トヨタクラウンアスリートのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
-
事例No.745(お問い合わせの際にお伝えください)
model
トヨタ クラウン アスリート
system
メインユニット:純正(クラウン・スーパーライブサウンドシステム)
ドアチューニング:フロント
フロントスピーカー:KICKER KSS6704
センター:KICKER KSC2704
リアスピーカー:純正
サブウーファー:純正
パワーアンプ:純正
ケーブル:純正comment
フロント2wayとセンタースピーカーの計5ユニットを社外品に交換し、ドア防振で稼働条件を整えました。
スピーカーケーブルは純正を使い、車両への加工はほぼナシで仕上げました。
お客様から感想のメールをいただきました。
(個人/団体名、必要に応じて商品名は伏せさせていただいております。)
竹原様
昨日はお世話になりました。
ドアチューニングの効果か音量が前と同じレベルでも大きく広がり高音のメリハリと低音がかなり良くなったと体感出来ました。
ボーカルの声もノーマルの時よりきれがよく響くようになりびっくりです。
ならしが終わり時間が経つともっと良くなるのではと期待してます。
インストールギャラリーもよろしくお願いします。
有難うございました。
クラウン・ハイブリッド(210系)の事例紹介です。
クラウンといえば、つい先日、「クラウン第二章」とでもいいましょうか、新時代に向けた大幅リニューアルが発表されたばかりです。
LS、ESといったレクサスのセダンのプレゼンスが増す中、どのように存在意義を打ち出していくのか今ひとつ見通せない、もう詰んでしまってるんじゃないか、といったところが大方の認識だったように思います。
しかしながら、蓋を開けてみれば、4つのバリエーション(セダン・クロスオーバー・エステート・スポーツ)を揃え、かつ、時間差で出してゆくという、斬新な販売手法をとるなど、大方の予想を激しく覆す意欲的なスタートを切ることになりました。
一時期は「220系で終わりになるらしい。」という観測も耳にし、昨今の見通しの悪い景気の情勢も相まって、一定の信憑性を漂わせていましたので、こういう頼もしい展開を迎えることになって喜ばしい限りです。
販売面においても、これまでの日本市場偏重から、クラウンとしては初めて、40カ国・地域でもグローバル販売されるとのことで、日本の市場縮小のあおりを受けにくい体勢で望むようです。この辺も大変頼もしい限りです。
と、最新情報を整理したところで、今回ご登場頂くのはクラウン第一章の終盤のモデルです。
初代から脈々と受け継がれてきた純血セダンの品格を湛えつつ、デフレが極まった2000年代前半の閉塞感を打破すべく、クラウンで初めて採用された異型ラジエターグリルが特徴の210系です。
オーナー様は、もっといい音で聴きたい♪とネット検索して当サイトの施工事例を見つけていただき、お問い合わせいただきました。
当初から、DSPなどの投入はせずに、スピーカー交換だけでお考えだったようですが、この車のスピーカー交換は量販店さんで断られるケースが多いようで、そういった事情も当店へのご用命の背景にあるようです。(実際に電話での問い合わせはそこそこあります)
この210系のオーディオシステムには3パターンあります。
◯標準オーディオ:「クラウン・スーパーライブサウンドシステム」10スピーカー、7chアンプ
◯プレミアムオーディオ:「トヨタプレミアムサウンドシステム」16スピーカー、15chアンプ
◯オーディオレス:6スピーカー、アンプなし
今回のクルマは標準オーディオで、フロント2way+センタースピーカー、リヤ2way、サブウーファーの計10スピーカーです。
アンプのchは、フロント/リアで4ch、センターに1ch、サブウーファーだけダブルボイスコイルなので2chで計7chとなっています。
お客様との協議の結果、フロント2wayとセンタースピーカーを交換し、ドア防振で稼働条件をきちんと整えつつ、スピーカーケーブルは純正線を使ってコストを抑えることになりました。
◯スピーカー選択
KICKERブランドで揃えました。
