AUDITTSのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
アウディ・TTの事例紹介です。
ロードスターモデルもある、アウディのスポーツクーペとして、クルマ好きに広く認知されている感のあるモデルですが、デビューは1998年。実に23年もの歳月が流れているんですね。ナットク。
モデルの変遷としては、初期型が1998〜、2代目2006年〜、現行の3代目が2015年〜という展開。
スポーツタイプのクルマですので、バリエーションも充実しており、パワーユニットは1800cc/2000cc/2000ccターボ、駆動形式はFF2WDと、クアトロ(4WD)があります。また、TTの華やかさの象徴であるオープントップのロードスターモデルは、2000年からラインアップに加わっています。
今回お迎えするのは、勇ましいボディーカラー「ターボブルー」が鮮やかな、現行のTTSクーペです。
オーナー様はプリオウンドでお求めになったのですが、例によって純正レベルのサウンドを改善したいとのことで、ご相談いただきました。
このクルマの標準オーディオは、ヘッドユニットからの4chで、フロント+リヤの4スピーカーを鳴らすシステムになっており、仕様によって、ch数の多いマルチアンプでフロント3way、あるいは、それにセンタースピーカーが加わるなどのバリエーションがあります。
当初のプランとしては、ドアの防振を行ってスピーカーボックスとしての条件を整え、フロント出力を(FOCAL・HELIXなどの3wayパッシブネットワークつき製品を使って)3wayスピーカーに換装することで音質改善を図るサウンドアッププログラムの施工ということでご用命いただきました。
しかしながら、作業に着手し、ドアを開けてみると、前オーナーが盛大にDIY(多分)した形跡があり、重ねて施工できるような状態ではなかったために、復旧のためにだいぶ手間が追加になる旨、ご相談しましたところ、無駄にお金がかかるようなら、なんとなくの着地点として想定していたところまで一気にやるか!と考えを改められ、DSPアンプ駆動によるフロント3wayマルチシステムに変更することとなりました。
ということで、内容は以下のとおりです。
◯ヘッドユニットとDSPアンプ
ヘッドユニットは純正です。
アウディの伝統であるMMIに統合されたオーディオシステムです。
今回の車はフロント/リヤの4chの出力を備えていましたので、リヤは純正の状態のまま、純正リヤスピーカーへの接続を維持して、フロント出力をDSPアンプに取り込みました。
DSPアンプは、ヘリックスと並ぶ欧州定番ブランドのaudison Prima AP 8.9bit(税込110,000円)をお選びいただきました。
AP 8.9bitはその名のごとく、8chの内蔵アンプを持ち、プリアウト1chを含む9ch分のプロセシングができるモデルです。この製品のアンプ1chあたりの出力は35Wですが、近年、内蔵アンプ出力を35 W→85 W(4Ω時)とパワーアップし、デジタル入力のサンプリングレートを94kHz→192kHz/24bitとスペックアップしたPrima AP F8.9bit(税込154,000円)というのも出ています。(両者併売)
ただし、出力が大きい分、筐体が幾分大きく(標準は191 x 131 x 34mm/Fの方は238 x 155 x 46mm)排熱への配慮も必要になるため、標準のAP 8.9bitの方を選ぶ積極的な理由はあるわけです。(相対的に価格も低いですし)
ということで、今回はAP 8.9bitのほうで、フロント3way(ツイーター/スコーカー/ウーファー)を鳴らすことになります。
◯スピーカー
単体ユニットで3wayを構築するために、当店人気のブルームーンオーディオの2wayモデルと、80ミリフルレンジを組み合わせることにしました。
2wayはBLUE MOON AUDIOのベースグレードであるSX165(48,400円)で、中音域を担当させる80ミリフルレンジは、MX080(税込33,000円)をお選びいただきました。
ドアはきちんと原状回復した上で、キチンとデッドニングを施し、インナーバッフルを取り付けて、スピーカーボックスとしての条件を整え、低域のウーファー、中域のスコーカーを取り付けました。
高音域のツイーターについてはダッシュボード上面・両端の標準グリルの中に収め、オシャレでシックなコックピットの外観には一切、変更を加えることなく、サウンドアップを実現しました。
当初のサウンドアッププログラムによる3wayスピーカー交換の20万そこそこの予算に比べて、原状回復のための大きな手間+DSPアンプ投入とスピーカーケーブル前線引き直しもろもろで、50万水準にまで膨らむことになりましたが、その音にはだいぶご満足いただけたようで、ホッと一安心です。
施工の様子をどうぞごらんください♪
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フロントドア
それではドアチェックからです。
ゆっくりと流れるラインに、シルバーのハンドルと赤ステッチが配され、メリハリの感じられるデザインになっています。
スピーカーグリルは、ハンドルの付近の手の甲にあたる部分と、右下の足元の2箇所にあります。
前者はスコーカーで、後者はウーファーですが、今回の車はフロント2wayでしたので、スコーカーのところはグリルのみで空室状態でした。
あと、冒頭では省略しましたが、このクルマは標準オーディオなので、センタースピーカーグリルの中も空室です -
現状確認(1)
ドアトリムを外したところです。
お客様は標準オーディオのままという認識でいらっしゃいましたが、ハデにDIYされていました。
スピーカーはアルパインのコアキシャルモデルが取り付けられていました。
インナーパネルのサービスホールは、(1)左上部の台形と、(2)下側の横長の2つがありますが、(1)はエプトシーラーのようなスポンジシートで塞がれ、(2)の方はレジェトレックス(廉価な産業用防振材)で防振してありました。
(2)の方は容易に剥がれるほど密着度が低かったので、防振の効果も薄そうですが、(1)の方は通気性のあるスポンジシートなので、ドアを箱状に仕上げるための密閉・遮断効果が得られず、スピーカーユニットが押し出した空気が後ろ側に回り込んで損失が生じる状態でした。両者を兼ね合わせて評価すると、やってもやらなくても同じ。くらいの雰囲気でした。
