BMWM4のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.740(お問い合わせの際にお伝えください)
model
BMW M 4
system
メインユニット:純正(harman/kardon)
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:Scan-Speak Gold D3004/604005、11M/4631G05
センター:Scan-Speak Gold 11M/4631G05
リアスピーカー:純正
サブウーファー:純正
プロセッサーアンプ:HELIX V-TWELVE DSP Mk2
コントローラー:WIFI CONTROL
ケーブル:SAEC、audiotechnica
comment
フロントの高域・中域の2wayとセンタースピーカーを交換し、12chアンプ内蔵のヘリックス製DSPアンプで、全11スピーカーを制御するシステムです。
ハイエンドブランドの大きなツイーターを純正グリル内に納めるのに手間がかかりましたが、外観に変更を加えずに大幅に音質をアップすることができました。
BMW M4クーペの事例紹介です。
M4クーペは、BMWの4シリーズをベース車両として、BMWのモータースポーツ部門子会社であるBMW M社が開発したスポーツモデルです。
現BMW M社の前身は、BMWモータースポーツ社で、主にモータースポーツ関連の研究開発、モータースポーツ用車両の生産を目的として1972年に設立されています。
レース関係の活動からフィードバックした技術をもとに、BMWの車両をベースとして市販車を仕立てるビジネスも古くから行っており、1979年発売のM1(E26)が最初のモデルです。
その後、、
1985年:M3(E30)M5(E28)
1998年:Mクーペ/Mロードスター(E36/E37/E38)
2005年:M6(E63)
2006年:Z4 Mロードスター/Mクーペ(E85/E86)
2009年:X5 M(E70)、X6 M(E71)
2014年:M4(F82)
2016年:M2(F87)
2019年:M8(F92)
と順次、取扱車種を増やしており、現状では7シリーズとX1を除く全車両に「M版」が設定されています。
M4というモデルは、上記の年表にもあるように、初期型(F82/F83)が2014年に発売され、2020年に第2世代(G82/G83)にモデルチェンジを果たしており、今回お迎えするのは、初期型のクーペモデル(F82)の方です。
オーナー様のお友達(オーナーズクラブ?みん友?)が当店をご利用いただいたことのあるお客様で(640i)、ご自分のM4はハーマンカードンのプレミアムオーディオを装備しているので、それなりに良い音だと思っていたものの、聴き比べてみると、到底容認できないほどのギャップを感じてしまったそうで、これはイカン!とダッシュでご来店いただくことになりました。
6シリーズのお友達車両は、フロント3way+センター+リヤスピーカーの内、フロントの上位音域の2way分と、センタースピーカーを社外(BLUE MOON AUDIO)に交換し、デッドニングで整えた仕様でした。ご来店のきっかけとなった車両ですので、システム検討の比較基準になったわけですが、いろいろとやり取りするうちに、純正アンプによる左右均等の出音の領域を超えて、DSPアンプを使った、ドライバーに照準を合わせた音場づくりを志向されるようになりました。
それも、フロント系だけのシンプルな構成ではなく、車内の全てのスピーカーを支配下に納めるレベルでやりたいとなり、ハイスペDSPアンプを中核とするシステムが決まりました。
◯ヘッドユニットとDSPアンプ
ヘッドユニットは純正で、オーディオシステムとしてはハーマンカードンのTop-Hifiが搭載されています。
ヘッド部分から、トランクにある外部アンプを経由して、以下の全16スピーカーを駆動しています。
センター:2way x1 (1ch)
フロント:2way x2 (4ch)
ウーファー:1way×2(シート下) (2ch)
リアクォーター:2way x2 (2ch)
リアトレイ:2way x2 (2ch)
スピーカー数を全部数えると16個という勘定になりますが、センターの2way、リアクォーターの2way、リアトレイの2wayは、いずれも1chを分岐させて実現しているので、スピーカー出力の数で数えると、カッコ内の数字を合計した11chあればよいということになります。
ということで、DSPアンプは、12ch分のアンプを内蔵したハイスペ機のHELIX V-TWELVE DSP Mk2(税込264,000円)を選びました。
各スピーカーへの出力は、上出の純正チャンネル配分と全く同じですので説明を省きます。
純正外部アンプからDSPへの入力については、DSPのスペック上、12chまで(RCAの場合は6chまで)取り込めますが、同じ信号が出ていると分かっているチャンネルを額面通りに受け取る必要はないので、フロントの上位側の2chと、フロントの下位側(ウーファー)の2ch、そしてリヤの2ch(リアクォーターとリアトレイへの出力は同じものなので)の合計6chだけを取り込みました。
最近の凝ったプレミアムオーディオシステムで、センタースピーカーに独自の音を出しているような場合は、センター出力も取り込みますが、この世代のBMWのセンターは、ステレオを合成したモノラル信号であることが既知で、入力したフロント信号から合成できるので取り込みませんでした。
◯スピーカー
Scan-Speak (スキャンスピーク)のユニットでツイーター/スコーカー/センターの合計5ユニットを入れ替えました。
当店でもごくたまにしか扱わず、当コーナーでは初出ですが、ハイエンドスピーカーの一角を占める、デンマーク製の製品です。
当店のデモボードにはないのですが、上出のお友達との会話の中で出てきて興味を持たれたのがキッカケでご指定頂きました。
