お問い合わせは03-5913-8450へ

サウンドプロ

ホンダN-VANのオーディオインストール事例

サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>

  • 事例No.663(お問い合わせの際にお伝えください)

    model

    ホンダ N-VAN

    system

    メインユニット:VXM-184Ci
    デッドニング:フロント
    フロントスピーカー:carrozzeria TS-Z172PRS
    リアスピーカー:carrozzeria TS-STH1100
    サブウーファー:carrozzeria TS-WH500A
    パワーアンプ:carrozzeria GM-D1400?
    ケーブル:kaiser swing

    comment

    インターナビの出力をアンプに入れて、フロントは2way+サブウーファー、リヤはサテライトスピーカーを鳴らすシステムです。
    ナビのフェーダーを活用することで、低コストで前後に切り替えて鳴らせるようになっています。

  • ダッシュボード


ホンダN-VANの事例ご紹介です。

頭文字のNはホンダの本格的量産型乗用車の第一号であるN360に由来しています。軽自動車のラインアップ強化を目的として2011年に開発されたミニバン型車両にN-BOXを皮切りに、初代360のテイストを色濃く再現した2012年のN-ONE、次いで2013年にはワゴンタイプのN-WGNと展開してきました。

今回のN-VANは2018年に仲間入りした、全車4ナンバーの軽商用車モデルです。
先行したN-BOXと同じく、後席にスライドドアを装備していますが、商用としての使い勝手の良さを打ち出すために助手席側のBピラーをなくし、巨大な開口部を作れるようにしてある点が大きく異なります。
さらに、助手席を含む全席フルフラット化を可能にすることで大容量と長尺ものへの対応力も高め、4ナンバー専用車のアイデンティティを強く打ち出しています。

とはいえ、それだけスペース効率を高めた作りになっているわけですから、市場は商用だけにとどまりません。
実際、豊富に用意されているインテリア系オプションパーツには、ホビー用途を意識した製品も数多く見られ、アウトドア全般やキャンパー系のユーザーとの接点も大きく確保しているようです。


さて今回登場のN-VANは、キャンパーのオーナー様が最近ご購入になった一台です。
これからフィールドに連れ出すにあたり、往復のドライビング中も、目的地でも、上質な音を楽しめるように手をかけたいとのことで、ご相談いただきました。

システムの概要としては、純正オプションナビの出力を外部アンプにいれて、フロント2wayとリヤのサテライトスピーカーを鳴らし、パワードサブウーファーで低音域を強化する内容です。
コンポーネントはすべてカロッツェリア統一で、特にフロント2wayスピーカーは通好みのハイエンドユニットを起用しましたので、より上質な音響空間をクリエイトできています。

○ヘッドユニット
ホンダの純正オプションでVXM-184Ciという型番の7インチナビです。(2017年発売)

ケンウッドのOEM製品で、同社お得意の逆チルト機構が付いているのが特徴です。
最近の車のナビモニタは上向きについていて視認性は良好ですが、光線の具合で見にくくなってしまうことも少なくありません。こんなときに画面の上端がせり出す逆チルト機構は非常に助かります。
JVCケンウッド製の市販モデルは2019年あたりまではこの機構を持っていたのですが、コストダウンの都合なのか、現行品では省かれてしまいました。ただ、ホンダ向けのOEM品に限っては現行でもこの機構を持っているようです。

○スピーカー
フロント2wayはカロッツェリアのTS-Z172PRS(税込88,000円)、リアサテライトスピーカーはTS-STH1100(税込35,000円)です。
カロッツェリアのハイエンド製品としては、カスタムフィットスピーカーカテゴリのフラッグシップであるTS-V173S(税込66,000円)が売れ筋ですが、今回登場のTS-Z172PRSも、その素性の良さと表現力の豊かさで、発売以来、高評価を維持し続けているユニットです。

