スバルレヴォーグのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.685(お問い合わせの際にお伝えください)
model
スバル レヴォーグ
system
メインユニット:純正センターインフォメーションディスプレイ
デッドニング:フロント
ドアチューニング:リア
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO AX165
リアスピーカー:純正
サブウーファー:Carrozzeria TS-WH1000A
プロセッサーアンプ:audison AP F8.9bit
コントローラー:audison DRC MP
デジタルインターフェイス:audiotechnica AT-HRD1
ケーブル:audiotechnica、SAEC SPC-350
comment
インフォメーションディスプレイの音声出力をDSPアンプに入力し、フロント2wayとリヤ、パワードサブウーファーを鳴らすシステムです。
iPhoneのデジタル信号をDSPにダイレクト入力するためのインターフェースもつけて、真のハイレゾ再生を目指しました。
スバル・レヴォーグの事例ご紹介です。
レヴォーグは2014年発売で、2020年に初のフルモデルチェンジを経て現在に至ります。
レガシィを一回りコンパクト(全長/ホイールベースともに-100mm、全高-50mm)にした、富士重工業ならではの筋肉質なスポーツツアラーとしてデビューしました。
このクルマが開発された時期は、リーマンショックに端を発するデフレ経済のど真ん中の頃で、販売回復への期待も込めて並々ならぬ気合で開発されたものと思われます。その甲斐あって、レガシィのデビュー期を彷彿とさせる注目を集め、多くのスバリストの所有欲を満たす存在になりました。
昨年のフルモデルチェンジでは、より精悍なイメージを高めて登場してきました。
これだけ売れ筋で、スバルもお客さんも期待の大きいクルマということで、存在価値を高めるべく、入念に入念にスペックを磨き上げた形跡が感じられます。
エンジンやアイサイトの高性能化は当然のことでしょうが、開発陣全体の気迫が色濃く表れているのが、このボディデザインの完成度の高さだと思います。
新レヴォーグは今後、スバル車全体に適用していくと思われる、新デザインコンセプト「BOLDER」を採用した最初のクルマとされています。
ヘキサゴン(六角)型グリルから展開する波動がボディサイドに展開し、節度のあるフェンダーと、少し絞ったウエストとのメリハリあるボディラインを形成。全身にみなぎる塊感に前傾姿勢が与えられ、まさにスポーツ車の鏡。内部機構の充実度が外観に存分に投影された、スバル史に残るモデルチェンジの成功例といって良いと思います。
やっぱしスバル車の素晴らしいところは、その「節度」なんじゃないでしょうか。
熱い魂・力を宿しつつ、ひけらかさない、伸び切らない。場面に合わせた表現を心得ているあたりが、スバルらしい無二のテイストを形作っているのだろう、と。こんなふうに眺めております。
今回ご紹介するのはオプションパーツを散りばめた、クリスタルホワイトがまぶしいSTi Sport EXです。
スバルご自慢の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ、ならびに純正オーディオシステムからは、その格式に見合った音が出ているようですが、そこは量産車。顧客層に広く受け入れられるようにスイートスポットを広めにとった無難なテイストです。
今回のオーナー様はメリハリのあるキリッとシャープな音を志向され、ご相談いただきました。
やり取りを重ねて決まったプランは、フロント2wayとリヤスピーカーにパワードサブウーファーを加えて、DSPアンプで制御するという内容です。
○ヘッドユニット
スバル渾身のタテ型インフォメーションシステム「11.6インチセンターインフォメーションディスプレイ」です。
これまで10台ほどお預けいただいておりますが、全部これですね。(オーディオレス設定もあるにはあるというのは少し後で知りました(汗))
思えば、ナビ画面はなんで横型だったんだろうか?と思ってしまうほどの見やすさ使いやすさです。モニタの縦の長辺が、視線移動の導線と並行なので、走行イメージの把握のしやすさは抜群です。
機能的にはApple CarPlayとAndroid Autoに対応し、相場どおりの機能をそなえています。外部との接続はブルートゥースの無線通信に加えて、USB2つとAUXもひとつと、なかなか気が利いています。
出力系については、フロント2way+リヤの4chアンプ形式で、今回はフロント・リヤのスピーカー出力をDSPアンプに入力して、精密に調整を行います。
○DSPアンプ
audisonの AP F8.9bit(税込154,000円)です。
