ホンダN-ONEのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.690(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ホンダ N-ONE
system
メインユニット:オプションナビ
ドアチューニング:フロント、リア
フロアデッドニング
フロントスピーカー:オプションスピーカー
リアスピーカー:オプションスピーカーcomment
スピーカーの稼働環境を整えるためのドア防振に加えて、フロア全面をデッドニングしました。
ホンダN-ONEの事例紹介です。
このクルマについては、特に説明の必要もなさそうですね☆
ホンダ四輪車の歴史の1ページ目を飾る「ホンダN360」のNを冠した、Nシリーズの一員です。
N360の誕生は1967年(昭和42年)でした。
時代は平成の後半に移り、軽自動車ビジネスの原点回帰!という機運が高まったのでしょうか。Nシリーズ第一号は、後席にスライドドアを持つミニバンタイプのN-BOX(2011年)、次がN360のテイストを可愛らしく再現したN-ONE(2012年)、次いでワゴンタイプのN-WGN(2013年)と、3年の間に矢継ぎ早に3台投入されました。
その後、5年経った2018年になって、全車4ナンバーの軽商用車モデルであるN-VANが加わって、現在4きょうだいとなりました。
先日、たまたまN360を見かけたのですが、あまりの小ささに、思わず二度見、というかしばらく凝視してしまいました。
調べてみると・・・
N-ONE全長 3,395 mm x 全幅 1,475 mm x 全高 1,545-1,570 mm
N-360全長 2,995 mm x 全幅 1,295mm x 全高 1,345 mm
なんと全長で40センチも短く、全幅で18センチも狭く、全高で20センチ!も低かったんですね。こんな密室でデートドライブ出来たなんで、なんてステキな時代だったんでしょう(*´∀`*)♪
前置きはこれくらいにして、、今回登場のひろびろN-ONEのテーマは「The 防振」です。
オーナー様は新車でご購入時に、オプションナビと、オプションスピーカーを付けていらっしゃったので、道具として十分なんだろうと思うものの、、、?スピーカーをもっと良く鳴るようにしたい。?うるさいロードノイズ等の侵入を抑えたい。の2点が課題として浮上してきたということで、防振のご相談をいただくに至りました。
お話を伺い、検討した結果、?のスピーカーの稼働環境改善については、比較的マイルドな制振力を持つドアチューニングでやることになりました。
外来ノイズへの対策を再優先課題に上げると、よりガチガチなデッドニングのほうが効果は高いですが、内蔵アンプの駆動力で音を軽快に鳴らすにはドアチューニングで十分ですし、相対的に予算も絞れるということで、ドアチューニングの方に落ち着きました。
?の外来ノイズについては、、これは攻略したいノイズの種類によって、工法と素材がいろいろある世界で、直線的に決められないのですが、結論から言って、フロア全面をデッドニングすることになりました。
使用する材料は、ドアのデッドニングで使っているDr.Artex製の素材で、アルミシートとブチルゴムのハイブリッドです。
これは主に中〜低域の周波数に有効で、クルマで課題になる周波数帯域を広くカバーしてくれます。
この他に、高めの周波数を得意とするシンサレート(3M製)という、化学繊維の綿状のマットも出番の多い素材で、フロアデッドニングの上に重ねたり、また、ルーフに施工してパラパラ雨音の攻略に使ったりもします。
この他、ウレタンゴムを発泡させたマットであるエプトシーラー(日東電工製)もポピュラーです。ゴムと、その中の気泡とが振動を吸収し、中音域から高音域にかけて効果がある感じですね。ドアトリム(内張り)の防振をやる際に、これ単独で、あるいはデッドニング材料とのあわせ技で使ったりします。
以上、ドア4枚の防振と、フロア全面のデッドニングで大幅な環境改善を図りました。
ドアの方は状況に応じて様々なので、フロアだけに限って言えば、今回の施工での重量増は約11キロ程度。お茶のペットボトル5本分くらいですね。
オーナー様いわく、ロードノイズの低減効果は十分満足できるレベルだったようで、重量については特に変化を感じるほどではなかったようです。
それでは施工の様子をどうぞご覧ください♪
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フロントドア
それではドアチェックからです。
軽自動車のドアを見ていつも感心するのは、室内容量確保のための曲面の工夫ですね。
冒頭でも触れましたように、元祖360からするとかなり大きくなっているのですが、室内の広さがセールスポイントの一つでもある以上、物理的にも広く、また感覚的にも広く感じられるように、研究を重ねているようです。
寸法的には目一杯のところまで追い込んでいるためか、より開放感を得られるような凹凸の作り込みのほうに力点が移っているようです。