ちなみにツイーターがGold D3004/604005(ペア・税込127,600円)、スコーカーがGold 11M/4631G05(ペア・税込97,702円)で、センタースピーカーもスコーカーと同じものを使っています。
取り付けに際しては、ドア中央のスコーカーは、取り付けも防振も、一般的な水準の手間で済みましたが、センタースピーカーはバッフルをそっくり作り変える手術が必要でした。さらにツイーターに至っては純正ツイーターカバーの中に納めるために、超絶小顔整形の大手術を行ったので、五指に入る手間がかかりました。
以上を持って、全11chをDSPで制御するオーディオシステムが組み上がりました。
本文内でご説明しますが、見た目のお好みの問題から、一旦出来上がったツイーターマウントの作り換えがあったため、余計に時間がかかってしまいましたが、その分、オーナー様のお好みにフィットした外観に仕上がりました。
また、音色についてもなかなか柔らかで上品な音で、オーナー様にご満足いただけた様子でした。
それでは施工の様子をご覧ください♪
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フロントドア
フロントドアの外観です。
大きな車の2ドアですので、グッと横長ですね。
生活感がなくて、粋(いき)な感じですね。かっこよいです♪
カメラのフラッシュの光が上手く届いて、グリルの下に収まっているスピーカー群が妙にくっきり見えてますね。
フロントスピーカーは、ミラー裏のツイーターと、ドア中央のスコーカー、シート下のウーファーと、ダッシュボード中央のセンタースピーカーで構成されています。
ただ、これは標準オーディオの場合の話でして、上位の「Hi-Fi」と、さらに上の「Top Hi-Fi(今回はコチラ)」のようにセパレート式のアンプを搭載しているタイプの場合、シート下のウーファーはフロントスピーカー群には属さず、前後バランスを調整する「フェーダー」の影響を受けないサブウーファーとして機能しています。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外した状態です。
前方中段についているのがスコーカーです。
Hi-FiとTop Hi-Fiでは、スピーカーのサイズは同じですが、スピーカーそのものも異なります。
Hi-Fiシステムの場合、標準オーディオの(黒一色で地味な)スピーカーを外部アンプで鳴らしているのに対して、Top Hi-Fiは、harman/kardon等などのプレミアムブランドとコラボして企画されており、オシャレ?なセンターキャップで差別化されています。(バラさない限り見えませんケド)
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アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
インナーパネルを覆っていたスポンジを外し、キレイに清掃・脱脂して、アウターパネルを防振しています。
今回は制振力の強いデッドニンググレードで防振しましたので、短冊状にカットした材料を等間隔に並べています。
スポンジシートの一部が残してありますね。
ここはインナーハンドルの可動部分が飛び出ているところで、防振材のみで同じ様にヘコんだ形状を再現するのは難しいので、貼り込み時のガイドラインとして活用するために残してあります。 -
インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
スコーカーとして使っているのは、Scan-Speakの Gold 11M/4631G05です。商品タイトル通り、華やかなゴールドカラーで装飾されていますね。
インナーパネルへの固定に際しては、オーナー様のご指定により、M&M DESIGNのアルミ製バッフルMX-BMWを使っています。
BMWのスピーカーホールに適合するネジ穴を確保した上で、多くのスピーカーに適合するようにネジ穴が開けまくってあるため、無加工で取り付けることが可能・・・なはずでしたが、スピーカーのフランジのネジは3点留めでしたので、バッフルに用意されているマルチピッチのネジ穴がどう組み合わせても合致しませんでした。
よって、新たに穴を開け、タップを切ってネジ山をつくって固定いたしました。
防振のほうは、ご覧のように全面貼りですね。
インナーハンドル部分のヘコみ形状は、残しておいたスポンジのお陰でキレイにトレースできました◎。
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純正ルック・ツイーターカバー製作
ツイーターインストール後の様子です。
なんだか地味にみえるかもしれませんが、かなりの加工をして収めています。
外側のシェルは純正の流用にみえるかもしれませんが、(Top-Hifi用でない)Hifi用のエンブレムなしカバーを別途調達しています。
仕上げは塗装屋さんにお願いして、セミグロスブラックに塗ってもらいました。
と、このようにご説明すると、まっすぐ工程が進んだように感じられると思いますが、、でも実は、、、ええっ?まじー?というストーリーが隠されているのです。
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まぼろしのツイーターマウント
文字通り幻のツイーターマウント。
実は当初、音質重視で露出させて取り付けるべく、ツイーターマウントをこしらえて、本固定まで到達してたのです。
しかしながら、「Gold☆」なフランジが、オーナー様が想像してらした以上にハデなので落ち着かせたい(>_<)とのことで、純正ルックに作り直すという展開を迎えたのでした。
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ツイーター再インストール(3)
収まりの見当がついたので、ツイーターの小顔整形手術を行います。
製品には、Gold☆なフランジがついていますが、これを残した状態では絶対に無理!