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現状確認(2)
下側の樹脂パネルを外し、アウターパネルをのぞき込んだところです。
アウターパネルには、ベーシックな防振材であるアルミ/ブチルゴムのシートではなく、スポンジシートが貼られていました。
一般的にアルミ/ブチルゴムのシートは「防振材」、スポンジや化学わた系が「吸音材」的に表現されますが、いずれにおいても、特定の周波数の振動を吸収(熱に変える)装置である点では共通しています。
ドア防振という行為は、スピーカーが発する振動にドアの構成部品が共振し、共鳴音を発するのを抑制するために、「総合的な振動の吸収」を目的とした行為なので、よって、アウターパネル側にスポンジシートを貼る行為を全否定はしませんが、モノの順番として、より大きな振幅のある中低域に対して効果のあるアルミ/ブチルゴムのシートを優先的に適用すべきだと考えます。
それを下地として、必要に応じてスポンジシートを重ねたり、波動を拡散させるためのレアルシルトディフュージョンのようなブロックを配置したりといったアレンジするのが妥当な順番だと思います。
当店の防振メニューもこの発想にもとづいて施工しますので、アウターパネルにきちんと防振材を貼り付けるためには、このスポンジシートを完全に取り除く必要があります。
スポンジシートは、その組成の特性上、容易にちぎれるのに対して、粘着テープは対象物に密着しているので、テープだけが延々と残り、除去に大変な手間がかかります。結果的に片側3時間ほどかかってしまいました。。 -
アウターパネル施工
アウター側の施工が終わったところです。
前述の通り、片側3時間かけてスポンジシートを除去し、清掃、脱脂を行った後、デッドニング用資材のDr.Artexのシートを配置しました。
インナーパネル側にスポンジシートのノリが残っていて、画的にはイマイチですね(汗)
このあと、きちんと取り除いていますのでご安心ください。
今回はフロント3wayということなので、ドアの2ユニット分のスピーカーケーブルを引き込んで、インナーパネル側の作業へと移ります。
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インナーパネル側施工
インナーパネルが終わったところです。
スピーカーもついて、画的にサマになってますね(笑)
説明不要だと思いますが、上の小さい方がスコーカー用のMX080、下の大きなほうがSX165のウーファーです。
いずれもMDF素材で、防水塗装を施したオリジナル品ですが、大径のウーファー用のほうが厚くて重く出来ています。
防振については、制振力の強いデッドニング仕様ということで、全面貼りの姿勢で臨んでいますが、整備性を考慮して、金属パネルと樹脂パネルの境界は貼らずに残しました。
大変なドラマのあったドア作業はこれにて終了。
ドアトリムをそっと戻して、ツイーターへと移ります。。
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純正ツイーター
純正のツイーターユニットのようすです。
樹脂成形のメッシュグリルを外すと、中はこんな感じになっています。
ツイーターユニットは上からパチン!と押し込むと、かぎ爪に保持されるような仕組みになっています。組立の作業性は良さそうですね♪
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ツイーター交換後
SX165のツイーターに交換した後の様子です。
SX165のツイーターは金属製のパンチンググリルで保護されていますが、音質を優先して取り除いて取り付けました。グリルを取っちゃうと中身が地味ですね。ご了承ください。
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DSPアンプ設置
最後はDSPアンプの設置状況です。
場所は助手席のシート下になります。冒頭でも触れましたが、当機(AP 8.9bit)のサイズは191 x 131 x 34mmと、コンビニ弁当より二回り小さなコンパクトサイズですので、シート下には余裕で収まります。
右下にちょろっと見えている赤は電源ケーブルです。外部アンプ/DSPアンプを駆動するには、バッテリーから直接電源を引き込む必要がありますので、この先はエンジンルーム・・(じゃなくてこのクルマの場合はトランク)内に繋がっています。
その他のケーブルは、ヘッドユニットのアンプから入力されるケーブル(LRで2組)と、フロント3wayの各ユニットに向けて出力されるスピーカーケーブル(LR×3組づつ=6組)です。
手前に来ているのはUSBケーブルです。
PCに繋いで、クロスオーバー、タイムアライメント、イコライジングといった設定を行うときだけ使いますので、普段は本機の脇にまとめておきます。
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作業後記
今回はアウディTTSの事例をご覧いただきました。
ドア内の実態がオーナー様の想定と違ったため、プランが大幅に変更になりましたが、結果オーライで、オーナー様には大変ご満足いただけたようでよかったです。
最終的には、純正ヘッドユニットのフロント出力をDSPアンプに入れるという最近定番のスタイルで、出力のほうはクルマの造りを活かして3wayと、一般的な2wayよりリッチ♪なサウンドが得られる構成に落ち着いたわけですが、当初の状況が「デチューン気味」で、純正のほうがバランスが取れてる分、まだマシだったんじゃなかろうか;;という水準との比較でしたので、変化は大きかったようです。
いずれにしても、スタート地点がどこであれ、サウンドアッププログラムによるドア条件の整備とスピーカー交換を始めとして、情報量を増やすためのハイレゾ化とアンプ投入、そして肝心の「聴こえ方」を具体的に調整するソリューションであるDSPと段階を踏まえることで、多くの方の期待を満足させてくれる変化に出会うことができると思います。
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