2wayセットはKSS6704(税込60,500円)、センター用としてKSC2704(税込16,940円)です。
キッカーの商品グレードはQS、KS、CSの順で展開されており、KSはミドルグレードの商品です。
一般的なサイズ(2.5cm)のツイーターとの2wayセットは、ウーファーの直径と形によって4パターン(13cm・16cm・16.5cm・16×23cm楕円)あり、この他に7センチのハイレンジスピーカーと16×23cm楕円を組み合わせたセットもラインアップされています。
このうち、今回のKSS6704は16.5cmで、当店では一番販売機会の多い商品です。
今回は、これをMDF製のカスタムバッフルで取り付け、ライトなドア防振である「ドアチューニング」で整え、ツイーターは当店オリジナルのツイーターブラケットを使って取り付けました。
以上を持って、210クラウンのサウンドアップが実現しました。
もっと費用をかけて、DSPを投入すれば、また次元の違う音に出会えるわけですが、今回のようなスピーカー交換+防振が、最もコストが低くて(ノーマルからの)変化が大きく感じられる段階ですので、ひとまずコスパ重視でやってみたい♪という方には大変おすすめのプランです。
当然ながら、ウーファー、ツイーターともに純正の位置での交換となり、外観には一切変化を与えずに仕上がっています。
オーナー様からはお喜びのコメントも頂戴できました。
それでは、施工の様子をどうぞごらんください。
-
フロントドア
それではフロントドアの外観から見ていきます。
210系の発売は2012年。この前の200系まではクラウン本来の落ち着いた雰囲気で埋め尽くされていましたが、イナズマ・フロントグリルに見られるように、このモデルからは、躍動感のあるデザイン要素が盛り込まれています。
スピーカーレイアウトは、フロント2wayのうち、ウーファーはドアの定位置で、ツイーターはダッシュボードの両脇です。
スピーカーケーブルの配線は、片側1chの出力が分岐されて、両ユニットに接続されています。(次の220系ではツイーターとウーファーで別チャンネルになっています)
-
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
現行のトヨタ車の多くは、サービスホールをカルピス色の樹脂パネルでふさぐ方式が主流ですが、このころはまだ、クラシック?ベーシック?なビニールシートをブチルゴムで留める方式です。
シートの上の方を見てみると、一度剥がした形跡がありますね。
オーディオ的な、あるいはセキュリティ的な造作も一切行われていませんでしたので、どこか修理したのかもしれません。(サービスホールの本来の存在理由ですが)
-
アウターパネル作業
アウターパネル作業が終わったところです。
ビニールシートを剥がして、ブチルゴムをきれいに除去し、アウターパネルを清掃、脱脂したら、防振材を貼っていきます。
今回は、内蔵アンプクラスの出力にふさわしい、比較的マイルドな制振作用を発揮する、「ドアチューニング」グレードで施工します。より強い「デッドニング」グレードの場合は、短冊状にカットした材料を全体的に等間隔で貼っていくのに対して、今回はオーディオテクニカの円形の防振材(AT-7560R)を5、6枚配置しています。 -
インナーパネル作業
インナーパネル側が終わったところです。
スピーカーホールには、MDFで制作したバッフルを介して、KSS6704のウーファーを取り付けています。
冒頭でも触れましたが、スピーカーケーブルは(ツイーター、センタースピーカーを含めて)純正のケーブルを使っています。ただ、純正ケーブルの末端はカプラーになっていますので、その手前の皮膜を5ミリほどむいて、別に用意したケーブルを繋いで、スピーカーに接続しています。
皮膜といえども、1ミリも傷つけたくない!とお考えであれば変換カプラを使う手もありますが、こちらのほうが接点抵抗も低いし、追加のコストもありませんのでリーズナブルだと思います。
MDFバッフルについては、前述の通りMDFで制作しておりますが、そのままでは当然ながら吸水してしまいますので、防水目的の塗装を施して、かつ、筒の内面に雨水が染み込まないように、アルミガラスクロステープを貼り込んであります。
