トヨタカローラ・フィールダーのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
-
事例No.755(お問い合わせの際にお伝えください)
model
トヨタ カローラ・フィールダー
system
メインユニット:KENWOOD MDV-M809HDW
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO AX165
センター:なし
リアスピーカー:なし
サブウーファー:Carrozzeria TS-WX130DA
パワーアンプ:内蔵
ケーブル:SAECcomment
ナビヘッドにフロント2wayとパワードサブウーファーを合わせたシンプルなシステムです。
2wayスピーカーはナビの4chアンプをつかってバイアンプ接続で鳴らし、クリアなサウンドを実現しています。
カローラフィールダーWxB(ダブルバイビー)の事例紹介です。
カローラフィールダーは、文字通りカローラの派生モデルです。
カローラは1966年に発売され、2018年のフルモデルチェンジで12代目を数えるロングセラーモデルです。
カローラと言えば、生産規模の大きさでギネス登録されていることでも知られていますが、累計販売台数世界一として登録されたのは25年前の1997年のことで、それまでのタイトルホルダーはVWのビートルでした。
それだけの生産規模を誇るクルマなので、キホン中のキホンのセダンの他、5ドアリフトバック、クーペ、ハードトップ、リフトバック、ハッチバック、バン・・といった多くのボディタイプを揃える他、カローラセレス、カローラレビン、カローラ2、カローラFX、ランクス、ツーリング、スパシオ、ルミオン・・・といった、個性豊かな派生モデルも多く輩出しています。
今回登場するカローラフィールダーもその一つで、本家の9代目(E12型)にあたる2000年に、それまでのカローラツーリングワゴンの後を継ぐ形で初代モデルが発売されました。
以後、2006年、2012年とフルモデルチェンジを重ねて現在3代目。2022年の11月時点で「新車で購入できる5ナンバー唯一のステーションワゴン」となり、残存者利益?を独占する位置につけています。
今回ご登場いただくフィールダーは、再生機器はナビのみとし、フロント2wayスピーカーとパワードサブウーファーと、シンプルにまとめた一台です。
オーナー様にはこれまで2回に渡ってクルマをお預けいただいておりまして、初回はケンウッドのナビ、カロッツェリアのスピーカーとパワードサブウーファー取り付け済みという状態から、デッドニングのみ施工させていただきました。
2回めとなる今回は、ナビはそのまま、DSPアンプ等の機器の追加は行わない前提での音質改善をご相談いただいたので、ナビ内蔵の4chアンプによってツイーター/ウーファーの出力バランスを調整できる「バイアンプ化」をご提案し、バイアンプ対応のパッシブネットワークが付属する、上級グレードのスピーカーへの交換をご用命いただくことになりました。
以下、コンポーネント紹介です。
○ナビ
ケンウッドのMDV-M809HDW(オープン価格)です。
7V型・200mmワイドのモニタを持つナビです。
オーディオの名門であるケンウッドらしく、ハイレゾ音源(192kHz /24bit)再生に対応し、ブルートゥース通信時もLDACコーデックで高音質の再生に対応しています。
今回は、フロント用/リア用として設けられている内蔵アンプを、リア用をツイーターに、フロント用をウーファーに、それぞれ割り当てることで、(1)ユニットごとの音量バランスを調整できるようにする。のと、(2)高出力なウーファーの信号が低出力のツイーター側の再生音を濁す影響を低減させる(チャンネルセパレーション)効果を引き出すことが狙いです。
○スピーカー
ブルームーンオーディオのAX165(税込93,500円)です。
ナビ↑のところでご説明した、片側2chつかって駆動する「バイアンプ接続」方式をとるには、2chの入力を受け入れて、帯域分割を施した信号を2ch(ツイーターとウーファー)出力できるタイプのネットワークが付属しているスピーカーセットを選ぶ必要があります。
1ch入力方式の一般的なネットワークに比べて、バイアンプ対応はハイエンド志向になるため、ミドルクラス以上の製品が対象になります。
価格が手頃で、多くの方に好まれるのはカロッツェリアのTS-V173S(税込66,000円)が固いところですが、デモボードでご視聴いただいた結果、AX165をお選びいただきました。
取り付けに関しては、ウーファー/ツイーター共に少々加工を伴いました。
ウーファーは奥行きがあるため、もともとのバッフルにスペーサーを噛ませて前に出す必要がありました。ツイーターについては、製品付属のマウントを使ってオンダッシュ取り付けも可能ですが、ご希望により樹脂製のツイーターポッドを使って、Aピラーに取り付けました。
○バックカメラ
カーナビ購入時にセットで取り付けたとのことでしたが、位置の選定に無理があり、下を向いていたので、当店オリジナルのリアビューカメラ埋込取り付けブラケットVer.2を使って、取り付け直しました。
