ポルシェマカンのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.693(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ポルシェ マカン
system
メインユニット:PCM
デッドニング:フロント、リア
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO SX165、MX080
センター:BLUE MOON AUDIO MX080
リアスピーカー:純正
サブウーファー:純正
プロセッサーアンプ:HELIX V-EIGHT DSP Mk2
ケーブル:audiotechnica、SAECcomment
純正ヘッド(PCM)の出力をDSPに入力して、フロント3way+センター+サブウーファーの8chを鳴らすシステムです。
スピーカーユニットはすべてブルームーンオーディオで統一しました♪
ポルシェ・マカンの事例ご紹介です。
スポーツカー一本槍(やり)だったはずのポルシェから、初のSUVが発売されたのが2002年。その名はカイエンといいました。
これは、フォルクスワーゲンのトゥアレグとプラットフォームを共有しており、ドーンと大きなフルサイズSUVとしてデビューしました。
そこから12年たった2014年にデビューしたのが、このマカンです。
こちらはアウディのQ5とプラットフォームを共有する、ミドルサイズSUVです。
誰のニーズでそうなったのか、今となってはわかりませんが、近年はほぼすべてのカテゴリにおいて、ボディサイズがどんどん大きくなる傾向にあります。しかしながら、だれもがその波に乗れるわけでもなく、大きめなイメージのある輸入車部門でも、BMWのX4/X5、メルセデスのGLB/GLC、ボルボのXC60、VWのティグアン、ジープチェロキーなどなど、ミドルサイズSUVのラインアップが充実するという現象が起きています。
今回ご紹介するのは、中期型モデルのマカンです。
オーナーは、古くからお付き合いいただいているお客様で、聞き慣れたBLUE MOON AUDIOの音色をこのマカンにも♪ということで、ご用命頂きました。
システムの概要は、PCMからのスピーカー出力をDSPアンプに入力し、フロント3way+センタースピーカー+サブウーファーの8スピーカーを制御する、フロントメインのシステムです。
◯ヘッドユニットとオーディオシステム
ヘッドユニットは前述の通りPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメントシステム)で、オーディオはBOSEシステムを採用しています。
PCMの音声出力はBOSEシステム専用の14cチャンネルDSPアンプで増幅・調整され、フロント3way+リヤ3way+センタースピーカー+サブウーファーの14スピーカーを鳴らすようになっています。
後付のDSP(アンプ)を投入する場合、フルレンジ信号を獲得する必要があります。多くのクルマの場合、フロントのフルレンジ・ステレオ信号(左右で2ch)を取り込むだけで済みますが、今回のように、純正アンプの出力段階で帯域分割されている場合、全体が揃うように複数のチャンネルを取り込む必要があります。
今回は、(1)フロントの高音域(ツイーター)×2と、(2)フロントの中音域×2、(3)フロントの低音域(ウーファー)×2、(4)センタースピーカー、(5)サブウーファーの合計8chを取り込みました。(※1と2は同じ信号のようでした)
◯DSPアンプ
ヘリックスのV-EIGHT DSP Mk2(税込187,000円)を使いました。
これは10chまでのプロセシングに対応した、8chのアンプを内蔵したDSPです。取り込めるチャンネル数は、ハイエンドDSPでは標準的な6ch(RCA入力)あるいは8ch(ハイレベル入力)に対応しているので、上述の6ch分の出力を取り込むことが出来ます。
◯スピーカー
すべてBLUE MOON AUDIOで統一しました♪
フロント3wayのうち、高域のツイーターと低域のウーファーは、2wayモデルのSX165(税込48,400円)、中音域のスコーカーは8cm口径のMX080(税込33,000円)で構成し、センタースピーカーとしても、MX080に登板してもらうことになります。
この他、DSPの支配下に収まるユニットにはサブウーファーがありますが、これは純正BOSEのユニットの配線をつなぎ替えて活用することにしました。
なお、DSP支配下外のリヤスピーカー群は、純正アンプからの信号が入る状態のまま、手を付けません。通常は純正のフェーダー(前後バランス調整)を前側に振って、DSP経由のフロントメインで運用することになりますが、フェーダーを調整することで、リヤスピーカーから音を出すことも出来ます。
以上を持って、リッチなフロントメインシステムを構成することができました。
ドライバーの奥様はBLUE MOON AUDIOのサウンドを大変気に入っていただいているようで、納車前の視聴でニッコリ(^o^)とご満足いただけたご様子でした。
それでは施工の様子を御覧ください♪
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フロントドア
フロントドアの外観です。
フロント3wayスピーカーのうち、ドアには、スコーカーとウーファーが装着されています。
