ジャガーXKRクーペのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.647(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ジャガー XKRクーペ
system
メインユニット:純正
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:audison AP1、AP2、AP5
リアスピーカー:純正
ケーブル:純正comment
劣化した純正スピーカーをaudisonのエントリーグレードスピーカーでリーズナブルにリフレッシュ。
この機会に標準オーディオの2wayを3way化して一層のグレードアップも果たしました♪
お客様から感想のメールをいただきました。
(個人/団体名、必要に応じて商品名は伏せさせていただいております。)
竹原様
スピーカー交換、および画像ありがとうございました。
自分が思った以上に高音の迫力が出てビックリしています。
やはりサウンドはクルマには欠かせないアイテムですのでやって頂いて良かったと思っています。
インストールギャラリーには是非載せて頂きたく思います。
楽しみに待っております。
今後ともいろいろと教えてください。
よろしくお願い申し上げます。
ジャガーXKRの事例ご紹介です。
XKRは、ジャガーのレガシーそのものと言って良い名車、XJSの後継として生まれた車です。
先代のXJS(XJ-S)は1975年に世に出て、1996年までの21年間に渡って生産されました。前後してジャガーの経営がフォードに渡り、新体制のもと、まず1996年にXKが生産されました。4リッターのV8エンジンが搭載され、ボディ形式はクーペとコンバーチブルが設定されています。
それから3年後の1999年。スーパーチャージャーを搭載したXKR(今回のお車)が追加されました。
これら、初代XK8/XKRは2006年まで生産され、2代目は2014年まで永らえたところで歴史を閉じています。
今回お迎えしたXKRは、カーニバルレッドのボディが情熱的な美しさを放つ1台です。
発売から数えるとざっと20年経っているものの、内外装ともに非常に美しく、一般的に経年劣化が目立ちやすい欧州車としては、異様といってもいいくらいの高コンディションを保っています。
オーナー様が注ぎ込んだ愛情のほどが伺えますね♪
今回はネオクラシック・カーお約束の純正スピーカーの崩壊をリフレッシュすべく、スピーカー交換とデッドニングをご依頼いただきました。
シンプルなウォールナット貼りのダッシュボードには、先進的な車両情報表示モニターがはめ込まれ、センターコンソールのオーディオデッキともにきちんと動作しています。
よって、これらヘッドユニット周りは手を付けず、スピーカー交換と、スピーカーの稼働条件を整えるためのデッドニングによるリフレッシュを行います。
交換に際しては、単に古くなったもののの入れ替え。ではなく、スピーカー数を増やすグレードアップを行いました。
今回のお車は標準オーディオ車で、フロント2way+リヤフルレンジの6スピーカーなのですが、BOSEプレミアムオーディオ仕様もオプション設定されていたんですね。
BOSE仕様は、○フロントが3wayに増えて、○トランクにサブウーファーがついて9スピーカーとなり、○セパレートアンプで駆動するお決まりの構成です。
後半の2つを再現するのは少しコストがかかりますが、フロント3wayはそれぞれを格納する場所は、標準オーディオ車も設計が共通なので、ここを活用してリーズナブルにフロント3way化してやろうというわけです。
使用するユニットは、audisonのAPシリーズです。
当コーナーでのご紹介頻度はそう高くありませんが、2way・3wayのシステムスピーカー(24000円〜42,000円)/ユニット単体(11,000円〜22,000円・税別)共に価格がリーズナブルで、出音もなかなか良好なシリーズです。
特に単体ユニットのサイズが豊富で、50mm、100mm、130mm、165mmと揃っており、今回のようにクリアランスに用心して、合いそうなものを選ぶ。という場合には大変重宝しています。
今回はこのラインアップのなかから、ハイパスフィルターが付属したツイーターAP1、50mm口径のスコーカーAP2、130mm口径のウーファーAP5をセレクトしました。
取り付けに際しては、ウーファーはしっかりデッドニングを行って、ドアの定位置に設置しました。
BOSE仕様の場合、ツイーターがミラー裏、スコーカーがダッシュボード上なのですが、標準オーディオの場合はミラー裏が空き家で、(BOSE仕様の)スコーカーの位置にツイーターが入っているので、今回導入するツイーター・スコーカーはBOSE仕様と同じ場所に取り付けました。
お手軽純正トレードイン!ではないので、ちょこちょことフィッティング・カスタマイズは交えましたが、プロショップのサービスとしては難易度という尺度を持ち出す以前のベーシックな作業でした。
