ダイハツエッセのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.582(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ダイハツ エッセ
system
メインユニット:KENWOOD DPX-U740BT
ドアチューニング:フロント
フロントスピーカー:JBL STADIUM GTO600C
リアスピーカー:無し
パワーアンプ:内蔵(ハイパスフィルターを入れてバイアンプ接続)
ケーブル:kaiser swingcomment
サウンドアッププログラムによるスピーカー交換(2way化)と、車種専用化粧パネルをつかった2DINオーディオデッキ交換を行いました。
ドア周りの手入れで音質アップは当然ですが、ブルートゥース再生&ハンズフリー通話は快適ですよ♪
ダイハツ・エッセのダッシュボードです。
現在は販売終了となっており、2005年から2011年までの6年間に渡って販売されていたクルマです。
700キロ台と軽量で、自然吸気では比較的高出力なエンジンを積んでいたこともあり、外観のかわいさに加えて走り性能でも人気のあった車種なので、売れなくなっちゃって、、というよりも、メーカーの政策的な判断から終了となったのかな感があります。
ちなみに後継はミライースということになっています。
このエッセとは、なーんとなく縁が切れない不思議な感じがありまして、思い出した頃にぽつん・ぽつんとお預かりの機会に恵まれます。
当エントリーご紹介の段階で、インストールギャラリーに2件だけ(今回含めて3件)登録させていただいておりまして、今回のお客様はこれらの事例をご覧になり、ご来店いただきました。
今回のオーダーはサウンドアッププログラムによるスピーカー交換と、デッキ交換です。
●スピーカーは、JBLの2wayセパレートモデル、Stadium GTO600C(30,000円・税別)です。
エントリモデルのCLUBシリーズの一段上のミドルクラスで、コスパよくJBLテイストを味わえるモデルです。
純正と比較すれば、ジャンルを問わずいい音きかせてくれますが、米国発祥ブランドですので、特にロックやジャズ系が得意ですね。
軽自動車のスピーカー交換は、オーディオメーカーの適合表上では「取付不可」扱いのものが少なくありませんが、専門ショップであれば軽度の加工でほとんどのクルマで交換可能です。
今回のエッセについては、ちょこっと鉄板のキリトリ加工を行いましたが、バッフルについては、オージーというブランドから樹脂製の低価格商品が発売になったので、カスタム製作はせずにこちらをつかいました。
●デッキの方は、ケンウッドのDPX-U740BT(オープン)です。
2DINサイズのオーディオデッキで、ソースはCD/USB/iPodに加えてブルートゥースにも対応しています。
再生可能ファイルはMP3/WMA/AACの圧縮系のほか、WAVとFLACも対応しています。
アンプは50Wを4ch内蔵しており、タイムアライメント・イコライザーなどの音作り機能も備わっていて充実しています。
あと、やっぱり現実的な利便性の点でポイント高いのが、ハンズフリー通話ですね。
概念も用語も、特に新鮮さはありませんが、標準でついてなかったクルマは今もたくさん走っています。とりあえず留守電でいいや、という方はいいにしても、相手によっては慌てて停車!という方の場合、法規上はOKでしょうけども、意識と姿勢が揺れている分、実際は危ないですよね。
ハンズフリー機能付きですと、一回ペアリングしておけば、乗り込むたびに繋がりますので、着信があったら、安定した姿勢で、定位置のデッキの通話ボタンをピッ♪と押すだけで通話できてしまいます。
相手の声がスピーカーから聞こえる体験と相まって、ナニゲに感動されるポイントです。
ダッシュボード上面のレイアウトは、センターメーターで左右対称。だいぶフラットで奥行きもあり、割と条件が良いです。
かわゆいエッセにグッドサウンドを添えられるように頑張りたいと思います(^o^)
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純正オーディオ
まず交換前のデッキ部を御覧ください。
自動車の業界内で「異形オーディオ」なんて隠語で呼んだりしてますが、ダッシュボードのデザインに合わせて、個別の車種ごとに開発されたデッキです。
内部ロジックは共有化されてるものと思いますが、フロントパネルを含めて筐体は都度、デザインして型を起こすわけですから、だいぶコストがかかってますよね。
このエッセのCDレシーバーもダッシュボードに合わせて2色のパネルがあり、さらにオーディオレス、ナビ用の2DINワイドパネルと3種類、2色と合計6パターンもバリエーションがあります。
今は内部ロジックは完全に共通で、車種とグレードに応じて選択的に使う。画面は複数のサイズの液晶パネルから選ぶ。ことで、徹底的にコストを削ってる感じですね。よく言えば統一感ですが、その分、車ごとの個性は損なわれているように思います。
こうやって改めて「異形オーディオ」を眺めると、なんだかほっこりしますね。
テキスタイル調のエンボスがいい感じです(^o^) -
ケンウッドのオーディオ
こちらが交換後です♪
冒頭でご紹介したDPX-U740BTです。
ケンウッドの(DVDなしの)2DINオーディオには、これとブルートゥースなしの2モデルがあります。
こちらのほうが機能充実の分、価格は上ですが、それでもやっと2万円といったところなので、ナビなしオーディオデッキとしておすすめする機会の多い製品です。
