な口径を確保した上で、インストール深さが驚異の44ミリというスペックを誇っています。

振動板を前後にストロークさせて音を出す原理は一般的なスピーカーと変わりませんので、薄くするということは、ストローク幅に制約が生じるハンデはあるはずです。しかしながら、見たところ、コイルの直径の大型化+マグネットの大型化によって駆動力を高めつつ、振動板も比較的軽く動くように作ってあるような雰囲気です。
結果として、今回のように奥行きに制限のある設置条件でも、期待に沿った中音域を再生してくれました。

◯パワードサブウーファー
carrozzeria TS-WH500A(税込27,500円)
振動板の背面に設置したパンタグラフを、水平に配置された一組のボイスコイルで挟むように押し&引きして、パンタグラフをタテ方向に運動させ、振動板を震わせるというカロッツェリア独自の駆動方式(HVT方式)をとっています。

機構部のコンパクトさの寄与により、340 mm (W) × 60 mm (H) × 250 mm (D)とスリムサイズに仕上がっているので、座席後ろの幌格納部のスキマにきれいに収めることができました。


以上を持って、愛らしいヒストリック・オープンカーのオーディオ環境改善が果たせました。

比較対象となるご依頼時は、だいぶ劣化していたこともありますが、オーナー様にはかなりお喜びいただけましたので、こちらも売上+αの喜びを味わうことが出来ました♪

  • メインユニット

    ご入庫時から装着されていたcarrozzeria DEH-4400です。

    冒頭で触れました通り、このデッキの機能はベーシックなので、当コーナーでご紹介の機会が多い、DEH-970DEH-6600のように、DSP機能をもった「ネットワークモード」は付いていません。

    したがって、各スピーカーの距離の差を補正するために発音タイミングを変えるタイムアライメントや、各スピーカーの再生周波数を調整するクロスオーバー機能はありませんが、スピーカーに合わせて開発された付属ネットワークによって、自然なクロスオーバーをかけたパッシブシステムとして使う分には何ら不足はありません。

    ということで、引き続き活躍していただきましょう♪

  • フロントドア・お預かり時

    お車をお預かりした時の様子です。
    ClarionのGS-111Aというスピーカーが装着されていました。

    これは完全に昭和の製品ですね。おそらく1980年代だと思います。
    今でこそカー関係の規模がだいぶ縮小され、フランス系企業の傘下に収まってしまいましたが、昭和の終わり頃はイケイケなオーディオメーカーでした。

    「City Connection」製品のキャラクターだったエマニュエル坊やが出演するテレビCMが連日流れていましたし、1975年から2006年までの31年間、毎年選出されてきたクラリオンガール(アグネス・ラムが初代。烏丸せつこ6代、蓮舫14代、かとうれいこ16代)は芸能界へのちょっとした入り口になっていたりして、企業としての存在感は大変なものでした。
    (資料:挑戦し続けるカーAV界のフロントランナー クラリオン 70年の歩み

    このスピーカーは薄さが売りの一つでもあった製品のようです。開発(製造?)に関わった方のブログを発見しました。

  • フロントドア・スピーカー交換後

    GROUNDZERO  GZIC 650FXに交換した後の様子です。
    クラリオンはバッフルが大きめだったものの、コーンは10センチ強だったのに対して、こちらは16.5センチですのでだいぶ大きくなりましたね。
    製品の付属しているスピーカーグリルも、メッキのリングがよく似合っています。

    引き続いてご紹介しますが、スピーカーの大型化にともなって、少しだけインナーパネルを切削しています。

  • 実測!

    スピーカー選定のために奥行きを測っているところです。

    ドアの厚みとしては、ちょっと薄めかな?くらいの認識でいましたが、実際に開けてみると、スピーカーの真後ろにフレーム(ウインドウレギュレータの構成部品)があることが発覚!スピーカー設置面となる内装の表からの距離が50mm程度しか確保でき無いことがわかりました。

    こうなってしまうと、選択肢は2つしか思いつきません。
    今回起用した、GROUNDZERO  GZIC 650FX(取り付け深さ44ミリ)(税込44,000円)もしくは、morel のvirtus nano carbon 62 (取り付け深さ17ミリ)(税込165,000円)のいずれかになります。

    ということで、コスパのよい前者に決まりました♪

  • インナーパネル加工

    ドアのインナーパネルを加工しているところです。

    上述のように、薄型とはいえ、直径の大きなスピーカーのお尻を納めるためには、スピーカーホールを拡大する必要があります。
    薄いビニールで覆われているインナーパネルに目を凝らしていただくと、丸く穴を開けてあるところは、縦長の台形のサービスホールが空いています。この下半分のところに、クラリオンスピーカーのマグネットが収まっていたわけですが、グラウンド・ゼロに入れ替えるに際して、下半分を1センチ内外の幅で切削して、穴を広げています。

    切削面はタッチアップペイントで防錆処理を施した上で、アルミテープを貼り込んで防護しています。また、アルミテープ貼付け時には、ビニールシートを巻き込むように貼ることで、ドア内の雨水が内装側に漏れるのを防いでいます。

    穴の周囲のスポンジは、内装側にテンションをかけて安定させるための緩衝材です。

  • ドアトリム・修繕前

    お預かり直後に取り外したドアトリムの様子です。

    この時代のあるあるのパーチクルボードをビニールレザーで覆った造りで、雨水の影響か、ボードの劣化が著しかったので、この機会に補修(というか結果的に作り直し)を提案させていただきました。
    こんなにかわいい車ですので、一も二もなく即決していただきました。