純正スピーカー崩壊というマイナス域から、新車時以上のレベルまでの大変化にオーナー様も興奮?のご様子で、ありがたいコメントを頂戴することが出来ました。
作業の様子をどうぞ御覧ください♪♪
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フロントドア
ドアの外観です。
20年のときの隔たりを全く感じさせない、みずみずしさに満ちたコンディションを保っています。
デザインも今の車のように主張が強すぎず、平和そのもので落ち着きます。
ウーファー部分はカーペット生地で切り替えになっており、異素材で機能の存在を表現した素敵なデザインになっています。
ミラー裏にはグリルネットがかぶせてありますが、前述の通り、BOSE様用の物件なので中は空き家で、かつスケルトン?なのでツイーターを取り付けるための手がかりもありません。
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ドアトリム取り外し
上質な革張りトリムを取り外したところです。
サービスホールはウレタン?的なパネルで封じてありました。
一度、メンテか何かで開けたのでしょうか、ガムテで留めてありました。
純正スピーカー付近から骨董的な香りが漂っています。
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アウターパネル作業
アウターパネル側に手を入れていきます。
シートを剥がして、清掃と脱脂を済ませたらアウターパネルに防振材を貼り付けていきます。
サービスホールは内側からビニールシートが垂れ下がっており、このシートでドアトリム側への雨水侵入を防ぐ仕組みになっています。
ご覧のように、サービスホールが非常に小さいので、手を入れるのがやっとです。
穴が少ない=スピーカーボックスとしては優秀なのですが、作業性とはトレードオフの関係になってしまいますね。
ビニールカーテン(シャワーカーテン?)を破損しないように避けながら、慎重に腕を差し入れて、貼り込んでいきます。 -
インナーパネル作業
インナーパネル側が終わったところです。
冒頭で触れましたように、ウーファーのスピーカーケーブルは純正をそのまま使い、ツイーター用はそこから分岐させて確保しています。
写真では、すでにツイーターユニットAP1が取り付けられた状態で、青いカプラの下あたりに見える黒いハコがAP1に付属しているネットワークです。
フルレンジから低音域をカットするフィルター付きで、まさに今回のようなアドオン的な使い方も想定に入れた製品というわけですね。
ウーファーに周りについては、後でクローズアップします。
防振は、デッドニンググレード恒例の一面貼りです。
穴が少ない上に、今ほど燃費ネンピとやかましくない時代で鉄板も厚く、スピーカーボックスにはもってこいの素材でしたが、バッチリデッドニングしたことで、かなり重厚なドアに仕上がりました。
音響面のメリットはもちろんのこと、外来ノイズ防御効果により、一段と静寂性が向上しました。
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純正スピーカー
純正スピーカーの様子です。
20年を超えるネオクラシックの域に差し掛かると、これは仕方ないですね。
コーン紙(振動板)を周りで支えるダンパーのウレタンゴムが加水分解を起こして、ボロンボロンになっています。中には、ぐるっと一周なにも無し状態担ってるケースも少なくありませんので、まだマシな方かもしれません。
しかしビビリ音にだけについて言えば、このように適当に残ってるほうが触れ合う機会が生じる分、耳に付きます。 -
ドアスピーカー交換後
audisonのスピーカーに交換後の状態です。
インナーパネルにあいているスピーカーホールの寸法としては、標準的な165ミリサイズのAP 6.5が入りそうなのですが、背面のマグネットとウインドウとのクリアランスの余裕が少なく、前に出すと、ドアトリム側とのクリアランスもちょっとタイト。。ということで収まりを検討した結果、ワンサイズ小さい130mm口径のAP5で落ち着きました。
そんなわけで、穴を塞いだ分、バッフルの面積が大きく見えています。
バッフルの筒状の部分の内面は、音の抜けを良くするように奥に行くにつれて口径を広げる「テーパー形状」に加工してあります。
このaudisonのスピーカーは価格的に質的にもエントリクラスであり、5万、10万、15万といったハイエンドスピーカーと比べると、性能を左右する要素であるバスケットの堅牢性、振動板のねじれ耐性とダンパーのバランス、マグネットの強さといった点では劣後します。
しかしながら、音響という一段上の次元から眺めると、スピーカーは(主要ではあるが)駆動部品でしかなく、スピーカーボックス(エンクロージャー)の性能と、スピーカーの固定の工法のほうが、先に論じられるべきテーマとなります。