リーズナブルなDSP市場拡大の立役者となった名機AP 8.9bit(税別11万円)をベースに、内蔵アンプ出力を35 W x 8ch→85 W x 8(4Ω時)とパワーアップし、デジタル入力のサンプリングレートを94kHz→192kHz/24bitとスペックアップしたモデルです。
型番に加えられたFの文字は、イタリア語で力を表すFORZAのFを表しています。いわばパワーアップ版という解釈で、モデルチェンジではなく、排気量違い・グレード違いのクルマのように併売の形をとっています。
これは先行したAP 8.9bitと同様に、プロセシングキャパシティは9chまでカバーし、そのうち8ch分のアンプを内蔵しています。
これを、ツイーターに2ch、ウーファーに4ch(2chをブリッジして左右分で4ch分消費)、リヤ2chと全部つかって、プリアウト出力の先にパワードサブウーファーをつなぎます。
○スピーカー
当店人気のブルームーンオーディオのAX165(税込93,500円)です。
フラッグシップのRX165、ベースモデルのSX165の中間に位置し、「よくできた楽器のように癖のない原音再生を目指す」ブルームーンオーディオのポリシーをしっかりと体現しているモデルです。
AXはSXのほぼ倍、そしてRXはこれまたAXの倍の値段がするわけですが、聴き比べてみると、ホントに値段との釣り合いが取れていて、どれも価格なりの納得感が得られるようにチューニングされています。
○パワードサブウーファー
カロッツェリアのTS-WH1000A(税込55,000円)です。
パワードサブウーファー枠としては星の数ほどあるわけですが、「この職人にしかできない仕事」が認められて、デビューこそしばらく前ですが、名機枠で再評価がすすんでいる(ような気がしている)製品です。
一般的な振動板を持つスピーカーは、振動板の背面に直付けされたボイスコイルのタテの動きによって直接動作させますが、この製品の場合、振動板の後ろにパンタグラフがあり、それを挟むように水平に向かい合わせに配置された一組のボイスコイルのヨコの動きを、パンタグラフによってタテ方向に変換して駆動させる仕組みになっています。
この非常に独特な駆動方法によって、音として感じにくいような低い周波数帯から空気を動かすことができるので、通常のコーン型とは異なる、非常に広大な空間を演出してくれます。
わかりやすいドンドン!のほうが変化を感じやすく、お金も出しやすいですが、サブウーファーとしての本来の仕事は、(ドアの)ウーファーがこなせない、超低域を鳴らし、倍音効果を通じて空間の広がり(と天井の高さ)を演出することですので、その観点から行くとこの製品ばかりはどうにも無視できません。
今回のように普通にパワードサブとして鳴らすもいいし、暇とお金のある酔狂な方は、さらなる広がりを求めて、既存のサブウーファーにスーパーサブウーファーとしてアドオンする使い方も一興です。
○デジタルインターフェース
DSPアンプにiPhoneのデジタル信号を直接IN!するためのインターフェースとして、オーディオテクニカのAT-HRD1(税込16,500円)を付けました。
iPhoneのソース自体は、純正のヘッドユニットとBT接続して聴くことはできるわけですが、そこは趣味の世界。光接続に対応したDSPアンプの導入を機に、損失レスのダイレクト再生にこだわってみたいということで、インターフェースを導入しました。
iPhoneから、アップル純正のUSB変換コネクタを介して、当AT-HRD1に入力し、光ケーブルでDSP(audison prima APF8.9bit)に入力する格好になります。
こういった内容で、極上の音響空間を創造することができました。フロントはデッドニンググレード、リヤは純正スピーカーということもあってドアチューニングでちょっと予算を抑えましたが、トータル税込65万円とリーズナブルに仕上がりました♪
それでは施工の様子をご覧ください♪♪
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フロントドア
それではドアの外観からです。
室内のカラーリングは、黒の基調に対してエンジを差し色に使っています。
カーボンの部分使いはイマドキのスポーツ車の絶対条件ですね。
レヴォーグのスピーカーレイアウトは、フロント2way+リヤで、4chアンプ駆動です。
よってフロント2wayは1系統の出力を分岐させて実現しているということになります。 -
ドアトリム取り外し
ドアトリムを外した状態です。
サービスホールのカバーは、ゴムシートonビニールシート方式です。
また、よく見ると、ゴムシートはオープナー/ドアロック動作用のワイヤーが通してある後端の穴を除いて、サービスホールの正面を覆うようにレイアウトされています。目的が読み取れますね。