取り付けに際しては、このエッセ用のフェイスパネルを使いました。
複数メーカーから同じものが販売されていますが、今回はOEM供給元のカナック企画製。
型番はKK-D50D(7,000円)を使用しています。
パネル色はもとのベージュからブラックに変わりましたが、エアコン吹出口や下方のボタン類も濃色なので違和感ないですね。
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フロントドア
それではドアの施工関係のご紹介に移ります。
ドアトリムはこんな感じです。
ポケットの部分はネジ固定ですが、トリム側はほぼクリップで固定する仕様です。パチンパチンで脱着です。
ちなみにポケット部の奥は塗装された鉄板。いわゆるインナーパネルです。ここに防振材貼っちゃったらマズいですね(笑)
ウケそうなら対応しますので、別途ご依頼ください(`・ω・´)ゞ
スピーカーグリルには、音符がデザインされています。いいですね♪
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ドアトリム取り外し
それではご対面です。
最短でも8年は経っているモデルですが、予想していたほどにはヤレておらず、きれいです。
純正スピーカーは、この時代の定番、16cmトレードインサイズの鉄板バッフルに10cmのペーパーコーンです。
量産品ではありますが、人が作った気配が漂っていて、どこか温かみがあります。
エッジはしっかりとしており、ダブルコーンのつばも奇麗でした。外すのもったいないですねぇ。
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アウターパネル作業
それでは手を動かしていきます。
ビニールを剥がしてブチルゴムを清掃し、アウターパネルを脱脂・清掃したらオーディオテクニカのAT7560Rを貼ります。
中央の黒いパネルは、パワーウィンドウのレールとモーターが組み込まれているモジュールパネルです。
今の主流のぴったり覆いかぶさっているタイプだと、一旦取り外す必要がありますが、サービスホールを残してくれているので、このままで手を差し入れることが出来ます。
スピーカー配線もこの時点で引き直しておきます。
スピーカーホールの右下にちらっと見えますね。この一組と、ツイーターの待つミラー裏に向かうもう一組が、ドア内に通線されています。
スピーカーホールには、冒頭でご紹介した樹脂製バッフルがつき、内側にはアルミ・ガラステープが貼られています。
バッフル取り付けに際しては、軽加工を施してありますので、これは最後の方でまとめてご紹介しますね。
とりあえずインナーパネル防振のカットに進みます。 -
インナーパネル作業
それではドア最終です。
スピーカーケーブルをJBL Stadium GTO 660Cのウーファーにつなぎ、バッフルに固定します。
その後、防振です。
オーディオテクニカのAT7550Rを使って、サービスホールを塞ぎ、共振しそうなところ中心に貼り込んでいきます。
ドアトリムの範囲からはみ出ないように気をつけないといけませんね。(汗)
バッフルの周囲もはみ出るギリギリまで貼っておきます。
以上でドアは終わりです。お疲れさまでした。
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ツイーター取り付け
次にツイーターです。
ドアミラーの裏には、ツイーターを取り付けることができるカバーが装着されています。BMWなどでおなじみの黒三角です。
ですが、ちょっと様子が違います。
表から見ると、ツイーターグリルっぽいデザインになっていて、実際にスリットも設けられているので、中がなんとなく見えます。
しかし、裏側を見てみると、ツイーターユニットを固定するような爪や溝などが一切ないのです。
これは完全なデザインなのかもしれませんね。プラスチックの漬物の樽に表現されている竹で編んだタガみたいな感じでしょうか。
まあ、背景はわかりかねますが、スリットまで切ってくれてあるのなら、やることは一つ。接着剤固定です。
時々ご紹介している車内用途に向く接着剤をつかって固定します。
粘りがあり、振動と熱に強いです。
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あと、ご説明があとになりましたが、このツイーターと前出のウーファーは、キット付属のネットワークを使わず、デッキのリヤアンプ→ツイーター、フロントアンプ→ウーファーというふうに、バイアンプ接続しました。
そのまま直接だと、ツイーターを壊しますので、低音域をカットするハイパスフィルターを入れています。(デッキ裏においてあります)
なお、今回起用したケンウッドのデッキDPX-U740BTには、フロントのスピーカー出力の内、高域部分のみを「仮想ツイーター」に見立てて、カットオフ周波数とスロープ、ゲインが調整できるようになっています。なかなかユニークな機構ですね♪
ただ、申し上げたように、高域側のみ別途調整はできるものの、低域側の信号も同じチャンネルから出力されますので、そのままツイーターを直接接続すると、当然ながらツイーターが壊れてしまいます。
今回のハイパスフィルター取り付けによって、破損を防止するとともに、ユニットに合ったカットオフを行っています。 -
ハンズフリー通話用マイク
次はステアリングコラムの上にやってきました。
前出のケンウッドの2DINオーディオデッキ、DPX-U740BTに付属する通話用マイクの取り付けです。