この製品は音響の名門であるパイオニアが、欧米市場でのシェア拡大のために気合を入れて作ったモデルで、俗にドンシャリ系などと呼ばれる、高域の明瞭さとパンチのある低音域が好まれる日本向けとは異なり、比較的フラットで、深い奥行きを感じさせる音が目指して作られています。
基本性能の高い製品ですので、幅広いジャンルをこなせますが、特にボーカル系や、オーケストラのように空気感・空間的表現が評価ポイントになるジャンルに強いように思います。

この製品は2wayのクロスオーバー周波数が1.9kHzと、ツイーターの守備範囲の広さもウリの一つで、直径55ミリと比較的大型です。(ダイアフラム直径は28ミリ)
昨今は純正の外観をキープしたインストールがトレンドですが、このユニットの性能を最大限発揮すべく、Aピラーに直付けしました(ダッシュボード写真参照)

リヤサテライトTS-STH1100はカロッツェリアのロングセラー定番商品です。
このあとのパワードサブウーファーで触れます、HVT方式のコンパクトな駆動機構のおかげで、高域・低域の2wayでありながら36ミリという薄型に仕上がっています。きめ細かな車種別適合情報も提供されており、さすがカロッツェリアです。

○パワード・サブウーファー
こちらもカロッツェリアのTS-WH500A(27,500円)です。
一般的なスピーカーは、振動板の背面に直付けされたボイスコイルのタテの動きによって直接動作させますが、この製品の場合、振動板の後ろにパンタグラフがあり、それを挟むように水平に向かい合わせに配置された一組のボイスコイルのヨコの動きを、パンタグラフによってタテ方向に変換して駆動させる仕組みになっています。※パイオニアではHVT(Horizontal-Vertical Transforming)方式と呼んでいます。

機構部がコンパクトで、6センチと薄型です。音の特徴としては、ブンブン大音量タイプではなく、特殊な機構のおかげなのか、「どこから音が出てるの?」と思わずあたりを見回してしまうような、筐体サイズに似つかわしくない超低域を発生し、未体験の空間の広がりを演出してくれます。

○アンプ
カロッツェリアの小型定番アンプ GM-D1400?(税込17,600円)です。
定格45 W(最大100W)×4 chのパワーが有りながら、181 mm(W)×38 mm(H)×64 mm(D)というコンパクトさがウリの製品です。
今回は後出のサブウーファーと、2wayスピーカー付属のネットワーク、そしてこのアンプと、3種のコンポーネントを運転席の下に納める必要がありましたので、このコンパクトさの優位性が存分に発揮されました♪

ここで上出のコンポーネントの接続について解説いたします。
アンプへのソースは、ナビのスピーカー出力4chのうち、フロント出力(2ch)とリヤ出力(2ch)を入力し、それぞれをフロント2wayとリヤサテライトに素直に接続しています。
このうちフロント出力は、一旦ネットワークに入って、ピラーのツイーターと、ドアのウーファーに振り分ける経路をたどります。

パワードサブウーファーへの信号は、上述のナビフロント出力→アンプへ向かう途中で分岐させて取り出しています。
要はフロント2ch出力で、フロント2wayとパワードサブウーファーをまかなっている格好になりますので、アンプのフィルター機能を使って、フロント出力にハイパスフィルターをかけ、分岐先のサブウーファー帯域との境界を区切っています。



ナビのフェーダー(前後の配分)を調整することで、移動中はフロント2way+サブウーファーで広大なサウンドステージを堪能し、目的地ではリヤサテライトでアンビエントな音の景色に身をゆだねる。2つの顔を持ったシステムができました。

施工の様子をどうぞ御覧ください。

  • 助手席ドア

    まずはドアの外観です。

    この車は4ナンバー専用をうたっているだけあって?標準オーディオは質素で、フロントドアのフルレンジ1対だけというシンプルさです。
    ツイーターについては、ハイグレードスピーカーシステムを選ぶとつけられるようになっていますが、ダッシュボード上に貼り付けるタイプなので、標準では(中身が空っぽの)ツイーターグリルもありません。