ツイーターは、ダッシュボードのピラー付け根あたりに上向きについています。
スピーカーへの配線については、ツイーター・スコーカー・ウーファーそれぞれに、1chづつ割り当てられており、俗にいうマルチ状態です。
ツイーターとスコーカーの先は、アンプの出力段階では同じ信号のようで、どちらもハイパスがかかっています。スコーカーにはそのまま接続されますが、ツイーター用に関しては、さらにハイパスフィルターを介して接続されています。
これに対して、右下のウーファーには、高音域をカットして、更に低い方のサブウーファー帯域もカットした、「バンドパス信号」が供給されています。
この写真には写ってませんが、サブウーファー向けには、ローパスをかけて高音域をカットした信号は供給されることになります。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
サービスホールは樹脂製のパネルで覆われています。
スピーカーは、水冷以降のポルシェの伝統ともいってよい、20cmサイズのウーファーが設置されています。
インナーパネルはなんだかさっぱりした感じですね。拍子抜けするほどに補強リブが入っておらず、新雪のゲレンデのようです。
これだけ抑揚のない平面が続いていると、当然、共振しやすくなりますので、デッドニングをお勧めしたくなりますね。
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アウターパネル作業
アウターパネル側の施工が終わったところです。
大口径スピーカーと樹脂パネルを外し、清掃と脱脂を済ませたらアウターパネルを防振します。
アウター用の防振材は、例によって短冊状にカットして配置します。
内装を留めるためのファスナーパーツがちょっと目新しいですね。この写真内に9つ見える、白黒のやつです。
内装を留めるパーツとしておなじみなのは、途中が膨らんだ、つぼみのような形をしているクリップですね。
このクルマにも、つぼみ型のクリップは付いているのですが、それと併用する形で、この白黒ファスナーが付いています。
このファスナーの役割は、ドアトリムの引きつけと保持です。オス側とメス側で異なった形状をしており、ガツッと食い込むとなかなか外れません。
つぼみ型のクリップのように、縦方向と横方向の座標をビシッと決めるわけではなく、縦方向には微妙に動きますが、加えこんだら浮き上がらないので、つぼみ型と併用することで強固な締結力を発揮します。 -
インナーパネル作業
インナーパネル側が終わったところです。
アウターパネルの防振を済ませ、スピーカーケーブルを2セット引き込んだら、バッフルを取り付けて、スピーカーを固定します。
バッフルは20センチ口径に対応したスピーカーホールを埋めるために、かなり大きめサイズになっています。この厚みと直径で質量もなかなかのものになるので、ウーファーの土台としては申し分なく、質の良い余韻と、伸びやかな低音をもたらしてくれます。
防振はご覧の通り全面貼りです。
前述の通り、未施工の状態だとゴーン、ボーンと、そこそこ共振してくれちゃってましたが、防振後はおとなしく黙ってしまいました。
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純正スコーカー
純正のスコーカーを裏から見ているところです。
スコーカーだけは、ドアトリム側に付いているので、こういうアングルで眺めることが出来ます。
マグネットは小型のネオジム製で、すり鉢型のバスケットと、取付部のフランジは樹脂で一体成型されています。
周囲に見えるのはコットンタイプの吸音材です。中音域〜高音域の周波数の波動を吸収してくれます。 -
純正位置スコーカー取付
BLUE MOON AUDIOのMX080に交換した状態です。
アルミバッフルは当店でオリジナル制作したものです。
純正のバッフル面の形状に合わせて作っているので、純正のネジできちんと固定することが出来ます。
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純正センタースピーカー
交換前の純正スピーカーです。
ドアトリムに付いているスコーカーと共通ユニット。というのが定番スタイルなのですが、今回は異なっていて専用です。
センタースピーカーのグリルは、時計が付いているカバーと一体で成形されており、ユニットにアクセスするには、カバー全体を取り外すことになります。
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取付面加工
交換前の加工の様子です。
MX080はのフランジ部分が純正ユニットより大きいため、ほんの少し干渉する部分を切り落としています。
こういった場所の施工には、音波カッターが重宝します。常温のチーズをナイフで切る程度の抵抗でカットできるので、力が余って、うっかり周囲を傷つけるようなリスクはほとんど無くなります。
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インナーパネル施工
インナーパネル終了の図です。
こちらもフロント同様に全面貼りをします。
ここまでの本文で、特に触れませんでしたが、前後ともにデッドニングすることで、外来ノイズの低減効果もかなり得られるようになります。
ラグジュアリー系のクルマでは、このあたりも評価ポイントではなかろうか、と思います。