純正スピーカーは楕円のバッフルに円形コーンを組み合わせてあります。
生粋の?純正スピーカーとして企画されたのなら楕円バッフルに振動板も楕円。とくるところでしょうけども、この組み合わせは、オプションスピーカーのバッフルと共用してるからと思われます。カタログをみると、パナソニックとケンウッドの(当然円形の)スピーカーがオプションで設定されています。
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アウターパネル作業
アウターパネルの作業が済んだところです。
ビニールシートを外して、中外をきれいに清掃・脱脂したら、アウターパネルに防振材を貼っていきます。
今回の防振は、主軸となるフロント側が制振力の強いデッドニンググレードで、純正スピーカーのまま、サブ的に運用するリヤ側はマイルドなドアチューングで、それぞれ施工します。
ドアの造りはそこそこ堅牢です。スピーカーのエンクロージャーとしては好条件です。
いつからか、誰とはなしに燃費燃費と騒ぎ出してあちこち軽量化を図らざるを得なくなり、だいぶ苦労されてるんだろうと思いますが、そんな中でも、ドアに標準的な水準以上の剛性感が出るくらいの重量を配分してくれてるのは、富士重工業の伝統というところでしょうか。2本の太いサイドインパクトビームが誇らしく輝いております☆ -
インナーパネル作業
インナーパネル側が終わったところです。
スピーカーは、楕円のスピーカーホールを塞ぐように異型の板をベースとして、円形リングを重ねて制作したバッフルを土台にして取り付けています。
素材はMDFです。MDF改質剤のアップタイトサウンドを含浸させて硬度を高めた上で、チッピングコートで防護塗装をして、耐水性の高い状態に仕上げています。
スピーカーケーブルは最近、ベースグレードして使い始めているSAECのSPC-350を引き込んでいます。
インナー側の防振はご覧のように全面貼りですね。
素材自体の寸法の関係で、多少継ぎ目が見えますが、そんなに凹凸の激しいパネルじゃないので、割とスッキリ貼れています。
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純正ツイーター
ツイーター交換前の様子です。
6.5?サイズの大型フランジのブラケットにツイーターが装着されています。
これだけサイズが大きいと、このブラケットを加工すれば、大概のツイーターを加工取り付けすることは可能です。
壊しちゃうのはちょっと、、という方は、当店オリジナルのトレードインブラケットも2型がご利用いただけます♪
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ツイーター交換後
AX165のツイーターに交換後の様子です。
前述の通り、VN5型のダッシュツイーターであれば当店オリジナルの2型ブラケットが使用できるのですが、AXのツイーターは背面が凹形状で、両面テープなどによる固定が出来ないため、バッフルを作って対応しました。
前出の純正ツイーターのアウトラインを写し取ってテンプレートを作り、MDFで切り出して制作しました。
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運転席シート下
運転席のシート下の状況です。
ここには、audisonのDSPアンプ、prima AP F8.9bitと、(1984年からは寿司ロボットも手掛けるなどパイオニアスピリットあふれる)オーディオテクニカのデジタルトランスポートAT-HRD1を配置しています。
向かって右がそのデジタルトランスポートで、USBケーブルを介してiPhoneからのデジタル信号が入力され、光ケーブルにて AP F8.9bitに入力されています。
これと並行して、11.6インチのヘッドユニットの4ch分のスピーカー出力も AP F8.9bitに入力され、後出のコントローラーにて、どちらかを選択して再生することになります。
AP F8.9bitからの出力の方は、DSPの内蔵アンプからフロントの○ツイーターと○ウーファー、○リアスピーカーへと出力され、プリアウト信号レベルで○パワードサブウーファーに出力しています。 -
スマートフォン接続
iPhoneをここに挿しましょう。という図です。
冒頭の図でもお示ししたとおり、iPhone(に限らずアンドロイドでもDAPでも可)のデジタルソースをUSB経由でAT-HRD1に送り込み、光に変換してaudisonのAP F8.9bitに入力できるように組んであります。
写真は、iPhoneのライトニングからデジタル信号を取り出しつつ、iPhoneへの給電も行えるというUSB3変換コネクタです。
左側に刺さってるのが給電のための入力で、右側の青いのがAT-HRD1に向かうUSBケーブルです。