スピーカーの性能うんぬんは、この基礎が完全に整えられた後の議論ということですので、スピーカーの品質・価格に関わらず、バッフルづくりとデッドニングはしっかりとやっておきたいですね。
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ツイーター加工
次に高域側ユニットのツイーター取り付けに移ります。
ツイーターはドア外観のところでご覧いただいた、ミラー裏の▲カバーのところに取り付けます。
見てみた所、あまり余裕がありませんでしたので、ツイーターを加工して装着ができるようにスリム化していきます。
左が製品AP1そのままの状態、右がダイエット後です。
パンチングのグリルを外し、周囲の樹脂部分も削りました。この状態でギリギリ収まるようになりました。 -
標準の位置への加工取付
これがミラー裏のカバーを裏から見たところです。
ネットはファブリック素材をボンドで貼ってありますね。
旧車っぽくもあり、英国車のクラフト感もあり、なかなかほっこりです。
固定については、今の車だと、ユニットこそないけどカチッとはめ込むための爪があったりするのですが、手がかりがまるでありません。
クリアランスがない分、カバーとの距離も近いので、直接接着することで固定しました。ナナメになっているのは、何とか角度をつけて設置しました。
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純正ツイーター
またツイーターが出てきてしまいました。
混乱させてすいません。
写真のユニットはダッシュボードの矢印のところに取り付けられており、(今回の)標準オーディオの2way仕様の場合はツイーター、BOSEの3way使用の場合は(中音域の)スコーカー、を取り付けることになっています。
今回の新しいツイーターは、既にミラー裏に取り付けましたので、この純正ツイーターをスコーカーとして選定したaudisonのAP2に差し替えることになります。
この純正ユニットをよく見てみると、ハイパスフィルター(低域カット)の役を果たしている青いコンデンサーが見えます。これをもって、全帯域を含むフルレンジ信号が来ていると確定させることはできませんが、標準オーディオの場合はデッキ出力の段階で、あらかじめ帯域を絞ってあることはまれなので、ほぼ確定でしょう。(図ればわかりますけど)
ちなみに、このコンデンサーがついている極性がプラスなので、その前提で新スピーカーAP2を繋ぎます。 -
スコーカー取り付け
AP2取り付け後の様子です。
樹脂グリルに設けてあったネジ穴を基点にして、AP2が中央に収まるようにバッフルの図面を作り、切り出して作りました。
前カットでふれましたように、ここまで来ている配線はフルレンジですので、当店で準備した300HZ(以下を通さない)のハイパスフィルターを挿入してユニットに負荷を掛けないようにします。
このスコーカーの高域側はツイーターとカブリますので、できれば上限も抑えて(上も下もカットする)バンドパスフィルター化して解決したいところですが、ご覧いただいたように、ツイーターはまあまあ窮屈な取り付けで出音が100%ではないため、高域が耳障りになることもなく、快適に聴ける範囲で着地したように思います。
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作業後記
今回はジャガーの名車のオーディオリフレッシュメニューをご覧頂きました。
登録から15年、20年と経ってくると、メーカー・グレード関係なくスピーカーは劣化してしまいます。
最初の症状は例外なくダンパーからで、硬化してひび割れて、割れ目で接する両端がビビリ音を発生させはじめます。最初は「ん?」というくらいですが、次第に大きくなり、一時期は慣れて麻痺する時もあるようですが(笑)、これはアカンということになります。
こういった場合、純正のスピーカーを入れ替えるだけで済みますので、例外なく外観に変化を生じさせずにリフレッシュが可能です。
ただ、せっかくの機会だからということでしっかりとしたバッフルを組んで、ドア防振を行い、もともとの純正スピーカーを遥かに超える音質にグレードアップするのが主流です。
サウンドアッププログラムによるスピーカー交換は、スピーカー代をいれて概ね10万円〜といったところです。
今回はちょっと変化球で、もともと備わっていた設置場所を生かしてフロント3way化を果たし、バッフル制作とデッドニングもしっかりとやりましたので、143,000円(税別)かかりました。
これからも長く付き合いたい愛車。
スピーカーの劣化が気になる。。という方はオーディオリフレッシュをどうぞご検討ください。
また、純正のナビの陳腐化をそろそろなんとかしたいという方もどうぞご相談ください。
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