    写真は助手席側で、運転席とは大きく異なっています。
    ○中央の凹み&ベルトは助手席折りたたみ時のヘッドレスト格納のために設けられています。○車両左側は荷物積み下ろし時の開口部を大きく取るために、ルーフとフロアをつなぐBピラーがなく、助手席ドアで強度を確保する設計になっています。そのため、Bピラー相当分、助手席のドアが長くなっており、通常はBピラーに格納されるシートベルトがドアにビルトインされています。

  • ドアトリム取り外し

    ドアトリムを外した状態です。

    新しい車ですので、とてもきれいですね。
    シートベルトの巻取り機構がドアに埋め込まれているのがわかります。写真では切れているドアの上端に支点があり、折り返してきた終端はドア下部にアンカーされています。

    純正スピーカーはホンダ独自の1点留め方式です。

  • アウターパネル作業

    アウターの作業が一通り終わったところです。

    ビニールを剥がして清掃・脱脂し、アウターパネルに防振材を配置します。
    今回は制振力の強いデッドニンググレードで施工しますので、短冊状にカットした材料をたくさん貼っています。

    一般的には、スッと縦じま模様になるのですが、力強いサイドインパクトビームが取り付けられているので、避けながら貼ることとなり、細切れになりました。
    しかしながら、問題は量と間隔であって、必ずしもテープ状である必要はないため、制振力には影響ありません。

    作業と並行して、ウーファー用のスピーカーケーブルを通しました。スピーカーホールからたれている赤灰ケーブルがそれです。

    スピーカーホールに描いてあるマル印は、鉄板をカットするためのケガキ線です。
    前述の通りの通り、ホンダの純正スピーカーは上部1点のネジで止まっていて、下2箇所の■にスピーカーバッフルに成形してあるフックを引っ掛けるフランジ部分を設けてあるため、その分内側に張り出し、スピーカーの背圧の逃げの妨げになります。ここの通りを良くするために線の内側を切除するというわけです。
    (カット後は適切に防錆処理を行います)

  • インナーパネル作業

    インナー側の作業が終わったところです。

    出っ張りを切除したスピーカーホールには、カスタムバッフルをボルト留めして、Z172PRSのウーファーを取り付けました。

    ドア防振は、デッドニンググレードなので全面貼りです。
    シートベルト巻取り部の周囲を除いて、みっちりと貼り込みました。スピーカーバッフルの周囲も細かく貼って足場を固めました。

    この写真からは読み取れませんが、作業性の向上と汚損防止のために、シートベルトの上端の支点部分を外して作業しています。
    ご想像のとおり、ブラブラしていると作業しにくいですし、織りの細かいシートベルトの生地にブチルゴムがくっつくときれいに除去できないリスクが高いので、外しておくのに越したことはありません。

    これにてドア周りの説明は終わりです。

  • ツイーター取付

    ツイーター取付部です。

    パイオニアの名機、TS-Z172PRSが誇る大口径ツイーターはAピラーに取り付けました。
    中途半端に純正ツイーターグリルがあったりすると、標準の位置でのトレードインを考えてしまうところですが、それもないので、思い切りベストな位置を選ぶ決心がつきました♪

    このツイーターにはダッシュボードやピラーに固定するためのハウジングが付属していて、囲みの図のように2種類の角度を選べるようになっています。今回は赤丸をつけた方の角度で取り付けました。

  • パワードサブウーファー

    今回唯一の機器設置スペースとなる運転席の下にはパワードサブウーファーとアンプ、ネットワークを設置しました。

    シートの後方にはパワードサブウーファーを置きました。
    シートレールの幅にピッタリ納まって、ビジュアル的にも◎ですね。といっても、通常のシートポジションに戻すと殆ど見えません。

    また、後席に人が乗る場合でも、シート下には倒した時にシートを格納するための空間が大きくとってあるので、つま先が窮屈になる心配はありません。なかなか好条件ですね。

  • サブウーファーコントローラー

    サブウーファーコントローラーはステアリングゴラムの左側に取り付けました。

    幅も高さもぴったりで、なかなかいい場所を見つけたなー♪と盛り上がってしまいました。

  • パワーアンプ&ネットワーク

    運転席下の後方にパワードサブウーファーを置きましたので、残るアンプとネットワークは前方に配置しました。

    下段に2つ並んでいるのが、TS-Z172PRSのネットワークで、上に乗っているのがパワーアンプです。
    厳密に言うと、あまり近づけて設置したくない機器群ではありますが、今回はスペースの都合を優先してこういったレイアウトになりました。(ノイズ面の問題は出ないことを確認しています)