切除するほかありません。
先ずは、金属(の切子)がマグネットに引っ付かないように、マスキングテープで養生します。
グラインダーで削っていくのですが、振動板やエッジ、マグネットなど音質に影響する部分に熱が以上に掛かってしまうとよろしくないので、少し削っては他の作業を進めてという具合に3日ほどかけて作業をします。 -
ツイーター再インストール(4)
佐々木希か観月ありさクラスの小顔に返信しました。
そこそこの値段のユニットなので、ちょっとビビりますが、お客様のご意向ですので存分に執刀させていただきました。
フランジ部分を削り落としたところは、アルミの地が丸見えでしたので、タッチアップペイントのつや消し黒を塗ってブラックアウトさせました。
グリルネットは障害になるので外しておきます。
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ツイーター再インストール(5)
仮組したダミーと、カバーをあてがって、干渉がない場所を正確に探っています。
ツイーターの角度は、純正のグリルネットを抑える樹脂パーツがガイドになるので、この状態で干渉が無ければ本組しても干渉をしないという読みで進めています。 -
ツイーター再インストール(6)
問題なくツイーターが固定できる確信が持てました!
一度全部分解して、ダミーツイーターと本物を入れ替えて組み上げていきます。
写真では、本物のツイーターユニットが組み込まれ、グリルネットも戻してある状態です。
この先の加工の過程で、パテの粉などが混入しないようにグリルネットをマスキングテープで養生しています。
裏側に接着剤で固定してあるツイーターユニットも万が一のことを考えて養生しておきます。
木材の切れ端のようなものが並んでいて、違和感があると思いますが、中央部まで全てをパテで整形してしまうと、乾燥時に凹む「ひけ」とよばれる現象が起きるため、パテの使用量を抑える目的と、強度を出す目的とで、エポキシ樹脂と木の端材を組み合わせて造形をしています。
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センタースピーカー(施工後)
交換後の様子です。
ドアに使用しているものと同じ、Scan-Speak Gold 11M/4631G05を1個のみ使用しています。
このユニットの取付もまた、だいぶ加工が必要でした。
次カット以降でご説明いたします。 -
純正スピーカー比較
左側がドアスピーカーで、右側がセンタースピーカーです。
外周の形状が違うのがわかると思います。
左のドアスピーカーの方は、Scan-Speakの製品を加工することなく取り付けられたわけですが、右のセンターは一回り小さいユニットとの入れ替えになるため、フランジ部分をカットするなどして調整する必要があるのがおわかりいただけると思います。
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純正アンプ&ASDユニット
トランクの左側の最後尾をめくったところです。
左側に手前に見えるのが純正のセパレートアンプで、その後方に見えるのがASDユニットです。
ASDはアクティブサウンドデザインの略で、車内にエンジン音やマフラー音といったスポーツカーらしい効果音(の信号)を生成する仕組みで、ヘッドユニットとアンプに間に介在しています。
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作業後記
今回はBMW M4クーペのサウンドアップを御覧いただきました。
お選びいただいたスキャンスピークのツイーターは、ハイエンドモデルらしい大きな造りをしており、そのままでは純正のツイーターグリル内に収まらなかったため、加工にだいぶ手間がかかってしまいましたが、その点を除けば、ごく一般的なDSPアンプ制御とスピーカー交換を組み合わせたメニューです。
当店で企画しております、BMW向けのパッケージメニューBMWブライトオーディオパッケージでは、
(1)フロントスピーカーの交換と防振を行うF1
(2)F1に加えてセンタースピーカーも交換するF2
(3)上記にリヤスピーカーの交換も行うF1R/F2R
(4)上記にaudisonのプロセッサーアンプAP 8.9bitを加えたF1-8・F1R-8/F2-8・F2R-8
という基本メニュー構成を採っており、今回の事例はF2-8に相当する内容となっています。
なお、標準のメニュー内容では、シート下のウーファーの交換も含んでいますが、今回はウーファーは純正のままとし、耳に届きやすい高音域・中音域ののツイーター・スコーカー・センタースピーカーだけを交換する点が異なっています。
DSPのスペックについては、標準メニューでは8chアンプ内蔵タイプを設定していますが、ご要望によって12chのタイプにグレードアップしています。
スピーカーの銘柄については、標準のBLUE MOON AUDIOの他、BMWに適合する製品を12ブランドリスト化し、お選びいただけるようにしていますので、お好みとご予算に応じてカスタマイズしていただけます。
BMWブライトオーディオパッケージは、BMW全車種に対応しております!
音質アップをお考えのお客さまがいらっしゃいましたら、どうぞご検討ください♪
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直接のお電話もお気軽に♪03-5913-8450です!