肘の当たるあたりは上手く膨らませてあり、この配慮だけでもだいぶ体を垂直に保てるし、ひじ掛けを有効に使うことができます。
これに加えて、ファミリーユースに必須の収納もしっかり確保で流石です♪ -
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
サービスホールの隠ぺいは、ブチルゴム留めのビニールシートとオーソドックスなスタイルです。
しかしながら、ドアトリムの張り出しを受け止めるために、ペラっと一枚のシートではなく、部分部分に立体成型のカップ状パーツを組み合わせてあります。
スピーカーは「ハイグレードスピーカーシステム」というタイトルでオプション設定されている製品です。
車種と好みで組み合わせが選べるようですが、このクルマには、フロント/リヤともに同じ17センチウーファー+オンダッシュタイプのツイーターがついていました。メーカーはケンウッドで、セット価格は45,100円となっています。
オプションものって、微妙に割高な印象がありますが、これはリーズナブルな感じがしますね♪
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アウターパネル作業
アウターパネル側が終わったところです。
ビニールを剥がして、しつこいブチルゴムの除去に悪戦苦闘した後は、清掃と脱脂をしてアウターパネルに防振材を貼っていきます。
使用する素材は、オーディオテクニカのAT-7560Rです。
冒頭で触れましたように、スピーカーの入替えは行いませんが、スピーカーの裏にあたる位置にも防振材を配置するので、スピーカーも外します。 -
インナーパネル作業
スピーカーを戻してサービスホールを塞いだ状態です。
ドアの筐体をスピーカーボックス(エンクロージャー)として機能させるために、ほぼ密閉状態であることが必要です。
そのためにサービスホールはすべて塞ぎますが、鉄板部分については、共振しやすそうなところに限定して、配置していきます。
なお、より強力な制振力を発揮させるデッドニングでは、全面貼りになります。
写真は貼り付けた直後の状態です。
ドアトリムの肘の張り出しに対応する部分については、たわみを計算して余裕をもたせてありますが、このあと、トリムを合わせてみて、無理が生じてないか確認します。
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リアドア
リアドアの外観です。
一般的なリアドアは、フロントの相似形デザインで調和させるのが相場ですが、だいぶ違う印象です。
ゆっくりなだらかなフロントに対して、水平線を強調した元気な感じ。
たっぷりポケットは共通ですね。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
リヤスピーカーもフロントと全く同じものがついています。
ケンウッドの市販品版でいくと、2wayセットのKFC-XS174Sと同じウーファーのように見えます。
振動板の中央についているのは、高音域を出すためのツイーターではなくて、フェーズプラグです。
「振動板が発する波動の直進性を高める。」ような解説が一般的で、形はロケットの先っちょのような砲弾型が相場ですが、よりこだわった制御を加えるためでしょうか、ケンウッドは平たいキノコのような形をしています。
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フロア露出!
本日のメインイベント!はこちらです。
ドアの作業が終わったら、フロアを施工します。
センターコンソールのロワ部分、キックパネル、スカッフプレート、Bピラーカバー等内装を外したら、シートをすべて降ろします。
そして最後の一枚。。カーペットを剥がすと、写真の状態になります。
よく見ると、、燃料ポンプのカバーが運転席の下にありますね。起伏の感じからすると、運転席と助手席の下にガソリンタンクがあるんですね。
フロア下に燃料タンクを置く「センタータンクレイアウト」設計を始めたのがホンダです。まさにコレのことですね。
ご覧の通り、フロア部分は何もない状態。前席足元からバルクヘッドにかけては、カーペットはめくれば作業ができるので、分解はここまででとどめておきます。
分解で一番苦労するのは、可倒式のリアシートですね。
可動機構を仕込んであるので見た目以上に重いし、思わぬ動き方をするので、掴むところを考えて降ろさないと手をけがしてしまいますし、車体にも傷をつけてしまいます。。 -
フロアデッドニング施工後
終わったところです。
作業の過程をタイムラプスで記録したら、いい素材が出来そうですが、、人手不足なので静止画一本で参ります。
ご覧のように、ラゲッジフロアから、アクセルペダルの裏まで文字通り「全面貼り」です。
使用した素材は、デッドニングの際にインナーパネル用として使っている素材で、Dr.ARTEX EARTH GOLD HDです。