  • 表皮剥がし

    表皮をめくったところの様子です。

    両ドアの分を重ねて撮影しているので、理解しにくいかもしれませんが、下側のが、前のカットでごらんいただいた運転席側のボードで、上に重ねておいてあるのが助手席側のボードです。

    助手席ボードの表皮(ビニールレザー)を外してみると、運転席側ほどではないにせよ、こちらも雨水の侵入跡が確認できました。
    両ドア分とも、ビニールレザーは補修なしでつかえそうでしたので、補修対象はボードということになります。でも、部分的な補修ではお客様のコスパが悪いですし、構造自体は単純なので、ボードをまるまる一枚切り出して、作り直してしまうことにします。

  • ボード切り出し

    Newボードに更新した状態です。

    もともとのボロボロボードから型紙を起こして、2.5mmのMDFボードで新しく製作しました。
    この写真はまた仮組みの状態なので、防水処理もまだですし、スピーカーホールも開いていません。

    ボードの周囲を留めている白い樹脂クリップは、オリジナルが非常に劣化していたので、全部新しいものに交換しています。

    こういうのが寸法通りにキッチリ収まると、作り手としても悦楽に浸れますね♪

  • 表皮かぶせとスピーカーホール穴あけ

    ドアトリムがほぼできあがった状態です。裏側から見ています。

    グラウンド・ゼロのスピーカーの取り付け位置を確定させ、ボードにスピーカーホールを開けました。
    ボード全体は防水処理の意味でチッピングコートを使って塗装し、雨水の侵入経路になりうるスピーカーホール周りをさらにアルミガラステープで覆って防護します。

    その後、ビニールレザーをセットして、周囲を糊付けします。(ビニールレザーのスピーカーホールは切り広げる前の状態です)

  • スピーカーケーブル配線・作業前

    ボードの加工のご紹介が終わったところで、スピーカーケーブル通しの様子をご覧いただきます。

    写真は手を付ける前の状態です。

    室内側から防護用のコルゲートチューブを通してあり、その中にスピーカーケーブルが通してありました。
    コルゲートチューブの入口付近に、接続用のギボシが確認できました。
    通常、ここに継ぎ目をもってくる必要性はないと思うのですが、なにか事情があったのでしょう。

  • スピーカーケーブル配線・作業後

    スピーカーケーブル引き換え後の様子です。

    元のケーブルは、変なところにギボシがありましたし、接触不良が疑われる症状がなきにしもあらずでしたので、全線をSAEC SPC-350で引き換えることにしました。
    ケーブル引き込みの経路としては、ボディ(ドアヒンジの奥)に設けられている穴にグロメットを取り付けて、そこに新ケーブルを通しています。

    もともとは、穴に直接ケーブルを通してあり、コルゲートチューブによる防護が効いているのか否か、確証が持てない状態でしたが、グロメットできちんと処理することで不安はなくなりました。

    これにてドア周りは終わりです(`・ω・´)ゞ

  • ツイーター取付

    ツイーターは、Aピラーに設置することにしました。

    Aピラーは金属製なので両面テープで取付けても糊跡が付きにくいのと、製品に付属しているツイーターマウント使うと、かなりベストな方向を向いてくれるので、ガチガチの一択としてご提案しました♪
    写真で見るよりも、実際の存在感は薄いので、純正ルックをお邪魔しない意味でもベストポジションだと思います。

  • パワードサブウーファー

    パワードサブウーファーの設置状況です。

    場所は運転席(左ハンドル)の後ろです。ぱっと見、後部座席のようにも見えますが、信じがたいことに、幌を折りたたむと写真のスペースのほとんどがガサッと占拠されてしまいます。
    従って、フロア面に設置できるモノの厚みは7-8センチくらいが上限になります。

    今回選んだ製品はカロッツェリアのTS-WH500Aです。
    冒頭でもふれましたとおり、大変ユニークな機構をもっており、この製品ならではの独特の低音を再生することが出来ます。製品の厚みは6センチと薄型なので、上述の制約もクリアできました。

    大口径のスピーカーのようなズコズコ感は期待できませんが、耳に感じる低音はそこそこ発生してくれて、かつ、フロントのツイーター&ウーファーが再現する音場にリアリティを付加する、サブウーファー本来の仕事もこなしてくれるユニットです。

  • 作業後記

    今回は古き良き英国を代表するMGのスピーカーインストール事例をご覧いただきました。

    現代の市場を席巻するマツダ・ロードスターの大成功も、このMGが20世紀に開拓した市場がなければなし得なかったわけで、ライトウエイト・オープンカーの原型として、大切にのこして行きたいクルマですね。

    そんな歴史的な価値もある車ですので、フルオリジナルにこだわる方も少なくないと思いますが、快適装備・安全装備は必要に応じて追加・更新したいものです。
    このクルマには、ドアスピーカーがついているものも無いものもあるようですが、当店でしたら、既存の劣化したスピーカーの交換も、全くの新規取り付けのいずれも対応させていただきます。

    今回使用したグラウンド・ゼロの超薄型スピーカー GZIC 650FX(税込44,000円)を使う前提だと、デッキ裏からのスピーカーケーブル引き込み工賃、材料費まで含めた総額が税込107,800円です。
    これにドアトリム(ボード)の作り直しまでやる場合は、追加で税込26,400円(両ドア分)といったところです。

    今回はパワードサブウーファーまで追加していただきましたが、ここはお好みですね。
    仮にナシでも、十分な変化を楽しんでいただけると思います。

    ヒストリックカーに馴染む1DINデッキの選択から、スピーカーインストール、ETC取り付けなどなど、ご希望とご予算に応じて柔軟に対応させていただきます。

    どうぞお気軽にご相談ください♪
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    電話もお気軽に♪03-5913-8450です!