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DSPコントローラー
こちらがDSP関係の締めくくりとなるDSPコントローラーです。
audison製品に幅広く使えるDSPコントローラーでDRC MPといいます。
役割としては、○入力ソース切替(ヘッドユニットからのスピーカー信号 or iPhone→AT-HRD1経由のデジタル光入力)と、デジタル入力時のボリューム調整、パワードサブウーファーのボリューム調整といったところです。
このコントローラーには、音響設定がAとBの2つ分メモリできるようになっています。今の所、メモリーはAの1つのみを使用しています。
音声信号の入力経路については繰り返しお伝えしております通り、純正ヘッドからと、DSPに直結したiPhoneデジタル再生からの2系統となります。
いわゆる二択式になりますので、お察しの通り、後者を選択した場合は、ナビ音声を含む純正ヘッドからの音声出力は再生されません。
純正の音声出力システムは完全に維持しつつ、デジタル再生も「割り込める」ような形をとるためにこのような格好になっていますが、先々、「音楽再生はiPhoneのデジタル再生メインにしたい」という気になった場合は、DSPからの出力はフロント2way+サブウーファーとし、それと並行して、純正ヘッドの音声出力がリアスピーカーから常時出力されるように組み替える。という対応も可能です。
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助手席シート下
DSP関係の説明が終わったところで、助手席のシート下です。
ここには、パイオニア(カロツェリア)が世界に誇るHVT(Horizontal-Vertical Transforming)駆動方式を採用したパワードサブウーファーTS-WH1000Aを設置しました。
縦横の寸法は360 mm×270mmと標準的なパワードサブウーファーなので、シート下設置に問題はありません。さらにHVTは駆動部がコンパクトで、製品の厚みがなんと4.5センチと薄いため、フロアに埋まっているように目立たず、収まりが非常に良いです。
と、せっかくご紹介しているのに、デデンと黒い箱がロゴを隠してしまって台無しですねぇ。
この箱はスバルの安全運転支援システムアイサイトの後退時ブレーキアシスト(RAB=Reverse Automatic Braking)のソナーコントロールユニットらしいです。配線を切って延長してよそに移動して、、なんて馬鹿なことは出来ませんので、ロゴ前の一等地に両面テープで固定しておきます。
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資料映像:センターインフォメーションディスプレイの裏
最後は資料映像として、センターインフォメーションディスプレイの裏側をご覧に入れます。
室内側に向いた大画面パネルの裏に、基板がはいった箱が4つほどくっつけた造りになっています。
スピーカー出力の取り出しに際して、作業を確実におこなうために外す必要があります。
ご覧のようにカプラ差込口が星の数ほど?有り、また車両側から出ている配線の長さにあまり余裕がないので、実際の脱着はかなり大変です。 -
作業後記
今回はレヴォーグの本格的なサウンドアップ事例をご覧いただきました。
スバル車のオーナーさまは総じてこだわり派の方が多く、当然車大好きスバル大好きと、濃い目の方が多いので、オーディオに関してもちょっと良くなればいいや。という方は少なく、スピーカー周りの整備は当然として、再生・増幅系もそれなりに手を付けるというパターンがほとんど。
お預かりしたスバル車の履歴を追うと、新型レヴォーグで10台くらい、その他インストールギャラリーに登録させていただいている中では、レガシィアウトバック、フォレスター、XVと主力筋の他、なにげに軽バンのサンバーも多く、このサンバーも含めてどれもこれも濃い目のプランばかりで、今更ながら驚いております。
メニューとしては、今回のようにフロント2wayをしっかりグレードアップして、パワードサブウーファーで音場の広さと深さを確保。お好みでDSPアンプによる増幅と音響補正といったところですね。
その他、より高音質を求めて、iPhoneなどのデジタルソースのダイレクト再生を試みるも良いし、インフラ整備として、プラスマイナス同時バッ直、電源レギュレーターによる電圧管理といったメニューも、ロジカルな方が多いスバルオーナーの方にはウケそうな気がします。
いずれにしましても、ご希望とご予算に応じて、柔軟にプランさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください♪
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