見た感じから連想される通り、(おそらくそれ以上に)ロードノイズはかなり抑制されます。
これ以上にやろうと思うと、タイヤハウスにも同じものを貼ったり、冒頭で触れたシンサレートを重ねたり、といったアプローチになります。
費用的には、軽自動車で10万円程度、普通車で15万円内外、といったところです。
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作業後記
今回は、当コーナー内では、超久しぶりのフロアデッドニング事例のご紹介でした。
カーオーディオの世界において、スピーカーの稼働条件を整えるためのドア防振(デッドニング)はすっかりおなじみですが、ドア以外のところも防振してみようという試みも、実は昔からありました。
対象箇所は、フロア、ルーフ、タイヤハウス、ボンネットといったところです。しかしながら、これはカーオーディオ好きの方の中でも、重度のマニアの方に限った世界で(既存のお客様すいませんm(_ _)m)、一般向けとは言い難い世界でした。
時代が変わって今。
もはやバブルと言って良い程にエコカーブームが進展し、クルマのありとあらゆる箇所が軽量化され、(強度は十分にあるんだろうけど・・)材料が薄くなりました。
そして、その結果として車外からのノイズ侵入が激増して、多くのオーナー様を悩ませるようになり、求道的なオーディオマニアでもない方からの防振のご相談が増える。。という展開を迎えています。
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書き出し部分でお示しした、オーディオ目的の防振メニューは、そっくりそのまま外来ノイズ対策として有効なわけですが、以下に目的別に説明してみます。
●ドア・クォーターパネル
スピーカーボックス形成が第一目的であることは説明不要ですが、外来ノイズの大部分を占める横方向からの音の侵入を防ぐのにも大変有効です。
当店のドア防振のメニューは、マイルド気味のドアチューニンググレードと、ハード気味のデッドニンググレードの2メニューを用意していますが、これはアンプの駆動力を基準に決めた指針ですので、外来ノイズを抜本的に減らす目的であるなら、後者のほうが有効性が高いといえます。
●フロア
今回ご覧いただいたメニューですね。俗に「ロードノイズ」と呼ばれる、路面とタイヤとの接触によって生じる、下からくるノイズを防御する手段として有効です。
素材は今回のようにブチル系シートを全面に一層貼りするのがポピュラーで、特にこだわりがなければコレ以上に重ねる必要もないと思います。
●タイヤハウス
上記?と並行して、あるいは単独でも有効なメニューで、音の発生源であるタイヤをぐるっと囲ってしまおうというアプローチです。
フロントについては、タイヤハウス内に取り付けられている樹脂製のライナーを一旦外して、鉄板部分を露出させ、ブチル系シートを貼り付けるという方法になります。リヤについては、室内側から内張りを外して、タイヤハウスのもっこり部分に貼り付けるという方法です。
なお、タイヤが発する音は、低音域が強いイメージがあると思いますが、意外と高周波も出しているので、スキマがあるようなら上述のシンサレートを重ねる手も有効です。
●ルーフ
ルンルン気分でエコカーデビュー♪して、初めての雨模様でビックリした方は少なくないのではないでしょうか?
かなりパラパラ(バラバラ?)きますよね。
こういった雨粒の直撃音のみならず、薄い鉄板から飛び込んでくるノイズを防衛するのがルーフデッドニングです。
ルーフの場合、強い天日にさらされますので、自重のあるブチル系シートだと剥がれて来てしまいます。そのため、アルミシートとウレタンシートとで、軽量に仕上げたハイブリッド素材を使います。
これは積水化学工業製のレアルシルトという製品で、新幹線(確かN700系以降)の防振素材として採用されてるので有名です。片面が強力な粘着シートになっているので、施工後に熱が加わっても容易に落ちてくることはありません。
さらに、もしスペースに余裕があるようなら、高周波に強いシンサレートも加えておきたいですね。パラパラ軽減に本領発揮してくれます。
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メニュー概要はこんな感じです。
選択方法としては、まずは?で側面を固めて、もっと強化したいと感じるならば?。これで多くの方は納得できるような気がしますが、耳が過敏な方で気になるようなら、?そして?。。という順でしょうか。
カーオーディオのグレードアップと合わせて、あるいは単独でも。防振のご相談もお気軽にどうぞ。
ご予算と目的に合わせて、柔軟にプランさせていただきます♪
ご相談はお気軽に!ご連絡お待ちしておりますm(_ _)m
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電話もお気軽に♪03-5913-8450です!
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