以上をもって、ナビヘッド+2wayのコンパクトなシステムの「バイアンプ化」が実現しました。
カーオーディオの音質改善策としては、あまり一般的ではないかもしれませんが、ホームオーディオの世界を含めて、王道といってよい手法です。
音の追い込みはオーナー様ご自身でおやりになるとのことでしたが、納車時にはニンマリしていただいていたので、ご満足いただけたようです。
それでは施工の様子をご覧ください。
-
フロントドア
フロントドアの外観です。
(ごくごく一部を除いて)、ハズシの無いトヨタのど真ん中のクルマですので、調和の次元の高さには文句のつけようもありませんね。ほんとに美しいです。
標準のスピーカーレイアウトは、フロント/リアの4スピーカーです。
社外スピーカーへの変更によって、ツイーターが加わって、フロント2way化することになります。
-
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
これは(デッドニングのみ実施した)初回お預かり時の画像なので、スピーカーがカロッツェリアのTS-C1730S2になっています。
これが最終的にブルームーンオーディオのAX165に変わります。
バッフルはスピーカーとおそろいのカロッツェリアのハイエンドメタルバッフル(UD-K611)が使われており、これは引き続き、(土台として)活用することになります。
-
アウターパネル作業
アウターパネルへの作業が終わったところです。
スピーカーを外して、ビニールシートを剥がし、清掃と脱脂を済ませてアウターパネルに防振材を貼ります。
制振力の強いデッドニンググレードで施工しますので、短冊状にカットしたものをまんべんなく全体に貼っています。
最近のクルマは室内の容量確保のために、ドアの厚みを切り詰める傾向があります。カローラはその点、あまりシビアにやってるイメージはないのですが、それなりに薄くなっていますね。サービスホールから見えるアウターパネルが近くに見えます。
-
インナーパネル作業終了(初回御入庫時)
もともと付いていたカロッツェリアのスピーカーの状態で、インナーパネル側のデッドニング作業が終わったところです。
初回のお預かり時は、この状態で納車させていただき、しばらく楽しんでいただきました♪
より高音質を求めて、早々にバイアンプ化へとステップアップすることになりましたが、ドア防振だけでも、かなりの変化をご体感いただくことができます。
-
スピーカー交換終了(2回め御入庫時)
ブルームーンオーディオのAX165にグレードアップした写真です。
インナーパネルからウインドウガラスまでの距離がちょっと狭く、もともとついていたバッフル(UD-K611)単体の状態では、スピーカー背面のマグネットがガラスに干渉してしまうので、スピーカーを手前に出す必要がありました。
ご提案した手段は価格別に3つ。
(1)9mm厚のMDFでリングバッフルを作ってはさむ。
(2)TRIUMのメタルリングスタビライザー(スチール製リング・5ミリ厚)を2枚はさむ。
(3)M&M DesignのPCD-1(ジュラルミン製・8ミリ厚)
(1)MDFは安価です。
(2)メタルリングスタビライザーは2枚合わせるとPCD-1と似たような金額なので、2枚使用時の優位性はありません。
(3)PCD-1はジュラルミン製で、スチールが組み込まれているUD-K611と合わせると、固有周波数を分散させられるというメリットがあります。
ということで(3)でどうですか?とオススメして、ご許可いただきました。
もともとのUD-K611の上に、金色にアルマイト処理されたPCD-1を重ねて、AX165のウーファーを取り付けています。
締結に使うネジについて付記しておきます。
PCD-1は、製品そのものの固定対象であるインナーパネルorバッフルに締結するためのネジ穴と、スピーカーを取り付けるためのネジ穴とが別々に設けられています。
前者はネジ山なしの段付き穴(5ミリ径)で、後者はネジ山付きのストレート穴(4ミリ径)です。よって、片側あたり、8本のネジを使うことになります。
できるだけ多くの条件に対応できるように、穴がたくさん開けまくってあり、一部の特殊なケースを除いて、合わないな〜〜ということはありません。精度も高くて、信頼しています。
写真には写っていませんが、スピーカーが手前に出ることで内装に近づいたので、オーディオテクニカのサウンドプルーフウェーブをバンパー代わりに貼って、内装を激しく蹴っ飛ばしたときの干渉に備えました。 -
ツイーター(初回御入庫時)
TS-C1730S ?のツイーターがダッシュボードに設置されていました。
冒頭で触れましたように、カローラフィールダーには、純正ツイーターがありませんので、市販のセパレートスピーカーを設置する場合は、ツイーターに付属しているマウントをつかってダッシュボードに置くか、ある程度費用をかけてAピラーに取り付けることになります。
-
ツイーター(2回め御入庫時)