    PRSの立派なネットワークには片側8個のネジが並んでいます。
    左の2つがアンプからの入力で、続く2つが低域のウーファーへの出力、残りがツイーターへの出力です。
    マイナス側は左に接続するのですが、プラス側の配線は残る3つから選ぶことで、音量を調節できる仕組みになっています。
    一番右が-3dBで小さめ、中央は調節なしで中、左が+3dBで大きめになります。

  • サテライトスピーカー設置

    最後に3カットをつかってサテライトスピーカーの説明をいたします。
    まずは全景です。

    ハイルーフ車のオプションで人気なのが、両サイドを前後に走るルーフインナーサイドパイプ(税込22,000円)とパイプにまたがるルーフインナーラック(税別11,000)の組み合わせです。

    このサイトパイプの取り付けステーのところにちょうどよい面がありますので、ここにサテライトスピーカーを取り付けました。

  • サテライトスピーカー

    サテライトスピーカー本体のアップです。

    TS-STH1100は薄型ですので、この位置に設置しても邪魔にならないですね。
    カーゴスペースの中央に設置できるので、荷室のどこにいても音の偏りは少ないと思います。
    ナビのフェーダーを調整してリヤ側に全部振ってしまえば、フロントは無音でサテライトだけ鳴らすことができますので、快適なくつろぎ空間を作ることができると思います♪

    ドアスピーカーのところで触れたとおり、標準ではフロントスピーカーしかなく、リヤスピーカー配線そのものがありませんので、通線は少々手間がかかっています。

    スピーカーケーブルの起点となる運転席のシート下にありますので、Bピラーをたどることができれば最短なのですが、助手席側はありませんし、運転席側のBピラーはトリムカバーがないので線を通せません。ということで、左右のAピラーのカバーの下を通って、ルーフの左右をつたい、リヤまで到達させています。

    頭の柔軟な方だと、両方とも運転席側から通して、左側の線はルーフを横断させる手もあるんじゃないか?とお考えになるかもしれませんが、この手順のほうが難易度は低いです。

  • ステー取付加工

    サテライトスピーカーの取り付け部アップです。

    ルーフインナーサイドパイプの固定用のステーに穴をあけて、スピーカー付属の金具を固定しました。
    このサイドパイプは、耐荷重3キロほどですが、前方一点、後方3点と合計4点で止まっている上、前ステーの幅が4センチほどあり、かなりがっしりしています。
    ここにちょこっと穴を開けさせていただき、金具を取り付けました。

    なお、赤丸のところを押して、スピーカー本体を上方にズリッとずらせばワンタッチで着脱できるので、万が一、積載物が干渉するような場合でも柔軟に対応ができると思います。

  • 作業後記

    今回はキャンパーN-VANの快適化計画♪の事例を御覧いただきました。

    キャンパーに求められる特性として、一般の車と同じく、運転中のドライバーの快適性の他に、目的地での居住空間としての快適性と、2つの側面を持っていることが特徴です。

    お金をかければ、リヤ用のサブシステムを作り込むこともできますが、今回はナビデッキのフェーダーを活用することで、低コストで前後を分けることができました。
    リヤサテライトスピーカーも、定評のあるカロッツェリアのTS-STH1100を使ったことで、相応の情報量のある音を奏でながらも主張しすぎない、おだやかなBGM空間が演出できたと思います。


    当店にもデモカー兼・日常の足のイエローN-VAN号があり、日々ちょこちょこいじっておりますので、構造は隅々まで把握しておりますし、主要商品の適合情報も確保しております。

    小物の取り付けからフルオーディオまで、なんでもお気軽にご相談ください。
    ご希望に応じて柔軟に対応させていただきます♪

    メールはこちらからどうぞ♪
    電話もお気軽に♪03-5913-8450です!