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ラゲッジルームの地下
ラゲッジルームのフロアボードを外したところです。
地下一階の収納スペースの奥に、ヘリックスのDSPアンプ、V-EIGHT DSP Mk2を設置しました。
手前の黒長ボックスは、BOSEサウンドシステムのサブウーファーユニットです。
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V-EIGHT DSP
DSPアンプをアップで眺めたところです。
機種はHELIXのV-EIGHT DSP Mk2(税込187,000円)です。
手前に見えているパネルがヘッドユニット(PCM)からの入力側、奥のパネルがスピーカーへの出力側です。
フロント3way+センター+サブウーファー=8チャンネル分の入出力があり、それぞれがシース(ノイズ防御のための被膜)をかぶっているので、配線の束が恵方巻クラスですね。
ちなみに、このお車1台で使用したスピーカーケーブルは約50mでした。
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純正BOSEアンプ
一応、資料映像ということで、BOSEのセパレートアンプの外観です。
位置は左側のリアフェンダー内です。
冒頭の配線図でもお示ししたように、今回は、このアンプからの出力を使用してDSPに信号を入力しています。
PCM導入前であれば、このアンプを使わず、メインデッキ裏から直接信号を取り出すことも出来たのですが、今では光ファイバーでパワーアンプとメインユニットが接続されて、エラーチェックは当然のこと、いろいろ通信してるようなので、このアンプへの給電を断ったり、取り除いたりといった乱暴なことはできません。
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作業後記
今回はポルシェ・マカンのサウンドアップ事例を御覧いただきました。
メインユニットのスピーカー出力をDSPアンプで受け止めて、フロント3way+センター+サブウーファーの8ユニットを総合的に制御。ドア防振もデッドニンググレードにて、前後4枚ドアに施工。ということで、「先々、特別なキッカケが舞い降りてこない限り、ここまでやれば十分でしょう」と言えるレベルの内容でした。
マカンは2014年発売の前期型、中期型、そして本年発売の後期型(現行型)と、ビッグマイナーを堺に3期に別れますが、その他のポルシェ車と同様、オーディオのメインユニットが単純なOEMの2DINナビから、統合型インフォテイメントシステムであるPCMへと移行しており、この前提によって再生・増幅側で選べるメニューが変わってきます。
マカンでいうと、その境目は前期から中期に変わるタイミングなわけですが、これ以前のクラリオン製2DINナビの場合は、自ずと社外ナビへの交換が第1選択肢に挙がることになります。
例えば現行のサイバーナビであれば、フロント2ch+サブウーファーまでなら、内蔵DSPアンプによって、完全にマルチ制御できますので、あとはスピーカー交換と防振だけで済ませることが出来ます。
もし、フロント3wayなり、リヤも含めて多チャンネルマルチを組みたいとか、iPhoneなどのデジタル信号を直接入力したいといったニーズが有る場合は、今回のようなDSPアンプを投入することになります。
中期以降となると、ヘッドユニットがPCMになりますので、交換という考え方はなくなり、今回のように、スピーカー出力をDSPに取り込んでスピーカーへ出力というスタイルになります。
DSP前提となると、今回のようにフロントメインでいくか、リヤも含めて全部を支配下に入れるか。という選択になります。
一部分だけグレードアップする「不均一性」が生理的にダメ。全部一緒じゃないと。という方はいらっしゃいますし、全体を一色に染める達成感も意味があると思いますので、そういう楽しみ方を否定するものではありませんが、「スピーカーがたくさんあるから音が良くなる。厚みが出る。」というわけではありません。全帯域の音がまんべんなく揃ってさえいればいいので、(1)フロント2wayあるいは3way+サブウーファーというシンプルな構成を基本として、室内の形状の関係で中心が演出しにくい場合に(2)センタースピーカーも制御してみる。くらいに考えるのがいいかなと思います。
DSPアンプのスペックとしては、入力chが6ch、出力(内蔵アンプ)が8chというのが市場の中心で、製品価格はだいたい10万円から20万円弱です。
より多くのチャンネルが欲しい場合は、14chものアンプを積んだヘリックスのV-TWELVE DSPというのが税込264,000円。シンプルにまとめたいという場合はフロント2way+サブウーファーの構成にぴったりの、5chアンプ内蔵のaudison AP5.9bitが税込83,600円とリーズナブルです。
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リスニングポイントに向けて、全帯域の音をバランス良く、かつ、時間差を揃えて届けることで実現する、DSPならではの感動をどうぞお楽しみください♪
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