ステアリングコラムの中央には、スマホや小物が置けそうな便利トレイが設置済みでしたので、花見の場所取りに出遅れた感じで、脇に座らせてもらいました。
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バッフル加工-1/3-ダイハツ用バッフル
インナーパネルのところで予告してました、バッフル取り付け関係の加工の様子を3コマで解説いたします。
写真の細身のバッフルが、オージー製のダイハツ車用樹脂バッフルです。
6インチ=国産でいうと17cm、海外製品では16.5cmのサイズが取り付け可能です。
窓ガラスとのクリアランスさえ解決できれば、内装との干渉は回避できるよう、微妙な厚みにしてある優れものです。
写真は純正スピーカーのネジ穴をつかって、とりあえず仮止めした状態です。
絵的には妙に調和していますが、落ち着いてよくみてみると、バッフルの内側に均等に鉄板がはみ出ていますね。
これは緊急オペですね。 -
バッフル加工-2/3-鉄板カット
手術の準備です。
前カットの状態で、マジックで内側をなぞるだけ!と、準備は簡単です。
この後、空気圧で刃先が律動する「エアソー」を使って、フリーハンドでカットしていきます。
前述の樹脂バッフルを購入すれば、DIY取り付けそのものは難しくありませんが、こういった作業はちょっと道具が必要な分、ハードルが上がりますね。
これをやらなかった場合との聴き比べは事実上出来ないので、違いを体感していただくのは難しいですが、違いははっきり出ます。
コーン(振動板)が前後に動く際の抵抗になるわけですから、ドカドカ大きく振幅させる大音量再生の場合に限らず、微細なディテールを表現しようという時も、こまかく足手まといになるわけです。
中域もっこりの平凡でもたついた音を避けるために、手術、大事です。
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防錆処理
切った後の養生の様子です。
高張力鋼板と、純粋な鉄とのサビやすさにどれくらい差があるのでしょうか?
鋼板のほうが鉄よりは錆びにくいと思うんですが、雨が入るところでもありますし、ちゃんと塗装して防錆しときます。
下方の切り欠きは水抜きの溝です。上方のマージンが5ミリくらいしか無かったため、鉄板カットの際に穴が繋がってしまいましたが、バッフルを固定した後で、内側をアルミテープで貼り込んで隙間をすべて塞ぐので問題ありません。 -
作業後記
今回はダイハツエッセのサウンドアップの様子をご覧いただきました。
ドア周りについては、標準的なサウンドアッププログラムですが、薄さが求められるバッフルに、新発売の薄型樹脂製バッフルを使ったのがポイントですね。
MDFで作ったり、メタルリングをつかったり、方法は幾つかありますが、パーツ代が安く、軽加工で取り付けられるバッフルは魅力的ですね。
あと、今回の目玉はデッキ交換ですね。
車種専用のフィッティングパネルは昔からありますが、半導体産業の青天井の技術革新と、なにげのデフレ進行の影響で、十分つかえるデッキが、かなり安いです。
結構高性能な内蔵アンプとプロセッサの音に加えて、ブルートゥース再生&ハンズフリー通話の小さな幸せ。どうぞ味わってください♪
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軽自動車だとオーディオの音質向上が望めないように思い込んでいらっしゃる方が多いような印象があるのですが、今回の例を引き合いに出すまでもなく、決してそんなことはないんです。
「普通車と何か決定的な違いがあるか?」と考えればおのずと答えは出ます。
一般的な傾向として・・・
(1)ドアが薄い(アウターパネルとインナーパネルの距離が近い)
(2)インナーパネルと内装の距離が近い
くらいのことはありますが、防振やスピーカーインストールの工夫でだいぶ克服できてしまうので、決定的な違いとは言えません。
むしろ、オーディオでもっともクリティカルなファクターである「空間」の大きさと形状については、ミニバンに追いつけ追い越せ!とばかりに、規格の枠いっぱいに拡大したひろびろキャビンを持つ車が大半ですから、この点では何ら差がないと言えます。
強いて言えば、フロントウインドウがドライバーに近くて、切り立っている形状のキャビンよりは、今回のエッセや、アルト系のように、ボンネットがあって、それなりにダッシュボードの奥行きがあるような車のほうが、音像の作りやすさの点でアドバンテージがあるかな。という差くらいのものでしょう。
で、手始めに何をやるかと言えば、これこそ今回のサウンドアッププログラムなのです!
思いっきり我田引水で恐縮ですが、自信を持っておすすめします。
クルマのオーディオのグレードアップには、川上のデッキ、プロセッサ、アンプから、川下のデッドニング、スピーカーと手をつけるところは複数ありますが、最も体感(聴感)上の変化が得られやすいのは音の出口である、川下のデッドニングとスピーカー交換の部分なのです。
いわゆるコストパフォーマンスが最も高い部分ということですね。おすすめする理由はここにあります。
当店の人気メニューのサウンドアッププログラムでは、デッキ裏からドアに渡るスピーカーケーブルの交換、ドアの防振、インナーバッフル製作、スピーカー交換と、ドア周りのグレードアップをワンストップで完成させるメニューを、一日の納期でご提供しています。
価格は73,300円(税別)+お好みのスピーカー代とコストパフォーマンスも抜群です。
ちょっと音にこだわりたいお客様。どうぞお気軽にご相談ください♪
電話もお気軽に♪03-5913-8450です!