防振については、デッドニンググレードの場合は全面をベッタリと覆うのに対して、ご覧のようにサービスホールをすべて塞いで密閉性を確保した上で、あとはビビリ具合(音の響き具合)を確認しながら、適所に配置する方法をとります。
-
純正ツイーター
交換前の純正ツイーターです。
ダッシュボード両端のAピラーの根元にツイーターが設置されています。
直径は6.5cmサイズで、ごらんのようにコーン型のハイレンジスピーカーです。より小粒でドーム型振動板を持つ典型的なツイーターとは違って、コーン型なので、小径とは言え、高音域のシャープさには不足感が否めません。
-
ツイーター取り付け
ツイーター交換後の様子です。
当店オリジナルのツイーター・トレードイン・ブラケットを使用して設置しました。
純正ツイーターは、あらかじめツイーターホールに固定された黒樹脂製のブラケットの上に、さらにネジ止めする「二段階方式」で取り付けられておりますので、今回のトレード・イン後も、ネジが4つ見える格好になっています。
今回使用した2wayキットであるKSS6704には、1chの入力をツイーターとウーファーに振り分ける「パッシブネットワーク」が付属していますが、純正配線を活かす取り付けだと接続できません。従いまして、ウーファーはフルレンジで鳴らし、ツイーターの方には、お店で用意した汎用のハイパスフィルタ(4.7μF)を途中に入れて、低音域をカットしています。
-
純正センタースピーカー
交換前の純正センタースピーカーです。
ユニットはご覧の通り、ツイーターと同じものです。
ツイーターはウーファーの高音域側を受け持つものなので、高域に特化していて当然なのですが、センタースピーカーは両脇の音(波動)をまとめるために、もう少し低音側から鳴らすのが相場です。そう考えるとセンタースピーカーとしては力不足なのかもしれませんね。
-
センタースピーカー取付
KICKERの7cmスピーカーKSC2704に交換しました。
キットには150μFのコンデンサーが付属しているので、計算してみると250Hz以下をカットする仕様となります。なお、再生可能周波数帯として示されている値は300Hz〜20kHzとなっています。
小径ですので音圧はそれなりですが、300Hzといえばウーファー帯域の中ほどより下ですので、純正に比べるとだいぶ下の成分が含まれることになりますね。
-
作業後記
今回は210系クラウンのサウンドアップの事例をご覧いただきました。
今回はフロントスピーカーの交換(と防振)のみで、アンプやDSP、サブウーファーといった道具が登場しませんでしたので、コンテンツとしては多少地味だったと思いますが、これが最初にやるべき第一歩であることは(断定口調はバカ呼ばわりされるので避けたいところですが)ここはあえて言い切ります。
本文でも触れました通り、オーディオの音質向上への寄与度が最も大きいのが、こういったドア周りの整備です。
もっとお金をかけてDSPやアンプ、電源周りと行った「川上」を整備すれば、信号の品質は上がりますが、信号を空気の振動に変換する装置であるスピーカーの性能がイマイチなら、やってもやんなくても同じ。というくらいにロスしてしまいます。
仮にスピーカーが良いものでも、取り付けがしっかりしていなかったり、スピーカーボックスであるドア防振が不十分で、ビビリや空気漏れによる相殺が生じていれば、「ツイーターの高域がハッキリ聴こえるから、これでいいんだよね?ね?」くらいの感想しか持てないよな、投資の大部分を毀損してしまうほどのロスが生じてしまいます。
逆に言えば、デッキとスピーカーが純正でも、きっちり防振するだけで「純正もバカになんないね♪」と、けっこう聴けちゃったりするくらい、音の出口の環境整備は、その他の投資の有効性を引き出す大前提となるファクターなんです。
10万・20万もするようなハイエンドスピーカーじゃなくても、5万以下の普及品のスピーカーでも十分です。音の出口の整備を最優先でご検討ください!
長年の経験を活かし、お客様のご要望にお応えします!ご相談はお気軽にどうぞ♪
メールフォームはこちらです♪♪
直接のお電話もお気軽に♪03-5913-8450です!
-