その後、AX165のツイーターに交換した状態です。
当店の施工事例でピラーにツイーターを設置しているNXをご覧になられたようで、同じ様にしたいとご指定いただきました。
AX165のツイーターユニットをODEON製のツイーターポッドに収め、ピラーにネジ止めしてあります。
うまい具合にピラーの裏に隠れるので、視界は妨げませんが、そこそこに存在感はあるので、適度に達成感が味わえると思います♪ -
ネットワーク(初回御入庫時)
ご入庫段階で交換済みだったTS-C1730S2のネットワークは、グローブボックスの中に設置されていました。
ツイーターの出力調節用のスイッチがあるので、この位置にしたそうです。
-
ネットワーク(2回め御入庫時・左側)
AX165に交換後のネットワーク設置状況です。
お客様とご相談の末、コンソールの脇に取り付けることになりました。
固定には、3Mの強力マジックテープを使っています。
(DIY派の皆様メモ!→3M デュアルロックファスナー ブラック SJ3550) -
ネットワーク(2回め御入庫時・右側)
反対側にも同様に設置しています。
繰り返しお伝えしているようにバイアンプ接続なので、ナビのフェーダー(前後出力バランス)をいじることで、ツイーターとウーファーの出力バランスを変えることが出来ます。ただ、完全にトレードオフ(変動の比率が1対1)なので、個別に上げ下げしたい場合は、ナビ側の「スピーカー出力レベル」調整機能を活用することになります。
また、ナビにタイムアライメント機能がついている場合は、4つのスピーカー全てについて、耳への到達時間を個別制御できることになります。
これを合わせると、(精度は別にして)単体のDSPアンプに近い制御が楽しめることになりますね。
-
リアビューカメラ
当店の埋め込み取り付けブラケットを使ってカメラを取り付け直しました。
ケンウッドのカーナビを取付けた時に同時に設置してもらったそうですが、純正バックカメラ取り付け用のブランクキャップをヘンに加工して取り付けてあったため、カメラがかなり下を向いていて、モニタ画像の1/3がバンパーで占められているという状況で、取り付け直しを依頼されました。
サクサクと作業を行い、きれいに収まりました。当然、画角も妥当な感じに是正されました。
DIY情報:
純正のカメラ取り付け用穴を少し(ナンバー方向に5ミリ、後ろの方向に2ミリ)拡大するだけで、当店のブラケットがキレイに取り付けられます。 -
サウンドプロ切文字ステッカー♪
リアハッチを開けたら、嬉しい光景が目に入ってきました。
初回ご入庫のデッドニング施工の際にお求めいただいたステッカーを貼っていただいてました♪
ありがとうございます!!
-
作業後記
今回はカローラフィールダーのサウンドアップの事例をご覧いただきました。
現在のシステムを本日、ご覧いただいた皆様にとっては、ナビとフロント2way+パワードサブウーファーという、シンプルなシステムに見えると思います。
ある意味、それ以上でも以下でもないようにみえるかも知れませんが、本文でお伝えしたように、機材が一通り交換された状態が初対面で、当店では、(初回)デッドニング施工→(2回目)バイアンプ対応スピーカーへのグレードアップというステップをたどっており、当店にもお客様にも、かけた時間と、交わした言葉の数だけストーリーがあり、だんだんと良くなっていった音質の変化があります。
ステップアップというのは、言葉では簡単ですが、ヘッドユニット・スピーカー・防振・サブウーファーと、一通り機材が揃ってしまうと、コストを抑えながら変化を出していくのはなかなか難しいですね。
DSPアンプ導入に踏み切れれば、容易に異次元世界にワープできますが、投資を抑えてしばらく粘りたい(笑)・・という方には、今回のようなバイアンプ接続はオススメです。
方法としては、今回のようにバイアンプ対応ネットワークがついた製品を購入するのが手っ取り早いのですが、すでにお手持ちの2wayスピーカー(1ch入力タイプのネットワーク付き)で粘りたい場合は、そのネットワークを外して、以下の3パターンの手があります(値段順)
(1)バイアンプ対応ネットワークに交換する
(2)ツイーター側にハイパスフィルタ、ウーファー側にローパスフィルタをそれぞれ取り付ける。
(3)ツイーター側にハイパスフィルタを取り付ける。(ウーファーは素通し)
※いずれも必要分のスピーカーケーブルの追加が必要になります。
(1)については、ハイエンドスピーカー用のネットワークが複数ありますので、ご興味があればご相談ください。
バイアンプによる変化を手っ取り早く(安く)試してみたいという向きには、ツイーター側にハイパスを入れるだけの(3)がオススメです。厳密にはウーファーの高域側がツイーターと被りますが、別チャンネル駆動による「濁りのなさ」はちゃんと感じていただけると思います。
ガンガン投資するばかりが能じゃないですね。
コストを抑えたサウンドアップのご相談も対応しておりますので、どうぞお気軽にお声掛けください♪
メールフォームはこちらです♪♪
直接のお電話もお気軽に♪03-5913-8450です!
-